スタートアップやベンチャー企業は、勢いや新しいビジネスモデルなど将来性が感じられたり、やりがいを持って働くことができたりと職場として魅力的だと言えるでしょう。スタートアップ・ベンチャーに転職したいと考えている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、スタートアップやベンチャー企業に転職する際にサポートしてくれるおすすめの転職エージェントについて解説します。特化型・総合型など条件に合わせてエージェントをご紹介するほか、活用のポイントなども解説します。

スタートアップ・ベンチャー企業への転職を希望していて、信頼できる転職エージェントを探している人はぜひ参考にしてみてください。

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特色 全年代・全業界 全年代・全業界 全業界 全年代・全業界 ハイクラス・女性向け ハイクラス全年代・業界 ハイクラス・全年代 全年代・全業界 全年代・全業界 ハイクラス 全業界・首都圏
求人数 619,020件 253,658件 非公開 1,008,000件以上 49,483件 172,146件 534,042件 非公開 99,695件 22,272件 2,525件
求人の豊富さ
ポイント 非公開求人も多数 エージェント・サイト両方の利用が可能 地方の求人も充実 企業からのオファーあり オファーも受けられる 2種類のスカウトあり 登録するとスカウトが多数届く スカウトサービスあり 利用者の満足度が高い コンサルタントのサポートが手厚い とくにエンジニア、20代、女性の求人に強み

2025年9月9日調査:各転職エージェントの取り扱い求人件数・各転職サイトの掲載求人数

Contents

スタートアップ・ベンチャー向けおすすめ転職エージェント【特化型】

まず、スタートアップ・ベンチャーへの転職におすすめの転職エージェントのうち、スタートアップ特化型のエージェントを紹介します。次の5つです。

  • キープレイヤーズ
  • Goodfind Career
  • フォースタートアップス
  • プロコミット
  • スタクラ

順に見ていきましょう。

キープレイヤーズキャリアアップ第一に客観的なサポートを提供

「キープレイヤーズ」はベンチャー・スタートアップ転職の専門エージェントです。

キープレイヤーズでは、転職の後のキャリアアップを第一に考えます。転職ははあくまでも通過点としてそキャリア全体を考えているため、場合によっては「転職しないこともひとつの正解」と伝えることも。客観的な視点で、スタートアップ転職・ベンチャー転職のメリット・デメリットを伝えてくれます

そのほか有料ですがオンラインコミュニティも運営しており、ベンチャー・スタートアップのHRトレンドや、キャリアアップで大事にしたいポイントなどの発信を行っています。

キープレイヤーズのおすすめポイント
ベンチャー・スタートアップ転職のプロ
転職後のキャリアアップを第一に考えている
オンラインコミュニティも運営

キープレイヤーズの基本データ

キープレイヤーズ
求人数 非公開
提供サービス エージェントサービス
拠点 東京
URL https://keyplayers.jp/

GoodfindCareerは長期的なキャリア形成のためサポートしてくれる

「GoodfindCareer」は、ベンチャー特化型の転職エージェントです。運営は新卒や第二新卒向けキャリア支援を行うスローガン株式会社ですが、新卒・第二新卒でなくても利用できます。

GoodfindCareerでは、成長ポテンシャルの高い企業のみを厳選して紹介しています。それも、ベンチャー・スタートアップの人材支援での10年以上の実績と知見があるからこそ。 メディアに載っていない定性情報や、経営者や配属予定部署のメンバーとの相性も考慮した紹介を行っています。

またサポートは転職して終わりの短期的なものでなく、長期的なキャリア形成を目指すサポートが受けられます。

GoodfindCareerのおすすめポイント
成長ポテンシャルの高い企業のみを厳選
ベンチャー・スタートアップの人材支援での10年以上の実績と知見あり
長期的なキャリア形成を目指したサポートを提供

GoodfindCareerの基本データ

GoodfindCareer
求人数 非公開
提供サービス 履歴書・職務経歴書添削、面接日程調整、面接対策、条件交渉
拠点 東京
URL https://career.goodfind.jp/

