手取り50万は額面月収63万、年収750万円！生活レベルや全国平均を比較分析

手取り50万円は、額面月収では約63万円、年収に換算すると約750万円に相当します。

手取り50万円という収入は、全国平均年収と比較するとかなり高い水準といえますが、どのような生活レベルが実現できるのでしょうか？また、手取り50万円を目指せる業種・職種とは？

この記事では、手取り50万円の生活水準のリアルについて、全国の平均年収と比較しながら、控除額の内訳や目指すべき業界・職種まで徹底解説します。

Contents

1 手取り50万円の額面月収・年収とは
2 手取り50万円の年齢別・地域別比較分析
- 2.1 性別・世代別の平均年収と手取り50万円の位置づけ
- 2.2 手取り50万円は都市部と地方でどう違う？都道府県別の平均年収との比較
3 手取り50万円の生活レベルとは？実態を分析
4 手取り50万円でも生活が厳しい？家計管理と資産形成のポイント
5 手取り50万円はどんな仕事・職種で稼げる？
- 5.1 業界別の平均年収ランキングから見る手取り50万円の位置づけ
- 5.2 手取り50万円を目指せる高収入職種の特徴
6 手取り50万円を目指す転職のポイント
7 まとめ

手取り50万円の額面月収・年収とは

手取り50万円という収入は、一般的な平均年収と比べるとかなり高い水準です。

この章では、手取り50万円がどのような額面月収・年収に相当するのか、控除額の内訳や年収偏差値などを詳しく解説します。

手取り50万円は額面月収いくら？控除額の内訳
手取り50万円の年収はボーナスありとなしでどう変わる？
手取り50万円の年収偏差値と全国平均との比較

それでは順に見ていきましょう。

手取り50万円は額面月収いくら？控除額の内訳

手取り50万円は、額面月収（総支給額）に換算すると約62.7万円となります。この金額から各種控除が差し引かれて、手取り額が50万円になるのです。

【手取り50万円の月収・年収】

手取り	50万円
月収（額面）	627,000円
年収（額面）	7,524,000円

※月収額面は「給与試算」（給与ねっと）を使用して算出

手取り50万円の額面から控除される税金・保険料の内訳を見ると、次のようになります。

【手取り50万円の総支給額と控除内訳】

手取り額	50万円
支給額	627,000円
健康保険	31,000円
厚生年金	56,730円
雇用保険	3,000円
保険料合計	90,730円
所得税	35,780円
控除合計額	126,510円
差引手取額	500,490円

※控除額の内訳は「給与試算」（給与ねっと）を使用して算出

手取り50万円の生活を維持するためには、これらの控除額を考慮した収入計画が必要です。

手取り50万円の年収はボーナスありとなしでどう変わる？

手取り50万円の月収を年収（額面）に換算すると、ボーナスなしの場合は単純に額面月収62.7万円×12ヶ月の約752.4万円です。

ただし、日本の一般的な企業では年間のボーナスが基本給の3〜4ヶ月分というケースが多いため、基本給のみの年収計算では実態と乖離する可能性があります。

そのため、手取り50万円をボーナスありの年収に換算した場合は、約1,000万円となります。

手取り50万円の年収偏差値と全国平均との比較

手取り50万円に相当する年収約752.4万円の偏差値は、全体で67.5と非常に高い水準です。学歴別に見ると、大卒では偏差値56.3、高卒では偏差値82.1となります。

また、国税庁の「令和５年分民間給与実態統計調査」によると、全国平均年収は460万円（男性569万円、女性316万円）であり、手取り50万円はこれを大きく上回ります。男性平均と比較しても、手取り50万円はかなり高い水準にあることがわかります。

【手取り50万円の正社員の年収偏差値】

手取り額		50万円
月収額面		627,000円
年収額面		7,524,000円
年収偏差値	総合	67.5
	高卒	82.1
	大卒	56.3
	中小企業	69

※出典：年収偏差値チェッカー
※40歳の場合

手取り50万円の年齢別・地域別比較分析

手取り50万円という収入水準は、年齢や地域によってその位置づけが大きく異なります。

ここでは、性別・年齢別の平均年収との比較や、都市部と地方での違いについて詳しく分析します。

性別・世代別の平均年収と手取り50万円の位置づけ
手取り50万円は都市部と地方でどう違う？都道府県別の平均年収との比較

それでは順に見ていきましょう。

性別・世代別の平均年収と手取り50万円の位置づけ

手取り50万円に相当する年収約750万円は、ほとんどの年齢層において平均を大きく上回る水準です。

国税庁のデータによると、20代前半の平均年収は267万円、20代後半で394万円、30代前半で431万円、30代後半で466万円となっています。40代になると501万円（40代前半）、521万円（40代後半）と上昇しますが、それでも手取り50万円には届きません。

