新卒で入社した新入社員が「仕事を辞めたい」と思うことは決して珍しくありません。
入社前に抱いていた期待と実際の仕事のギャップや希望した職種に配属されなかった、人間関係に馴染めない、などの理由で転職を考える新入社員が多くいます。
この記事では、新入社員(新卒者)が仕事を辞めたい主な理由を挙げ、辞める場合のメリット・デメリット、辞めてもいいサインの見極め方について説明します。また記事の後半では、新卒で辞めた場合の転職理由の伝え方についても例文つきで紹介しています。
「新卒で入社したけれど辞めたい。その場合のメリット、デメリットは?」
「新卒で入社したばかりなのに辞めてしまっていいのか判断できない」
「新卒で辞めたら転職理由はどうしよう?」
と悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
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Contents
新入社員(新卒者)が仕事を辞めたい理由とは?
新入社員が仕事を辞めたいと思う主な理由は、次のようなものがあります。
- 期待とのギャップ
- 希望の職種・配属と異なる
- 人間関係の悩み
- キャリアパスの不透明さ
- 長時間労働と過労
ひとつずつ見ていきましょう。
期待とのギャップ
新卒の新入社員が抱く期待と実際の職場のギャップは、仕事を辞めたいと感じる一般的な理由の一つです。入社前に持っていた仕事に対するイメージと実際の業務が異なることにフラストレーションを覚えるのです。
たとえばクリエイティブな業務を期待していたのにデータ入力が中心であったり、人とのコミュニケーションを楽しみにしていたのに一人での作業が多かったりするとミスマッチを強く感じることがあります。
このような状況が、新卒で入社したものの仕事を辞めたいと感じる要因となります。
希望の職種・配属と異なる
新卒で入社した新入社員が自分の希望した職種や配属先と異なる場合、モチベーションの低下やキャリアプランへの不安を感じることがあります。期待していた業務内容と異なり、得意分野や興味のある業務に就けないことに失望することも少なくありません。
たとえばマーケティング職を希望していたにもかかわらず、配属されたのが一見すると関連性の薄い総務部門だったとします。このような配置は、技術的なスキルや知識を活かせずにせっかくの能力が埋もれるリスクがあります。
このように経験と希望するキャリアパスが一致しないため、仕事を辞めて希望するキャリアパスに合った企業に転職したいと考えるようになります。
人間関係の悩み
職場における人間関係の問題は、新卒の新入社員が仕事を辞めたくなる大きな要因の一つです。新人が直面する人間関係の悩みには、先輩・同僚とのコミュニケーションの難しさ、上司との価値観の違い、職場のいじめやハラスメントなど多岐にわたります。
特に一人で悩みを抱え込んでしまうと、精神的な負担が増大し職場でのパフォーマンス低下や職を辞めたくなる気持ちを強めてしまいます。
このような場合は、たとえば信頼できる同僚や上司に相談をする、社内の相談窓口やカウンセリングサービスを利用するなどの対処法が一般的ですが、新卒で入社してから日の浅い新入社員は周囲に相談できるほど親しい人がいない場合が多く、辞めたくなる原因になります。
キャリアパスの不透明さ
次に新卒の新入社員が直面しやすい問題の一つにキャリアパスの不透明さが挙げられます。
新卒の場合、就活中に自己分析を深めてキャリアパスについて熟考する方が多いと思われますが、実際に入社してみたら会社がキャリアパスに対して曖昧な対応であったり、メンターがおらず将来に対する展望がぼやてしまうことがあります。
結果としてモチベーションが低下し、辞めたいと考える要因となります。
長時間労働と過労
最後に挙げるのが、長時間労働と疲労の蓄積が退職理由になるケースです。体力的、精神的な限界を超える勤務時間は、仕事への情熱を奪いストレスや健康問題を引き起こす原因となります。
特に新卒者の場合は学生から社会人になったストレスに加えて、不慣れな仕事で長時間労働になりやすい、効率化の仕方が分からない、周囲に頼れる人がいない、という状況になりがちです。
また残業が常態化している企業に入社した新卒者は「これが普通なんだ」と思い、過労死のリスクに晒されることもあります。
このような場合、限界を感じて転職を検討することは自然な流れといえます。
