国土の約3分の2を森林が占める、世界有数の森林大国・日本。
森林の豊かさを守る上で重要な役割を果たすのが林業ですが、1963年に外国産木材の輸入が自由化されて以降、長らく産業衰退傾向にあるとされてきました。しかし、近年では最新技術の導入や六次産業化、稼げる林業化への取り組みが進み、若年者の就業率も向上。林業は、地域に人を呼ぶ産業へと変わりつつあります。
この記事では、林業に関心がある方やこれから林業に携わりたい方に向けて、林業の全体像や仕事の意義、現状と課題、そして、林業を生業にする方法や研修・支援制度についてご紹介します。
林業の仕事内容
林業(英語:Forestry)とは?
林業とは、森林を維持管理しながら樹木を植林、育成、伐採して木材資源を生産する産業のこと。
第一次産業のひとつに数えられ、木材のほか、薪や木炭、竹材、桐材、漆、山菜・きのこ類など、森林原野を起源とする生産物(特用林産物)をつくる仕事も林業に含まれます。
主な仕事の種類と流れ
土地を整備し苗木を植え、50~60年かけて育て収穫し、また新しい苗木を植える。この繰り返しを代々受け継ぎ、健全な森林と私たちの暮らしを守り豊かにしているのが林業という仕事の全体像です。
①苗木づくり
苗場(苗畑)と呼ばれる場所に種を蒔き、1~3年ほどかけて35~80cmほどの高さになるまで育てます。
②地ごしらえ|1年目
伐採作業を終えた場所に残された幹や枝、雑草等を整備し、新しい苗木を植えるために土地を整えます。
③植栽(新植、移植)|1年目
手作業で1本1本苗木を植え付けます。一般的に植栽は土の凍結・乾燥のリスクが少ない春や秋に行われます。
④下刈|1~7年目
苗木は周囲の草木に日光を遮られたり、水分を奪われたりすると健全に育たないため、それらに負けないくらいの大きさに育つまで(植栽後5~8年間)周囲に繁茂する雑草・雑木を取り除きます。
⑤除伐・つる切|8~15年
育成途中の木以外の木々や枝葉、幹に巻き付いたツルなどを伐り整えます。植栽木の枝葉が互いに接し合う場合は整備し、発育不良の木がある場合はここで除きます。
⑥枝打ち|8~30年
節が少なく真っすぐな木材を造るため、余分な枝をナタや斧、ノコギリなどを使って一本一本付け根付近から切り落とします。枝打ちによって日光が下層まで届くようになったり、枯れ枝を除去することで枯れ枝に産卵する害虫の侵入を防いだりすることもできるので、育林には欠かせない作業です。
⑦間伐|15年目~
植栽から15~20年ほどかけて大きく育った木々は、次第に密度を増し隣同士の枝葉が重なり合うようになります。互いにぶつかり成長を阻害することがないよう、育ちの悪い木や密度の高い場所の木を間引く間伐を行います。
間伐をすることで地表に光が入るようになり、草花の成長が促されそれを食料とする昆虫や鳥などが生息できるようになり、生物多様性、生態系の保全につながるほか、地中に張り巡らされている樹木の根も成長できるようになるので、台風や土砂災害等に強い土壌づくりにも繋がります。
⑧主伐|50~60年目
成長した木々を木材として出荷するために伐採します。主伐は空気が乾燥し、樹木の水分吸収が少なくなる冬場に行うのが一般的です。
より太く高品質の木材に仕上げるため、植栽から約100年かけて主伐することもあります。
⑨玉切り
伐採された木を用途に合わせてカットし丸太にします。
⑩搬出・運搬
収穫した木々を、ケーブル等を使って山から林道まで運び出し、トラックに積み込み、原木市場や貯木場に運びます。
その後木材は競りにかけられ、製材業者によって原木から角材・板材・割材などに加工されて出荷されます。
林業の年収・求人・産業傾向
林業従事者数
出典:林野庁「林業労働力の動向」
日本の総人口が減少しつつある中、林業従事者数も減少傾向にあり、2020年には44,000人となっています。また、林業従事者に占める65歳以上の割合は25%(2020年)と、全産業平均の15%よりも10%程高いのが現状です。
その一方で、全産業平均で若年率(労働者に占める35歳未満の割合)が減少しているのに対し、林業は1990年に6%を記録して以降増加傾向にあり、2020年には17%となっています。
このことから、林業従事者の高齢化率は高水準であるものの、平均年齢は若返り傾向にあることが伺えます。
新規就業者数
2011~2021年の10年間の新規就業者数は毎年3,000人前後で推移しています。
2003年(平成15年 )以降の数値の伸びの背景には、林野庁が同年からスタートさせた「緑の雇用」事業があります。これは林業会社や森林組合等の林業経営体に雇用された方を対象に、講習・研修などを行う支援制度のことです。全国の林業現場で通用する力を身に着ける基礎研修に加え、現場管理責任者や統括現場管理責任者になるためのキャリアアップ研修も受けることができるため、林業は未経験からでも挑戦しやすい産業になりつつあると言えます。
