始点となる人の繋がりをつくって、
「移住」の選択肢を広げよう

〜ニイガタビトに出会う旅ツアーレポートvol.2〜

テレワークが浸透してきたことで「住む場所」の選択肢が大きく広がりました。

住む場所だけではありません。手に触れるもの、口に運ぶ食べ物、ふとした時に見たい景色。全てを選ぶことができる時代です。

それらの選択肢を広げるために不可欠なのが「人との繋がり」。多くの新潟への移住者は「現地の情報を得るためには、その土地の人との関係をつくること」がとても重要だと話します。その地域で育んだ関係性は移住後に「自分の居場所」をつくってくれるでしょう。

新潟県では「ニイガタビトに出会う旅」と題して、現地移住ツアーを実施しています。今回のツアーで訪れたのは新潟県上越・魚沼エリア。新潟県湯沢町・南魚沼市・十日町市・上越市・妙高市などにUIターンした『ニイガタビト』の活動拠点を訪ねました。新潟での最初の「人との繋がり」をつくることが目的のツアーです。

東京駅から約90分。新潟の玄関口となっている上越新幹線の越後湯沢駅がスタート地点。
テレワーク以外にも、東京へのアクセスポイント、ワーケーション地域、二拠点居住地と様々な暮らし方の候補地になる新潟県上越・魚沼エリアでのツアーレポートをお届けします。

※こちらの記事は2021年12月28日(火)〜29日(水)に実施されたツアーのレポートです。

 

再注目されているスノーリゾートでの暮らし

越後湯沢駅がある湯沢町はGALA湯沢や湯沢高原スキー場などの大規模なスキー場があり、バブル時代に約1万5千戸が建設されたリゾートマンションが立ち並びます。数年前までは「負の遺産」と揶揄されてきたリゾートマンションも、コロナ禍で地方移住が進む中、住まいの選択肢の一つとして再び注目されています。

そんな最初のまち、湯沢町で立ち寄ったのは、閉園した保育園をリノベーションした「きら星BASE」というシェアオフィス。旧体育館でツアー全体のイントロダクションを行いました。

参加者に手渡されたのは付箋とボールペン、そしてLINEのオープンチャットにログインするためのQRコードです。

大塚さん「今回のツアーの目的は、たくさんのニイガタビトと出会うこと。その人たちの話を聞いて感じたことや疑問質問は付箋に書いていただくか、オープンチャットに流してください。私が参加者とニイガタビトの橋渡し役をします」

前回のツアーに引き続き、今回のツアーに随行するのが、モデレーターの大塚眞さんと9月に開催された『#わたしのにいがたじかん Talk cafe』に登壇されたほんまさゆりさんです。

大塚眞さん
神奈川県横浜市出身。東日本大震災をきっかけに株式会社toizを設立。
2015年に新潟県十日町市へ移住後、多拠点生活をしながらプロジェクトマネージャーとして多岐にわたる地域PR事業に従事。2020年には一般社団法人にいがた圏を立ち上げ、移住促進・地域資源活用などの社会事業に取り組む。

ほんまさゆりさん
1991年生まれ、千葉県育ち。アパレル、金融会社を経て、十日町市の地域おこし協力隊として新潟県十日町市へ移住。(当時24才)グラフィックデザイン、写真撮影、編集業を独学で学びながら、都会にはなかった「リアルなコミュニケーション」がより身近になった。その度に「こんなにすばらしい宝を、世の中と繋ぐ人がいないのは、なんてもったいないことなんだろう」と地域の役割不足に気づき、「編集」と「デザイン」のちからで、「繋ぐ」役割を担うことを決め、『とかとこ』を立ち上げ、組織化した。

 

参加者は上越・魚沼エリアに移住をしたニイガタビトを訪ね、移住の経緯や移住後の生活に関する話を聞き、交流をしながら自分の移住のロールモデルを探していきます。ツアーに参加する前と後では「移住」に対するイメージはどうのように変わるのでしょうか。

