年収700万円の手取りは約526万円で、月収に換算すると約44万円の手取りとなります。

この年収700万円台の収入に到達している割合は、全体のわずか4.9%。これは「勝ち組」とも呼ばれる水準です。

しかし、実際の生活レベルは税負担の重さや子育て世帯の家計圧迫などにより、年収700万円でも生活が苦しいと感じる現実もあります。

この記事では、年収700万円の手取り計算から生活レベル、さらなる収入アップ戦略まで詳しく解説します。

Contents

年収700万円の手取り月収を計算【独身・扶養・ボーナス別】

年収700万円の手取り額は、家族構成や賞与の有無によって大きく変わります。税金や社会保険料の詳細な内訳を理解することで、より正確な手取り額を把握できます。

  • 年収700万円から引かれる税金・社会保険料の詳細内訳
  • 年収700万円で独身の手取り月収は43.8万円
  • 年収700万円で扶養ありの手取り月収は44.6万円
  • 年収700万円でボーナスありの手取り月収パターン

それでは順に見ていきましょう。

年収700万円から引かれる税金・社会保険料の詳細内訳

年収700万円から控除される主な項目は、厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料、所得税、住民税です。

厚生年金保険料は年間約65万円(月5.4万円)、健康保険料は年間約41万円(月3.4万円)となります。介護保険料(40歳以上)も含まれ、年間約5.6万円の負担があります。

所得税は年間約27万円、住民税は年間約37万円となり、これらの控除により手取り額が決まります。

年収700万円で独身の手取り月収は43.8万円

独身で年収700万円の場合、年間手取り額は約526万円、月収換算で43.8万円となります。額面年収700万円から税金・社会保険料として約174万円が控除される計算です。

月額43.8万円の手取りは、一人暮らしであれば十分にゆとりある生活が可能な水準といえます。家賃15万円程度の物件に住んでも、月20万円以上の自由に使えるお金を確保できるため、趣味や投資にも十分な資金を回せます。

【年収700万円の手取り額計算】
<独身・ボーナスなしの場合>

年収 月収
額面 7,000,000円 583,333円
厚生年金 647,820円 53,985円
健康保険 410,292円 34,191円
(うち介護保険料) 56,292円 4,691円
雇用保険 38,500円 3,208円
所得税 272,700円 22,725円
住民税 369,800円 30,816円
手取り額 5,260,888円 438,408円

※出典:税金・社会保険料・手取り計算シミュレーション(あなたの給料を入力してパッと計算) | 税金・社会保障教育
※40歳以上65歳未満の場合
※所得税は復興税込み、住民税は調整控除後で計算

年収700万円で扶養ありの手取り月収は44.6万円

配偶者控除が適用される扶養家族がいる場合、手取り額は月44.6万円に増加します。扶養控除により所得税が年間約21.6万円、住民税が年間約33.7万円となり、独身時と比べて税負担が軽減されるためです。

年間の手取り額は約535万円となり、独身時代より約9万円の増加です。扶養控除のメリットを最大限活用することで、家計の負担を軽減できます。

このように配偶者の年収を抑えることで配偶者控除を受けることができますが、将来の年金額を考慮すると、扶養の枠を超えて厚生年金に加入する選択肢も検討が必要です。

【年収700万円の手取り額計算】
<配偶者あり(扶養内パート123万円以下)の場合>

年収 月収
額面 7,000,000円 583,333円
厚生年金 647,820円 53,985円
健康保険 410,292円 34,191円
(うち介護保険料) 56,292円 4,691円
雇用保険 38,500円 3,208円
所得税 216,200円 18,016円
住民税 336,800円 28,066円
手取り額 5,350,388円 445,867円

※出典:税金・社会保険料・手取り計算シミュレーション(あなたの給料を入力してパッと計算) | 税金・社会保障教育
※40歳以上65歳未満の場合
※所得税は復興税込み、住民税は調整控除後で計算

