沖縄県の離島・南大東島出身の幸地美樹さんは、「幼少時代からの恩返しをしたい」との理由から琉球エアーコミューター株式会社への入社を決意。客室乗務員として、快適な空の旅を提供している。
現在はマナー講座の講師も務めるなど、地域振興にも積極的だ。
琉球エアーコミューター株式会社
幸地 美樹（こうち みき）さん 24歳（2022年入社、新卒採用）
日本航空グループの一翼を担う航空会社として、沖縄県内の離島を結ぶ琉球エアーコミューター株式会社（以下、RACと略）。航空路線は人々の移動だけでなく、離島への物資輸送も担っており、島民の日常生活に欠かせない存在となっている。
https://rac-okinawa.com/
温かくもてなしてくれた客室乗務員に憧れて
RACの客室乗務員として活躍する幸地さん。もともと沖縄県の離島・南大東島出身だったこともあり、幼少時代からRACは身近な存在だった。初めて搭乗したのは2歳の頃で、それ以来、高校進学して島を離れる15歳まで、さまざまな場面で利用してきたという。
「我が家にとって、RACは生活の一部です。温かくもてなしてくれる客室乗務員に会うのも楽しみの一つで、いつしか憧れるようになりました。幼少時代は雲の上の存在でしたが、台湾の大学と故郷を行き来するなかで、客室乗務員の魅力を再認識。本格的に客室乗務員を目指すようになったのは、その頃からです」
そんな幸地さんがRACに就職したのは、中学生時代の経験が影響しているのだとか。
「バトミントンの県大会でRACを利用した際、客室乗務員の方が『南大東中学校の皆さん、頑張ってください！』とアナウンスしてくださり、その一言に思わず感動してしまって……。RACは、島民を心から支えてくれているのだと実感しました。私も島民として何か恩返しができればという想いから、RACに入社を志望しました」
「お客さまとの出会いが私の仕事を特別なものにする」
幸地さんはお客さまが目的地に着くまでの間、安全で快適な空の旅を提供できるよう、一便一便の乗務に真摯に向き合っている。客室乗務員が手作りした地図「Simap（シマップ）」の配布や、客室乗務員がセレクトした就航地の特産品などの機内販売も行っている。
「お客さまの旅路を素敵に演出できることが、客室乗務員の醍醐味。そして、そんなお客さまとの出会いが私たちの仕事を特別なものにしています。また、お客さまから別れ際に『ありがとう』と言っていただけると、旅の思い出づくりにお手伝いできた気がして嬉しくなりますね」
島民が顔なじみの南大東島ならではの“あるある”も、仕事をするうえでのやりがいになっている。
「南大東行きの便を担当すると、お客さまのなかの数名が知り合いだったりするんです。搭乗すると「あっ みきちゃん」と、声をかけてくれる方もいて（笑）。保育園児だった頃の先生は、私の姿を見るなり泣いて喜んでくれました。この再会は私にとっても感慨深く、お世話になった先生に感謝の気持ちを返すことができた瞬間でもありました」
未来の観光人材のために、マナー講座を担当することも
RACや出身地である南大東島の島民への恩返しを胸に抱いて、業務に打ちこんでいる幸地さん。
「『イチャリバチョーデー』（一度会えば、みな兄弟）や、助け合いの精神を表した『ユイマール』など、独自の温かい文化が根づいているからこそ、沖縄の風景がより一層色鮮やかに映り、沖縄観光の魅力を底上げしているのだと思います」
幸地さんは観光客をもてなすだけではなく、島の人々の再会や別れを間近で見守ってきた。幸地さんによると「こうしたつながりこそ、RACで働く最大の魅力」とのこと。ここ最近は、離島の学校でマナー講座も担当。観光人材の育成も視野に入れ、活動の幅を少しずつ広げている。
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