千葉県長生村ちょうせいむら「お試し移住体験」開催レポート
2泊3日で移住後の生活をシミュレーション

2023年11月18日~20日、千葉県で唯一の村である長生村で「お試し移住体験」が開催されました。参加者は村内の1棟貸しの施設に2泊3日で滞在し、「村民」としての日常生活をシミュレーションしました。

1日目は村の特徴や魅力を紹介するプログラムや観光スポット巡り、先輩移住者との交流が行われ、2日目・3日目の午前は自由行動。それぞれが自分のペースで自由に村を満喫しました。どんな体験や発見があったのでしょうか。レポートをお届けします!


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長生村ってどんなところ?

房総半島の九十九里浜に面する長生村は、太平洋の黒潮の恩恵を受けて年間を通して温暖な気候に恵まれており、稲作や野菜栽培など自然豊かな環境を活かした農業が盛んです。

東京から約60km、県庁所在地の千葉市から約30kmの距離にあり、千葉駅までは普通列車で約45分、東京駅まではJR外房線の茂原駅から特急列車で約1時間というアクセスのよさも魅力です。村内にはスーパーやホームセンターがあり、近隣の市町には大型商業施設もあるため、買い物に困ることはありません。

春は花見、夏は海水浴、秋は黄金色に染まる田園風景、冬は青のりの収穫など、季節ごとに豊かな自然を身近に楽しむことができます。都会の喧騒から離れてゆったりとした暮らしを楽しみたい方にも、気軽に都市部へ出かけたい方にも、長生村は魅力的な移住先です。

 

村の新しい顔「長生村交流センター」に集合

今回の参加者は家族構成や年齢は違うものの、いずれも首都圏にお住まいの方々です。村での生活をリアルに感じてもらうため、バスツアーではなく、各自の自家用車で移動します。

お試し移住体験は、2021年にオープンした「長生村交流センター」からスタート。村内外からさまざまな人が集まり、交流や学び、楽しみを共有するコミュニティの拠点です。建物のコンセプトは「学びと海」。世代間交流や生涯学習のため、「ふれあいルーム」「子育てルーム」「学習室」「ダンスルーム」など、村民が幅広い活動を行える空間が用意されています。この日も多くの人が利用していました。

ここで、3日間のスケジュールの説明や村の紹介、施設の見学を行いました。

長生村交流センター
住所:千葉県長生郡長生村岩沼874ー1
アクセス:JR八積駅から徒歩4分
電話:0475-32-3770
HP:https://chosei-koryu.com/

 

古民家カフェで、採れたて野菜たっぷりのランチを

午後は村内の観光スポット巡りへ。まずは、古い日本家屋を改装したカフェ「Farm Café Gon」でランチをいただくことに。村内の直営農場で収穫された新鮮な野菜を味わえる週替わりパスタランチ、ベーグルサンドランチが人気のお店です。


日本家屋を改装したカフェ「Farm Café Gon」。まるで田舎の親戚の家にでも来たかのような店内に、みんなリラックス。

長生村を含む長生地域は、多種多様な農作物の産地です。特に「長生(ながいき)ネギ」「長生(ながいき)トマト」「ながいきそば」は、ブランド農産物として高い評価を得ています。ほかにも、アイガモ農法によるお米、イチゴ、サツマイモ、キュウリ、梨、マスクメロンなど多彩な旬の味が楽しめます。また、海に面していることから、養殖の青のり、地引網で獲れるアジなどの海産物も名物です。

ベーグルサンドランチは、村の採れたて野菜も美味。季節の柿も添えられていました。

Farm Café Gon

住所:長生郡長生村本郷3237
アクセス:JR茂原駅から車で10分
電話:050-5479-1500
HP:https://longevity.gift

 

由緒ある神社を参拝。地域の歴史に思いを馳せる

カフェで地元グルメを堪能した後、30分ほどドライブ。目指すは長生村の隣の一宮町にある玉前神社です。縄文・弥生時代の遺跡や貝塚が残り、古くから人々の営みが紡がれてきた地域のなかでも、1200年以上の歴史があると言われています。


