群馬県北部の利根沼田地域にあるみなかみ町。谷川岳をはじめとする名峰に囲まれた利根川の源流地域です。2017年にユネスコエコパークに認定され、ラフティングなど大自然の中のアウトドアアクティビティが充実しています。
今回は、この地にパートナーと共に移住し、WEBエンジニアとして活躍する小林広奈さんを取材しました。
みなかみ町で実践する「テレワーク」の魅力をご紹介します!
【プロフィール】
小林広奈さん
1992年群馬県川場村生まれ。県内の大学を卒業後、東京で就職。日本各地やアメリカで働き、帰国後はWEBエンジニアを志す。フルリモートになった事がきっかけで2020年3月、実家の川場村へUターン、2021年7月、パートナーと共にみなかみ町へ移住。
コロナ禍を転機にUターン、そしてJターン
「勤めていた会社がフルリモートに切り替わり、通勤の必要がなくなったことをきっかけに、実家の群馬県川場村に戻ってきたんです。一年くらいはずっと自宅で仕事をしていたのですが、さまざまな人と交流できるコワーキングスペースはないかなと。最初に見つけたのは、テレワークセンターMINAKAMIでした」
実際に訪れてみると移住者の利用も多く、皆のびのび仕事をしている様子に魅力を感じたと言います。そこでたくさんの人と出会う中でみなかみ町に引き込まれ、2ヶ月後にはパートナーも一緒に移住。
現在はWEBエンジニアとして起業の準備をしているそうです。
みなかみ町で出会った人々はオープンで開放的な印象
「みなかみ町は、誰でも受け入れてくれる開放的でオープンな印象を持ちました」と語る小林さん。
みなかみ町に引き込まれていく中で出会ったのが、移住やローカルベンチャーの支援をしている「FLAP」の人たちです。パートナーも一緒にみなかみ町を案内してもらったところ、彼もその環境が気に入り、二人で移住を決めたと言います。
移住してからというもの、地域の人からの紹介に加えて、定期的に開催しているイベントや、移住者コミュニティの集まりに参加することで、人と人との輪がどんどん広がっていきました。
「外国人であるパートナーは、みなかみ町の人々に “英語教室をやってみては” と勧められ、コミュニティの中に入れてもらえて安心しました。現在は『English Cafe〜英語でおしゃべりしよう〜』を定期的に開催しています」
他にも、月に一回みんなでお弁当を用意して川沿いでランチをしたり、古民家をリノベーションする会に参加したりと、移住者同士の交流や地域とつながる機会がたくさんあると話してくれました。
休日は谷川岳やラフティング、朝活はフレスコボール⁉︎
みなかみ町の隣の川場村で生まれ育った小林さんですが、高校時代までは登山やアウトドアの魅力にまだ気づいていなかったそうです。
Uターンしてからは、自然環境の素晴らしさを実感。パートナーと一緒に初めて谷川岳を登頂したり、ラフティングをしたりと、今ではアウトドアアクティビティを思いっきり満喫しています。
同じく移住者で「フレスコボール」というブラジルのスポーツを広めたいというメンバーと共に、朝の7時から公園で楽しむこともあるそうです。
みなかみ町の「余暇」を楽しんでいる小林さん。(写真左)谷川岳に初登頂!ラフティングなどアウトドアアクティビティを満喫。(写真右)移住者でフレスコボール(ブラジルのスポーツ)を広めたいというメンバーと共に、清流公園で朝活。
そうした余暇の時間を、大自然の中で思いっきり楽しむことで、仕事にも良い影響が出ていると言います。仕事の合間のリフレッシュになるだけでなく、より集中力が高まり、新しい発想も湧いてくるそうです。
みなかみ町で見つける自分らしいテレワークスタイル
みなかみ町では、都市部に比べると比較的安くて広いスペースの家を借りられるため、自宅に仕事部屋を保つ人も多いようですが、小林さん自身は週に2日ほどはコワーキングスペースを利用し、それ以外は自宅で仕事をするスタイルです。
