「継業」とは?事業承継の成功事例やマッチング方法をご紹介!
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■継業とは?
事業継承の一種で、身内ではなく意志ある第三者に事業を継いでもらうこと。
■継業が注目されている理由
生産年齢人口・労働力人口の減少、経営者の高齢化、事業後継者不足、新型コロナウイルスの影響等、日本社会が抱える問題の打開策になると期待されているため。
■継業の成功事例
TURNS vol.27「つぎつぎ、継業」で特集しています!
https://shouten.turns.jp/items/30576203
■後継者募集求人サイト
継業に関する求人情報は、継業マッチングプロジェクト『あとつぎターン』へ!
https://turns.jp/42520
日本の産業の衰退と担い手不足が叫ばれる中、一つの解決策として注目を集める「継業」。
この記事では、日本の未来を救う「継業」についてご紹介します!
継業とは?
「継業」とは、生業や事業を身内が引き継ぐのではなく、意志ある第三者に継いでもらう取り組みのこと。
特に近年注目されているのが、移住者による地域産業の「継業」です。
「継業」は、伝統産業の後継者不足の解消だけでなく、第三者ならではの視点で地域資源の再発掘、再考を担う役割もあると考えられており、伝統産業の未来を救い、地方を魅力的で持続可能なまちにすると同時に、就職でも起業でもない新しい生き方を社会に提示する契機にもなり得ると期待されています。
事業継承との違い、事業承継の種類
「継業」を語る上で前提となるのが、「継業」も事業の経営権を後継者に受け継ぐことを指す「事業継承」の一種だということ。
「事業継承」は、大きく3種類に分けられます。
親族内承継
経営者の子どもや配偶者など親族を後継者として事業継承すること。
従業員や取引先など周囲の理解が得やすく、現経営者が所有している株式や事業資産を相続や贈与で後継者に渡せるため、比較的スムーズに引き継ぎができる一方で、経営者としての資質を欠く後継者に任せてしまう、身内間で対立が生じる場合があるなどのデメリットも考えられます。
第三者(親族外)承継
自社の従業員や取締役など、親族以外の第三者に事業継承すること。
社外から新しい経営者を招くケースも、第三者(親族外)承継にあたります。
親族間に適任者がいない場合も会社として好ましい人材に継承できる、事業内容や経営理念を熟知した人物に継承できる一方で、そもそも適任者が現れない、会社の資産を引き継ぐ際に適任者が自社株等の取得資金を捻出できないなどの問題が生じる場合もあります。
M&A
英語で合併を指すMergersと買収を指すAcquisitionsの頭文字をとったもの。
企業の合併・買収を指し、合併には吸収合併や新設合併、買収には株式譲渡、新株引受、株式交換などがあります。
後継者が見つからない場合でも事業継承でき、株式を譲渡することで資金を得ることができる一方で、経営権が及ぶ範囲が小さくなる、取引先や顧客、従業員からの理解が得られず離れていってしまうなどのリスクも考えられます。
継業が注目されている理由とは?
なぜ今、「継業」が注目を集めているのか。
その理由を探ると、「継業」は日本社会が抱える課題と密接に結びついていることが分かります。
生産年齢人口、労働人口の減少
日本の総人口は、令和元年10月1日時点で1億2,617万人。
そのうち生産年齢人口(15歳以上65歳未満)は7,507万人、総人口に占める割合は59.5%と、1990年代をピークに減少傾向にあり増加の見込みがない現状があります。
労働人口が減っていくということは、事業を継承できる人も年々減少していくということ。
「継業」は伝統産業だけではなく、日本全国の企業が共通して抱える課題です。
参照:内閣府「令和2年度版高齢社会白書」https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/html/zenbun/s1_1_1.html
経営者の高齢化
帝国データバンクの調査によると、2020年の社長の平均年齢は60.1歳。調査を開始した1990年以降初めて60歳を超え、過去最高を更新しました。
年代別で見ても、「60代」が構成比の 27.3%、「50代」が26.9%、「70代」が20.3%と続きます。
社長の平均年齢が年々上昇する背景には様々な原因がありますが、若い世代に引き継ぎたくても人材や資金、技術面の課題があり引き継げない事情があるという事業者も少なくありません。
参照:帝国データバンク「全国社長年齢分析」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210202.pdf
後継者不足
帝国データバンクが2020年に行った調査によると、全国・全業種約26万6000社の後継者不在状況は約17万社と、全体の約65.1%にのぼります。