年収700万円でボーナスありの手取り月収パターン

年収700万円でボーナスありの場合、年収の10%(70万円)のボーナス支給と仮定すると、月収は52.5万円、手取りにして約38万円となります。

ボーナスなしのケースと比較すると、ボーナス分を除いた月収ベースでは手取りが少なくなりますが、年間トータルの手取り額は約526万円と変わりません。

ボーナス支給時期には社会保険料や税金も一括で控除されるため、支給額の約75~80%が手取りとなります。またボーナスが支給される給与体系では、月々の家計管理とボーナス時期の計画的な支出管理が重要になります。

【年収700万円の手取り額計算】
<独身・ボーナスあり(年10%)の場合>

年収 月収
額面 7,000,000円 525,000円
(うち賞与) 700,000円
厚生年金 645,990円 53,832円
健康保険 409,133円 34,094円
(うち介護保険料) 56,133円 4,678円
雇用保険 38,500円 3,208円
所得税 273,300円 22,775円
住民税 370,100円 30,841円
手取り額 5,262,977円 380,250円

※出典:税金・社会保険料・手取り計算シミュレーション(あなたの給料を入力してパッと計算) | 税金・社会保障教育
※40歳以上65歳未満の場合
※所得税は復興税込み、住民税は調整控除後で計算

年収700万円は勝ち組?男性・女性・全体での割合から見る現実

結論からいうと、年収700万円は統計的に見ても明らかに「勝ち組」といえる水準です。

ここでは、全体に占める割合や男女別の分布、年収偏差値などの客観的データから、その希少性と社会的ポジションを分析します。

  • 年収700万円台は全体のわずか4.9%
  • 年収700万円台の男性は上位7.2%の狭き門
  • 女性で年収700万円は上位わずか1.9%の超レア層
  • 年収700万円の年収偏差値59.1が示す社会的ポジション
  • 都道府県別の平均年収から見る年収700万円の評価

それでは順に見ていきましょう。

年収700万円台は全体のわずか4.9%

国税庁の民間給与実態統計調査によると、年収700万円台の給与所得者は全体のわずか4.9%しかいません。これは20人に1人という極めて限られた割合です。

この数値は、年収700万円を超えると日本の給与所得者の上位約5%に入ることができることを意味します。つまり、年収700万円が決して「普通」ではなく、社会的に見て明確に高収入層に位置することを示しているのです。

あらに年収400万円台(15.4%)や500万円台(10.8%)と比較すると、その希少性がより際立ちます。

【年収700万円の人の男女別割合】

年収 男女計 男性 女性
300万円超〜400万円以下 16.3% 14.9% 18.1%
400万円超〜500万円以下 15.4% 17.5% 12.7%
500万円超〜600万円以下 10.8% 14.0% 6.7%
600万円超〜700万円以下 7.1% 10.0% 3.4%
700万円超~800万円以下 4.9% 7.2% 1.9%
800万円超~900万円以下 3.2% 4.9% 1.0%

※出典:国税庁令和5年分 民間給与実態統計調査」の「(第 16 表)給与階級別給与所得者数・構成割合」より

年収700万円台の男性は上位7.2%の狭き門

年収700万円台の割合を男性に限定すると7.2%となります。男性の約14人に1人という計算で、決して容易に到達できる水準ではありません。

男性の場合、年収600万円台が10.0%、800万円台が4.9%という分布を考えると、年収700万円は男性キャリアにおける重要な節目といえます。

大企業の管理職や専門職、中小企業の役員クラスなど、相応の責任とスキルを持つポジションでなければ到達困難な水準であり、転職市場でも年収700万円以上の求人は限定的で、高い専門性が求められます。

女性で年収700万円は上位わずか1.9%の超レア層

女性で年収700万円に到達するのは、全体のわずか1.9%という超レア層です。これは50人に1人という極めて厳しい現実を示しています。

女性の年収分布を見ると、300万円台(18.1%)や400万円台(12.7%)が多数を占める中、700万円台は非常に限られた存在です。医師、弁護士、外資系企業の管理職、IT企業の上級エンジニアなど、高度な専門性と責任を持つ職種でなければ到達困難といえます。

女性の年収700万円は、キャリア女性の最上位層といえる水準となります。

年収700万円の年収偏差値59.1が示す社会的ポジション

年収700万円の年収偏差値は59.1となっており、これは平均を大きく上回る水準を示しています。

偏差値60前後は「やや優秀」とされる範囲で、学力でいえば偏差値60の大学に相当する社会的ポジションです。学歴別では、高卒で年収700万円の場合は偏差値69.8と極めて高い数値となります。