男女別では、男性の平均年収が569万円、女性が316万円であり、特に女性にとって手取り50万円は非常に高い水準といえます。

したがって、手取り50万円を目指す場合、年齢や性別に応じた戦略的なキャリアプランが必要となるでしょう。

【男女別の平均年収】

	平均年収	うち
	平均年収	正社員	正社員以外
全体	460万円	530万円	202万円
男性	569万円	594万円	269万円
女性	316万円	413万円	169万円

※出典：国税庁「令和５年分民間給与実態統計調査」の「（第８表）平均給与」より

【年代別の平均年収】

年齢層	平均年収	男性	女性
全体	460万円	569万円	316万円
～19歳	112万円	133万円	93万円
20～24歳	267万円	279万円	253万円
25～29歳	394万円	429万円	353万円
30～34歳	431万円	492万円	345万円
35～39歳	466万円	556万円	336万円
40～44歳	501万円	612万円	343万円
45～49歳	521万円	653万円	343万円
50～54歳	540万円	689万円	343万円
55～59歳	545万円	712万円	330万円
60～64歳	445万円	573万円	275万円
65～69歳	354万円	456万円	232万円
70歳以上	293万円	368万円	197万円

※出典：国税庁「令和５年分民間給与実態統計調査」の「（第 14 図）年齢階層別の平均給与」より
※正社員以外を含む

手取り50万円は都市部と地方でどう違う？都道府県別の平均年収との比較

手取り50万円の価値は、住んでいる地域によって大きく異なります。

厚生労働省の調査によると、東京都の平均年収は546.5万円、神奈川県は530.5万円と高水準である一方、地方では400万円を下回る県も多くあります。

たとえば、青森県の平均年収は357.4万円、宮崎県は368.0万円です。手取り50万円に相当する年収約750万円は、東京都でも平均を約200万円上回り、地方ではその差がさらに広がります。

ただし、生活コストの観点では、東京などの大都市では住居費が高くなるため、手取り50万円でも生活水準は地方より低くなる可能性があります。地域による物価の違いを考慮した実質的な生活水準の比較が重要です。

【都道府県別の平均年収・平均月収】

都道府県	平均年収	平均月収（所定内給与額）	都道府県	平均年収	平均月収（所定内給与額）
全国平均	472.9万円	31.8万円	三重県	455.3万円	30.5万円
北海道	422.4万円	28.9万円	滋賀県	455.5万円	30.3万円
青森県	357.4万円	25.0万円	京都府	470.0万円	31.6万円
岩手県	379.6万円	26.0万円	大阪府	510.3万円	34.0万円
宮城県	419.5万円	28.9万円	兵庫県	477.3万円	31.7万円
秋田県	381.6万円	26.1万円	奈良県	437.2万円	30.2万円
山形県	372.3万円	25.6万円	和歌山県	438.6万円	29.8万円
福島県	406.7万円	27.9万円	鳥取県	368.9万円	25.8万円
茨城県	465.5万円	31.2万円	島根県	395.8万円	26.9万円
栃木県	496.3万円	32.3万円	岡山県	430.4万円	29.1万円
群馬県	435.9万円	29.7万円	広島県	444.3万円	29.7万円
埼玉県	460.9万円	31.7万円	山口県	433.8万円	29.0万円
千葉県	453.0万円	31.0万円	徳島県	396.6万円	27.1万円
東京都	546.5万円	36.9万円	香川県	410.5万円	27.9万円
神奈川県	530.5万円	35.0万円	愛媛県	411.3万円	28.0万円
新潟県	396.7万円	27.0万円	高知県	399.7万円	27.3万円
富山県	437.2万円	29.4万円	福岡県	437.7万円	29.7万円
石川県	432.3万円	29.0万円	佐賀県	395.8万円	26.9万円
福井県	420.7万円	28.5万円	長崎県	376.2万円	25.7万円
山梨県	437.4万円	29.2万円	熊本県	394.1万円	26.9万円
長野県	428.7万円	28.8万円	大分県	399.9万円	27.1万円
岐阜県	435.9万円	29.2万円	宮崎県	368.0万円	25.4万円
静岡県	461.0万円	30.5万円	鹿児島県	389.5万円	26.8万円
愛知県	490.0万円	32.2万円	沖縄県	368.3万円	26.5万円

