「退職の意向をメールで上司に伝えてもいいの?」
退職したいことを伝えるには勇気がいりますよね。けれども伝え方を誤ると、円満退職に支障をきたしてしまうかもしれません。
この記事では、退職をメールで上司に伝える方法やタイミングの選び方、退職メールの例文、送信後の対応まで徹底解説します。
退職メールの例文や具体的なマナーを交えながら、スムーズな退職に向けたポイントを詳しく紹介していきますので、転職を考えている方はぜひ参考にしてくださいね。
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Contents
そもそも退職をメールで上司に伝えてもいい?
結論から言うと、近年のビジネスシーンではメールでの退職報告が増加傾向にあります。しかし安易なメール連絡は思わぬトラブルを招くことも。基本的に上司へ退職の意向を伝える場合は対面で行い、メールは事前のアポ取りと面談後の記録用に使うのが望ましいです。
ここでは、メールでの退職申し出に関する基本的な考え方と、知っておくべき重要なポイントについて解説します。
- 上司にメールで退職を伝えてもいい?
- 対面とメールの使い分け方
- 事前準備としておさえるべきポイント
それでは順に見ていきましょう。
上司にメールで退職を伝えてもいい?
上司に退職したいことをメールで伝えるのは、メリットとデメリットがあります。
メリットとしては、自分の考えを整理して伝えられることや感情的になりにくい点が挙げられます。また文書として記録が残るため、後々の確認にも役立ちます。
一方で、デメリットもあります。対面でのコミュニケーションに比べて微妙なニュアンスが伝わりにくく、誤解を招く可能性があります。また即座の質疑応答ができないため、上司が不信感を抱く原因となることもあります。
そのため、メールは退職の最終的な意向を伝える手段としてではなく、対面での話し合いの前段階、または補助的な手段として活用するのが望ましいといえます。
対面とメールの使い分け方
退職を伝える方法として、対面とメールの使い分けは状況に応じて適切に判断する必要があります。
基本的には、最初の退職意向は対面で伝えることが望ましいとされています。
ただしリモートワークが主体の職場や上司が別拠点にいる場合など、対面での報告が難しい状況もあります。そのような場合は、まずメールで面談を依頼することが推奨されます。
また上司と話し合った後に、話した内容を文書として残すためにメールを送ることも有効です。これにより双方の認識の行き違いを防ぐことができます。
事前準備としておさえるべきポイント
上司へ退職の意向を伝えるメールを送る前に、いくつかの準備が必要です。
まず就業規則で定められた退職の手続きや期限を確認しましょう。一般的な退職予告期間は1ヶ月ですが、会社によって異なる場合があります。
次に自分の担当業務の状況を整理します。現在進行中のプロジェクトや、引き継ぎが必要な業務をリストアップしておきましょう。これにより上司との話し合いがスムーズになります。
また退職理由を整理しておくことも重要です。感情的な理由ではなくキャリアプランや自己成長など、建設的な理由を準備しておくことで円満な退職につながります。
退職を上司に切り出すタイミングとメールでのアポの取り方
続いて、退職の意向を伝えるタイミングと上司への面談の依頼方法や、気をつけるポイントについて詳しく解説していきます。
- 最適な退職報告のタイミング
- アポ取りメールの書き方と注意点
- 面談日程の調整方法
それでは順に見ていきましょう。
最適な退職報告のタイミング
退職の報告タイミングは、会社や業務への影響を考慮して慎重に選ぶ必要があります。一般的には、退職予定日の1.5〜2ヶ月前が望ましいとされています。
理想的なタイミングは、月初めの報告です。給与計算や社会保険の手続きなど、会社側の事務処理を考慮すると月初めがベストと考えられます。また週の始めの月曜日や火曜日を選ぶと、週末までに必要な対応を検討する時間的余裕を確保できます。
また業務の繁忙期や重要なプロジェクトの最中は、できるだけ避けましょう。可能な限り、業務への影響が最小限となるタイミングを選ぶことが、円満な退職につながります。
アポ取りメールの書き方と注意点
上司へのアポ取りのメールは、簡潔かつ丁寧に書くことが重要です。
件名は「ご相談させていただきたい件がございます」など、直接的な表現を避けつつも面談の必要性が伝わるものを選びましょう。
本文では、「個人的なご相談」や「今後のキャリアについて」といった表現を使い、退職という言葉は直接使用しないようにしたほうが、トラブルを避けることができます。また面談の希望時間を複数提示することで上司が選択しやすくなります。
メールの最後には、「お忙しいところ恐縮ですが」といった配慮の言葉を添えると良いでしょう。