きら星BASE 情報
越後湯沢駅から徒歩7分の場所にあるコワーキングスペース・シェアオフィス・テナントスペース

新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢1831
TEL:080-7392-6034(代表)
MAIL:info@kirahoshi.com

 

日本有数の豪雪地帯である新潟県魚沼エリア。背丈よりも高く積もった雪壁に驚きながら、参加者が向かったのは「魚沼の里」です。

「魚沼の里」は、この地域の霊峰の名を冠した清酒「八海山」の酒蔵である八海醸造株式会社が運営しており、南魚沼の食や文化を発信する拠点として地元住民から観光客まで多くの人々が行き交います。施設内には雪室貯蔵庫や土産店、地ビールのオープンファクトリー、酒粕や地元食材を使った飲食店やスイーツ店があり、訪れた際は丸一日楽しめる人気のスポットとなっています。

ここで合流したのは南魚沼市でデザイナー・イラストレーターをしている廣瀬恵さん。大分県出身で新潟県十日町市に移住したのちに、拠点を南魚沼市へ移しました。

廣瀬 恵さん
大分県出身、新潟県南魚沼市在住。新潟在住歴 11 年。現在は塗装業従業員。総務や塗装作業などの仕事をしており、複業としてフリーランスでイラスト、デザインの仕事もしています。東京在住後に、十日町市にある織物会社へ就職し十日町市へ移住。その後、南魚沼市へと移り住み新潟の生活を楽しんでいます。

「新潟に移住して良かったことは、なんといっても食べ物がおいしいこと!そして、四季がはっきりしていること。雪のモノクロの景色の美しさ、そして雪が解けて春が訪れる時の喜びは、ここでないと味わえないです。また、デザイナーとしては、九州や東京では見ることができない色彩や風景を見ることができるのも良かったところの1つです」

廣瀬さんが勤めるDonBouColorWorksは、塗料や造形にこだわる塗装チーム。フリーランスとして働きながらダブルワークをして生活しています。

地元食材を使って料理を楽しみ、フリーのデザイナーとしても活躍している。(左上:NenNen制作、HEISEI BREWING「臥龍長生」ビールのラベルイラスト)

「仕事の内容は総務、シュミレーションデザイン、デザイン画、現場撮影、広報など。時々現場サポートや看板の絵を描いたりします。自分の能力を生かし様々なことに挑戦できる職場です。 フリーランスのお仕事では、地域の人とつながる楽しさがあります。地元の方々からのご依頼が多く、少しですが地域のお役に立てて嬉しいです」

今いる環境を変えて移住をするのは、とても勇気がいることですが、その分、未体験の生活も待っていると勇気づける廣瀬さん。暮らし方や働き方、『自分』の活かし方、色々なものが一度にマッチするのは難しいかもしれませんが「どこかに自分と合う土地があるはず」と廣瀬さんは話します。

まずは自分の中の「訪れること」や「短期間でも住んでみること」のハードル下げることから始められるとその地域との相性を確かめやすくなるかもしれませんね。

八海醸造 魚沼の里
新潟県南魚沼市長森343−9
TEL:025-775-3866

 

自分のやってきたことを新潟で活かす

南魚沼市からバスで30分。3年に1度開催される現代アートの祭典「大地の芸術祭」の開催地である十日町市へ向かいます。十日町市は地域おこし協力隊を導入した先進地域として、多くの事例や移住に関するノウハウが蓄積されている自治体。

移住者の起業や活動が当たり前のものとして浸透し、移住者と地元住民の共同プロジェクトも数多く実施されています。

千喜良たまきさん
eat plan 代表(Uターン/南魚沼市)

高校卒業後、都内に進学・就職。給食管理、飲食店立ち上げ、販売促進のためのレシピ開発、料理撮影、商品開発などの業務に関わる。2011年に故郷である新潟にUターン後、独立。北里大学保健衛生専門学院の非常勤講師や新潟県六次産業化プランナーなど、県内の食の分野で活躍。

Instagram https://www.instagram.com/eatplan_chikira/
HP https://eatplan.jp/

千喜良さん「手元にあるのは新潟のブランドミニトマト『八色ミニトマト』のB品です。夏の間にたくさん採れた野菜を冷凍保存して、ワークショップや商品開発で使用しています」

