田舎暮らしのメリット・デメリット、物件・仕事の探し方

知って得する新しい移住のイロハ~その15~


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自然豊かな環境で温かい人たちに囲まれてのびのびとスローライフを満喫できる。
そんなイメージと共に語られることが多い田舎暮らし。でも、実際のところどうなのでしょうか?

この記事では、田舎暮らしを検討されている方に向けて、田舎暮らし・地方移住のメリット・デメリット、先輩移住者の体験談、物件・仕事の探し方、活用したい支援制度まで、田舎暮らしに関する情報をまとめてお届けします!

 

目次

注目を集める、田舎暮らし

若い世代の約半数が関心あり

内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が東京圏(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)在住の 20~59 歳の男女(対象数:10,000サンプル)を対象に2020年1月に行ったWEBアンケート調査によると、東京圏在住者(20~59歳)のうち地方暮らしへの「意向あり」と回答した方は49.8%(関心層36.1%、検討層11.5%、計画層2.2%)と、約5割が地方暮らしに関心を持っていることが分かりました。

また、地方圏での暮らしに「関心がある」「やや関心がある」「関心とまではいかないが、気にはなっている」のいずれかを選択した方にその理由を聞くと、最も多かったのが「豊かな自然環境があるため」54.8%、次いで「生まれ育った地域で暮らしたいため」16.2%、「東京圏での生活が自分に合っていないと感じたため」が11.1%となっており、現役世代は地方ならではの自然豊かな住環境に関心を寄せていることが伺えます。

参考:内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局『移住等の増加に向けた広報戦略の立案・実施のための調査事業 報告書

人生観・仕事観の変化

田園回帰・里山回帰とも呼ばれるこうした潮流の背景にあるとされるのが、現役世代の人生観・仕事観の変化。

特に2011年3月11日に発生した東日本大震災は大きな社会的インパクトを与え、多くの人が暮らし方・働き方を根本から見つめ直しました。震災後、若い世代を中心に聞かれるようになったのが、老後のために今を犠牲にして働き続けるのではなく、仕事や家庭、プライベートの時間のバランスを取りながら目の前の暮らしを大切したいという声。さらに、終身雇用の前提が崩れていく中でワークライフバランスを求める動きや、起業、創業、小商い、生業づくりなど企業組織に頼らない働き方の実践者も増え、より豊かな暮らし方・働き方を実現するフィールドとして積極的に地方を選ぶ若者も出ています。

政府・自治体による手厚い支援

政府・自治体も、国家課題である東京一極集中の是正と人口減少対策、少子高齢化が進む地方の定住人口や関係人口の増加、地域社会の担い手確保、地方創生の好機にもなりうるとして地方移住促進に力を入れており、手厚い移住支援金や支援制度を設けて地方移住をサポートしています。

例えば、政府が実施する移住支援金制度では2024年度までに地方移住すると最大200万円(起業すれば最大300万円)の補助金が交付され、これとは別に独自に支援金制度を設けている自治体もあるため、最大合計400万円程度の支援が受けられる可能性があります。

 

多様化するワーク&ライフスタイルの中で、定年退職後の第二の人生を謳歌するためではなく、メインの人生をより豊かなものにするために。また、起業・創業等の新しいチャレンジを柔軟に受け入れるフィールドとして、公的支援制度も追い風となって田舎暮らしへの注目が集まっているのです。

 

田舎暮らしのメリット・デメリット


環境の良いところで伸び伸び暮らせるイメージがある田舎暮らしですが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?ここでは実際に田舎暮らしを実現された方々の体験談を元に、それぞれ4点ずつご紹介します。

メリット1:自然環境が良い

移住先の地域にもよりますが、美しい自然の中で四季を感じながらゆったり暮らせることは田舎暮らしの大きなメリット。海・山・川にも比較的気軽にアクセスできるので、アウトドアスポーツやレジャー、温泉などアクティブな趣味ができて人生が豊かになったと語る移住者も多く見られます。