面談日程の調整方法
面談日程の調整は、上司の予定に最大限配慮しながら進める必要があります。候補日時は、上司が選択しやすいよう、3〜4つ程度提示するのが適切です。
具体的な時間帯を提示する際は、「○月○日10時〜」のように、開始時刻を明確に示しましょう。また面談にかかる想定時間も併せて伝えることで上司のスケジュール調整がしやすくなります。
上司から別の日時が提案された場合は、可能な限り柔軟に対応します。ただしどうしても都合がつかない場合は、その理由を明確に説明し代替案を提示しましょう。
退職を伝えるメールの基本的な書き方
退職の意向を伝えるメールは、形式や言葉遣いに特に注意を払う必要があります。ビジネスメールの基本ルールを押さえながら、失礼のない内容で作成することが重要です。
- 退職メールの件名の付け方
- 退職メール本文の基本構成
- 退職メールを書くときの注意点
それでは順に見ていきましょう。
退職メールの件名の付け方
退職メールの件名は、内容が明確に伝わるよう簡潔かつ適切な表現を選ぶ必要があります。「退職願の提出について」や「退職に関するご報告」といった、目的が分かりやすい件名が望ましいでしょう。
過度に婉曲的な表現は避け、ビジネスライクな印象を与える言葉を選びましょう。ただし「退職します」など、そっけない印象を与える表現も適切ではありません。
また緊急性や重要性を示すため、必要に応じて「【ご報告】」などの記号を付けると効果的です。
退職メール本文の基本構成
退職メールの本文は、以下の5つのパートで構成するのが基本です。
- 挨拶
- 退職意向の表明
- 理由の説明
- お詫びと感謝
- 今後の対応
まず時候の挨拶から始め、日頃の感謝を述べます。その後、退職の意向を明確に伝え、その理由を簡潔に説明します。理由は建設的なものを選び、会社や上司への不満は書かないようにしましょう。
お詫びと感謝の言葉は、具体的なエピソードを交えると誠意が伝わります。最後に引き継ぎなど、今後の対応についての考えを示します。
退職メールを書くときの注意点
退職メールを送る前に、以下の項目をチェックしましょう。
まず基本情報として、退職予定日が明確に記載されているか確認します。また引き継ぎ期間についての考えも明記しておく必要があります。
文章のトーンにも注意が必要です。感情的な表現や批判的な内容は避け、終始冷静で前向きな表現を心がけましょう。また長すぎる文章は避け、1段落3行程度を目安に簡潔にまとめます。
最後に誤字脱字のチェックはもちろん、敬語の使い方や文末表現の統一性なども確認します。送信前に一度プレビューで全体の印象を確認するのも効果的です。
退職メールを上司へ送るときの例文
退職メールの文面作成に悩む方は多いものです。ここでは具体的な例文を示しながら、状況に応じた効果的な文面の作り方や、それぞれの例文の特徴とポイントについて詳しく解説していきます。
- アポ取り用のメール例文
- 退職を伝える際のメール例文
- 状況別の退職メールのポイント
それでは順に見ていきましょう。
アポ取り用のメール例文
アポイント取得用のメールは、簡潔さと丁寧さのバランスが重要です。以下に基本的な例文を示します。
件名:「ご相談させていただきたい件がございます」○○部長
いつもお世話になっております。
△△課の山田太郎です。
大変恐縮ですが、キャリアに関して個人的にご相談させていただきたい件がございます。
お忙しいところ誠に恐れ入りますが、以下の日時でご都合の良い時間はございますでしょうか。
- 4月10日(月)10:00~11:00
- 4月11日(火)15:00~16:00
- 4月12日(水)14:00~15:00
30分程度お時間を頂戴できますと幸いです。
ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
退職を伝える際のメール例文
面談後の正式な退職意向を伝えるメールは、より詳細な内容が求められます。以下が基本的な構成例です。
件名:「退職に関するご報告とお願い」○○部長
いつもお世話になっております。
△△課の山田太郎です。
本日の面談でお時間を頂戴しありがとうございました。
メールにて改めて退職の意向を正式にご報告させていただきます。
このたび一身上の都合により○月○日付をもって退職させていただきたく、お願い申し上げます。
在職中は多くのことを学ばせていただき、大変感謝しております。
残り期間につきましては、業務の引き継ぎに全力を尽くす所存です。
なお、具体的な引き継ぎスケジュールにつきましては、ご指示いただければ幸いです。
何卒ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
状況別の退職メールのポイント
