MYOKO COFFEEのバリスタが生み出す
妙高のカフェ文化の起点

コーヒーやコーヒー豆に関する豊富な知識をもとにお客様に美味しいコーヒーを提供する仕事、「バリスタ(BARISTA)」は日本でカフェやコーヒー専門店の数が増えると共に広く認知され始めた職業です。2020年12月、妙高市の北新井にグランドオープンした「MYOKO COFFEE北新井店」で働く草薙 聡来(くさなぎ さき)さんはオーストラリアでコーヒーと出会い、バリスタとして妙高市に移住しました。

 

コーヒーの本場、オーストラリアで出会ったバリスタという仕事

【プロフィール】
Myoko Coffee北新井店 店長・バリスタ
草薙 聡来(くさなぎ さき)さん
1992年生まれ、上越市出身。ワーキングホリデー中に出会ったオーストラリアメルボルンのコーヒー文化に触れバリスタを志す。帰国後に京都のコーヒーショップでバリスタに従事したのち、コロナ禍を機に妙高市へJターン。

 

草薙さんは、上越市で育ち高校を卒業後に東京で就職。その後は介護の仕事に従事するも、腰を悪くしてしまい療養のために上越市へUターンしました。

「海外に住んでみたいという想いをずっと持っていました。悩ませれた腰痛が治ったことが転機となり、新しい事に挑戦する勇気を持てたので、地元でも東京でもなく、もっと外の景色を見たいと思っていたんです」

草薙さんが留学先に選んだのはオーストラリアのメルボルン。語学を学びながら現地で働けるワーキングホリデーを使って、再び地元を離れることを決めます。

「メルボルンはコーヒーが文化として根づいている有名な町で、そこかしこにカフェやコーヒースタンド、コーヒー豆の専門店があったんです。語学留学をしながら、休日にカフェを巡るのが好きになって、コーヒーを好きになっていくうちに『バリスタになりたい』という想いが芽生え始めました

ワーキングホリデー中に出会ったメルボルンのコーヒー文化との出会い。それが大きく人生を動かしました。語学学校の卒業が近づき、現地の日本人が講師を務めるバリスタスクールに通うことを決めた草薙さん。スクールを卒業した後にバリスタとして働きたいと考えていましたが、いくつもの課題がありました。

「英語も決して得意ではなく、加えて現場の経験がないバリスタを雇ってもらえるところは、なかなか見つからなくて苦労しましたね。結局、現地の寿司レストランで調理のアルバイトをしながら生計を立て、働くことができる場所を探す日々でした」

「レジュメ」というプロフィールシートのようなものを持って、働かせてもらえるカフェやコーヒースタンドを探す日々。その支えになったのは近所のコーヒー店で働くバリスタの姿だったといいます。

「近所で働いているバリスタの人たちも、私と同じように忙しそうに働いていたのですが、ずっと笑顔でコーヒーを淹れていて、楽しそうで、眩しくて。そんな姿を見て、私もバリスタの道を諦められず、根気よく探し続けて、ようやく働かせてもらえる場所を見つけることができたのは、2016年頃のことでした」

そうしてオーストラリアで1年間、バリスタのキャリアを積み帰国した草薙さん。帰国後もバリスタとして働きたいと職場を探している中で、地元近くでのスノーシーズン限定のバリスタの募集(この冬季限定のカフェはMYOKO COFFEEとは別のものになります)に出会います。

ちょうど赤倉スキー場近辺でバリスタの募集があったんです。春には関西で働くことを決めていたので、冬の間だけの職場でしたが、多くの外国人が訪れる中で働いて、オーストラリアでの経験の全てを活かすことが出来て、本当に楽しい日々でした。いつか妙高に戻ってきたいなという気持ちはこの時に生まれたように思います」

草薙さんは京都でバリスタとして働くために三度目の離郷をしますが、このスノーシーズンの経験が後のJターンへと繋がっていったのだそうです。

 

新しいお店づくりへの挑戦

京都での生活を始めて2年が経った頃、ワーキングホリデー中に出会った旦那様(現在はMYOKO COFFEEの焙煎士)との結婚が決まった矢先に、コロナ禍によって草薙さんが働いていた店舗が閉店。草薙さんは人生の岐路に立たされます。

「夫の出身である関西に残って他の仕事をするか、東京に転勤をするか。どんな選択であれ、バリスタの仕事は続けたいと思っていた時に、MYOKO COFFEEのことを思い出したんです。赤倉のカフェで勤務していた頃に出会った、野村(MYOKO COFFEE代表)が店舗を構えたと聞いていたので。地元に一緒に帰るという選択肢を夫に相談したところ、夫はその選択肢を受け入れてくれました」
地元へのUターンが決まり、草薙さんは、MYOKO COFFEEの代表を務める野村 功太朗さんに連絡を取ります。すると、ちょうど新店舗オープンの予定とUターンの時期が重なることが分かり、夫婦揃って働けることが決まりました。