フォースタートアップスはとくにハイクラス求人に強みあり

「フォースタートアップス」はスタートアップ企業への転職に特化した転職エージェントです。運営会社のフォースタートアップス株式会社は、人材・資金の両面でスタートアップ企業を支える事業を行っています。

運営会社が経済同友会や日本ベンチャーキャピタル協会などにも所属しており、ネットワークを保持。日本最大級のスタートアップ企業のデータベースを保有しており、鮮度の高い情報をもとにサポートしてくれます。

サポートするのは業界に精通したヘッドハンターで、同社では「ヒューマンキャピタリスト」と呼んでいます。伴走支援に根ざしたポジション支援が受けられます。

フォースタートアップスのおすすめポイント
日本最大級のスタートアップ企業のデータベースを保有
業界に精通したヘッドハンターがサポート
伴走支援に根ざしたポジション支援を提供

フォースタートアップスの基本データ

フォースタートアップス
求人数 非公開
提供サービス エージェントサービス
拠点 東京
URL https://www.forstartups.com/services/human-capital

プロコミットキャリアは力量のあるコンサルタントがチームでサポート

「プロコミットキャリア」は、ベンチャーやスタートアップに特化した転職エージェントです。

プロコミットキャリアの強みは、在籍しているコンサルタント個々の力量と連携です。1人ひとりのコンサルタントが企業の情報を熟知しています。 それでいてコンサルタント全員がひとつのチームとして機能し、すべての面談者および求人企業の情報を共有。コンサルタント個人の見解だけで支援を行うことがありません。

組織全体の経験とノウハウを駆使して、最適なサービスを提供するよう努力しています。

プロコミットキャリアのおすすめポイント
一人ひとりのコンサルタントが企業の情報を熟知
組織全体の経験とノウハウを駆使した手厚いサービス
ベンチャーやスタートアップに特化

プロコミットキャリアの基本データ

プロコミットキャリア
求人数 公開求人184件(2025年7月30日現在)
提供サービス 職務経歴書・PR書類の書き方、面接対応、退職サポート
拠点 東京
URL https://www.procommitcareer.co.jp/

スタクラ(旧名アマテラス)は厳選された求人に応募できスカウトも受けられる

「スタクラ(旧名アマテラス)」は、ベンチャーやスタートアップの求人に特化した転職サイトです。正確にはエージェントではありませんが、スカウトが受けられます。

厳しい審査を通過した企業だけ掲載されているため、厳選された求人の中から応募先を選ぶことができます。経営幹部を目指せる求人を多数掲載。「話を聞きたい」機能や「気になる」機能で企業にアピールできるほか、企業からのスカウトや「気になる」を受けることもできます。 登録すると経歴をスタクラ側で審査、基準を満たしていれば自動的にプレミアム会員にアップグレード。成功の可能性が高まります。もちろん無料です。

なお転職エージェントではないため、キャリアアドバイザーなどのサービスはありません。

※「アマテラス」は2025年1月に「スタクラ」に改名しました。

スタクラのおすすめポイント
スカウトが受けられる
掲載企業には厳しい審査あり、厳選された求人の中から応募先を選べる
経営幹部を目指せる求人も多数掲載

スタクラ(旧名アマテラス)の基本データ

スタクラ(旧名アマテラス)
求人数 公開求人275件(2025年7月30日現在)
提供サービス スカウト、「話を聞きたい」機能、「気になる」機能
拠点 東京
URL https://startupclass.co.jp/

スタートアップ・ベンチャー向けおすすめ転職エージェント【総合型】

続いて、総合型の転職エージェントの中でもスタートアップ・ベンチャー企業の求人に強みのあるおすすめエージェントを紹介します。以下の4つです。

  • doda
  • リクルートエージェント
  • LHH転職エージェント
  • type転職エージェント

順に見ていきましょう。

dodaはエージェント/サイトの一体型で自分でも応募が可能

「doda」は、人材紹介・転職支援を行う大手「パーソルキャリア」が運営する総合型転職サイトです。エージェントサービスも利用できる点が人気の理由の1つになっています。

dodaも求人数が多く、自分の希望に合った企業に出会える可能性が高まります。「こだわり条件」の中に「設立」という項目があり、スタートアップ企業を検索可能。2025年7月の時点では、設立10年以下の企業の求人は約3万件となっています。さらに非公開求人も条件が良いものが多いのが大きなポイントです。