新入社員(新卒者)が仕事を辞めるデメリット
ここまでに挙げたような理由から辞めることを検討している新卒の新入社員の方が多いと思いますが、実際に辞めて転職する場合にはいくつかデメリットが考えられます。
その中でも最大のデメリットは、「新卒カード」が失われるという点です。「新卒カード」とは、新卒一括採用が主流の日本において新卒者だけが持つ、就活上の大きなアドバンテージを意味します。
新卒者はその新鮮さと成長可能性を評価され、初年度からの教育も充実しているのが特徴です
次に考えられるデメリットは、社会人としての基礎力や専門スキルが未熟なまま転職市場に出るため、経験不足がネックになり希望する条件の職に就きにくいという事態です。
このほかにも短期間での転職は面接においてマイナスに捉えられるというデメリットが挙げられます。
これらデメリットがあることを理解した上で、慎重に次のステップを考慮する必要があります。
新入社員(新卒者)が仕事を辞めるメリット
新卒の新入社員が仕事を辞める場合、デメリットがある一方で次のようなメリットもあります。
- キャリアチェンジのチャンス
- 自分に合った職場を見つけることができる
- ストレスからの解放
- 給与アップの可能性
- 専門性を磨く機会
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
キャリアチェンジのチャンス
まず新入社員や新卒者が仕事を辞めると、キャリアチェンジの大きなチャンスが訪れます。まず新しいキャリアパスを探求する自由が生まれ、新たな分野に挑戦できる機会に出会うことができます。
一度就職して実際の仕事を経験したことで、学生時代の就活では気づかなかった自己の強みや興味を再評価し、新しい職種や業界に焦点を当てることができます。
適切なキャリアチェンジは、長期的に見れば個人の充足感とプロフェッショナルな成長につながります。キャリアチェンジを成功させるには、市場の需要や将来の成長性を見極めながら自分に合った職場をじっくりと探すことがポイントといえるでしょう。
自分に合った職場を見つけることができる
次に新入社員が仕事を辞める大きなメリットの一つは、自分に合った職場を見つけることができる点です。
初めての職場が必ずしも自分の価値観やスキルセットに合致しているとは限りません。転職を通じて、働く環境や職種、会社の文化が自分に合っているかどうかを再評価する機会を得ることができます。
たとえばフレックスタイム制やリモートワークを積極的に導入している企業への転職は、仕事とプライベートのバランスを改善する一助となるでしょう。転職市場には多種多様な選択肢が存在し、自身のキャリアを見つめ直す絶好のチャンスといえます。
ストレスからの解放
続いて、新入社員が職を辞めることで得られる最も大きなメリットの一つにストレスからの解放があります。過度なストレスに晒されていた職場を離れ、心身の健康を取り戻すことは重要です。
転職する場合は、チームのサポートや成長に重点を置いた環境が整備されているか、自らの価値観と合致するかを重視して職場を見つけることで、ストレスが軽減され仕事の充実感が増すのです。
給与アップの可能性
給与アップも転職で得られるメリットのひとつです。現在の仕事の給与に不満があり、より高い収入を目指す場合は転職が有効な選択肢となることがあります。
特に専門分野の知識やスキルを求められる業界では、学校を卒業してから日の浅い新卒の新入社員であれば、学校での研究内容が転職を通じて評価される可能性があります。その結果、給与アップを実現することが可能です。
ただし給与のみを重視するのではなく、職場が給与以外の面でも自分にとって望ましい環境であるかを慎重に検討することが重要です。
専門性を磨く機会
新卒の新入社員が転職を考える際に重要なのは、将来のキャリアパスへの影響です。現職での業務が自分の望むキャリアパスや専門スキルの向上に貢献していない場合、転職は専門性を磨く機会になるでしょう。
たとえばデジタルマーケティングの分野で働く新入社員が、実際は紙媒体の仕事ばかり担当していると感じた場合、そのスキルセットを活かせる別の会社への転職が望ましいでしょう。
転職市場の業種・職種は多岐に渡るため、自分が専門とする分野でより多くの経験を積みたいと考える新入社員にとって、転職は理想的なキャリアを築くための重要なステップになります。
新入社員(新卒者)が辞めてもいいサインとは?