メリット2:食が豊か

採れたて新鮮な海・山・里の幸や旬の食材が安く手に入ったり、スーパーで何気なく売っているお刺身や果物が驚くほどおいしかったり、食の産地に近い地域ならではの楽しみが増えることも田舎暮らしの大きな魅力。

生きる上で欠かせない”食”の豊かさは、暮らしの豊かさにもつながるはずです。

メリット3:地価・家賃が安い

不動産を購入する場合も賃貸住宅を借りる場合も、都市部よりも予算を抑えることができます。「マイホームを持ちたい」「広々した家でゆったり暮らしたい」という方は、地域の空き家を上手に活用することで都市部よりも低予算でより敷地面積の広い物件が手に入る可能性があります。

メリット4:プライベート時間を確保しやすい

居住地域にもよりますが、田舎では都会ほど家と職場が離れていないため通勤・通学に時間が掛かりません。そのため、これまで通勤に充てていた時間をプライベートの時間に替えて、仕事終わりに趣味の時間を楽しんだり、家族と過ごす時間を増やしたり、私生活を充実させるための時間が確保しやすくなります。

自転車・車通勤者も多いので、毎日満員電車に揺られるストレスからも解放されるはずです。

 

こうしたメリットがある一方で、田舎暮らしならではの自然環境の良さやコミュニティの強さなどがデメリットに映ってしまうこともあります。

デメリット1:生活インフラが充実していない

スーパーやコンビニが身近にあり、ネットで商品を注文したら翌日には届く。そんな都市部の暮らしに慣れてしまうと、田舎ならではの不便さに悩まされやすいかもしれません。

地域によっては生活圏にスーパーや飲食店などがなく、日用品の買い出しですら車を使って近隣地域まで遠出しなければならないところも。また、医療設備が整っていない地域もあるので注意が必要です。その他、教育施設や塾などの習いごとの選択肢も都市部ほど多くはないので、環境が子どもの可能性を狭めることがないよう、移住前に十分検討する必要があります。

デメリット2:交通の利便性が低い

電車やバスの本数が少ないことに加え、過疎地域等では利用者が減って採算が取れないなどの理由から減便・廃線も相次いています。台風や大雨、大雪、土砂災害などの自然災害の発生率が高く、その影響を受けやすいのも注意すべきポイント。

また、車がないと生活できない地域も多く、地域によっては雪道運転等の必要が出てくるかもしれません。特に車の運転が苦手な方は注意が必要です。

デメリット3:賃金水準のギャップがある

都市部に比べると職業選択の自由度が低いことに加え、求人自体が少ない地域も多く見られます。また、一般的に田舎の賃金は都市部と比べ低い傾向にあります。

近年はリモートワークが浸透してきているので、仕事を変えずに田舎暮らしをする「転職なき移住」を検討するなど、都市部の仕事を田舎でこなすワークスタイルが実現できないか、起業して新規ビジネスを立ち上げられないかなど、新しい働き方も視野に入れつつ移住する前に収入源を確保できるよう準備を進めていきましょう。

デメリット4:人間関係が濃い

田舎では住民みな顔見知りが当たり前。こちらは“自然豊かな場所に引っ越し”程度の気持ちでいても、地域住民は築き上げてきた地域コミュニティーに“よそ者が入ってきた”と警戒感を抱くケースもあります。その土地ならではの慣習やルールを尊重して上手く関係性を築いていかないとトラブルに発展してしまうかもしれません。

地域の文化や慣習、価値観に敬意を払い、時間をかけて少しずつ信頼を獲得していく努力を怠らないようにしましょう。

田舎暮らしの注意点

田舎暮らしを叶える上で、注意すべきポイントにはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは移住希望者からよく寄せられる質問にお応えしながら、田舎暮らしの注意点をご紹介します。

田舎暮らしには向いている人と向かない人がいる?