▼緑の雇用
https://www.ringyou.net/
年収
出典:林野庁「林業労働力の動向」
林野庁の調査によると、林業従事者の平均年収は約300万円となっています。全産業の平均年収約400万円と比較すると必ずしも高くない水準ですが、前述のように研修を受けて現場管理責任者や統括現場管理責任者にキャリアアップしたり、林業技術者になることで収入アップを目指せます。
近年では国を挙げた国産木材活用推進の動きや林業の6次産業化も進んでいるため、今後、産業全体で賃金水準が向上する可能性があります。
参考)林野庁「第1部 第1章 第3節 林業従事者の動向(3)」
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/30hakusyo_h/all/chap1_3_3.html
主な就職・勤務先
就職先には主に以下の5パターンが挙げられます。
・民間林業会社に勤める
・森林組合に勤める
・第三セクターに勤める
・地域おこし協力隊になる
・起業・自営業
林業大学校や農林大学に通うと在学中に様々な資格を取得できるため、就職・転職の際に即戦力としてみなされ有利に働くことが多いですが、起業・自営業以外は未経験者でも応募できる求人が出ており、終業後に研修制度を活用してノウハウを学ぶこともできます。
求人
林業の求人情報は、ハローワークや都道府県ごとに置かれている全国林業労働力確保支援センター、民間の就職・転職サイト等で得ることができます。
また、全国林業労働力確保支援センターが運営している「林業就業支援ナビ」や、林野庁の「緑の雇用」には、ガイダンス・就業セミナー・講習会などの情報が掲載されています。
求人情報を探す前にこうしたリアルなイベントに参加し相談員等に相談してみることで、就業後の暮らしや仕事のイメージを具体化できたり、あなたらしいキャリア形成の道筋が見えたりするはずです。
▼ハローワーク「林業」
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/kensaku/GECA110010.do
▼全国林業労働力確保支援センター
東京都(https://ringyou-navi.tokyo/recruit/job-info/)
奈良県(https://narawoodjob.wixsite.com/nara-roukaku)
和歌山県(https://wa-rc.jp/info_job/)
高知県(https://www.shien-center39.com/other_01.html)
▼林業就業支援ナビ
https://www.nw-mori.or.jp/
▼緑の雇用
https://www.ringyou.net/guidance/
林業の意義と必要性
木々を伐採するイメージが先行することも多い林業ですが、前述の通り、伐採に至るまでには苗木から森を育てる50年以上にわたる森林保全のプロセスがあります。
森林が持つ多面的な機能を知ると、林業という仕事の重要性と私たちの暮らしとの結びつきが見えてきます。
自然災害から暮らしを守る(土砂災害防止機能)
適切に管理され健全な状態に保たれた樹木は、地中深くまで根を張り水分や養分を吸収し、深部の地盤や土壌層を安定化させるため、山崩れや土砂災害を防止する働きを持ちます。
また、間伐によって下草が自生しやすい環境を整えることで土壌の保水力がさらに向上し、台風や大雨、洪水などによる災害抑止や、河川の急な増水を防ぐ効果を発揮します。
水源を守る(水源涵養機能)
森林に降った雨は、樹木や草花の葉などが微生物に分解されたり風化したりしてできる腐葉土層でろ過され、時間をかけてゆっくりと地中に浸透して地下水に溶け出し、川や湖などに流れ出て私たちの飲料水や生活用水になります。
ミネラルや養分を豊富に含む豊かな水資源を守るためにも、森林の維持管理は欠かせません。
地球環境を守る(地球環境保全機能)
二酸化炭素は地球温暖化に及ぼす影響が最も大きな温室効果ガスとされていますが、適切に手入れされたスギ人工林1haは、二酸化炭素を年間推定約8.8トン(炭素量に換算すると約2.4トン)吸収します。
また、二酸化炭素の吸収量は成長期にある木々の方が老木よりも多く、枯れ木は逆に二酸化炭素を放出することが分かっており、林業の森林整備や森づくりのプロセスは、二酸化炭素の吸収量を安定的に保つ意味でも環境保全に寄与していると言えます。
参考)林野庁「森林はどのくらいの量の二酸化炭素を吸収しているの?」