ここまで新卒の新入社員がやめたくなる理由と、辞めた場合のメリット・デメリットを見てきました。これらを踏まえた上で、実際に仕事を辞めて転職に踏み切るかどうかを見極める必要があります。
新卒の新入社員が仕事を辞めてもいいサインは、主に次のようなものが考えられます。
- 体調不良が続く場合
- 朝起きるのが苦痛に感じる
- 成長を感じられない
- 仕事へのモチベーションが低下する
- プライベートが壊れる
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
体調不良が続く場合
まず1つ目に、辞めてもいいシグナルは継続する体調不良です。
これは仕事が自分に合っていない可能性を示唆しています。過度のストレスや長時間労働により身体がSOSを発している証拠なので、深刻なシグナルとして受け止めるべきです。
仕事が原因の体調不良は生産性を下げるだけでなく精神的な負担も増大させます。そのため、事態が深刻化する前に、転職を含めたキャリアプランの見直しを検討することが賢明です。
朝起きるのが苦痛に感じる
次に、朝の目覚まし時計が鳴ると心が重くなり、布団から出るのが儀式のように苦痛を伴う場合、仕事に対するストレスや疲労が蓄積されていることを示しています。
このように朝起きることが常に苦痛である場合、それは仕事環境が本人に適していない、または仕事の量や内容に問題があることが考えられます。
このような状態が長く続くと心身の健康を損なうリスクがあるため、転職を検討することに加えて、専門家の助言を求めることが必要かもしれません。
成長を感じられない
新卒の新入社員が現在の職場で自分の成長を感じられない場合、これは職を辞めてもいいサインかもしれません。
スキルアップに必要な支援や機会が提供されていない場合や、自分の仕事が自己実現につながらない感覚、挑戦できるプロジェクトに参加させてもらえない、といったことが原因で停滞感を感じることがあります。
このような状況はキャリアの長期的視点から見て、価値のある時間を浪費していると感じさせることでしょう。このような場合は、自身のキャリアパスを本気で考え、スキルの成長を感じられない環境からの脱却を検討することが大切です。
仕事へのモチベーションが低下する
仕事へのモチベーションが低下するのは、新卒の新入社員が職を変えるべきサインの一つです。長期間にわたるモチベーションの低下は、仕事のやりがいや情熱が失われたことを示しており、キャリアチェンジを考えるきっかけになるかもしれません。
転職による新たなキャリアパスが自己実現への欲求を再燃させる可能性があるため、モチベーションが続かない状態が続いている場合には、転職を検討したほうが良いかもしれません。
プライベートが壊れる
仕事が原因でプライベートの時間がなくなってしまう状態は、転職を検討すべき重要なサインです。
過度の残業やストレスにより家族や友人との関係が希薄になったり、趣味やリラクゼーションの時間が取れなくなることがあります。
このような状態が続くと、精神的、肉体的な健康にも悪影響を及ぼします。たとえば、仕事に追われる日々で趣味のサッカーができなくなったAさんは運動不足とストレスで体調を崩し、結果的に転職を決意しました。
このような場合、ワークライフバランスを重視する企業に移ることで人生の質が大幅に改善するでしょう。自己の時間を取り戻し生活の充実を求めることは、転職を考えるうえで大切な要素です。
以上のようなサインを見極め、慎重に決断しましょう。仕事のせいで人格が犠牲になるような場合は、転職が新たな扉を開く鍵となり得るのです。
新入社員(新卒者)の転職の秘訣|転職準備の心得
この章からは、転職を決断した場合に失敗しないためのコツを紹介します。まず転職準備の心得について、次の内容を説明します。
- 転職先のリサーチ
- 適切な時期を選ぶ
- スキルアップのための資格取得
それでは、順に見ていきましょう。
転職先のリサーチ
転職先のリサーチを始める際には、まず業界動向や職種に関する情報を集めることが重要です。
市場で需要が高いスキルや専門知識などを調べ、自身の経験や興味が合致するか検討します。また企業文化や働き方についても、従業員の口コミサイトや会社のウェブサイトを通じて情報収集を行います。
さらに転職エージェントと面談して、自分のキャリアプランに沿った求人を紹介してもらうと良いでしょう。こうすることで職場の雰囲気やキャリアアップの可能性、給与水準など、リアルな情報を得ることができます。
適切な時期を選ぶ
