TURNS

人に、自然に感謝する日常が、安心感をくれる。
愛顔のひめターン vol.7【西条市 竹尾奈津子さん】

自然、文化、そのスケールに驚く西条市

北には穏やかな瀬戸内海、南には四国最大級の霊峰「石鎚山」があり、その伏流水の恩恵を受ける愛媛県西条市。

市内約3000カ所から自噴する地下水は「うちぬき」と呼ばれ、名水百選にも選ばれている。

肥沃な土地が広がり、産業も盛ん。文化を始めとする豊かな風土が彩る西条市は、移住地として人気のエリアだ。

巨大な「屋台」が絢爛に立ち並ぶ、県内屈指の秋祭り「西条まつり」

今回は、この西条市に2019年春、家族で移住してきた竹尾奈津子さんを訪ねた。

市街地から少し離れた田園風景の中に、古民家を見つけた。ここが、奈津子さんが夫の翔太さん、3人のお子さんと5人で暮らす自宅だ。

池袋のマンションの最上階が日常だった

奈津子さんは東京都千代田区で生まれ育った。16歳でアメリカのワシントンD.C.に単身で渡り、バージニアの高校を卒業。20歳の時、大学を辞めて日本へ戻ってきた。
同じ千代田区出身で、幼なじみだった翔太さんと結婚し、専業主婦として池袋のマンションの最上階で暮らした。

「どこに住むか、どの学校に通うか、それがステータスのものさしになるという価値観のなかで育ち、それが当たり前だと思っていました」

西条の自宅の玄関先に立つ奈津子さんと翔太さん

都会の便利さに慣れている奈津子さんにとって、どちらかというと否定的だった「田舎暮らし」。理想を持っていたのは翔太さんだった。

夫のホンネがターニングポイントに

転機は4年前、翔太さんが南関東の地方都市に転勤になる。奈津子さんは子ども2人と東京に残ったが、3カ月で音を上げて夫の元へ引っ越した。

人混みがないローカル暮らしの良さを知ったものの、3年を過ごし、知り合いが誰もいなかった当初の孤独感は解消されないままだった。その間、3人目のお子さんも生まれ、養育費を考えて在宅で仕事を始めた。アフィリエイトや株などをやってみたが、上手くはいかなかったという。

ストレスを溜めていく奈津子さん。夫婦でぶつかることも多くなった。そんな奈津子さんにある日、翔太さんも想いをぶつけた。「俺だって本当は、猟師になりたい」

夫の本音が、自分自身の環境を変えるチャンスだと、前向きな奈津子さんは思ったのだろう。「猟師になれる場所へ移住すればいい」と、候補地を探しはじめた。条件はもうひとつ。奈津子さん希望の、海がある場所で。

ちょうどそのころ、オンラインサロンなどをはじめ、SNSをこなしていた奈津子さんは、愛媛に住む知人の投稿に注目していた。

「瀬戸内海の景色がすごくきれいで。行ってみたいなと」

「かまんよ」の方言と精神に、移住を決める

その知人から紹介されたのが、愛媛県と「スカロケ移住推進部(TOKYOFM)」、「TURNS」が企画する移住体験イベント「愛顔のひめターン(以下、ひめターン)」だった。
移住を希望する東京の女性が1週間滞在して、地域の魅力を発信する。迷わずエントリーを決めた。

この企画に参加したことが、奈津子さんのその後を決定づける。

観光では踏み入れないディープな場所へ行き、地元の人たちと語らう。ミカン狩りや草履づくりなどいろんな体験をした。企画そのものの楽しさはもちろんだが、驚いたのは、愛媛のひとたちの温かさだったという。

「なんでも『かまんよ(方言で、「大丈夫よ」の意味)』の精神で受け止めてくれるんです。草履づくりで上手くいかなかったときも、『かまん、かまん、後でどうにでもなるけん』って。この場所だったら自然体で生きていけるって思ったんです」

候補地の中から、狩猟ができて、水がおいしく、農業が盛んな西条市に決めた。実際に愛媛に移住したのは、イベントに参加してからわずか半年後だった。

お金で買えない、欲しかったものを手に入れる

奈津子さんが多感だった10代後半、アメリカに渡った理由は、教育熱心の親から逃れるためだった。子どもの頃から感じていた、息苦しさや満たされない気持ち。西条に来て半年が経ち、その不安定さが無くなった、と打ち明ける。

翔太さんが作る野菜と狩ってきたジビエが食卓を支える、半・自給自足の生活を送る。軒先に野菜が置かれていることもたびたび。自然へ人へと抱く、感謝の気持ち。その感謝を、翔太さんら家族に還元する。すると自分も、気持ちがじわっと満たされていく。

今後は、奈津子さんは在宅ワークで、オンライン上のビジネス商品をどう売り込むか、心理学を取り入れたコンサル業を本格化させていく。それは、奈津子さん自身がたどり着いた、やりたい仕事だ。

翔太さんも狩猟と、栄養士の資格を生かした新事業にも夢を馳せている。自分の仕事を創っていく者同士、お互いに理解し、応援する。「愛媛に来て、彼女が持っている社交性が開花して、人脈がワッと広がっています。これからの彼女がとても楽しみですね」と翔太さんは目を細める。

仕事と暮らし、夫婦の役割、自分と他人。いろんなものを「分ける」から「共有する」へ。田舎暮らしで手に入れた、共有することで生まれる安心感。これが、奈津子さんを「満たした」ものの、正体なのかもしれない。

写真・文:ハタノエリ


\ご縁を結ぶえひめ会♪開催!/

2019年12月7日(土)に、竹尾奈津子さんと愛媛県南部の宇和島市三間町に夫ターンし、約120年続く酒屋「糀屋」をご夫婦で継いだ白鳥未来さんをゲストに迎えて、「愛媛県×TURNS×スカロケ移住推進部『ご縁を結ぶえひめ会♪』」を開催します!

愛媛の食を楽しみながら県内在住のゲストと気軽に交流し、楽しくえひめ暮らしを知ることができるイベントです!

詳しくはこちらお気軽にご参加下さい♪


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