生き生きと田舎暮らしを謳歌する人がいる一方で、移住後に「自分には馴染めない」と気付き都市部に戻ってくる人も見られます。一般的に田舎暮らしに向かないと言われる人の特徴には以下が挙げられます。

対人コミュニケーションが苦手な人・煩わしく感じる人

田舎では都会のように近所づきあいは最低限でも大丈夫、とはいきません。居住地区の草むしりから自治会・町内会、消防団、地域行事まで、地域住民とコミュニケ―ションを取り互いに協力しなければならないシーンが多々あります。

日頃から支え合っているからこそ、もしもの時にも助け合えるもの。地域住民同士との交流の場を大切にし、積極的に参加できる人の方が地域に受け入れてもらいやすいです。

濃厚な人間関係が苦手な人

「馴染めなかった」という人に多いのが、村社会特有の常に監視されているような状況に息苦しさを感じたというもの。移住先の地域によっては、常に地域内の力関係に配慮した言動を心掛けなければならない、婦人会の派閥争いがある、男尊女卑の風潮があるなど、狭いコミュニティーゆえの文化が根強く残っているケースが見られます。また、地域に移住者が入ってきただけで”よそ者”が来たと騒ぎになったり、噂があっという間に広がったりするなど、初めて田舎で暮らす方にとっては戸惑うシーンも多いかもしれません。

虫やヘビなどが苦手な人

田舎で暮らしていると、大小様々な虫やヘビ・トカゲ・ムカデ・カエル等に頻繁に出くわします。家の中に入ってくことも日常茶飯事なので、苦手にとっては大きなストレスになり得ます。

暮らしに刺激を求める人

娯楽・商業施設・飲食店等の選択肢は都市部ほど多くありません。そのため、毎日新しい刺激が欲しいという人よりも、日々の暮らしの中にある小さな変化を楽しみ自分なりの豊かさを見出せる人の方が田舎暮らしを楽しめます。

運転できないとダメ?

地方は車社会なので運転ができるに越したことはありません。都市部では自転車でもスイスイ移動できますが、車移動が前提の地域では道路が舗装・管理されていないところもあり、車優先になりがちなので自転車移動の方がかえって危険な思いをする場合もあります。

ただ、全ての地域で車がないと生活できないというわけではありません。例えば地方都市は交通の便が良いことが多いですし、少子高齢化が進む中でまちの中心部に商業施設や教育・医療機関を密集させるコンパクトシティ化を推進している地域も増えてきています。また、地域住民の足としてコミュニティバスを運行させている自治体もあるので、車の運転に不安がある方は移住希望先の交通事情を事前にチェックしておきましょう。

事例:福島県浪江町|車がなくても移動の自由を確保。浪江町で活用が進むデマンド交通「なみえスマモビ」
https://mirai-work.life/magazine/2630/

実はお金がかかる?

地方は物価が安く食べものが手軽に手に入る、水資源が豊かなところに住めば水道代も安く抑えられる…など、田舎暮らしは低コストというイメージを抱いている方も多いかもしれません。

でも実際には、車移動が基本になることで車の維持管理費や保険代が掛かったり、雪深い地域では光熱費がかさんだり、徒歩圏内に学校や塾がないなどの理由で通学・通塾の交通費が掛かったり、子どもが遠方の学校に進学する場合は学費や交通費に加え寮費や生活費の負担が増えるなど、田舎暮らし=低コストとは限りません。

また、住居に関しても低価格で売りに出されている古民家等は、耐震基準を満たしていなかったり基盤や柱が傷んでいるなどの理由で購入後に大規模な修繕が必要なケースがほとんど。地代・建物代よりも改修・メンテナンス費がかさむ物件もあります。前述の通り地方と都市部との賃金水準にはギャップがあるので、移住する前に支出入のバランスが取れるかを検証しましょう。

地域コミュニティーに馴染めるのか?