https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/20141113_topics2_2.html
生物多様性を守る(生物多様性保全機能)
日本の森林には約200種の鳥類や2万種の昆虫類、これらを捕食する野生動植物が生息しています。豊かな森づくりは多種多様な動植物を育む土壌づくりにつながるとともに、生態系のバランスを安定的に保つ上でも欠かせない取り組みです。
林業の現状と課題
林業の主な収入源は切り出した丸太の販売収益ですが、その販売単価は国内情勢や諸外国動向、為替レート等にも左右される側面があります。
ここでは林業の歴史をさかのぼりながら、現状と課題を紐解きます。
戦後の「拡大造林政策」により人工林化が進む
1945年の終戦を機に新しい国づくりを始めた日本。戦後復興期から高度経済成長期には木材需要が急激に増加し、木材価格は高騰しました。これを受けて政府は「拡大造林政策」(1996年まで継続)を推進し、主に天然の広葉樹を大量に伐採し、その跡地に建築用木材としての価値が高く成長速度も比較的速いスギやヒノキなどの針葉樹を植えることで、天然林を人工林に置き換えました。
木材の輸入の自由化が日本林業の衰退を招く
人工林造りと並行して、1964年には外国産木材の輸入の全面自由化に踏み切ります。すると輸入木材の流通量が急増し、1969年には国産材の供給量を上回るようになり、今日まで続く外材への依存体質が築かれることになります。この結果、国産木材の需要は減り続け、販売価格も下落。林業産出額は1980年をピークに減少傾向に陥り、産業規模が縮小するにつれて林業従事者も減少して後継者不足に陥り、林業は衰退の一途をたどりました。
国産木材の価格低下が今日に至る課題を生む
木材販売価格の下落がもたらしたのは、産業の衰退だけではありません。
生産活動の原資となる木材販売価格の下落が続いたことで、間伐など森林保全につながる取り組みや伐採適齢期(主伐期)を迎えた木々の伐採・搬出に掛かる費用が回収できなくなり、森に適切な管理が行き届かず放置林が増加しました。放置林が増えた結果、森林が持つ土砂災害防止機能などが低下し、昨今各地で発生している大規模な山崩れや土砂災害の原因のひとつになっています。
さらに、現役世代が仕事を求めて中山間地域を離れたことで、後継者不足、林業従事者の高齢化、山村の限界集落化が進み、地域の活力まで失われてしまったのです。
森林資源を活かす必要性
日本の林業の最も大きな課題は、森林資源が豊富にあるにも関わらず採算が取れる仕組みが構築できていないために生産活動が滞り、人の手で植えられた木々が適齢期を過ぎても伐採できずに放置されていることです。
適切な管理のもとで間伐・伐採することで、健全な森の循環を取り戻す必要があります。そのためには、生産活動の原資を生む国産木材の活用方法を見出し、木の価値を高めていく必要があるのです。
課題に対する取り組みや解決策
こうした課題を解決するための取り組みは、既に日本各地で始まっています。ここでは数ある取り組みの中から「国産木材の利活用」に着目してご紹介します。
公共建築物に活用する
2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が制定され、国や地方公共団体が発注する学校や役所、福祉施設、病院、スポーツ施設、公営住宅への国産木材利用を推進する取り組みが始まりました。2010年度に17.9%だった公共建築物の木造率は、2019年度には28.5%まで上昇しています。
参考)林野庁「木材を利用した建築物等の紹介」
https://www.rinya.maff.go.jp/kanto/tokyo/mokuzairyou/mokuzairiyousisetu.html
参考)林野庁「改正公共建築物等木材利用促進法(脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律)の概要」
https://www.city.kawaguchi.lg.jp/material/files/group/42/rinyahandbook.pdf
エネルギー資源として活用する
丸太の皮や木材の切れ端、木くず、枝葉は木質バイオマスと呼ばれており、燃焼させることでエネルギーを生み出します。木質バイオマス燃料も燃焼時にCO2を発生させますが、樹木として成長する過程で光合成によってCO2を吸収することから「カーボンニュートラル」な再生可能エネルギーとして、昨今注目を集めています。
間伐材等を活用する