越後妻有文化ホール「段十ろう」という現代アートがあしらわれた中央公民館のキッチンスペースで行われるのが「商品開発体験」です。新潟県内で管理栄養士として活動しているUターン移住者、千喜良たまきさんが講師となって、夏の間に採れたミニトマトを使ったケチャップづくりに挑戦しました。

「都内で食に関する仕事をしていたのですが、様々な仕事をしていく中で、都会にはない、地方の食文化のおもしろさに気づいたんです。それでUターンをしたとき、私がこれまでやってきた知識や経験を活かして、新潟の本当に良い食材を自分が良いと思った形で届けられたらと思って、料理教室や商品開発を事業として取り組むことにしました。食が豊富だからフードロスの問題も身近にあって、自分で消費するだけではなくて農家の方に少しでも還元できるように付加価値を高めていきたいと思っています。」

移住体験としてよく聞かれる「余ったお野菜をもらう」こと。農家では採れすぎた野菜や傷がついてしまった野菜を規格外品として大量廃棄することがあるそうです。畑に捨てられている野菜をどうにかしたいと加工品や新商品企画を移住後にチャレンジしてみたい方も多いのではないでしょうか。

千喜良さんは地元企業と連携をして新潟の本当に良いものを届けるECサイトの監修や管理栄養士として専門学校の講師を務めるなど、食を軸にして新潟での実績を重ねています。

移住者の活動やプロジェクトに触れることで、移住後にやってみたいことや新潟の楽しみ方のヒントを得られるのではないでしょうか。

 

縁から始まる新潟暮らし

十日町市で移住支援を行っているのが、こちらのシェアアトリエ「asto」。コワーキングスペースとして運営しながら、定期的な展覧会等を行うことで人の行き来とコミュニティづくりをしています。

ここでのメインゲストはastoの会員でもあるIターン移住者の高橋真梨子さん。移住の経緯や現在取り組んでいるプロジェクト、十日町市での子育てについてスライドを使って説明していただきました。

高橋真梨子さん
女性農家グループwofa メンバー(Iターン/十日町市)
2015年に大地の芸術祭のインターンを通じて、十日町市に移住。翌年、地元の専業農家の方と結婚。「あらたまや」の屋号で自家栽培米の販売やお米のお菓子「ぽんせん」の商品開発を行う。女性農家グループwofaのメンバーとして活動中。

HP https://aratamaya.thebase.in/

「学生時代に通っていたのが、私が住んでいる莇平(あざみひら)集落です。十日町市の市街地から50分以上、冬は雪で出掛けられなくなることもある山奥の集落です。私の場合だと、『ここで暮らすために何をしたら良いか』というところから移住が始まったので、在学中に保育士の資格をとったり、十日町市での繋がりをつくることから準備していました」

サポーターとして数名の移住者にも交流に参加いただきました

高橋さんは、移住後に集落に住む農家の男性と結婚。農業の手伝いや販売促進をしながら、子育てをしています。山深い集落での暮らしと子育て。子どもが育つのに良い環境と親として子どもを育てやすい環境には違いがあると話します。

「住む前に理想としていた生活と違う部分はもちろんあります。そんな中でも工夫したり、身近にあるものを少し良くしたりしながら暮らしています。大変なこともありますが、集落での暮らしも、今、取り組んでいる商品開発やPRのことなど、分からないことを聞ける人、手を差し伸べてくれる人が周りにたくさんいて、移住者が大切にされている実感が持てるんです」

自然環境の中で伸び伸びと遊ぶ子どもにとって山の暮らしは楽しいものかもしれませんが、病院への通院や仕事のこと、雪のことや地方ならではの文化との折り合いを考えると心配なこともあるでしょう。そんな時に「人との繋がり」に助けられているのだといいます。

「地域にない価値観や視点を持つ人が増えることで、それを楽しんでくれる人が必ずいます。そうやって自分の中にあるものを通じて繋がっていけるのが、楽しさだと思います」

自分の商品をつくる楽しさ、理想の新潟暮らしを表現するための活動。今まで受け取るだけだった自分の生活の中に新しいものを生み出す楽しさが増えることも新潟の面白さのように感じますね。