メールの文面は、状況に応じてカスタマイズする必要があります。
たとえば急な退職の場合は謝罪の意を強めに示し、長期勤務後の退職の場合は感謝の言葉を多めに盛り込みます。
海外転職や起業など、前向きな理由での退職の場合は、その抱負も適度に含めることでより建設的な印象を与えることができます。ただし具体的な転職先については記載を控えめにするのが無難です。
またプロジェクトの途中での退職の場合は、具体的な引き継ぎ案やスケジュール案を含めることで誠意を示すことができます。
退職メールで上司への感謝とお礼を伝える方法
退職メールにおける感謝の表現は、関係性を良好に保つために重要です。適切な感謝の言葉選びと表現方法について、詳しく解説していきます。
- 退職メールでのお礼の書き方
- 感謝を伝える退職メール例文
- 避けるべき表現と言い回し
それでは順に見ていきましょう。
退職メールでのお礼の書き方
感謝の言葉は具体的なエピソードを交えることでより誠意が伝わります。
たとえば「いつも丁寧にご指導いただき」という一般的な表現よりも、「○○プロジェクトでの困難な場面で的確なアドバイスをいただき」といった具体的な表現の方が効果的です。
また感謝の言葉は長くなりすぎないよう注意が必要です。2〜3の具体例を挙げ、それぞれについて簡潔に述べるのが理想的です。
時系列に沿って思い出を振り返る形式も効果的です。入社時の指導から最近の出来事まで、印象的な場面を選んで言及することでより心のこもった感謝の意を伝えることができます。
感謝を伝える退職メール例文
状況に応じた適切な感謝の表現をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてください!
・退職メール例文① 指導に対する感謝
・退職メール例文② 成長機会への感謝
・退職メール例文③ 日常的なサポートへの感謝
避けるべき表現と言い回し
感謝の表現でも、避けるべき表現や言い回しがあります。たとえば「ご迷惑をおかけしながらも」といった後ろ向きな表現は、できるだけ使用を控えましょう。
また「何も恩返しができず申し訳ございません」といった過度な謝罪も適切ではありません。代わりに「学んだことを今後の糧とさせていただきます」といった前向きな表現を使用します。
さらに「お世話になりました」の繰り返しや、形式的な決まり文句の羅列も避けるべきです。真摯な感謝の気持ちが伝わる、オリジナルな表現を心がけましょう。
退職メールを上司へ送るときの注意点とマナー
メールの送信時間や送り方にも、守るべきマナーがあります。適切な方法で送信することでより円滑な退職手続きにつながります。
- 退職メールを上司に送信する時間帯
- 上司への退職メールにCCやBCCはどうする?
- 添付ファイルの扱い方
それでは順に見ていきましょう。
退職メールを上司に送信する時間帯
退職メールの送信時間は、平日の業務時間内、特に午前中が望ましいとされています。月曜日の朝一番や金曜日の終業間際は避けるべきです。
理想的なのは、火曜日から木曜日の午前10時頃です。この時間帯であれば、上司も落ち着いて内容を確認でき、必要に応じて即座に対応することができます。
深夜や早朝、休日の送信は避けましょう。たとえ予約送信機能を使用する場合でも、送信日時には配慮が必要です。
上司への退職メールにCCやBCCはどうする?
退職の意向を伝えるメールのCCには、必要に応じて部長や人事担当者を含めます。ただし最初の相談段階では直属の上司のみに送ることが望ましいでしょう。
BCCの使用は原則として避けます。内密に別の関係者に共有する必要がある場合は、別途個別にメールを送ることをお勧めします。
また社外のメールアドレスへの転送や共有は、情報漏洩のリスクがあるため、絶対に避けるべきです。
添付ファイルの扱い方
退職願や引き継ぎ資料などを添付する場合は、ファイル名や形式に注意が必要です。ファイル名は「退職願_氏名_提出日」のように、内容が分かりやすい名称にします。
添付ファイルは、一般的なソフトウェアで開ける形式を選びましょう。またパスワード保護が必要な機密情報の場合は、パスワードは別メールで送信します。
容量の大きいファイルは、社内の共有フォルダを使用するなど、メールサーバーへの負荷を考慮した送信方法を選択しましょう。
退職メールを上司に送信した後のフォローアップ
退職メールを上司に送信した後には、適切なフォローアップを行いましょう。ここでは、メール送信後のフォローアップ方法や、想定される様々な状況への対処法について解説します。
- 上司からの返信への対処法
- 面談での補足説明のポイント
- その後の手続きの進め方
それでは順に見ていきましょう。
上司からの返信への対処法
上司からの返信には、できるだけ早く対応することが重要です。特に質問や確認事項がある場合は、1営業日以内の返信を心がけましょう。