一方、大卒では偏差値47.4と平均的な水準となり、大学教育を受けた層では比較的到達しやすい目標といえます。中小企業勤務の場合は偏差値61.2と高い評価を受けます。

【年収700万円の正社員の年収偏差値】

年収額面 700万円
年収偏差値 総合 59.1
高卒 69.8
大卒 47.4
中小企業 61.2

※出典:年収偏差値チェッカー
※45歳の場合

都道府県別の平均年収から見る年収700万円の評価

都道府県別の平均年収と比較すると、年収700万円の価値がより明確になります。

全国平均472.9万円に対して、年収700万円は約1.5倍の水準です。東京都の平均546.5万円と比較しても約1.3倍となり、首都圏でも十分に高収入といえます。

一方、地方では年収700万円の希少性がさらに高まります。例えば青森県(357.4万円)や宮崎県(368.0万円)では約2倍の水準となり、地域社会では確実にトップクラスの収入といえます。

地方で年収700万円を実現できれば、生活レベルは東京の年収1000万円相当になる可能性もあります。

【参考】都道府県別の平均年収・平均月収

都道府県 平均年収 平均月収(所定内給与額) 都道府県 平均年収 平均月収(所定内給与額)
全国平均 472.9万円 31.8万円 三重県 455.3万円 30.5万円
北海道 422.4万円 28.9万円 滋賀県 455.5万円 30.3万円
青森県 357.4万円 25.0万円 京都府 470.0万円 31.6万円
岩手県 379.6万円 26.0万円 大阪府 510.3万円 34.0万円
宮城県 419.5万円 28.9万円 兵庫県 477.3万円 31.7万円
秋田県 381.6万円 26.1万円 奈良県 437.2万円 30.2万円
山形県 372.3万円 25.6万円 和歌山県 438.6万円 29.8万円
福島県 406.7万円 27.9万円 鳥取県 368.9万円 25.8万円
茨城県 465.5万円 31.2万円 島根県 395.8万円 26.9万円
栃木県 496.3万円 32.3万円 岡山県 430.4万円 29.1万円
群馬県 435.9万円 29.7万円 広島県 444.3万円 29.7万円
埼玉県 460.9万円 31.7万円 山口県 433.8万円 29.0万円
千葉県 453.0万円 31.0万円 徳島県 396.6万円 27.1万円
東京都 546.5万円 36.9万円 香川県 410.5万円 27.9万円
神奈川県 530.5万円 35.0万円 愛媛県 411.3万円 28.0万円
新潟県 396.7万円 27.0万円 高知県 399.7万円 27.3万円
富山県 437.2万円 29.4万円 福岡県 437.7万円 29.7万円
石川県 432.3万円 29.0万円 佐賀県 395.8万円 26.9万円
福井県 420.7万円 28.5万円 長崎県 376.2万円 25.7万円
山梨県 437.4万円 29.2万円 熊本県 394.1万円 26.9万円
長野県 428.7万円 28.8万円 大分県 399.9万円 27.1万円
岐阜県 435.9万円 29.2万円 宮崎県 368.0万円 25.4万円
静岡県 461.0万円 30.5万円 鹿児島県 389.5万円 26.8万円
愛知県 490.0万円 32.2万円 沖縄県 368.3万円 26.5万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

年収700万円の生活レベルを世帯別にシミュレーション

年収700万円の生活レベルは世帯構成によって大きく変わります。独身、夫婦、子育て世帯それぞれの家計管理方法と実現可能な生活水準を具体的にシミュレーションします。

  • 独身者の生活費配分と貯蓄可能額の現実
  • 夫婦二人世帯の家計管理とゆとり度診断
  • 子育て世帯(子供1-2人)の家計圧迫度と対策
  • 年収700万円で実現可能な住宅購入・賃貸の選択肢