越後妻有文化ホール「段十ろう」
新潟県十日町市本町1丁目上508−2
TEL:025-757-5011
https://tokamachi-bunkahall.info/

 

シェアアトリエ「asto」
新潟県十日町市袋町西(有限会社 瀧長商店第一倉庫 2階)
https://asto-t.jp/

 

雪国で次々と生まれる“新事業”の魅力

宿泊地は日本三大薬湯と名高い「松之山温泉」です。太古の化石海水が湧き出た温泉は薬効成分が高く、湯治場として人気の温泉地です。実は新潟県の中でも群を抜いて先進的な取り組みを進めている温泉地でもあります。

ここでは、地域で「新しい価値」を生み出そうとしているゲスト2名を招いたトークイベントを実施しました。オンライン配信には60名以上の視聴者が参加をして、今回のツアーの様子やテーマに沿ったお話を参加者と一緒に掘り下げました。

ゲスト:柳一成さん(右)
松之山温泉「ひなの宿ちとせ」の4代目(代表取締役)
松之山温泉の旅館、飲食店、住民が共同出資して立ち上げた着地型旅行商品(松之山を楽しむオプショナルツアー)を企画、販売する旅行会社「松之山温泉合同会社まんま」をはじめ、温泉熱を活用した美食の探求やバイナリー発電に取り組む新潟観光のカリスマ。

ゲスト:滝沢梢さん(中)
有限会社瀧長商店 四代目(Uターン/十日町市)
新潟県十日町市生まれ。 地場産業、着物の資材・染料屋として曽祖父の代から100年以上続く有限会社瀧長商店の四代目。 地元高校を卒業後、東京へ大学進学、就職。 その後、父親の療養開始をきっかけにUターン、1年間の十日町市高等職業訓練校染色科(現在廃校)修学を経て2002年から家業に従事。

進行役:大塚眞さん(左)
新潟県では起業や第二次創業を支援する制度が数多くあり、移住者や新しい事業を始める人を応援しています。県内の様々な場所で新しいチャレンジが始まり、新潟の新しい魅力になる。ここ松之山温泉でも温泉熱を活用したバイナリー発電や低温調理をした湯治豚(ポーク)の開発が注目されています。移住をして自分の生業やビジネスをつくろうと考えた時に、どんな視点や考え方を持てば良いでしょうか。

トークテーマは「ビジネスを生み出す地域資源はどう見つける?」として、お話を伺いました。

柳さん「新潟県は多様性の地域で、宣伝下手なんて言われてますが、良いものがいっぱいあります。例えば、茶豆とか茄子とか生産量は日本一なのに、出荷量が4位。美味しいものは全部、県内で食べちゃうんですね。本当に良いものは現地に行かないと手に入らない。一流のシェフも、どんどん生産地へ向かっています。だから、『現地に行かなければ体験できないもの』を探すのは一つではないでしょうか」

滝沢さん「そうですね。特に十日町市は生産できる『場所』があるということも、何かをやる上で魅力的です。人口比でいうと東京23区の200分の1。そう考えると一人が使える空間がたくさんありますよね。農地でも建物でも土地でも、ワークスペースでも工房でも店舗でも、『使える空間』があることで何かを始めるハードルは大きく下がるのかなと思います」

地産品を使った懐石料理と芸術祭を通じて繋がりができたスペイン・オズボーン社のシェリー酒

柳さん「松之山温泉ではインフォメーションセンターを人が行き交うHUBにしようとしているんですよ。ワーケーションの話も出ましたが、長期滞在できる泊まれるコワーキングスペース&バーを湯治と組み合わせて提供しようとしています。それも、元々が湯治場で温泉街という土壌があるからですよね。一つの事業があって、それがご縁を生んで、次の事業が生まれていく。その始点となる縁をつくっていけるかは重要に思いますね」