土地との相性は、実際に現地に赴き五感を使って感じ取らないと分からないもの。移住してから後悔しないようにするためにも、移住する前にできる限り何度も移住希望先に足を運び、できれば中長期間滞在し、現地のヒト・コト・モノとの出会いを通して暮らしの現実を知ることをおすすめします。また、その際に地域住民と積極的に交流し、住居を移す前に人脈を築いてしまうのもひとつの手。初めて住む土地でも、困った時に頼れる人がいるかいないかで地域の印象は変わってくるはずです。

 

田舎暮らしの実際・地方移住者の体験談

実際に田舎暮らしを実現された方々は、どのような経緯で移住し、どのような暮らしを送っているのでしょうか?ここではTURNS WEBに掲載中の先輩移住者に対する取材記事の一部をご紹介します。

体験談1:【子育て】神奈川県川崎市→熊本県天草市|黒沢三穂さん

東京で生まれ育った⿊沢三穂さんは同じく東京出⾝のご主⼈と結婚後、神奈川県川崎市に物件を購入し⼦育てをしていましたが、1年も経たないうちに東⽇本⼤震災にみまわれました。これを機に⿊沢さん夫妻は子育て環境を見直したいと田舎暮らしを検討し始め、熊本県天草市の海辺のまちへの移住を決意。⼦育てのかたわらで自宅でサロンを開業し、アロマセラピストとして活動されています。

▶取材記事はこちら
⼦どもと⼀緒に親も育ててくれる。「⽣きる」ことを感じる天草の暮らし
https://turns.jp/77271

体験談2:【古民家暮らし】東京都→福島県相馬郡飯館村|星野勝弥さん

都内で精神障がい者向けの訪問看護を行ってきた星野さんは、「地域医療の分野で福島の復興に貢献したい」と飯舘村への移住を決意。築約30年の木造住宅を改修して古民家暮らしを実現しつつ、家の敷地内にあった蔵を改修して訪問看護事業を開業し、在宅治療などのケアを必要とする方々を支える活動を行っています。

▶取材記事はこちら
空き家を改修して、古民家暮らしをスタート。地域の医療に貢献したい。
https://turns.jp/69186

体験談3:【新規就農】愛媛県松山市→愛知県名古屋市→愛媛県久万高原町|上村芽衣子さん

自給自足生活への憧れを抱いていた上村さんは新規就農を志し、緑豊かな久万高原町へ。そこで出会った農家さんが作るトマトのみずみずしい味に魅かれ、ご夫婦でトマト農家として新規就農を果たしました。そんな上村さんに、農家として独立するまでの経緯や現在の暮らしについて伺いました。

▶取材記事はこちら
高原のトマトと里山の風景に惚れて移り住み、大切なものを継いでいく。
https://turns.jp/23968

体験談4:【半島暮らし】飛永瑞希さん、根岸弥佳さん、池田舞子さん

長崎県・南島原市で自分らしくアクティブに田舎暮らしを楽しむ3人にお話を伺いました。移住のきっかけもライフスタイルも異なる彼女たちに共通するのは、移住先で人と人が“つながる場”をつくったこと。地域の人だけでなく、地域外からも人が集まり、さまざまな情報が入手できる交流スポットから、まちの新しい歴史と文化が生まれ始めています。

▶取材記事はこちら
移住先で“つながる場”をオープン。自分らしく島原半島を楽しむ3人の女性たち
https://turns.jp/74166

体験談5:【地域おこし協力隊】

全国で約6000人(令和3年度)が活動している地域おこし協力隊。彼らがなぜ地域おこし協力隊を目指し、どんな活動をして、地域になにをもたらしているのか? そして、将来の目標は?計47名の地域おこし協力隊に現在の活動、そしてそれぞれの未来について伺いました。

▶取材記事はこちら
全国の地域おこし協力隊がリアルな今と未来を語る【地域おこし協力隊リレーTALK】
https://turns.jp/60659

 

田舎暮らしを体験するには?