それでは順に見ていきましょう。

独身者の生活費配分と貯蓄可能額の現実

年収700万円の独身者(手取り43.8万円)は、非常にゆとりのある生活が可能です。

主な生活費配分を

  • 家賃 15万円
  • 食費 5万円
  • 光熱費 1.5万円
  • 通信費 1万円
  • 交通費 2万円
  • 交際費 5万円
  • 趣味・娯楽費 5万円

とした場合、月8.3万円の貯蓄が可能です。年間約100万円の貯蓄ができるため、10年で1000万円の資産形成も現実的です。

この収入水準であれば都心の1LDKマンション(家賃15~20万円)も選択肢に入るだけでなく、年2回程度の旅行や外食も余裕で楽しめます。

さらに投資や自己投資にも十分な資金を回せるため、将来の年収アップにつながる活動も積極的に行うことができます。

夫婦二人世帯の家計管理とゆとり度診断

年収700万円の夫婦二人世帯(手取り44.6万円)では、配偶者の就業状況により生活レベルが変わります。

配偶者が専業主婦の場合は

  • 家賃 12万円
  • 食費 6万円
  • 光熱費 2万円
  • 通信費 1.5万円
  • 交通費 2万円
  • 夫婦の小遣い 各3万円
  • 保険料 2万円

とすると、月12.1万円の貯蓄が可能です。

一方で、配偶者がパート収入(月8万円)がある場合は、世帯手取りが約52万円となり、さらにゆとりが生まれます。

この場合、年間150万円以上の貯蓄も可能で、マイホーム購入資金や老後資金の準備も着実に進められます。夫婦で共通の目標を持ち、計画的な家計管理を行うことが重要です。

子育て世帯(子供1-2人)の家計圧迫度と対策

年収700万円でも、子育て世帯では家計が圧迫されるケースがあります。

たとえば子供1人の場合、保育料3万円、教育費2万円、医療費1万円、子供用品費2万円で月8万円の追加支出となります。子供2人の場合は月15万円程度の教育関連費用が必要です。

家族4人の食費は8万円、家賃も3LDKで15万円程度必要となり、貯蓄額は月5~10万円程度に減少します。

ただし、児童手当や住宅ローン控除などの優遇制度を活用することで、実質的な負担は軽減できます。特に私立中学校を視野に入れる場合は、早期からの教育資金準備が必要です。

年収700万円で実現可能な住宅購入・賃貸の選択肢

年収700万円では住宅ローンの借入可能額は約5600万円(年収の8倍)となりますが、安全な返済を考慮すると4200万円程度が適正です。

都心部では新築マンション(70㎡)で5000~6000万円が相場のため、頭金1000万円程度を準備すれば購入可能です。郊外一戸建ての物件も選択肢となります。ただし、住宅購入時は頭金、諸費用、引越し費用で500~1000万円の初期費用が必要な点も考慮しましょう。

賃貸の場合は、家賃の目安は手取りの3分の1以下が理想的で、月15万円程度が上限です。都心の2LDK、郊外の3LDKが現実的な選択肢です。

年収700万円でも「生活が苦しい」と感じる3つの理由

年収700万円の高収入でも生活が苦しいと感じる人がいるのが現実です。ここでは、税負担の重さや生活レベルの上昇など、高収入ならではの落とし穴について詳しく解説します。

年収700万円でも「生活が苦しい」と感じる3つの理由
  1. 年収700万円でも手取り月収が43万円になる税負担の重さ
  2. 子育て世帯が直面する教育費・住宅費の圧迫
  3. 年収700万円層が陥りがちな生活レベル上昇の罠

それでは順に見ていきましょう。

① 年収700万円でも手取り月収が43万円になる税負担の重さ

年収700万円でも手取りが約526万円(約75%)になる税負担の重さが、生活が苦しいと感じる大きな要因です。

社会保険料だけで年間約134万円、税金で約40万円が控除され、実質的な可処分所得は大幅に減少します。特に累進課税制度により、年収が上がるほど税負担率も上昇するため、額面の増加ほど手取りは増えません。

さらに40歳以上は介護保険料も加わり、負担がさらに重くなります。住民税は前年所得に基づくため、転職で年収が下がっても前年分の高い住民税を支払う必要があり、一時的な家計圧迫の原因にもなります。