社殿は大唐破風・流れ入母屋権現造りで、銅板葺き。正面に高砂の彫刻があり、左甚五郎の作とも言われている。

玉前神社は、上総国の一之宮神社です。一之宮とは、平安時代から中世にかけて各国で定められた最も格式の高い社格です。玉前神社は、その由緒の深さや信仰の厚さから一之宮の名を得ました。

境内には千葉の県木イヌマキの群生があり、お宮の杜を構成しています。一番古いものは本殿東側の樹高20m、幹囲3.26mものの巨木で、樹齢300年にも及ぶとか。


「”ご神水”だって!」。境内にはさまざまな由緒について記された掲示があり、子どもたちも興味津々。

幼い子どもたちにとっては、駐車場から社殿までの参拝路は、ほどよいお散歩。境内を物珍しげに探索しながら進んでいきます。

社殿は黒漆塗りの権現造り。1687年に造営され、立派な風格を漂わせます。参加者は、境内にある芭蕉の句碑などに立ち寄りながら、この地の歴史に思いを馳せていました。


初めてのご参拝。うまくできたかな。

玉前神社
住所:千葉県長生郡一宮町一宮3048
アクセス:JR上総一ノ宮駅から徒歩8分
電話:0475-42-2711
HP:https://tamasaki.org/index.htm

 

国内屈指のサーフポイント、釣ヶ崎海岸

玉前神社から車を走らせること、約20分。一宮町にある釣ヶ崎海岸へ。房総最古の浜降り神事として1200年以上の歴史と伝統をもつ上総十二社祭りの祭典場として、古くから地元の人々に親しまれてきました。

近年では、2021年東京オリンピックのサーフィン競技会場として一躍有名になりました。千葉県の九十九里浜の南端に位置し、年間を通して良質な波が打ち寄せることから、全国からハイレベルなサーファーが集まってきます。


釣ヶ崎海岸のオリンピック記念碑の前でパチリ。

この日はあいにくの曇り空。それでも、どこまでも続く九十九里浜の海岸線を目の当たりにすると、自然と気持ちが浮き立ちます。参加者の愛犬も砂浜を踏みしめて走る気まんまん。

「やはり海はいいですね。海を見ると心が広くなったような気がします。自然が豊かだと余計なことで悩まずにシンプルな生き方ができそうです」(神奈川県在住 Aさん)。

子どもたちは砂浜で貝殻拾いも。いいお土産ができました。

釣ヶ崎海岸
住所:千葉県長生郡一宮町東浪見6961-7(釣ヶ崎観光案内所)
アクセス:JR上総一ノ宮駅から車で約10分

 

先輩移住者が語る長生村の魅力とは?

1日目の最後の目的地は、長生村の「みんなのおむすびモモカフェ。」。土鍋で炊いたアイガモ農法米を使ったおむすびと味噌汁、惣菜が看板メニューです。このほか、コーヒー、チャイ、玄米コーヒー、手作りシロップのハーブティーやお茶類など、素材を吟味した健康的な食事を楽しめます。

アットホームな雰囲気の店内で、オーナーの梶井茂子さんと、夫の智昌さんとの交流会が行われました。

夫妻は、2021年8月に千葉県習志野市から長生村に移住してきました。「家族が支えあって幸せに暮らせる環境をつくりたい」という思いが移住のきっかけ。以前は智昌さんは仕事に忙しく、茂子さんは4人の子どもたちの育児に悩む日々を送っていました。


オーナーの梶井さん夫妻。

「家族が共に過ごす時間を大切にできる場所はどこだろう?と検討する中で見つけたのが、長生村でした。海が近くて星空がきれいで、都市部から遠すぎず、ほどよく自然と触れ合える。私たちに”ちょうどいい”ところでした」(智昌さん)