また転職サイトと転職エージェントの一体型なので、サイトで自分で検索して応募することも、エージェントでサポートを受けながら応募することも可能です。

dodaのおすすめポイント
「こだわり条件」からスタートアップ企業を検索可能、数も多い
非公開求人も好条件多数
転職サイトと転職エージェントの一体型で自由度が高い

dodaの基本データ

doda
求人数 公開求人248,687件/非公開求人28,591件(2025年7月30日現在)
提供サービス スカウトサービス、年収査定、合格診断、レジュメビルダー、「自己PR」発掘診断、転職タイプ診断、はたらく女性のためのモヤモヤ解消診断、オンライン仕事力診断
拠点 東京・横浜・札幌・仙台・静岡・名古屋・大阪・京都・神戸・岡山・広島・福岡・鹿児島
URL https://doda.jp/consultant/

リクルートエージェントは圧倒的な求人数で定番・王道の転職エージェント

「リクルートエージェント」は、求人数を豊富に持つ転職エージェントです。求人数、安定したサービス品質でまずは登録が必須のエージェントです。

まず何と言っても求人数が多いことがおすすめの理由として挙げられます。求人数が圧倒的なため、それに伴いスタートアップの数も多くなっていると言えるでしょう。公開求人・非公開求人ともに豊富で、多くの選択肢の中から吟味することができます。

業界に精通したアドバイザーが在籍しているので、スタートアップでもぴったりの求人を見つけ出してくれます。求人やサービスの質・量ともにトップクラスで転職エージェントとしては定番・王道のサービスです。

リクルートエージェントのおすすめポイント
求人数が圧倒的に多い
業界に精通したアドバイザーが在籍
豊富な求人から希望に合った提案が受けられる

リクルートエージェントの基本データ

リクルートエージェント
求人数

公開求人596,738件/非公開求人442,193件(22025年7月30日現在)

提供サービス エージェントサービス、提出書類の添削、面接対策、独自に分析した業界・企業情報の提供
拠点 東京・北海道・宮城・宇都宮・さいたま・千葉・横浜・金沢・新潟・長野・静岡・名古屋・京都・大阪・神戸・岡山・広島・高松・福岡
URL https://www.r-agent.com/

LHH転職エージェントはサポートがていねいで年収アップできる割合が高い

「LHH転職エージェント」は、スイスに本部を置く総合人材サービス企業のアデコグループによる転職エージェントサービスです。

「こだわり条件」の中に「ベンチャー企業」という項目があり、チェックを入れて検索することが可能です。2025年7月現在、1,000件以上ヒットします。

コンサルタントは職種別の担当制で、そこから産業・業界ごとのチームに細分化する体制となっているのが特徴的です。コンサルタントのカウンセリングやサポートがていねいというのも高く評価されている点です。

同社の強みは実績にも表れており、年収アップの実績が数多くあります。

LHH転職エージェントのおすすめポイント
「こだわり条件」でベンチャー企業を検索可能
産業・業界ごとのチームに細分化した体制
コンサルタントのカウンセリングやサポートが丁寧

LHH転職エージェントの基本データ

LHH転職エージェント
求人数 公開求人10,814件(2025年7月30日現在)
提供サービス 提出書類・面接のアドバイス、応募・推薦手続き、面接日程調整、条件交渉や退職アドバイス
拠点 東京・大阪・名古屋
URL https://jp.lhh.com/