② 子育て世帯が直面する教育費・住宅費の圧迫

子育て世帯では教育費と住宅費の負担が重く、年収700万円でも家計が圧迫されます。

私立中学校の年間学費は約130万円、高校は約100万円、大学は約150万円かかります。子供2人が私立に通う場合、年間200~300万円の教育費が必要となり、手取り526万円の半分以上を占めます。

また住宅ローンも月15万円程度の返済となれば年間180万円の負担です。教育費と住宅費だけで年間380万円となり、残りの生活費は146万円(月12万円)という厳しい状況になります。

子どもの大学受験期には塾代も加わり、一時的に月20万円以上の教育費が発生することもあります。

③ 年収700万円層が陥りがちな生活レベル上昇の罠

年収700万円に到達するとライフスタイルが急激に向上し、固定費が増加する傾向があります。

マンションの住み替えや車の購入、高級レストランでの外食増加など、年収上昇に合わせて支出も拡大します。

さらに年収700万円層は社会的地位も高くなるため、交際費や身だしなみ費用も増加しがちです。スーツ、時計、靴などの身の回り品も高級志向になり、年間50万円以上の出費になることもあります。

気づくと家計に余裕がなくなり、「年収は高いのに貯金ができない」という状況に陥ってしまうのです。

年収700万円以上が狙える業種・職種と転職戦略

年収700万円以上を実現するには、業界選択と戦略的なキャリア形成が重要です。高収入が期待できる具体的な業種・職種と、効果的な転職戦略について解説します。

  • 年収700万円以上が期待できる高収入業界ランキング
  • 中小企業でも年収700万円を実現する職種と条件
  • 転職で年収700万円を目指すコツ

それでは順に見ていきましょう。

年収700万円以上が期待できる高収入業界ランキング

年収700万円以上が期待できる業界トップは電気・ガス・熱供給・水道業です。続いて金融業・保険業、情報通信業、建設業、製造業となります。

特にIT業界では、データサイエンティスト、セキュリティエンジニア、プロダクトマネージャーなどの職種で年収800万円以上も期待できます。

金融業界では投資銀行、証券会社、保険会社の営業職やアクチュアリーなどの専門職が高収入です。エネルギー業界は安定性と高収入を両立できる魅力的な選択肢といえます。

【参考】業種別の平均年収・月収

業種 平均年収 内訳
平均月収
(給料・手当)
賞与
全体平均 460万円 388万円 71万円
電気・ガス・熱供給・水道業 775万円 636万円 139万円
金融業、保険業 652万円 503万円 149万円
情報通信業 649万円 529万円 120万円
学術研究、専門・技術サービス業、教育・学習支援業 551万円 451万円 100万円
建設業 548万円 467万円 81万円
複合サービス業 535万円 418万円 117万円
製造業 533万円 430万円 103万円
運輸業、郵便業 473万円 410万円 63万円
不動産業、物品賃貸業 469万円 406万円 63万円
医療、福祉 404万円 351万円 52万円
卸売業、小売業 387万円 333万円 54万円
サービス業 378万円 335万円 43万円
農林水産・鉱業 333万円 290万円 44万円
宿泊業、飲食サービス業 264万円 248万円 16万円

※出典:国税庁令和5年分 民間給与実態統計調査」の「(第 13 図)業種別の平均給与」より
※月給は「給料・手当 ÷ 12ヶ月」で算出
※正社員以外を含む

中小企業でも年収700万円を実現する職種と条件

中小企業でも、年収700万円を実現する職種は限定的ですが可能性はあります。

たとえば営業職では個人成績に応じた歩合制により、年収1000万円以上も期待できます。技術職では、特許取得や新製品開発の実績により評価されやすく、年収700万円以上の待遇を受けることもあります。

管理職では、部長クラス以上で年収700万円が一般的です。中小企業の場合、社長との距離が近く、直接評価を受けやすいメリットがあります。

業績向上への貢献度が明確に評価されるため、実力次第では大企業以上の待遇も期待できます。

転職で年収700万円を目指すコツ

転職で年収700万円を目指すには、市場価値の高いスキルの習得が不可欠です。

具体的には、IT分野では、クラウド(AWS、Azure)、データ分析(Python、R)、AI・機械学習の知識が高く評価されます。営業職では、特定業界の深い知識と実績が重要で、前職での成果を数値で明確に示すことが必要です。