転職を考える際には適切なタイミングが重要です。たとえば年度末や業界の繁忙期を避けることは、次の職場への移動をスムーズに行うために役立ちます。また業績評価や昇進の時期を意識することで次のステップへの自信を持って進むことができます。
転職活動は一般的に少なくとも3〜6ヶ月前から開始するのが理想とされています。さらに新しい仕事が見つかる前に辞めるリスクを回避するため、退職届を提出するのは次の会社から内定をもらってからにすることをおすすめします。
スキルアップのための資格取得
新卒の新入社員が転職する場合、先述したとおり経験不足が転職市場でネックになる可能性があります。それを補う方法として、スキルアップのための資格取得が有益です。資格があると信頼性や専門性を高めてくれます。
資格が必要な職種への転職の場合はもちろんですが、資格を持っていると給与アップにつながる可能性もありますので、積極的に取り組むことをおすすめします。
ただし資格取得には時間と費用がかかることを考慮に入れ、実際の職場でその資格が必要とされるか十分にリサーチすることが肝心です。
新入社員(新卒者)の転職の秘訣|転職理由の伝え方<例文付き>
新卒の新入社員が転職活動する場合、面接で特によく質問されるのは「前職を辞めた理由」です。この質問に対する明確で説得力のある答えを用意しておくことが、転職を成功させるためには不可欠です。
この章では、新卒で仕事を辞めた場合の転職理由の伝え方について、以下の内容をまとめます。
- 転職する理由を明確にする
- 転職理由の例文
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
転職する理由を明確にする
転職する理由を明確にすることは、転職の成功に不可欠です。理由がはっきりしていれば、面接官に対して自己の決断を説得力をもって伝えることができますし、自分自身の目指すキャリアパスを見失わないためにも重要です。
新卒の新入社員が転職理由を明確にするにあたり、考慮すべきポイントは以下のようなものがあります。
- 今の職場での成長限界を感じているか
- 仕事の内容や人間関係に不満があるか
- 望むキャリアパスへの適合性
- 体調不良やストレスが続いているか
これらの理由を基に転職の目的を設定します。たとえば、専門性を高めるために業界を変えたい、ワークライフバランスを重視したいなど、さまざまな理由が挙げられますが、それぞれについてしっかりと自己分析を行って明確な転職動機とすることが大切です。
転職理由の例文
転職理由を面接で伝える際には、面接官に対して建設的かつポジティブな印象を与える必要があります。以下にいくつかの例文を提示し、それぞれのポイントについて説明します。
現在の職場では多くの経験とスキルを習得し大変感謝しています。今後はさらに専門性を高め、より大きな責任を担うポジションで貢献できる機会を探しています。
私の価値観やキャリアビジョンをより実現できる環境を求めています。御社のような柔軟性やチームワークを重視する職場で、自分の能力を最大限に発揮したいと考えています。
現在の職場での経験を生かしつつ、新しい業界で更なる挑戦をしたいと思っています。未知の領域に対する深い興味と、学ぶ意欲を持っております。
仕事とプライベートのバランスを取りつつ、長く続けられるキャリアを築きたいです。健康や家族との時間を大切にしながらも成果を出せる環境を探しています。
これらの例文は、自己の成長、価値観、新しい挑戦、そしてバランスの取れた生活などの転職理由を、前向きで積極的な伝え方で表しています。
転職理由を考える際は意欲と目的を明確に伝え、これまでの経験との関連性を示すことが大切です。さらに「強みや弱み」「キャリアプラン」「転職を通じて実現したいこと」につなげると良いでしょう。現在の職場に対しては感謝の気持ちを表すと印象が良くなります。不満などのネガティブな表現は避けてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
新卒で入社した会社を辞めることは大きな決断が必要になります。
新卒の新入社員の皆さんが仕事を辞めたいと考える理由は様々ですが、転職はキャリアチェンジのチャンスであり、新たな職場で自分にピッタリの環境を見つけ、専門性を磨く機会でもあります。
一方で、新入社員の状態で辞めることによるデメリットも理解しておく必要があります。転職の決断は状況を見極めて慎重に。辞める決断をした場合は転職準備をしっかり行い、面接でも前向きな理由を答えられるようにしておきましょう。
「仕事を辞めたい」と迷っている新卒入社の方が、希望に合った環境で充実したキャリアを積めることを願っています。