滝沢さん「元々、着物産業を通した交流が盛んで、外の人から情報を得ることが多かったので、外の人に対して開かれていると思いますよ。良い意味でお互いにないものを利用し合うとでも言いますか。地場産業へのリスペクトがありつつ、そこに+αを積み重ねていくと新しい事業は生まれやすいのではないでしょうか」

地域資源を見つけるために必要な『ご縁』、新しいことを始めるときの『鈍感力』、そして元々あるものを活かすという『地場産業への敬意』が移住後に新しいチャレンジをしようとしている人にとって金言となるキーワードと言えるでしょう。

柳さんが「地域のショールーム」と例えた料理を楽しみながら、最高の旅館で新潟を学びました。

※当日のアーカイブ動画はこちら

松之山温泉 ひなの宿 ちとせ
新潟県十日町市松之山湯本49−1
https://chitose.tv/

 

上越・妙高エリアは都市と田舎のバランスが良い

2日目に目指すのは上越市です。大型ショッピングセンターや映画館、総合病院などの都市機能が充実していながら、市内の七割は中山間地で自然環境と都市機能のバランスが良い人気の地域。上越の食の魅力に惹かれた移住者による農業も盛んです。まずは地域の地場産品を実際に見てもらうため、食と農のテーマパーク「上越あるるん村」を訪れました。

地元食材をお土産に購入したあとは、ゲストと合流するために、2020年7月にオープンした国内最大規模の無印良品 直江津へ向かいます。地元食材が並ぶマルシェやオープンスペース、キッチンスペースなどがある地域との距離が近い交流拠点です。
ここでは上越市へIターンをしてゲストハウスを運営する町凌介さん、上越市から群馬県の職場へ通勤する町桃子さん、上越市役所の移住促進を担当する職員の方にお話を伺いました。

(左)町凌介さん
1990年生、大阪出身。早稲田大学大学院社会科学研究科修士課程修了後、広告写真制作会社を半年で退職。2018年春に上越市に移住。現在、民泊管理人と塾講師をしながら、弁護士を目指し勉強中。趣味は、バイク、鉄道、写真、日本酒、露天風呂巡り、音楽、楽器(ベース・ギター)、お笑い、映画等。

(右)町桃子さん
1992年生、富山出身。大阪大学人間科学部卒業後、国家公務員の心理職として、大阪に2年、長野に3年に勤める。2020年、高崎に異動とともに結婚を機に上越市に移住。毎日5時間半もの通勤をしながら、非行少年や離婚調停などに向き合い奮闘中。趣味は、日本酒、珈琲、旅行、温泉、楽器(ピアノ・サックス)、映画等。

凌介さん「大学院生の時、研究していたテーマが上越に関することで、それが最初の縁でした。卒業後は東京の広告代理店に就職したのですが、激務でストレスと違和感ばかりの日々でした。休暇が取れて、バイクで能登の方へ旅に行ったのですが、その時に学生時代に何度も通っていた上越に立ち寄ったんですね。そしたら『やっぱりいいまちだな』と思って。そこで移住するというのを決めました」

凌介さんは移住後に高田の雁木通りで町屋を借り、ライダーズハウスを民泊として運営しています。

桃子さん「私、実は高崎の職場まで毎日、遠距離通勤しているんです。上越妙高駅から高崎駅まで約1時間強、東京駅まで2時間かからずに行けますね。写真を撮ることが趣味なんですが、雁木通り沿いに同じようにUIターンで移住してきた人たちや地元の同世代のコミュニティがあって、一緒に写真展を企画してまちとの関わりを楽しんでいます」

海にも山にも、富山にも長野にも、すぐに遊びに行きやすく、魚、肉、米、水、日本酒、すべて安くて美味しい。ほどよく住みよい街が上越の良いところだといいます。

桃子さん「雪で困ったときは助け合いの精神で、雪国初心者にも優しいです。個人事業主が多くて、レコードカフェや日本酒バー、移動キッチンカー等々、若い人が好きなことに挑戦し、面白い活動をしているのがまちの魅力だと思います」

上越あるるん村
新潟県上越市大道福田639
TEL:025-527-2001
https://arurunmura.jp/

 