type転職エージェントは9割のアドバイザーが転職経験者でITや女性などに強みあり

type転職エージェント

「type転職エージェント」は、高い支持を受ける転職サイト「type」と同系列の転職エージェントです。

ITや女性、ものづくりなどジャンルによる専門サイトも用意されています。より絞り込んだ中から、スタートアップ企業を提案してもらえるでしょう。

在籍キャリアアドバイザーの9割が転職経験者。専任制でもあり、転職希望者に寄り添った対応をしてもらえます。サポートもきめ細かくていねいだと評判です。

求職者とのやり取りはキャリアアドバイザー、企業とのやり取りはクライアントサービスが行い、それぞれのプロが対応します。効率よく転職活動ができるでしょう。

type転職エージェントのおすすめポイント
9割のコンサルタントが転職経験者で転職希望者に寄り添った対応が魅力
ITや女性の転職に強み
効率のよい転職活動が可能

type転職エージェントの基本データ

type転職エージェント
求人数 公開求人12,326件/非公開求人24,188件(2025年7月30日現在)
提供サービス 面接対策
拠点 東京
URL https://type.career-agent.jp/

スタートアップ・ベンチャー向けおすすめ転職サイト

続いて、スタートアップ・ベンチャー企業への転職で利用しやすいおすすめの転職サイトをご紹介します。次の3つです。

  • Green
  • リクルートダイレクトスカウト
  • Wantedly

転職サイトはエージェントのサポートがありませんが、その代わりに自由度が高いのが魅力です。では、1つずつ見ていきましょう。

GreenはIT特化型サイトでは最大級で企業とダイレクトにつながりが持てる

Green

「Green」は、IT系の求人に特化した転職サイトです。IT系の求人数はトップクラスなほか、サイトの使い勝手や掲載の情報なども高く評価されています。

IT系はスタートアップ企業も多いので、希望に合う企業が見つかる可能性も高いでしょう。求人情報に設立年が記載されているので、希望条件で検索してからスタートアップがないかチェックできます。

利用上の特徴として、企業とダイレクトにつながる感覚で転職活動ができる点が挙げられます。たとえば企業の人事担当者からスカウトが届くほか、企業と直接やり取りすることも可能です。そのほか「気になる」機能で企業にアピールでき、カジュアル面談につながることもあります。

Greenのおすすめポイント
設立年をチェックできる
IT系の求人数はトップクラス
企業とダイレクトにつながる感覚で活動できる

Greenの基本データ

Green
求人数 公開求人43,027件(2025年7月30日現在)
提供サービス スカウト、気になる、企業と直接連絡
URL https://www.green-japan.com/

リクルートダイレクトスカウトはスカウトを待つだけのハイクラス向けサイト

「リクルートダイレクトスカウト」は、ハイクラス求人が多数のスカウト型の転職サイトです。自分が応募するのではなく、登録内容をもとに企業やエージェントからスカウトが来るスタイルです。届いたスカウトが希望に合うスタートアップからかどうかをチェックするだけで済みます。

ハイクラスの求人も多数で、ハイクラスを希望する30代以上ぐらいの人にぴったりのサービスです。登録すると、企業からのダイレクトスカウトやエージェントからのスカウトが届きます。

やり取りは基本的にエージェントではなくヘッドハンターと行いますが、ヘッドハンターからアドバイスがもらえる場合も。登録ヘッドハンターが多いほか、このサイト中心に活動しているハンターも多くいます。

リクルートダイレクトスカウトのおすすめポイント
ハイクラス求人が多数のスカウト型の転職サイト
効率よくスタートアップ企業からのスカウトをチェックできる
活動しているハンターも多数

リクルートダイレクトスカウトの基本データ

リクルートダイレクトスカウト
求人数 公開求人508,725(2025年7月30日現在)
提供サービス スカウトサービス、求人おすすめ機能、スカウトおすすめ機能、チャット
URL https://directscout.recruit.co.jp/

Wantedlyは企業の価値観で会社を選びたい人に最適なビジネスSNS

「Wantedly」は、企業の雰囲気や方針などの情報提供によりマッチする仕事を見つけることができるビジネスSNSです。スタートアップ企業も多く登録しており、2025年7月現在で約1万5000件のスタートアップ企業の求人がヒットします。

