世界から選ばれる持続可能な観光地・沖縄
その未来を担う観光人材が今、求められている。

沖縄Work Style 未来を担う観光人材 01

2018年度、沖縄県への観光客が1000万人を突破。そのうちの約300万人を海外からの観光客が占めており、2023年のコロナ禍を抜けた今その勢いは増すばかりです。旅行・観光消費の経済波及効果は県内総生産にも大きく影響を与えており、沖縄県の調査でも県民の約80%が「観光は重要」と考えていることがわかっています。つまり、観光産業は沖縄県のリーディング産業といえるのです。

観光産業が重要な産業であることは、業種の幅広さにも表れています。宿泊業や飲食業、交通業、農水産業など多種多様で、あらゆる分野に展開。選択肢が豊富なので、自分の関心がある仕事であれば、それだけ成長が望めるでしょう。

いずれの仕事にもいえるのは、豊かな自然環境や独自の歴史・文化と密接に関わっていること。例えば、ダイビングやカヌー、トレッキングなどを案内するツアーガイドは、大自然を舞台に活躍することができます。染織や三線といった伝統工芸品の生産・販売業もまた観光客に沖縄の思い出を提供する重要な仕事です。また、アグー豚や海ブドウなどの“沖縄の味覚”を届ける生産者も観光産業の一端を支えています。

国内外に開かれた環境であることも、沖縄県の観光業で働くことの魅力です。さまざまな言語や文化、習慣、宗教、ライフスタイルなどをもつお客さまと接する機会が多いため、語学力やコミュニケーション力が磨かれます。実際のところ、自身のスキルを活かすために沖縄の観光業に就く人も少なくありません。

質の高いサービスを提供できる観光人材を育成するために、県でも「第6次沖縄県観光振興基本計画」を実施。観光人材の社会的な地位の向上やキャリアデザインの形成を支援しています。また、積極的に「賃金・賞与の引き上げ」「職場環境の改善」「人材育成の強化」 などに取り組む企業も増えてきており、業界全体で働く環境の改善を進めています。

 

 

「第6次沖縄県観光振興基本計画」では、沖縄県の観光産業が今後も飛躍していくと見こんでいます。過去最高を記録した2018年度の観光収入約7300億円を、2031年度末までに1.2兆円まで引き上げると標榜。それらの実現に向けて目指すべきビジョンとして、「世界から選ばれる持続可能な観光地」を達成イメージ(GOALs)としました。それにともなって「働く場」としての観光産業は、これまで以上に注目を集めることでしょう。

 

さらに、沖縄県では、こうした改善に向けた取組の一環として「観光人材マッチング支援事業」を実施。この事業では、お仕事のマッチングを促すWEBサイト「おきなわ観光人材NAVI」 を開設し、インターンのマッチング支援や合同就職説明の開催、職場見学ツアー・職業体験イベントの実施をしたりするなどして、観光業界の魅力を伝えるとともに観光業界と人材の橋渡しに取り組んでいます。

 

沖縄の観光業従事者インタビュー

この連載では、沖縄観光で実際に活躍するみなさんのインタビューを10回に渡りお届けし、観光産業の面白さや働きがいを伝えていきます。

「接客を通じて、お客さまに沖縄の〝温かさ〟を伝えたい」

栃木県出身の菊地莉緒さんは、自身のスキルである英語を最大限に活かす機会を求めてオキナワ グランメールリゾートに入社。現在はフロントスタッフとして、移住者目線を活かした自分なりの“おもてなし”を追求している。

<Profile>
オキナワ グランメールリゾート 3年目ホテルフロントスタッフ
菊地 莉緒(きくち りお)さん 25歳(2021年入社、新卒採用)
<勤務先紹介>
オキナワ グランメールリゾートは、沖縄県のほぼ中央に位置する沖縄市にあるリゾートホテル。全室オーシャンビューテラスが備わった客室は解放感があり、屋内プールやサウナ、レストランにアクティビティなど多彩なおもてなしを提供。アクセスのいい立地で、沖縄のスローライフを満喫できる。