「コワーキングスペースに行くと、自然とそこにいる人と関われるので、リラックスして仕事ができるんです。家にこもりきりにならないテレワークができて、気持ちがいいですよ」
中でもおすすめのテレワークスポットが2つあると言います。
一つめは、人との交流を楽しみたいという方向けに「GUESTHOUSE & Co-WORKINGほとり」がおすすめです。気軽に意見や依頼を書いて貼れるボードが設置されていたり、地域の人との交流が生まれるきっかけも多いそう。
(写真:小林さん提供)
この日、小林さんを取材させて頂いたのは、こちらの「GUESTHOUSE & Co-WORKINGほとり」で。
二つめは、移住者の方が温泉宿をリノベーションしてオープンさせた「さなざわ㞢テラス」。山上の静かな環境でテレワークが行え、温泉という楽しみもついてくる場所です。
利用目的やその日の気分に応じて、仕事環境を選べるのはとても魅力的だと小林さんは話します。
起業を目指して。まちの人のあたたかさに包まれた、小林さんの挑戦
勤め先の会社は、コロナが明けたら出社スタイルに戻ると決まっていましたが、現在小林さんが目指しているのは “起業への道” 。元々は「いまの会社の仕事は、サービスを使っているユーザーの顔が見えない」と少し不安も感じていたようですが、移住後に様々な業種の人と出会い、かつて暮らしていた頃は知り得なかった地域の魅力に気づいたことが “起業” を後押ししてくれています。
一方で、その魅力がうまく発信できていないという課題も実感。〝地域で暮らす身近な人の喜ぶ笑顔が見たい〞という思いから身につけた専門性を活かして、みなかみ町の魅力を発信できるWEBエンジニアとして独立を目指しています。
そのために、隣の沼田市が行う「ぬまた起業塾」にも入塾しました。プログラマーや、事業家を志す人と交流できるのが魅力だと言います。
「やれる気がしています。根拠はないんですけど!」と明るく笑った小林さん。
〝根拠のない自信〞の背景には、この土地ならではの “人との繋がり” がある。応援してくれる人、助けてくれる人、なにかに挑戦している人。そんな人たちがいる安心感が、小林さんの新しいチャレンジを後押ししているのでしょう。
挑戦する“ヨソモノ”が増えているというみなかみ町。ここでは、人生の転機となる人や場との出会いが待っています。
オススメの仕事環境(in みなかみ町)
◆GUESTHOUSE & Co-WORKINGほとり
「人と人とをつなぐ場所」をコンセプトにできたゲストハウス&コワーキングスペースです。観光旅行者×地元ガイド、移住検討者×起業した移住者、リモートワーカー×飲食店経営者など、様々な人が集まっています。Wi-Fi電源完備、コーヒー飲み放題付きで、1,000円/日、500円/3Hで利用可能。
アクセル:JR上越線水上駅から徒歩12分
住所:〒379-1617 群馬県利根郡みなかみ町湯原 809-6 2F
TEL:050-5586-9767
HP:https://www.hotori-minakami.com/
◆さなざわ㞢テラス
美人の湯として知られるみなかみ18湯“真沢温泉“唯一の宿です。宿泊だけでなく日帰り入浴、カフェ・コワーキング利用で、町内外問わず様々な人たちが集う場としてリニューアルしました。雄大な自然の中に広がる棚田を楽しみながら、囲炉裏やコタツ・テラスなど、好きな場所で自由に仕事をして、最後は温泉でシメ!施設を貸切にして、企業研修や社員旅行の実施も可能です。
アクセス:JR上越線上毛高原駅から車で5分
住所:〒379-1313 群馬県利根郡みなかみ町月夜野2537−2
TEL:0278-20-2121
HP:https://sanazawa.jp/
▼群馬県でのテレワーク、ワーケーション情報はこちらから
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