返信内容に追加の面談依頼がある場合は、できるだけ柔軟に対応します。「承知いたしました。ご指定の日時に伺わせていただきます」など、前向きな姿勢で応じましょう。
また返信に慰留の内容が含まれている場合は、丁寧に検討した上で決断した旨を改めて説明し理解を求める必要があります。ただし、この際も感謝の意を忘れずに伝えることが大切です。
面談での補足説明のポイント
メール送信後の面談では、文面だけでは伝わりにくい詳細な説明や、具体的な引き継ぎ案について話し合います。
説明の際は、要点を箇条書きにまとめたメモを用意しておくと効果的です。退職理由、希望する退職時期、引き継ぎ案など、重要なポイントを整理して臨みましょう。
また上司からの質問に対しては、誠実に回答することを心がけます。ただし転職先など、答える必要のない質問については、適切に話題を変えることも必要です。
その後の手続きの進め方
退職の意向が正式に受理された後は、具体的な手続きに入ります。人事部門への書類提出や、社会保険の手続きなど、やるべきことを整理しましょう。
手続きの進め方は会社によって異なるため、必要に応じて人事部門に確認を取ります。特に提出書類の期限には注意が必要です。
また引き継ぎ資料の作成も並行して進めます。業務マニュアルの更新や、重要な連絡先リストの整備など、後任者が困らないよう、丁寧な準備を心がけましょう。
退職メールのよくあるトラブルと対処法
退職の申し出に関しては、様々なトラブルが発生する可能性があります。ここでは、よくある問題とその解決方法について、具体的な対応策を交えながら解説していきます。
- 退職メールに返信がない
- 退職メールの返信で慰留された
- 引き継ぎのトラブル
それでは順に見ていきましょう。
退職メールに返信がない
退職メールを上司に送信後、返信がない場合には慎重に対応する必要があります。
まずメール送信から2営業日程度は待つことが望ましいでしょう。その後も返信がない場合は、直接声をかけるか電話で確認することを検討します。
返信を促す場合は、「先日送信させていただいたメールについて、ご確認いただけましたでしょうか」といった丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
上司のいるオフィスが離れている場合は、再度メールを送信することも一案です。ただし催促めいた表現は避け、「確認のため、改めてご連絡させていただきます」といった配慮ある文面にすることが重要です。
退職メールの返信で慰留された
退職メールに対して上司から返信で退職を引き止められた場合は、安易に妥協せず、自分の意思を明確に伝える必要があります。ただし、その際も感情的にならず、冷静な対応を心がけましょう。
たとえば「ご配慮ありがとうございます。しかし十分に検討を重ねた上での決断ですので、ご理解いただければ幸いです」といった表現で、丁寧かつ毅然とした態度を示します。
条件面での慰留の場合も安易な返答は避けましょう。「お申し出は大変ありがたく、心より感謝申し上げます。ただ、私の決意は固く、このままお受けすることは誠に申し訳ございませんが難しい状況です」といった形で、感謝とともに明確な意思を示します。
引き継ぎのトラブル
退職時の引き継ぎに関するトラブルを防ぐには、計画的な準備と調整が欠かせません。まず現在抱えている業務の棚卸しを行い、優先順位をつけて引き継ぎスケジュールを立案します。
引き継ぎ期間について上司と認識の違いがある場合は、具体的な業務内容と必要な期間を明示して話し合います。「○○の業務の引き継ぎには約2週間必要と考えております」といった具体的な提案が効果的です。
また引き継ぎ資料の作成状況や進捗について、定期的に上司へ報告を行うことでトラブルを未然に防ぐことができます。
まとめ
この記事では、退職をメールで上司に伝える方法について詳しく解説しました。
退職メールを上司に送る際の重要なポイントを改めてまとめると、以下のとおりです。
まず時期と手順を適切に選ぶことが大切です。できるだけ業務の繁忙期を避け、退職予定日の1.5〜2ヶ月前から準備と引き継ぎを始めましょう。
上司への退職メールの内容は、感謝の意を示しつつ明確な退職の意思を伝えることが大切です。また引き継ぎに関する具体的な提案を含めることで、より建設的に退職に向けた話し合いができます。
退職メールの送信後のフォローアップも忘れずに行い、必要な手続きを漏れなく進めることが重要です。
円満退職を目指すためには、最後まで誠実な対応を心がけましょう。引き継ぎは丁寧に行い、周囲にも感謝の意を示すことで将来的な人脈としても良好関係を維持できます。
またお世話になった方々にも感謝のメールを送り、退職日当日は上司や同僚に直接挨拶をすることをおすすめします。