群馬県の南東部に位置する館林市。市内の大部分が平地で災害が少ないことで知られており、白鳥が飛来する城沼や多々良沼をはじめとした豊かな自然環境にも恵まれています。
東北自動車や東武鉄道により、東京までは1時間程度でアクセスでき、生活圏内に総合病院や大型ショッピングモールなどもある、自然と都市が共存しているまちです。
ここ館林市に移住し、戸建ての家を建ててテレワークをしながら暮らす平林ご夫婦を取材しました。「趣味」も「仕事」も充実した、戸建てならではの魅力的な暮らしにご注目ください!
(右)平林剛さん
1973年千葉県生まれ、群馬県大泉町育ち。学生時代から音声合成の研究をし、東芝で開発。2017年、群馬県館林市にJターン。(左)平林恵美さん
1974年茨城県生まれ。移住先の館林市が子どもの故郷になると考え、臨床心理学の知識を活かし地域活動に精力的に取り組んでいる。
海外赴任から帰国後、好条件の土地と館林市で出合う
大型犬を思い切り遊ばせることのできる庭に、天体観測もできる広々としたバルコニー。妥協をせず、やりたかったことを詰め込んだ平林邸は誰もが羨む住まい。仕事はテレワーク中心で、理想の住まいでの時間を存分に堪能しています。
しかし、ここに至るまでには様々な転機がありました。
以前は神奈川県川崎市で暮らしていた平林さん夫妻。剛さんの仕事の都合で、ロサンゼルス郊外への転勤となった際に、帰国時期が決まっていなかったことから川崎のマンションを手放します。
奥さまの恵美さんと2歳半の息子さんと共にアメリカに旅立ちますが、その海外生活が、現在の暮らしの価値観に大きく影響したそうです。
「アメリカでは当たり前にみんな大きな家に住んでいるんですよ。お風呂もトイレも3つずつあるような家に4年半暮らしていたので、日本に帰国した時には、もう広いとは言えないマンションで暮らす気にはなれなかったんです」
帰国後の住まいを決める際、最初は埼玉県熊谷市に一戸建てを借りて仮住まいとし、購入する土地を探しながら暮らしていました。そして川崎にある職場に通える範囲を円で描いて検討する中、息子さんが志望する小学校にも通学できる群馬県の東毛エリアに絞り始めます。
駅が徒歩圏内という条件を踏まえつつ、地盤が比較的安定していて災害が少ないと言われている内陸、さらに、祖父母の家からも近い館林市で充分な広さの土地を見つけることができ、移住を決断。自然もあり、交通の便も良い点が魅力でした。
住まいの広さ、アクセスの良さが館林の魅力
2017年から4年間は毎日片道2時間半、往復5時間かけて川崎まで通う毎日。家を建てた当時は、職場の方には「なんでそんな遠いところに家を建てたの?仕事やめるの?」と言われたという剛さん。
「テレワークが当たり前になり、今ではみんなに移住を勧めていますよ。移住の際、仕事を変える方もいるかと思いますが、やっぱりハードルが高いですよね。移住は、“東京でテレワークしているけれど広い部屋が欲しいな” と思っている方には特にメリットを感じてもらえるはずです。館林は都心への通勤圏内に入っていないと思う方が多いかもしれませんが、1時間程で北千住に着くんです。東武鉄道、結構便利なんですよ。本数が都心に比べて少ないですが、満員電車に30分乗るよりは、特急に1時間の方が生産性も上がると思います。それに、館林市には移住促進通勤支援金制度もありますよ。館林市の移住支援は、自分たちが移住してきた頃よりもかなり充実してきています」
これから移住をする人は、東武鉄道や館林市の移住支援を是非活用してほしいとアドバイスをくれました。
テレワークスタイルが仕事の可能性を広げていく
剛さんは学生時代から音声合成を研究しており、2018年4月にはAIが人の音声の特徴を捉えて、その人らしい声色で文字を読み上げるサービスをリリース。テレワークが浸透していく中、こうした最先端の研究も場所に関わらずできる時代になってきました。
通勤の利便性のみを追わず、住環境を優先してきた剛さんにとっては、コロナ禍でのテレワーク普及も追い風となり、暮らし方や働き方に「時代が追いついてきた」と感じていると話します。
子どもの故郷になっていく館林への思い
恵美さんは、博士課程まで進んだ臨床心理学の知識を活かし、移住後は館林市や群馬県の子ども・子育て会議委員など精力的に教育や子ども福祉分野に参加しています。ボランティアでの育児サポートや食生活改善推進員として親子クッキングの手伝い、外遊びの推進団体の運営などに取り組んでおり、その背景にあるのは「館林市が子どもの故郷になるんだ」という思いも大きいそう。
2021年には上毛新聞の第29期「視点・オピニオン21」委員として1年間執筆活動をするなど積極的に地域と関わりを持っています。
テレワークで手に入れた環境優先の理想の暮らし
館林市の暮らしでは、ご近所付き合いもアットホームで、犬の散歩をきっかけに出会いがあったり、家庭菜園の野菜を分けてもらったり。群馬県の中では比較的都市部である館林市ですが、平林さんの周りではこうした温かな交流が生まれているそうです。
天体観測のために周りに高い建物が無いことも、この場所を選んだ理由。観測する日は子どもの同級生も広々としたバルコニーに集まる。
また、自転車で行ける距離の多々良公園など、自然が身近な点にも魅力を感じているご夫妻。
移住した当初は長時間の通勤時間などで苦労もありましたが、環境優先の暮らしを貫くうちにテレワークの時代へと変化し、理想の暮らしが実現。平林さんが手にした暮らしのスタイルは、今後さらに注目されていくことでしょう。
自宅がワークスペースに!
\テレワーク専用の部屋/
(右)隠し戸を開けるとキーボードと音楽機材が現れた。学生の頃からの趣味のひとつだという。
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