無印良品 直江津
新潟県上越市西本町3丁目8−8 直江津ショッピングセンタ 2F
TEL:025-520-7591
https://shop.muji.com/jp/naoetsu/

 

町の家 MACHI’S HOUSE 高田雁木の旅人宿
新潟県上越市仲町6-1-5
上越高田の旧市街地にある雁木町家を活用した民泊。クセの強め旅人大好き管理人が経営、毎月日本酒持ち寄り会開催。
宿泊のご予約はこちらから↓
HP https://ganginoyado-machinoie.com/
Instagram @gangiyado_machinoie

 

雪国の暮らしを学びながら楽しむ

妙高市には人と自然を繋ぐプロフェッショナルを育成する国際自然環境アウトドア専門学校や国内外から人気を集めるスノーリゾート赤倉高原が有名。アウトドアやウィンタースポーツの魅力に惹かれた移住者は国内・国外から集まります。

国際自然環境アウトドア専門学校を卒業後、地域おこし協力隊を経て独立し、ライター業と古民家活用を行う諸岡江美子さんと合流しました。会場は諸岡さんの旦那様で同じく移住者の諸岡龍也さんが運営する古民家拠点「こつぼねの家」です。

諸岡江美子さん
新潟県津南町在住の1児の母。夫婦でそれぞれ古民家を運営し、夫は妙高市在住。行ったり来たり婚と名付けて県内二拠点居住を行う。築150年の古民家に暮らし、雪国の「あるものいかす」暮らし、生活の知恵を研究中。民泊オーナー/編集者、ライターなどフリーランスとして活動。

ここで体験するのは、しめ縄リースのワークショップ。地域の農家さんを講師に招き、参加者は縄を編みながら雪国での暮らしについて話を聞きました。

「しめ縄づくりは農家にとっては冬の仕事の一つです。雪国に住んでいれば、移住者でもそこそこ出来るようになって楽しいですよ。集落で暮らすとこういう冬仕事だったり、冬の暮らし方や雪国での暮らし方だったりは、地元の人たちから教えてもらいながら覚えていきます。困ったときは助けてくれるので、深く悩まずに暮らしながら覚えていけば大丈夫です」

新潟の冬の暮らしは魅力の一つですが、不安の種でもあります。雪道を運転できるのか、雪かきはどうしたら良いのか、暖房費はどのくらいかかるのか。雪国への移住を検討した時に必ず出てくる質問です。

「雪道の運転や雪掘りといった雪国特有の大変さはあります。暖房費もかかるし、未知の不安はたくさんありますよね。でも、それ以上に雪がもたらす恩恵もたくさん見つけられるはずです。冬の間に雪で土が休まり、美味しい農作物になる。雪解け水が酒や米の味を良くするんです」
雪国ならではの冬の暮らし。ウィンタースポーツだけではなく、食や地域経済にも雪は深く関わっています。雪があるからこそ、得られる体験に目を向けたいですね。


※しめ縄ワークショップ協力:生井一広さん

こつぼねの家
〒944-0213 新潟県妙高市小局48

 

しめ縄づくりを終えた後は、最後の振り返りを行いました。

TURNSでも取材・掲載させていただいたMYOKO COFFEEでバリスタとして働くUターン移住者の草薙聡来さんと、スタッフとして働く石川ちひろさんと交流をしながら、2日間のツアーの感想をシェアしました。

※草薙さんの記事はコチラ

参加者は「人と繋がることで移住への不安や悩みを解決する糸口が得られる」「移住するなら、何か自分も新しいチャレンジがしたい」と話しました。新潟で暮らす楽しさ、移住後にチャレンジしてみたいことのヒントを見つけることができたようです。

MYOKO COFFEE 北新井店
〒944-0007 新潟県妙高市栗原4丁目5−21
TEL:070-8364-6719
https://www.myokocoffee.jp/

 

ニイガタビトと繋がろう

2日間という短い時間でしたが、多種多様なニイガタビトと出会うことができました。どの移住者も口を揃えて話す、「ご縁」と「人の繋がり」が移住後の生活や仕事に大きな影響を与えているという共通体験を感じることができたのではないでしょうか。

都心に比べて人との距離が近いからこそ「新潟についてもっと知りたい」というあなたを受け入れてくれるニイガタビトや拠点が数多くあるはずです。情報収集はもちろん大事ですが、そういった場所を訪ねて「縁」をつくることからはじめてみましょう!きっと、これからの理想の新潟暮らしを描くヒントを得られるはずですよ。

新潟でお待ちしています!