移住する前に実際の暮らしを体験してみたいという方へ。短期~中長期間地方に暮らすように滞在する方法をご紹介します。

移住体験ツアーに参加する

田舎暮らしを体験する上でもっともおすすめなのが、移住希望先の自治体が開催している移住体験ツアーに参加すること。移住希望者向けに行程が組まれているので、地域のキーパーソンや先輩移住者、移住相談員と直接交流したり、地元住民がよく利用する施設を巡ったり、観光で現地を訪れただけでは出会えないようなヒト・モノ・コトとの出会いを通して移住後の暮らしをよりリアルに思い描くことができます。

ツアー情報は各自治体のHPやSNSのほか、JOIN(一般社団法人 移住・交流推進機構)のホームページにも掲載されています。

また、TURNSでも自治体とコラボレーションして移住体験ツアーを開催していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

TURNS移住体験ツアー

お試し住宅を利用する

お試し住宅とは、自治体が移住希望者用に整備している地域の暮らし体験住宅のこと。住宅規模は各自治体によりさまざまですが、地域の空き家を利活用して整備されたものが多く、ご家族でも利用しやすいゆったりとした間取りの住宅になっています。

また、利用料も移住希望者であれば週あたり数千円、月額2万円程から借りられるケースがほとんど。

中長期間暮らすように滞在してみると、移住する前に土地との相性やその地で暮らすメリット・デメリットを実感できるはずです。

民泊を利用する

自由に地域を見て周りたいという方は、民泊施設を利用してみるのもひとつの手。

近年では歴史ある古民家を改装した宿や廃校をリノベーションしたホテルなどおしゃれな宿泊施設が増えており、宿泊プログラムの一環で農作業や郷土料理作り体験などができるところもあります。風土や食文化に触れることで、新しい田舎暮らしの豊かさに気付けるかもしれません。

地域おこし協力隊になる

地域おこし協力隊とは、都市部から地方に移住し、地域プロモーションや地産品開発、農林水産業への従事、住民支援などを行いながら、その地域への定住・定着を図る総務省の制度のこと。任期は1年以上、3年未満で任期中は活動費(公費)を得ることができ、福利厚生や住宅費の補助が受けられるケースもあります。田舎暮らしを考える上てネックになる、仕事と住まいへの不安を払拭しながらじっくりと時間を掛けて田舎暮らしの準備ができるのが最大のメリットです。

各自治体が独自に指定する活動内容をこなすミッション型の地域おこし協力隊が一般的ですが、一部地域では任期終了後にその地で起業を目指す起業型の地域おこし協力隊もあり、任期中に起業に向けた準備を行い任期終了後そのまま起業するという事例も出てきています。

TURNSでも地域おこし協力隊の募集情報を更新していますので、ぜひチェックを。

地域おこし協力隊募集・求人情報
https://turns.jp/attention/%e5%9c%b0%e5%9f%9f%e3%81%8a%e3%81%93%e3%81%97%e5%8d%94%e5%8a%9b%e9%9a%8a

田舎暮らしの物件・仕事の探し方

田舎暮らしをする上で、ネックになるのが仕事と住まいをどのように確保するかということ。ここでは地縁がない土地への移住を検討中の方に向けて物件・仕事の探し方をご紹介します。

物件の探し方1:自治体の空き家バンクを活用する

田舎暮らしの物件を探す際、民間の不動産会社を利用するのも手段のひとつですが、各自治体が整備している空き家バンクを利用するのもオススメです。空き家バンクとは、地域の空き家の有効活用・利用促進を目的に、自治体や民間企業が物件所有者と居住希望者の間に入って空き物件を提供する制度のこと。

各自治体の移住ポータルサイト等に情報が掲載されているほか、JOIN(一般社団法人 移住・交流推進機構)のホームページには全国の空き家情報がまとめて掲載されています。エリア検索もできますのでご活用ください。