▽Myoko Coffee代表 野村 功太朗さんの記事
https://turns.jp/28751

「私たちが働いているMYOKO COFFEE北新井店は2020年12月19日にグランドオープンしました。MYOKO COFFEEにとっては、初の路面店(実店舗)です。そこの店長を任せていただいて、新しいコーヒーショップをつくっていくことは、バリスタとしても、とても貴重な経験だと思っています」

MYOKO COFFEEが取り扱う豆は、厳選された生豆。店頭に並ぶのは、スペシャルティコーヒーと呼ばれています。生産工程や品質管理、追跡可能性が徹底されていることが重要視され、味や風味など厳しい基準をクリアした生産量のわずか5%ほどしかないコーヒー豆です。

「MYOKO COFFEEではスペシャルティコーヒーを生豆で仕入れて、自家焙煎しています。個性豊かな豆をテイスティングしながら、どういう系統の味を出していくのかスタッフで考えながら焙煎具合を決めています。今の仕事の一番楽しい時間のひとつです」

 

『誰かが見たいと思える景色をつくりたい』

新店舗がオープンして約1年(取材当時)が経ち、多くの人が行き交うコーヒーショップとなったMYOKO COFFEE。妙高の新しい景色の一部をつくっていることに働き甲斐を感じているそうです。

MYOKO COFFEEで働いているのは主婦から高校生まで様々です。コーヒーを淹れること自体が始めてという方もいます。来店されるのは、近くに住んでいる子供連れの母親からお茶の時間に来てくれる高齢者の方まで様々です。自分の両親がコーヒーを日常的に飲んでくれるようにもなりました。この場所があることで、『コーヒーを飲むことが日常になった人』が確実に増えているんです。妙高に住みながら世界中のコーヒーに触れ、カフェ文化を知ってもらえることが、とても楽しいです」

外の景色を見たいと地元を離れ、数々の経験をして、バリスタとして戻ってきた草薙さん。新しい世界に足を踏み入れている人たちの変化を見ていると、今まで見えていなかった景色に気づくようになったのだといいます。

妙高に住んでいる人たちが、それぞれの専門分野や好きな分野のお店・取り組みを通して新しい景色をつくっているのだと気づきました。そうやって景色をつくる人たちがもっと妙高に増えていったら楽しいですよね。私が色々な景色を見たいと思って外に出たように、『妙高に住む人々の手できていく新しい景色を見たい』と、妙高に住んでいる人々や移住を考える人々に思ってもらえるようになりたいですし、MYOKO COFFEE自体が妙高を訪ねるきっかけになれば更に嬉しいので、私はバリスタの仕事を通してできる事に尽力したいと思っています」

草薙さんがそう思えるようになったのは、自分の心が惹かれる景色を求めて新しい環境に飛び込み、好きなことを磨くことができたからでしょう。興味を持つことだけで終わらずに行動に移して視野を広げることが次の道へ進むためには必要なことなのです。

「その人の興味が向く切り口で、妙高をもっとよく見てもらえたら嬉しいです。冬の間だけでもMYOKO COFFEEで働きながら、妙高を体験してもらってもいいですね。それこそ、そうして住み着いた人もいるくらいなんですよ」

スノーリゾート、里山、息を呑む雄大な妙高山、そして妙高に住む人々が生み出す新しい文化。人を惹きつける数々の景色がここにはあります。まずはこの冬、妙高を訪ねてみてはいかがでしょうか。

 

【店舗情報】

MYOKO COFFEE北新井店
厚切りトーストや、コーヒー屋さんの自家製プリン、クリームソーダなどの喫茶店の定番メニューをMYOKO COFFEEらしい形でご提案。テイクアウト可能な自家製焼き菓子の種類も豊富。気軽に立ち寄りやすく、特別な体験の提供を目指しています。

住所:〒944-0007 新潟県妙高市栗原4丁目5−21
電話:070-8364-6719

月火木金 10:00〜17:00
土日祝 10:00〜17:00
水曜日 定休日

 

妙高市移住支援情報

■家賃補助についてはこちら
https://www.city.myoko.niigata.jp/docs/4795.html

■ひとり親の支援についてはこちら
https://www.city.myoko.niigata.jp/docs/4907.html

■住宅取得についてはこちら
https://www.city.myoko.niigata.jp/docs/4807.html

※支援制度についてご不明な点がある場合は、妙高市 地域共生課移住定住推進係までお気軽にご連絡ください!

TEL:0255-74-0064
MAIL:chiikikyosei@city.myoko.niigata.jp

                   

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