※出典：厚生労働省の2023年（令和5年）賃金構造基本統計調査をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出（所定内給与額は各種手当を除く）
※短時間労働者（パートタイム労働者）を除く

手取り50万円の生活レベルとは？実態を分析

手取り50万円という収入は、どのような生活水準を実現できるのでしょうか。

この章では、単身者、家族、共働き世帯それぞれのケースについて、具体的な生活レベルを分析します。

手取り50万円の単身者の生活水準
手取り50万円の4人家族の家計シミュレーション
手取り50万円の共働き世帯の資金計画と生活水準
手取り50万円世帯の住居費・教育費の実態

それでは順に見ていきましょう。

手取り50万円の単身者の生活水準

手取り50万円の単身者は、かなり余裕のある生活を送ることができます。

一般的な単身者の生活費が月15〜25万円程度であることを考えると、手取り50万円あれば、高級マンションの家賃や趣味にお金をかけても、なお貯蓄が可能な水準です。

例えば、東京23区内で家賃15万円のマンションに住み、食費や交際費などの生活費に15万円使っても、まだ20万円の余裕があります。

この20万円を投資や貯蓄に回せば、将来の資産形成も順調に進められるでしょう。手取り50万円の単身者は、税金対策や控除を活用することで、さらに効率的な資産形成が可能です。

手取り50万円の4人家族の家計シミュレーション

手取り50万円の4人家族（夫婦と子ども2人）の場合、一般的な家計と比較すると余裕はありますが、教育費や住宅ローンなどの大きな支出を考慮する必要があります。

例えば、

住宅ローン：10万円
教育費：10万円
食費：8万円
光熱費・通信費：5万円
保険料：3万円
交通費：3万円
日用品：2万円
交際費：3万円

の配分で支出すると、合計で44万円となります。

残りの6万円を貯蓄に回すことができますが、子どもの教育費は学年が上がるにつれて増加するため、将来を見据えた計画が必要です。

また手取り50万円の家庭では家の予算も比較的余裕があり、3000万円前後のマイホーム購入も可能です。

ただし、子どもの教育方針や家族のライフスタイルによって必要な費用は大きく変わるため、優先順位を明確にした家計管理が重要となります。

手取り50万円の共働き世帯の資金計画と生活水準

手取り50万円の収入がある共働き世帯では、パートナーの収入も合わせることでさらに余裕のある生活が可能です。

例えば、片方が手取り50万円、もう片方が手取り25万円の場合、世帯収入は月75万円となります。この収入レベルでは、高級住宅地の戸建てや都心の高級マンションの購入も視野に入れられるでしょう。また、子どもの教育費として私立学校や習い事に十分な予算を割り当てることも可能です。

共働き世帯の場合、効率的な資金計画としては手取り50万円の給与から固定費を賄い、もう一方の収入を貯蓄や投資に回すという方法があります。

計画的な資金管理を行えば、早期リタイアや資産形成など、将来の選択肢を広げることができるでしょう。

手取り50万円世帯の住居費・教育費の実態

手取り50万円の世帯における住居費は、一般的に収入の30%以内が適切とされていることから、月15万円程度が目安となります。

この予算では、都市部でも比較的良い条件の物件を選ぶことができます。住宅購入の場合、手取り50万円であれば5000万円程度の物件も視野に入ります。

また、教育費については、公立の場合、小学校から高校までの基本的な教育費は月5万円程度ですが、私立や塾・習い事を含めると月10万円以上かかることもあります。

大学教育まで考慮すると、国公立で年間80万円程度、私立文系で年間120万円程度、私立理系で年間160万円程度の費用が必要です。

手取り50万円の世帯では、これらの費用を賄いながらも貯蓄や投資に回せる余裕があるといえるでしょう。

手取り50万円でも生活が厳しい？家計管理と資産形成のポイント

手取り50万円という高水準の収入でも、計画性を欠いた支出や非効率な家計管理によって生活が圧迫されるケースがあります。

ここでは、手取り50万円の収入を最大限に活かすための家計管理のポイントや資産形成の戦略について解説します。

手取り50万円でも注意すべき家計管理のポイント
手取り50万円の人が実践している賢い節約・投資術
手取り50万円で実現可能な資産形成プラン

それでは順に見ていきましょう。

手取り50万円でも注意すべき家計管理のポイント

手取り50万円という高水準の収入があっても、計画性のない支出や過剰な借入れにより生活が圧迫されることがあります。

特に注意すべきは、収入に見合わない住宅ローンや自動車ローンの設定です。手取り50万円であれば、自動車ローンの上限金額は月々の返済額を収入の10%以内に抑えるという原則に従うと、5万円程度が目安となります。