求職者と企業の出会いの場でありながら、企業の説明には給料などの条件面は記載されていません。「会社が目指すもの」「一緒に働く仲間」「活動方針」などの価値観の発信に特化しているのが大きな特徴です。

価値観を先に理解したうえで応募や面接に進むので、ミスマッチをなくすことができます。待遇よりやりがいや仕事内容、ビジョン優先の人にぴったりです。

Wantedlyのおすすめポイント
スタートアップ企業の求人多数
価値観の発信に特化
ミスマッチをなくすことができる

Wantedlyの基本データ

Wantedly
求人数 公開求人35,920(2025年7月30日現在)
提供サービス スカウト
URL https://www.wantedly.com/

スタートアップ・ベンチャーのよくある噂は本当?

スタートアップ企業というと、新しくて勢いがあるといったポジティブなイメージだけでなく、ネガティブな噂を聞いて不安に思うこともあるのではないでしょうか。続いて、スタートアップやベンチャー企業によくある噂は本当か考えてみましょう。

  • 本当につぶれやすい?
  • 本当に給与が安い?
  • 本当に仕事がハード?

1つずつ解説していきます。

本当につぶれやすい?

まず「つぶれやすい」という噂ですが、一面では当たっていますが気にしすぎる必要はありません。

確かに、倒産件数に占めるスタートアップの割合が過去最高という記事もあります(「スタートアップ倒産比率、最高に 試される日本の野生」日本経済新聞/2024年4月15日)。同記事によると、2023年度で倒産全体(8,800件超)に占めるスタートアップ企業の割合は30%を超えています。

また、スタートアップ以外を含めた企業全体の倒産発生率は全体で0.3%弱ですが(東京商工リサーチ/2025年7月4日)、5年以内のスタートアップの倒産発生率は約20%です。

しかし逆に言えば70%の倒産はスタートアップ以外、8割のスタートアップ企業は5年以上継続するとも言えます。ほとんどのスタートアップがつぶれるというようなことではありません。

また、仮に倒産したとしてもそこで得た経験が転職に有利な面もあります。スタートアップは裁量が大きく対応する業務が多い分、成長することができます。

転職せざるを得なくなっても、

採用したくなるスキルを身につけることができるでしょう。

本当に給与が安い?

給与面に関しては、待遇の改善が進んでおりむしろ高いと言えるかもしれません。

やや古いデータですが、2021年の調査ではスタートアップ企業の平均年収は上場企業に匹敵しており、2022年は650万円とされています(「有力新興の平均年収、上場企業超えも 21年度5%増」日本経済新聞/2021年12月7日)。この数字は日本の平均年収を大きく上回っています。

このように、スタートアップの給与は必ずしも安いとは言えなくなってきています。

本当に仕事がハード?

仕事のハードさはケースバイケースです。労働環境改善や福利厚生に力を入れている会社も少なくありません。そのような会社では、働きやすい環境が整備されている、あるいはされつつあります。

ただし担当業務の範囲が広かったり、裁量が多い分指示を仰げず自分で判断しなければならなかったりする場面もあるでしょう。その点では、大手企業などに比べるとハードかもしれません。

とはいえスタートアップでなくとも中小企業でも同様のケースはあるでしょう。スタートアップだからハードだとは言い切れません。

スタートアップ・ベンチャー企業で働くメリット

次に、スタートアップ・ベンチャー企業で働くメリットについてまとめます。以下の点が挙げられます。

  • 成果を出せば収入を増やせる
  • 成長できる
  • 裁量が大きい
  • 人脈を築ける
  • 経営者との距離が近い

上記のメリットが自分の希望に合うなら、スタートアップへの転職はおすすめです。順に見ていきましょう。

成果を出せば収入を増やせる

まず、成果を出せば収入を増やせる点が挙げられます。スタートアップは年功序列ではないことが多く、経験が浅くても実績を出せば給与で評価されます。また自分の自由が利く範囲も広いので、自分の工夫や努力がダイレクトに結果に反映されやすいとも言えるでしょう。このように、がんばった分だけ成果を出しやすいという側面もあります。