また転職エージェントの活用により、非公開求人へのアクセスが可能になります。年収700万円以上の求人は限定的なため、複数のエージェントに登録し、幅広い情報収集を行いましょう。

面接では、単なる年収アップの希望ではなく、企業への貢献プランを具体的に提示することが成功の鍵となります。

年収700万円から更なる収入アップを実現する4つの戦略

年収700万円を達成した後も、さらなる収入アップは可能です。副業、キャリアアップ、投資、転職など、多角的なアプローチで収入を最大化する戦略を解説します。

年収700万円から収入アップを実現する4つの戦略
  1. 副業で収入を増やす
  2. キャリアアップで年収800万円超えを狙う
  3. 投資・資産運用で資産を増やす
  4. 高収入業界・職種にキャリアチェンジする

それでは順に見ていきましょう。

① 副業で収入を増やす

年収700万円のスキルレベルなら、高単価の副業が可能です。

たとえばコンサルティング業務やプログラミング案件では高単価の案件が期待できます。また、専門性を活かしたオンライン講師なら月10~30万円の副収入も目指せます。

ライティング業務は副業初心者にも取り組みやすい副業ですが、専門分野の記事執筆であれば文字単価が高くなるため、効率よく収入を増やせます。

副業選択のポイントは、本業のスキルを活かせる分野を選ぶことです。ただし、勤務先の副業規定や確定申告の必要性、労働時間の管理には十分注意が必要です。また年間20万円以上の副業収入がある場合は確定申告が必要になります。

② キャリアアップで年収800万円超えを狙う

年収700万円から800万円以上への昇進には、マネジメント能力の向上が不可欠です。部下の育成実績、プロジェクト管理能力、予算管理経験などが評価ポイントとなります。

MBA取得や専門資格(中小企業診断士、PMP、ITストラテジストなど)により、昇進可能性を高めることができます。社内での発言力向上のため、全社プロジェクトへの参画や新規事業提案なども積極的に行いましょう。

年収800万円クラスになると、役員候補や次期幹部として期待されるレベルが求められます。5~10年の中長期キャリアプランを明確にし、計画的にスキルアップを進めることが重要です。

③ 投資・資産運用で資産を増やす

年収700万円の手取り526万円なら、年間100~200万円の投資資金を確保できます。

たとえば、つみたてNISAで年40万円、iDeCoで年82.8万円の税制優遇投資が可能です。インデックス投資で年利5%を想定すると、20年間で約3000万円の資産形成ができます。また、不動産投資により月5~10万円の家賃収入を狙う方法もあります。

ただし、投資にはリスクが伴うため、余裕資金での運用を心がけること、そして分散投資を基本とすることが重要です。まずは投資の基礎知識を身につけ、少額から始めることをおすすめします。

④ 高収入業界・職種にキャリアチェンジする

年収700万円の経験とスキルなら、さらに高収入の業界への転職も可能です。

たとえば、

  • 外資系コンサルティングファーム
  • 投資銀行
  • 大手IT企業

などでは年収1000万円以上も期待できます。特にDX関連のポジション(CDO、データサイエンティスト、プロダクトマネージャー)は需要が高く、年収800~1200万円の求人も豊富です。

転職成功のカギは、英語力(TOEIC800点以上)と専門スキルの組み合わせです。外資系企業では成果主義が徹底されており、結果次第では短期間での大幅年収アップも可能です。

ただし、競争も激しく、常にスキルアップが求められる環境であることも理解しておきましょう。

まとめ

この記事では、年収700万円の手取り計算から生活レベル、さらなる収入アップ戦略まで詳しく解説しました。

年収700万円は全体の4.9%しか到達できない明確な「勝ち組」水準ですが、税負担の重さや子育て費用により生活が苦しいと感じる場合もあります。

重要なのは適切な家計管理と将来を見据えた投資・キャリア戦略です。年収700万円を足がかりに、さらなる収入アップを目指して継続的なスキルアップに取り組みましょう。