また、固定費の割合が高すぎると、急な出費や収入の減少に対応できなくなるリスクがあります。手取り50万円世帯でも、固定費は収入の50%以内に抑え、変動費と貯蓄にそれぞれ25%ずつ配分するという50-25-25の法則を意識するとよいでしょう。

さらに、収入が増えると生活水準も上がりがちですが、これを抑制し、収入増加分は貯蓄や投資に回すことが長期的な資産形成には重要です。

手取り50万円の人が実践している賢い節約・投資術

手取り50万円の収入がある人でも、効率的な家計管理と賢い投資戦略を実践している人は多くいます。

例えば、税金対策として確定申告での各種控除を最大限に活用したり、iDeCoやつみたてNISAなどの非課税制度を利用したりすることで、手取り額を増やし投資効率を高めています。

また、手取り50万円の貯金・投資の割合としては、一般的に収入の30%程度を貯蓄・投資に回すことが推奨されていますが、より積極的な資産形成を目指す場合は40%以上を投資に回すケースもあります。

手取り50万円で実現可能な資産形成プラン

手取り50万円という収入水準を活かした効果的な資産形成プランを考えてみましょう。

たとえば、月15万円（手取り50万円の30%）を投資に回し、年利5%で30年間運用した場合、約1.3億円の資産形成が可能です。

投資配分の一例としては、リスク許容度に応じて、

インデックス投資（国内株式・海外株式）60%
債券20%
不動産投資信託（REIT）10%
現金10%

といったポートフォリオが考えられます。

また手取り50万円の収入があれば、不動産投資に挑戦するケースもあります。月10万円程度の返済で3000万円前後の投資用不動産を購入し、家賃収入を得るといったかたちです。

このように複数の収入源を構築することで、より安定した資産形成が実現できるでしょう。

手取り50万円はどんな仕事・職種で稼げる？

手取り50万円という高水準の収入を得るためには、どのような業界や職種を選べばよいのでしょうか。

ここでは、業界別の平均年収と高収入職種の特徴について解説します。

業界別の平均年収ランキングから見る手取り50万円の位置づけ
手取り50万円を目指せる高収入職種の特徴

それでは順に見ていきましょう。

業界別の平均年収ランキングから見る手取り50万円の位置づけ

手取り50万円に相当する年収約750万円は、ほとんどの業界の平均年収を上回る水準です。

国税庁のデータによると、業界別の平均年収トップは電気・ガス・熱供給・水道業の775万円で、次いで金融業・保険業の652万円、情報通信業の649万円となっています。

手取り50万円を得るためには、これらの高収入業界を選ぶことが一つの方法です。特に、電力会社やガス会社などのインフラ関連企業、大手銀行や証券会社、IT・通信系企業では、キャリアを積むことで手取り50万円に到達する可能性が高いといえます。

一方、宿泊業・飲食サービス業（平均264万円）や農林水産・鉱業（平均333万円）などでは、平均的な社員が手取り50万円を得るのは難しいことがうかがえます。

ただし、どの業界であっても、経営者や高度な専門職であれば高収入を得ることは可能です。

【業種別の平均年収ランキング】

業種	平均年収	内訳
業種	平均年収	月給（給料・手当）	賞与
全体平均	460万円	32万円	71万円
電気・ガス・熱供給・水道業	775万円	53万円	139万円
金融業、保険業	652万円	42万円	149万円
情報通信業	649万円	44万円	120万円
学術研究、専門・技術サービス業、教育・学習支援業	551万円	38万円	100万円
建設業	548万円	39万円	81万円
複合サービス業	535万円	35万円	117万円
製造業	533万円	36万円	103万円
運輸業、郵便業	473万円	34万円	63万円
不動産業、物品賃貸業	469万円	34万円	63万円
医療、福祉	404万円	29万円	52万円
卸売業、小売業	387万円	28万円	54万円
サービス業	378万円	28万円	43万円
農林水産・鉱業	333万円	24万円	44万円
宿泊業、飲食サービス業	264万円	21万円	16万円