間伐対象となる木は森に残す木を健全に育てるために間引かれるものであり、良質なものは建築材として利用できますし、規格外の場合も小さくカットしたものを集めれば集成材として活用することができます。また、木炭化したり、チップ化して園芸やペット用品として活用するなど様々な用途で有効活用可能です。また、森林保全活動の際に生じる枝葉・根は木育おもちゃやインテリア、精油の素材として活用して商品化することで、新しい循環を生み出すこともできます。実際に、これらの木材を使った魅力的な商品も数多く生まれています。
▼東京チェンソーズの商品
木材輸出を推進する
日本の木材輸出額は2013年以降増加傾向にあり、2013年に123億円だった輸出額は2020年には357億円まで伸びています。主な輸出先は中国(170億円)が最も多く、フィリピン(65億円)、アメリカ(38億円)、韓国(30億円)、台湾(20億円)と続きます。
政府は木材を含む林産物の輸出額を、2025年までに718億円、2030年までに1,660億円を目指すとしています。
参考)林野庁「木材需給の動向」
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/R2hakusyo_h/all/chap3_1_5.html
木(き)づかい運動
林野庁では、2005年から国産木材の利用を促進する国民運動として「木づかい運動」を展開しています。この一環で始まったのが、木製品との触れ合いを通して木材への親しみや森林への関心を深める「木育(もくいく)」です。全国各地に木育施設が建てられ、幼少期から木の文化や魅力に触れる機会を提供しています。
林業のこれから-新しい林業
林業は今後どのように発展していく可能性があるのでしょうか?ここでは、これまでの重労働、危険、稼げない、人手不足というイメージを覆す、林業の今とこれからをご紹介します。
スマート林業
近年、あらゆる産業でICT・IOTなどの新技術の開発・導入が進んでいますが、林業分野でもデータや最新技術を活用して効率化、省力化、安全性向上などを図るスマート林業化が進んでいます。
事例1:航空レーザー計測
航空機に搭載したレーザーを用いて地表の三次元計測を行い、地形や地表の様子、木々の高さ、位置などを計測できるようになりました。これにより、森林の状況を正確に把握したり、林業経営に適した森を優先的に整備したりすることで、より効率的に利益を生み出す体制構築が進んでいます。
事例2:林業用ドローン
重労働かつ費用負担も大きかった苗木や資材の運搬にドローンを用いることで、作業スピードもコストも大幅に短縮できるようになってきています。陸路で往復80分かかる道を空路で5分に短縮するなど、1台で8人分の仕事をするとされるドローンも商品化されており、重い苗木を担いで何十分もかけて山の斜面を往復する必要がなくなることで、安全性の向上、労災防止にも寄与しています。
事例3:地理情報システム(GIS)
地理情報システム(GIS)とは、レーザー計測等から得られるさまざまな地理データや付加状情報をデジタルマップ上に可視化するシステムのこと。紙の地図に比べ、その土地に明るくない人でも山林の位置や特徴が把握しやすく、事業承継の効率化にも貢献しています。
事例4:クラウド
森林や地形データのほか、今後の計画などをクラウド上で管理することで、林業従事者間での情報共有が容易になっています。
6次産業化
6次産業化とは、農林漁業者が生産(1次産業)だけでなく加工(2次産業)や流通・販売(3次産業)までを一貫して担い、生産物の価値を高めて農林漁業者の所得(収入)を向上させていく取り組みのこと。
これまでの林業事業者は、主に木を育て出荷するところまでを担っており、出荷された木々は製材会社や卸業者、商社など中間業者の管理下に置かれて市場流通するのが一般的でした。そのため、ウッドショックのような木材価格の上振れがあったとしても、多くの場合は生産者である林業従事者の収入が顕著に増加するわけではありませんでした。
六次産業化が進むと、林業事業者が独自開発した商品を自ら値付けして消費者や工務店に直接販売しやすくなるほか、新たに商品を開発して販売したり、観光・サービス業と連携を図って地域に人を呼ぶなど、他の産業を巻き込んで地域全体で豊かになれる可能性が出てきています。
TURNSの公式オンラインショップ『TURNS商店』では、新しい森林循環を生み出す商品をご紹介しています。
若年者の就業率向上
先述の通り、林業の若年率(労働者に占める35歳未満の割合)は増加傾向にあります。
林業は一人前に仕事ができるようになるまでに最低3~5年かかると言われていますが、「緑の雇用」等で体系的な研修プログラムを受けることで一定の技能を身に着けられるほか、就業上有利になる各種資格を取得することもできます。