新しい暮らし方ができる広い住まいを探していたところ、たまたま出会ったこの物件に一目惚れ。「当時はカフェを経営するなんて思ってもみなかった」という茂子さんですが、「村のみんなに大切にされていたこの場所を有効に活用したい」という思いが強くなり、ゼロからカフェをつくることにしました。

「長生村は、自由な発想を持ち、行動することができれば、みんなの夢が叶う場所」と、茂子さんは話します。

今では、他の移住者や地元の方々との交流も深まり、お店はアートや音楽を楽しむ人々が集う場にもなっています。当初は東京と村の二拠点生活で会社勤務を続けていた智昌さんも、今年から会社を辞めてカフェを手伝っています。

「ここなら自分のやりたいことができるし、子どものそばにもいられる。地元の方は『何もない』と言いますが、それは新しいことを始める可能性が無限にあるということ。みんなの夢が叶う場所だと思っています」(茂子さん)


ここでしか聞けない移住体験談もざっくばらんに披露。

みんなのおむすびモモカフェ。
住所:千葉県長生郡長生村一松丙4355-1
アクセス:九十九里有料道路長生ICから南に5分、一宮ICから北に5分
電話:047-538-0042
HP:https://momocafemaru.jp/

交流会を終え、各自宿泊施設へ。2日目と3日目午前は自由行動です。お昼の時点では「まだ何をするか決めていない」と言っていたみなさんでしたが、一日過ごしてみて、村での生活のイメージがだいぶ広がったようでした。


宿泊施設のひとつ、「All Season Resort 海の香り」。一棟まるごと利用できるコテージタイプの宿。バーベキューのほか、ウッドデッキから釣りを楽しむこともできる。

All Season Resort 海の香り
住所:千葉県長生郡長生村一松丙4431-22
アクセス:JR上総一ノ宮駅から車で約8分
電話:0475-44-6855
HP:https://all-season-resort.jp/no1_umi/

 

自然を楽しむ心豊かな暮らしを実感

次に参加者が顔を合わせたのは、3日目の午後。長生村役場にて、今回のお試し移住体験の感想や意見のヒアリングが行われました。さらに、小髙陽一村長がご挨拶。

「長生村は平坦な地形で、坂が少ないので歩きやすいですし、自転車で楽に村を一周できます。畑や田んぼが広がっていて、新鮮な野菜やお米がたくさん収穫できます。九十九里の海に面していますから、移住してからサーフィンを始める人も多いですよ。食べ物がおいしく、健康的で快適な暮らしができる村です」(小髙村長)


村役場に集まった参加者。充実した時間を過ごせたことが笑顔からうかがえた。

長生村役場
住所:千葉県長生郡長生村本郷1-77
アクセス:JR八積駅から徒歩約20分
電話番号:0475-32-2111
HP:https://www.vill.chosei.chiba.jp/

 

\参加者の声/

「以前参加した長生村日帰りツアーが魅力的だったので、参加しました。移住の候補地の一つとして検討しています。実際に生活した時に不便がないか、スーパーや市場で買い物をしたりしてシミュレーションしました。自然が豊かなのはとても精神衛生上良いと感じましたね。村の景観や施設もきれいで、清潔感があるのも、とてもいいなと思いました」(東京都在住 Kさん)

「生き急ぐことなく、のんびり人生を過ごしたいと考え、移住を検討しています。移住先の選択のポイントは、住みやすさ、勤務先への距離など。長生村は自然が豊かで海が近いところがいいですね。ワーケーションの場としてもよさそうだなと思いました」(埼玉県在住 Kさん)

「長生村は、いい意味で非日常感があります。子育ても大事ですが、その先の自分や妻との”終の住処”としてもいいな、という思いが強くなりました。自然に囲まれていながら車で少し走れば生活に必要なものは揃う、暮らしやすい環境だと感じました」(東京都在住 Kさん)

自然と暮らす心地よさ、快適な生活環境を満喫されたようでした。千葉県唯一の村にしかない魅力を探すことができた2泊3日となりました。

取材・文:渡辺圭彦 写真:中村 晃

 

                   

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