給与だけでなく、ポストも同様です。成果を上げられれば、年齢にかかわらず昇進できる環境だと言えます。

成長できる

またスタートアップは成長しやすい環境だとも言えます。

教育体制は整っていないこともありますが、実践を通じてスキルアップすることが可能です。

しっかりやり方を教えてもらってから業務に取り掛かりたい人には不向きですが、

実地で働きながら学ぶことが嫌でない人には適しています。

次に述べるようにスタートアップでは個々人の裁量が大きいこともあり、そういった意味でも成長しやすいと言えるでしょう。積極的に取り組める人には向いています。

裁量が大きい

また、1人ひとりの社員の裁量が大きい傾向があるのもスタートアップのメリットです。

大手に比べると社員の数が少なく、1人が担当する業務の量が多くなることが大きな理由です。また会社にとって新しい業務で前例がないことも多いため、担当者がその場その場で判断することが求められるのも理由となっています。

責任も伴いますが、やりがいを持って仕事に取り組むことができるでしょう。またすでに述べたように、自分の裁量で業務を進めることは成長にもつながります。

人脈を築ける

さらに人脈を築きやすいのもスタートアップのメリットです。

社外の人と接する機会も多いことが理由です。自分と似た業務を行っている人もいれば、自社にない業務を外注する際に出会う人もいるでしょう。いずれにしても、刺激や学びになることは間違いありません。

人脈が新しい仕事の獲得につながることもあるほか、将来転職をすることになった場合にも役立つ可能性があります。なお当然ですが、一定のコミュニケーション能力が必要とされます。

ただし人に接するのが苦手でも、やむを得ず人とやり取りをしていく中で

コミュニケーションスキルが磨かれることもあるでしょう。

経営者との距離が近い

また、経営者との距離が近いこともスタートアップならではです。

社員数が少ないため、自然と経営者とやり取りする機会も多くなるでしょう。会社の規模によっては、経営者もプレイングマネージャーとして実務を担当していることがあるかもしれません。

経営者との距離が近いと、経営に関する考え方やマネジメントなどさまざまなことを間近で見ることができます。自分が昇進したときはもちろん、転職したり独立したりする場合にも役立つ学びとなるでしょう。

スタートアップ・ベンチャー企業で働くデメリット

スタートアップにはメリットも多くありますが、デメリットも存在します。次にスタートアップやベンチャー企業で働くデメリットを解説します。

  • 業務量が多くなりがち
  • 待遇がよくない場合がある
  • 教育体制が整備されていない場合がある
  • 方針が定まっていないなど現場任せになりがち
  • キャリアプランやキャリアパスを考えづらい

1つずつ見ていきましょう。

業務量が多くなりがち

まず、業務量が多くなりがちな点が挙げられます。

スタートアップでは社員が多くないため、一般に1人ひとりに割り振られる仕事の量が多くなってしまいす。また成長中で社内の体制が整っていなくても、取れる仕事は無理してでも取っていくことが少なくありません。その結果さらに1人ひとりの業務量が増えてしまうこともあります。

忙しい中でテキパキこなしていくことにやりがいを感じるなら、

むしろメリットに感じるかもしれません。

しかしゆっくり自分のペースで働きたい人には不向きと言えるでしょう。

待遇がよくない場合がある

また給与や福利厚生など、待遇がよくない場合もあります。スタートアップは大手よりは資金力に劣るため、労働条件や環境を整えられないこともあるためです。

ただしすでに述べたように、改善の動きもあります。また大手以上の待遇が受けられることも少なくありません。さらにスタートアップでなくても、中小企業であれば似たようなことも起こりえます。ケースバイケースだと言えるでしょう。

教育体制が整備されていない場合がある

さらに、研修など社員の教育体制が整備されていない場合もあります。成長期にある場合は、一般に業務を行うことが最優先されます。そのため教育体制を整えるのが後回しになりがちになるのです。

新卒採用を行っておらず中途採用だけの会社も少なくありませんが、それも主にこの理由によります。業務の経験を通じて成長できるとも言えますが、効率よく学ぶことは難しいかもしれません。