事例:長野県|楽園信州空き家バンク
https://rakuen-akiya.jp/housesearch/

事例:熊本県|熊本県空き家バンクプラットフォーム
https://kumamoto-akiya360.jp/

事例:JOIN(一般社団法人 移住・交流推進機構)|空き家情報
https://www.iju-join.jp/akiyabank/index.html

物件の探し方2:移住者向け公営住宅を活用する

移住者向け公営住宅とは、公的機関が移住・定住希望者に対して直接供給・管理する住宅のこと。一般的には移住後の住宅を取得するまでの期間限定で利用することができ、民間の不動産会社等の仲介が入らないため比較的低賃料で田舎暮らしの足掛かりとなる住居を確保することができます。

物件情報は各自治体のHPに掲載されていますので、ご希望の移住先の情報を調べてみてくださいね。

事例:福島県大熊町再生賃貸住宅
※1~2LDK。毎月の家賃目安は20,000円~52,000円で収入に応じて算定。
https://www.town.okuma.fukushima.jp/soshiki/seikatushien/19637.html

事例:香川県営住宅管理センター
https://kagawa-kenjyu.com/news/other/entry-101.html

事例:長崎県長崎市市営住宅
https://www.city.nagasaki.lg.jp/sumai/620000/621000/p036458.html

物件の探し方3:地域住民に紹介してもらう

理想の物件に出会えたという方に多いのが、地域の人に紹介してもらったというもの。地方では都市部よりも人と人とのつながりを重んじる傾向があり、また、住宅の管理方法にも地域住民の目に配慮せざるを得ないため、顔の見えない個人よりも知り合いや知り合いの紹介などを通して信頼のおける人に使って欲しいというのが貸す側、売る側の本音です。地縁がない方は前述の空き家バンクや公営住宅、シェアハウスなどを活用して町の方と交流しながら、根気よく理想の物件を探し続けることが大切です。

仕事の探し方1:自治体が発信する求人情報をチェックする

各自治体の移住・定住ポータルサイトには、最新の求人情報が掲載さています。また、JOIN(一般社団法人 移住・交流推進機構)のサイトには、全国の自治体のお仕事情報がまとまっています。
https://www.iju-join.jp/work/index.html

TURNSでも求人情報を発信していますので、あわせてご活用ください。

事例:宮城県仙台市|『OF HOTEL』のゼネラルマネージャー、マネージャー、スタッフ
https://turns.jp/62402

事例:島根県海士町|転職先は島。隠岐郡海士町求人ガイド
https://ama.turns.jp/

仕事の探し方2:ハローワークや移住相談窓口で紹介してもらう

ハローワークや移住相談窓口にはHP掲載前の情報も多く寄せられているので、積極的に活用するのがおすすめです。専任の相談員との対話を通して自分の考えを整理できるのはもちろん、例え相談時に求人がなくても移住の意志と培ってきたスキル、条件を伝えておけば、相談窓口によっては希望に近い求人が出た時に連絡をもらうこともできます。

仕事の探し方3:地域住民に紹介してもらう

地方では仕事も物件と同様に地域住民との交流の中から巡り会うケースも多く見られます。前述の移住相談員は地域コミュニティとのつながりが深い方や地域のキーパーソンとの人脈をお持ちの方も多いので、まずは直接相談してみることをおすすめします。

 

田舎暮らし・地方移住の支援制度

地方移住を検討する上で必ず抑えておきたいのが、全国の自治体が移住希望者、移住者に向けて展開する多種多様な支援制度。移住や移住後の暮らしに掛かる費用負担を大幅に軽減できる可能性もありますので、ぜひご活用ください。