国による産業保護と就業支援のもと、未経験からでも挑戦できる職業になりつつあるのが今の林業の姿です。
参考)林野庁「一目でわかる林業労働(データ編)」
https://www.rinya.maff.go.jp/j/routai/koyou/attach/pdf/01-2.pdf
参考)林野庁「平成 30 年度森林及び林業の動向」
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/30hakusyo/attach/pdf/zenbun-9.pdf
自伐型
(じばつがた)林業
自伐型林業とは、これまでのように森林所有者が森林組合や林業業者に業務委託する形で大規模に営林する林業形態ではなく、森林所有者が自ら営林業務を担い、小規模な間伐・伐採を繰り返すことで持続可能な森づくりを行う自立・自営の林業形態のことです。
個人や家族など、少人数で小規模の森林を営林していくところに特徴があり、林業のみで収益を上げることにこだわらず、林業×農業・観光・福祉・飲食・アーティストなど、林業以外の仕事を組み合わせたより自由な働き方が可能になります。小規模の雇用を多く生み出すことで林業従事者の雇用促進にもつながる可能性があり、近年注目を集めています。
就業までの流れ・ステップ
未経験から林業に関わる仕事をしたいという方へ。林業を生業にするまでのステップをご紹介します。
STEP1:情報を集める
一口に林業と言っても自然を相手にする仕事である以上、地域ごとに地形も文化も求められるスキルも異なります。また、林業の専門媒体は少なく各種メディアやWEB等には情報が載らないものも多くあります。そのため、まずは森林・林業に関心を持つ方向けのガイダンスや説明会、相談会に参加して概要を把握するのがおすすめです。
例えば年4回、東京、大阪、名古屋、福岡など主要都市で開催されている「森林の仕事ガイダンス」は、参加都道府県の林業労働力確保支援センターや森林組合連合会が相談ブースを出展していて、各地の林業に関する詳しい情報や仕事内容、就業に至るまでのステップに関する説明が受けられるほか、相談員に個別相談することもできます。
▼森林の仕事ガイダンス
https://www.ringyou.net/guidance_nationwide/
STEP2:林業体験をする
仕事の概要が掴めたら実際に林業の現場に赴き、職業体験をしてみましょう。林業ボランティアやアルバイトのように短期で植栽や下刈りを体験できるものや、数日~数週間のプログラムで林業の基礎から機材の使い方まで学びながら体験できるプログラムも準備されています。
季節や森林の成長サイクルによって体験できる内容が変わるので、時期を変えて参加すると仕事内容を具体的に体感できるはずです。
STEP3:林業就業支援講習に参加する
林業就業支援講習とは、全国森林組合連合会が各都道府県で実施する就業前講習会のこと。林業の基礎知識に関する座学や作業体験、資格取得講習などを行い、その場で就業個別相談をすることもできます。資格取得を目指せるのは20日間のコースのみですが、その他にも5日間、1日間の3つのコースがあり、都合に合わせて選んで参加することができます。
▼林業就業支援講習
https://ringyou.jp/
STEP4:就職活動をする
林業に関する求人は一般的な就職・転職サイトに掲載がないこともしばしば。林業労働力確保支援センターやハローワークなどの専門機関や、就業を希望する会社等に問い合わせ、希望の地域・職種の求人の有無を確認しましょう。
林業家の声
実際に林業を生業に活躍している方々は、どのような思いを抱き日々森と向き合っているのでしょうか。
東京都檜原村を拠点に、木の価値・森の価値を最大化させる多岐にわたる森林ビジネスを展開されている『株式会社東京チェンソーズ』を取材しました。
1.東京の木のおもちゃに込める、100年先への希望|東京チェンソーズ
2.人と共生する美しい森が、檜原村の希望になるまで|東京チェンソーズ
まとめ
国土の3分の2を占める森林を守り、育て、その豊かさを50年、100年先の未来につなぐ林業という仕事。
大きな役割を担う仕事ならではの大変さと責任は伴いますが、働く意義を実感できる仕事に就きたい方にとって、林業への挑戦は人生を豊かにする選択になるはずです。
TURNSでは、今後も林業の今とこれからを発信していきますので、ぜひご活用ください!
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文:高田裕美
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