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【4/20発売】Vol.29 特集「地方暮らしの可能性」
好ましい暮らしの正体、先人に学ぶ

田舎は自然が多いから暮らしやすい?
地方はインフラが安いから暮らしやすい?
本当にそうだろうか。

なにが普通で、なにが特別なのか、
わからなくなっている現代の暮らしで「本当の快適さ」を巡り、
地域の文脈のなかでのびやかに暮らす人の在りかたから、
地方の“真”の暮らしやすさを探した。

その暮らしかたはまるで、生きる感覚を取り戻すような。

文:アサイアサミ 写真:福岡秀敏

 


地方暮らしの可能性|特集1

感覚を取り戻すくらし1
「暮らすこと」を自分の中心に据えたらここにたどりついた

石見銀山生活文化研究所「根々」
多田純子さん

島根県・大田市。日本初の産業遺跡として世界遺産登録された石見銀山遺跡の中心、大森町の古民家に暮らす多田純子さん。
「ここで目が覚めて、息をして、生きていけたら幸せだな」
この地を訪れたときの直感を信じ、移住してもうすぐ4年。日々の中でほぐれはじめた、働くことと暮らすこととは。

文:アサイアサミ 写真:福岡秀敏

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感覚を取り戻すくらし2
お手本は、島のおばあちゃん
“まあそい”能登暮らし

能登デザイン室
奈良 雄一さん・田口 千重さん

20代でイタリアの「スローフード運動」に触れ、自分の暮らしの足もとにあるものを見つめ直したふたり。
半農半漁で自給自足の生活を長く営んできた石川県の能登島で、建築家夫妻が子育てしながらゆっくりとめざす能登流スローライフ、「まあそい」暮らしとは。

文・編集:高橋マキ 写真:石川奈都子

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感覚を取り戻すくらし3
選べないことの楽しさってある。自分の手で何とかしようとするから。

kegoya
柳沢 悟さん・熊谷 茜さん

冬の間雪に埋もれる豪雪地。
雪国ならではの「木小屋」を生かして、かご細工に炭焼き、マタギ、山菜採りをして暮らす夫婦がいる。
人間の暮らしとは生きることそのもので、本来、自然の営みからは切り離せない。「暮らしが仕事」と言いきる家族の、ワイルドであたたかな暮らしの記録。

文・編集:甲斐かおり 写真:飯坂大

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感覚を取り戻すくらし4
歳を重ねるのは面白い。想いがどんどん結晶みたいになってくる。

北の住まい設計社・代表
渡辺 恭延さん・雅美さん

北海道の屋根、大雪山系の麓に位置する東川町。
大らかな自然と田園の恵みが満ちる東川は、子育て世代が「移住したいまち」と注目する大いなる田舎だ。
市街地から少し離れた山あいにたたずむ「北の住まい設計社」は、その先駆け的存在。代表を務めるご夫妻の日々の暮らしをたずねてみた。

文:森廣広絵 写真:佐々木育弥 編集:來嶋路子

 


 

移住や引越しで環境は変えられるが、「暮らし」という、ひとりひとりの好みが異なるものをつくるには、何からはじめたらいいだろう。
賃貸住宅から暮らしのつくりかたを見つけてきた「まめくらし」代表の青木純さんに、暮らしをつくるヒントをおすそわけしてもらった。まずは自分の手が届く範囲から、はじめてみよう。

自分の暮らしは、主観で始めよう
かつて日本では、みんな同じような暮らしをしていた。
同じものを買い、同じような服を着て、同じような家に住んでいた。それが今では、暮らしかたが多様化している。だからこそ「自分にとって理想の暮らしをつくるには、主観が大事」だと青木純さんはいう。

「本来身近なものだったはずの『暮らし』が遠いものになってきている気がします。背筋を伸ばして、きれいなシャツを着て、丁寧につくられた料理を食べないといけない、といったように。そうやって誰かの暮らしに合わせることは疲れてしまうので、人と比べずに無理をしないことが大事だと思います。自分の手が届く中に幸せなイメージがあって、それを積み重ねたほうが心地いいと思うんです」

そのためには、まず自分の暮らしの中で好きなことや、好きな時間は何かを考えてみる。たくさんの本に囲まれながら読書をしたり、コーヒーをゆっくり淹れたり、友だちといっ しょに料理を食べたり。好きなことを基準に暮らしを選んでみることが、自分らしくて心地よい暮らしをはじめる一歩になる。

編集:古瀬絵里 文:伊集院一徹

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※記事全文は、本誌(vol.29 2018年6月号)に掲載