※期間限定の支援制度も含まれている可能性がございます。ご検討の際は各自治体に最新の情報をお問い合わせください。

移住支援金

自治体によっては、県外からの移住者に対し「移住支援金」を交付しているケースが見られます。
転入時期や居住年数など、細かな対象要件を満たす必要がありますが、数十万円~100万円単位の新生活資金が得られますので、移住計画を立てる際に移住希望先自治体の支援金実施状況を調べてみましょう。

事例1:福島県12市町村移住支援金

福島県外在住者が、原発事故の避難指示等の対象となった福島12市町村(田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)に移住する場合に、世帯の場合最大200万円、単身の場合最大120万円を交付するもの。申請者は、移住等に関する要件、就業に関する要件(就業した場合)、起業に関する要件(起業する場合)、世帯に関する要件(世帯向けの金額を申請する場合)を満たしている必要があります。

また、申請期間がございますので、申請予定の方はご注意ください。

【申請期間延長】福島県12市町村移住支援金のお知らせ
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/11050a/fuku12-ijushienkin.html

住まいに関する支援制度

定住促進奨励金や、住宅建築補助、リフォーム支援金などがあります。

特に、全国で問題となっている地域の「空き家」を改修して住まいとする場合は、家の賃貸・購入・改修に掛かる費用の補填を行っている自治体が多くみられます。

事例1:山形県遊佐町

遊佐町に定住するため、住宅を新築・建替えを行う方に上限140万円の支援金を交付。

事例2:長崎県東彼杵町(ひがしそのぎちょう)

町が管理する空き家バンクに登録された空き家を改修する(事業費が20万円以上のものに限る)場合、経費の2分の1以内、補助限度額100万円を、空き家改修等奨励補助金として交付。

仕事に関する支援制度

就職、企業、創業に関わる資金援助やマッチング支援の他、新規就農、漁業就業を目指す方に対しては、道具の購入助成金を出している自治体もあります。

事例1:石川県かほく市

空き家・空き店舗を活用し、飲食店、雑貨店、飲食料品小売業、理美容業等を出店する際の物件購入費や改装工事費等に対し、最大360万円の補助金を交付。

事例2:静岡県湖西市(こさいし)

市内に住み、市の協力事業者として登録されている企業に就職した方に対し、1人あたり最大72万円の奨学金の返還を支援。

子育てに関する支援制度

結婚や出産や、子どもの就学時の祝い金支給のほか、保育料、給食費、18歳までの子どもの医療費の無償化やひとり親世帯の医療費補助など、ライフステージや子どもの年齢、人数によって受けられる支援は様々です。

事例1:福井県池田町

0歳から3歳までの乳幼児を養育している母親に対し、基礎手当金月額20,000円(いけだ応援券)を支給。

事例2:福岡県糸島市

0歳から中学校終了前(15歳になって最初の3月31日まで)の子どもを養育している方に対し、月額10,000~15,000円を支給。

移住希望先の支援制度を探す

「一般社団法人 移住・交流推進機構」のホームページでは、全国の自治体が行っている「住まい」「仕事」「子育て」などの各種支援制度をまとめて検索することができます。

移住者だけが受けられる支援や支援金、補助金制度もありますので、ぜひご活用ください。

※ご検討の際は各自治体に最新の情報をお問い合わせください。

自治体支援制度検索

https://www.iju-join.jp/support_search/index.html

全国自治体支援制度一覧

https://www.iju-join.jp/feature_exp/065.html

 

田舎暮らし・地方移住に関する本・雑誌なら、TURNS!

ローカルライフマガジン「TURNS」では、誌面、WEB、SNS、先輩移住者との交流会、移住体験ツアーなど様々な方法で地方で暮らし、働く魅力をお届けしています。今後もさまざまな方法で情報発信を続けていきますので、田舎暮らし・地方移住に関する情報をお探しの方はTURNSをご活用ください!

今回の記事が、皆さまがより豊かな暮らしを叶えるためのヒントになりますように。

 

文:高田裕美


地方移住、田舎暮らし、多拠点居住をお考えの方へ

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