方針が定まっていないなど現場任せになりがち

明確な方針がないなどの理由で業務が現場任せになりがちな点も、ある意味ではデメリットだと言えるでしょう。

スタートアップでは制度など未整理のことも多く、いろいろな場面で方針が決まっていないことがよくあります。そのため現場でそのつど判断しなくてはならなかったりします。

裁量が大きいとも言えますが、参考になる前例がない、

アドバイスがもらえないという点ではデメリットだと言えるでしょう。

キャリアプランやキャリアパスを考えづらい

また、スタートアップにはキャリアプランやキャリアパスが立てづらいというデメリットもあります。

会社の成長や変化が激しいため、今と同じ業務や体制が将来も続くという保証がありません。そのため社内でどのようなキャリアを構築していくかも決めにくくなってしまうのです。

ただしこれは自由度が高いとも言えます。既定のキャリアパスがあるわけではないため、前例にとらわれずキャリアを重ねていける可能性もあります。会社から高く評価されていれば、自分の希望を考慮して会社の方向性を決めてくれるケースもあるでしょう。

スタートアップ・ベンチャーへの転職で転職エージェントを活用するポイント

最後に、スタートアップやベンチャー企業に転職する際に転職エージェントを活用するためのポイントについてまとめます。以下の点が挙げられます。

転職エージェントを活用するためのポイント
  • 何のために転職したいのか明確にしておく
  • 応募先の口コミ・評判を確認しておく
  • 転職エージェントの強みを確認しておく
  • 複数のエージェントを併用する

順に見ていきましょう。

何のために転職したいのか明確にしておく

まず、自分は何のために転職したいのか明確にしておきましょう。目的や将来の目標、キャリアプランやキャリアパスなどです。

より具体的には、仕事の内容はもちろん、ポストや働き方、将来的なキャリアの展望などが挙げられるでしょう。場合によっては家庭や家族との暮らし方が関わってくるかもしれません。

何のために転職したいかを明確にすることで、それが実現できるかどうかという視点で企業を見ることができるようになります。さらにエージェントとの認識のズレも防ぐことも可能です。

このように、何のために転職するかを明確にすると希望を実現できる企業を選ぶ方針とすることができます。

応募先の口コミ・評判を確認しておく

また、応募先の口コミや評判は転職エージェントを通じて確認しておきましょう。

エージェントは社内の情報にくわしいことも多くあります。そのため社風や社内の雰囲気、企業としての勢いなども理解していることが少なくありません。あらかじめ確認することで会社選びの参考になり、入社してからギャップを感じるのを防ぐことができます。

インターネットなどで調べてみるのもよいでしょう。

無批判に鵜呑みはできませんが、参考にできます。

転職エージェントの強みを確認しておく

また転職エージェントはそれぞれ強みがあるので、各エージェントの強みを確認しておきましょう。多くの転職エージェントが、業種や職種、年代、エリアなどさまざまな切り口で独自性を打ち出しています。

自分の希望と強みがマッチしているエージェントを選ぶことで、成功の可能性が高まります。また逆に、合わないエージェントを避けることで転職活動が停滞するのを防ぐことができます。

複数のエージェントを併用する

それぞれのエージェントの強みを理解したら、自分にプラスとなるエージェントを組み合わせて利用しましょう。複数のエージェントを併用することで、それぞれの短所を補うことが可能になります。

初めは、やや多いかな?ぐらいの数に登録して、

徐々に自分に合うところに絞り込んでいくのがおすすめです。

スタートアップ転職であれば、スタートアップやベンチャー特化型の転職エージェントと大手の総合型エージェントは最低限登録しましょう。それぞれのメリットを活かしつつ、デメリットを補うことができます。

転職エージェントを活用してスタートアップ・ベンチャー転職を成功させよう

スタートアップ・ベンチャー企業への転職では、転職エージェントを利用することで成功に近づくことができます。エージェントごとの特性を理解したうえで、特化型と総合型のエージェントを組み合わせて利用しましょう。

この記事の活用のポイントを参考にしつつ、納得できる転職を実現させてください。応援しています。