事業継承は、継承者の選定や育成、準備、就任に時間を要するため、時間や経営体力に余力がない事業者ほど難しいとされ、例え黒字経営であったとしても後継者不在を理由に廃業せざるを得ないケースも増加しています。
参照:帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査(2020 年)」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p201107.pdf
新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスの蔓延と長期間に渡る緊急事態宣言、経済活動の停滞は、全国的な企業の経営難、廃業や倒産を増加させました。
終わりの見えない状況の中で、事業継承や事業譲渡を検討する事業者がこれまでにないスピードで増加しています。
継業の成功事例、実践者
TURNS Vol.27「つぎつぎ、継業」 では、一冊まるごと継業を特集しました。
ここではVol.27で取材した「継業」の実践者をご紹介します。
▼TURNS Vol.27「つぎつぎ、継業」
https://shouten.turns.jp/items/30576203
【継ぐ人】鈴木康人さん × 【継いで欲しい人】中畑文利さん
昔はどの集落にも、野鍛冶と呼ばれる職人がいた。鉄を叩き鍛え、野山で使う道具をつくる。漆を掻く「漆鉋」もそのひとつ。ただしこの鉋をつくるのは、いまや日本でただ一人。その技を継ぐため、通ってくる鍛冶屋が現れた。職人から職人へ。珠玉の技が受け継がれる。これは2人の鍛冶屋の物語。
文:甲斐かおり 写真:飯坂大、濱野井雅俊さん(P23-24)
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【継いだ人】湊三次郎さん × 【継いで欲しい人】京都のまちの人々
日々の暮らしになくてはならない生活インフラから、わざわざ行く場所になって久しい「まちの銭湯」。
建物の老朽化や後継者不足で廃業を余儀なくされる銭湯が後を絶たない中、一軒の銭湯を継業し、再生させた革命児・湊三次郎。彼が模索する、銭湯の理想の継ぎ方とは。
文:高橋マキ 写真:内藤貞保
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【継いだ人】町出博和さん 悦世さん × 【継いで欲しい人】小林 照光さん
ほんものの家族ではないけれど、 ちょうど親子くらいの歳の差だからゆるやかに、やさしく気遣いあって大好きな尾道のまちの記憶をつなぐ。
まだ始まったばかりの、小さなものがたり。
文:高橋マキ 写真:石川奈都子
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【継ぐ人】石川雄介さん 真里さん × 【継いで欲しい人】興居島のミカン農家たち
愛媛県松山市沖合にある瀬戸内の離島、興居島。
石川雄介さん、真理さんは、この島に暮らし、後継ぎがいない園主の畑で新しい屋号を掲げた新人のミカン農家だ。
ミカンの島にやさしく吹く新風が、島の景色を変えていく。
文:ハタノエリ 写真:丹生谷千聡
後継者募集求人サイト
地方移住後、田舎での継業・事業継承を希望されている方へ。
以下の2つのサイトでは、移住希望の地域、職種や理想の生き方、働き方等、様々な条件で理想に合った継業情報が検索できますので、ぜひご活用下さい。
日本仕事百貨
働き手一人ひとりの生き方や働き方に焦点を当て、求人情報を紹介するサイト。
一般的な企業求人はもちろん、会社や事業、技術などを引き継ぐ後継者募集の求人も紹介されています。
https://shigoto100.com/category/koukeisya
農業ジョブ
第一次産業の求人情報を掲載し、就職・転職を支援しているサイト。
https://agrijob.jp/
今後のトレンド「継業マッチングプロジェクト『あとつぎターン』」
TURNSでは、「事業継承をオープンに。」をコンセプトに『クラウド継業プラットフォーム relay(リレイ)』を展開している株式会社ライトライトと共同で、移住 × 継業をテーマに「あとつぎ募集」に取り組みたい事業者や自治体を全国から公募し、地域の後継者不足と地域の担い手づくりの新たなプラットフォームサービスを展開しています。
また、継業の事例を取材・特集した記事を無料で公開していますので、ぜひご活用ください!
■継業の特集号はこちら!
TURNS Vol.27 「つぎつぎ、継業」
TURNS Vol.40「手仕事、継ぐひと、継ぐもの」
■移住 × 継業のマッチングプロジェクト『あとつぎターン』を使ってみる!
クラウド継業プラットフォーム「 relay」と共同で、継業のマッチングサービスも行っていますので、ぜひチェックを!
文:高田裕美
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