 

【体験ツアー参加者の感想】

■地元のコミュニティと人の特徴、地元人の職種など、漠然と地方の仕事=農業のイメージが強かったので、様々な仕事や働き方を知ることができました。

■移住のハードルは意外と高くないことが実際の話を聞くことで分かりました。

■移住というと大それたことだと感じ、年齢も重ねてくると大変なことかと思ってました。実際に移住した方々にお会いして、生の暮らしと情報を聞けてよかったです。

■移住や今後の人生を考える貴重な機会となりました。実際の暮らしの雰囲気を感じながら、とてもいきいきと生活されている移住者の方々のお話を聞けて良かったです。また移住者だけでなく、年齢やバックグラウンドの違う参加者のみなさんからもたくさんお話を伺うことができ良かったです。このような貴重な機会をありがとうございました。また新潟に遊びに行きたいです。

■学んだことは、チャレンジ精神や、地域に飛び込む勇気の大切さです。わたしはずっと地域おこしに興味がありつつも、一般企業の会社員を続けており、今後の生き方やキャリアに疑問を感じていました。けれど、移住なされた方々の生き生きとした活躍を見て、移住なされた方々のように、迷ったら地域に飛び込んでやりたい事をやってみたいなという気持ちが強くなりました。

また、想像以上に行政の移住支援や、地域の方々のサポートが手厚いことに驚きました。

移住は今後の人生を決める、とてもハードルが高いものですが、ツアーに参加する前よりも移住に興味を持ちましたし、旅行先としても魅力的に感じ、新潟県のファンになりました。

■たくさんの移住者の方の話を聞いて自然と人に魅力を感じている人が多いと感じた。よってコワーキングスペースなど人と関わることを大切にしていることが感じられた。すごくフレンドリーでみんなおいでって言ってくれるので、移住に踏み切りやすいのではと思った。Iターンした人は新潟が好きなので新潟に移住をしたというよりはたまたま新潟に来たら気に入ったみたいな巡り合わせで新潟に移住している方が多かったので行動を起こすことは大事だと分かった。行政のサポートがかなり手厚いと感じた。資金面をはじめとして、かなり力を入れている印象を受けた。

■今回お会いした方々がその土地で何をやっていきたいのか、地域の人とのつながりを大切にされてるのをとても感じました。

■移住促進は全国どこの都市も行っていると学んでいましたが、新潟県を選んで移住することの良さが分かりました。実際の移住の金銭面の支援のお話を通して大変手厚いなと思いましたし、移住者の方同士のコミュニティのようなものも見られて、移住がより魅力的に感じられました。また、家族や血縁がいなくても助け合えるのが地方の良さだなと思いました。

■移住者の方はもちろんなんですが参加者の皆さんも素敵な方ばかりで、お話をする中で今後の人生のヒントになるようなことをたくさん教えていただきました。印象に残っているのは不便を楽しんでいらっしゃる姿で、自給自足での人間らしい暮らしがすごく充実しているんだなと思いました。来る前はぼんやりとしたイメージだったものが移住の支援金制度などを聞いて少し明確になりました。

 

【今回訪れた自治体の移住サイト】

ツアーで訪れた地域では、それぞれの自治体独自の支援策もあります。移住を検討する際の参考としてください。

上越市 https://www.city.joetsu.niigata.jp/site/furusato/

 

妙高市 https://www.city.myoko.niigata.jp/myoko-life/

 

南魚沼市 https://mmdo-machi.org/

 

十日町市 https://www.city.tokamachi.lg.jp/iju/index.html

 

とおかまちの仕事&求人図鑑 https://tokamachi-works.jp/

                   

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