「ここなら成長できる。企業説明会で得た確信」

「宿泊業に就いたのは、英語を生かせる環境であり、人と関わることが好きだったからです。複数の企業説明会に参加しましたが、そのなかでもとりわけ目を引いたのがKPG HOTEL & RESORTでした。前社長である田中が楽しそうに話す姿を今でも鮮明に覚えています。

なかでも感銘を受けたのが、『うちは挑戦し続けることを重視しています』という一言。自分が成長できる場所はここしかない、と確信して、入社を決意しました。海外からの雇用の受け入れや支援学校とのインターンシッププログラム、ジェンダー平等の促進を目的としたピンクドット沖縄への取り組みなど、多岐にわたる社会貢献活動にも魅力を感じましたし、田中は第一線で業務に取り組んでいて、スタッフの刺激になっていました。人材育成の会『大樹会』の講師として登壇することもあり、これまで築き上げてきた経営ノウハウやスキルを惜しみなくレクチャーしてくれました。KPG HOTEL & RESORTには私のスキルアップ、キャリアアップをサポートしてくれる素晴らしい環境が整っています」

「宿泊客のニーズに応えるために大切にしていること」

「現在は、フロントスタッフとして3つの業務を担当しています。フロント業務では、お客さまのチェックイン・チェックアウトの手続き。コンシェルジュ業務では、お客さまのリクエストに応じ、交通機関の予約からアクティビティの手配まで幅広くサポートします。お客さまをお出迎えしたり、駐車場へご案内したりするゲストサービス業務も大切な仕事です。

仕事をする上でのモットーは『和やかな雰囲気を保つ』こと。とくに家族連れのお客さまは小さなお子さんのお世話で忙しいため、待ち時間をストレスに感じないように気を配ります。海外からのお客さまが多いため、自分の英語スキルを日々アップデート出来ることが楽しいですね。

お客さまのニーズに応えるためには、素早い判断と自己マネジメントが不可欠。これは観光業に携わるすべての人材に当てはまることだと思います」

 

「宿泊客からの感謝の言葉が、なによりのやりがい」

「SNSや旅行サイトに寄せられたお褒めの言葉も嬉しいのですが、お客さまから、直接感謝の言葉をいただいたたときの方が達成感を得られますね。『とても良い滞在だった』、『快適な沖縄観光でした』など、短い言葉でもお客様の気持ちが充分に伝わってきて、胸に熱いものがこみあげます。

数ある沖縄の観光資源のなかで、最も観光客を惹きつけているのは『人々の温かさ』だと思います。これは、私が移住者だからこそ、強く実感することなのかもしれません。
お客さまと関わるのは客室に案内するまでのわずかな時間ですが、このひとときもまた沖縄観光の思い出の一つにつながる。そう思いながら、沖縄の『温かさ』を担う者として、これからも最高の“おもてなし”を追求していきたいです」

 

笑顔でインタビューに答えてくれた菊地さん。社員へのサポートを惜しまない職場環境、そして宿泊客との暖かいふれあいが、日々彼女を成長させている。

 

 

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沖縄work Style   未来を担う観光人材

vol.1 世界から選ばれる持続可能な観光地・沖縄
その未来を担う観光人材が今、求められている。
オキナワ グランメールリゾート

vol.2 お客様と沖縄の文化をつなげる、客室乗務員
琉球エアーコミューター株式会社

vol.3 お客様の「1名・1個・1便」のために、 航空機の円滑な運航を徹底サポート
ANA沖縄空港株式会社

vol.4 三線の音色とともに、沖縄の観光コースをご案内
株式会社 琉球バス交通

vol.5  塗装ひと塗りひと塗りに、沖縄観光への思いをこめて
MRO Japan
株式会社

vol.06 ご当地ビールとの出会いが沖縄移住のきっかけに
オリオンビール株式会社

vol.07  移住者目線で地域の知られざる魅力を掘り下げる
一般社団法人北中城村観光協会

vol.08 旅好きだからこそわかる、観光業に就くすばらしさ
ホテルパームロイヤルNAHA 国際通り

vol.09  多くの人から愛されるリラクゼーション施設を夢見て
タピックタラソセンター宜野座

vol.10  安心安全な運行を通じてバス運転手の魅力を伝えたい
沖縄バス

 

 

                   

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