月収19万の手取り額は約16万円になります。この額面から手取りまでの差額はどのような内訳で引かれているのでしょうか?

この記事では、月収19万円の手取り額の計算方法から年収の目安、生活レベルまで徹底解説します。

月収19万円は全国平均と比較するとどのような位置づけなのか、一人暮らしは可能なのかなど、多くの疑問に答えていきます!

月収19万円の手取り額は約16万円!正社員とパートの手取りの違い

月収19万円の手取り額は約16万円となります。ただし、雇用形態や家族構成によって控除される金額が異なるため、同じ月収でも手取り額に差が生じます。

ここでは月収19万円の手取り計算方法や各種控除の内訳、雇用形態による違いを詳しく解説します。

  • 月収19万円の手取り計算方法は?税金・社会保険料の内訳
  • 月収19万円の正社員とパートの手取り額の違い
  • 独身と既婚者の手取り額の違い

それでは順に見ていきましょう。

月収19万円の手取り計算方法は?税金・社会保険料の内訳

月収19万円の手取り額は、正社員の場合、税金や社会保険料を差し引いた約16万円です。

控除の内訳は、

  • 所得税:約3,410円
  • 健康保険料:約9,481円
  • 厚生年金:約17,385円
  • 雇用保険料:約1,140円

となります。これらを合計すると控除額は約31,416円になり、月収19万円から差し引くと手取り額は約158,584円となります。

中でも社会保険料が全体の控除額の大部分を占めており、特に厚生年金の負担が大きいことがわかります。

月収19万円の正社員とパートの手取り額の違い

月収19万円でも正社員とパートでは手取り額に違いがあります。

正社員の場合は社会保険料が全額かかるため、手取り額は約16万円です。一方、パートの場合、労働時間が週20時間未満であれば社会保険に加入する必要がないため、所得税と住民税のみの控除となり、手取り額は約17.5万円程度になります。

ただし、社会保険に加入しないと将来の年金額が少なくなる可能性があるというデメリットもあります。

独身と既婚者の手取り額の違い

月収19万円の場合、独身と既婚者では手取り額に差が生じます。

独身の場合、手取り額は約158,584円ですが、配偶者がいる場合は所得税の配偶者控除が適用され、手取り額は約160,204円となります。この差は約1,620円で、年間では約19,440円の違いになります。

また子どもがいる場合は扶養控除も適用されるため、さらに手取り額が増える可能性があります。家族構成によって手取り額が変わることを覚えておきましょう。

【月収19万の手取り額計算】
<独身の場合>

月収(額面) 19万円
 所得税 3,410円
 健康保険料 9,481円
 厚生年金 17,385円
 雇用保険 1,140円
控除合計額 31,416円
手取り額 158,584円

 

配偶者ありの場合>

月収(額面) 19万円
 所得税 1,790円
 健康保険料 9,481円
 厚生年金 17,385円
 雇用保険 1,140円
控除合計額 29,796円
手取り額 160,204円

※出典:ファンジョブ|【2025年度対応】手取り計算|月給シミュレーション

月収19万円の手取りが16万円って少ない?年収偏差値や全国平均と比較

月収19万円の手取り16万円は全国平均と比較するとどのような位置づけなのでしょうか。

月収19万円を年収に換算すると約228万円となりますが、これは全国平均や同年代と比べてどうなのか、気になる方も多いはずです。ここでは客観的なデータをもとに分析していきます。

  • 月収19万円の年収偏差値から見る実態
  • 性別・年齢別の平均月収との比較
  • 業種別の平均月収からみる位置づけ
  • 都道府県別の平均月収から見る地域差

それでは順に見ていきましょう。

月収19万円の年収偏差値から見る実態

月収19万円の年収換算は約228万円で、年収偏差値は37.4となります。偏差値50が平均であることを考えると、全国平均よりもやや低い水準といえます。

学歴別に見ると、高卒では偏差値37.2、大卒では偏差値36.4となります。また企業規模別では、中小企業の場合は偏差値38.1です。

つまり月収19万円は、どの属性で見ても平均を下回っていますが、極端に低い水準ではないことがわかります。

【月収19万円の年収偏差値】

月収額面 19万円
年収額面 228万円
年収偏差値 総合 37.4
高卒 37.2
大卒 36.4
中小企業 38.1

※出典:年収偏差値チェッカー
※25歳の場合

性別・年齢別の平均月収との比較

月収19万円と年齢別・性別の平均月収を比較してみましょう。

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、全年齢の平均月収は男女計で330,400円、男性で363,100円、女性で275,300円です。

月収19万円は、19歳以下の平均月収(199,300円)と近い水準です。20代前半の平均月収は232,500円、20代後半では267,200円となっており、年齢が上がるにつれて月収19万円との差は大きくなります。

【年代別・男女別の平均月収】

年齢層 賃金
男女計 男性 女性
全体 330,400円 363,100円 275,300円
~19 199,300円 203,600円 191,300円
20~24 232,500円 234,200円 230,600円
25~29 267,200円 274,700円 258,100円
30~34 299,500円 316,300円 271,600円
35~39 328,700円 352,300円 284,300円
40~44 351,400円 385,500円 288,400円
45~49 372,700円 416,000円 298,000円
50~54 380,400円 428,200円 295,400円
55~59 392,000円 444,100円 294,000円
60~64 317,700円 344,700円 259,900円
65~69 275,500円 294,300円 234,000円

※出典:厚生労働省令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」の「第2表 性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び年齢階級間賃金格差」より

さらに新卒の平均月収と比較すると、月収19万円は高卒者の平均的な水準であり、その他の学歴からスタートする新卒者の平均からは3〜10万円程度低い水準であることがわかります。

【新卒の平均月収】

最終学歴 平均月収
(所定内給与額)
中央値
(所定内給与額)
高校 19.8万円
(男性20.1万円、女性19.2万円)
19.5万円
専門学校 22.3万円
(男性21.9万円、女性22.5万円)
21.9万円
高専・短大 22.4万円
(男性23.1万円、女性22.1万円)
21.8万円
大学 24.8万円
(男性25.1万円、女性24.5万円)
24.1万円
大学院 28.7万円
(男性29万円、女性27.8万円)
27.9万円

※出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の「新規学卒者の所定内給与額」及び「新規学卒者の所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値」より
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

業種別の平均月収からみる位置づけ

月収19万円を業種別の平均月収と比較すると、その位置づけがより明確になります。

全業種の平均月収は約32万円ですが、業種によって大きな差があります。電気・ガス業(53万円)や情報通信業(44万円)では平均月収が高く、月収19万円はかなり低い水準です。

一方、宿泊業・飲食サービス業の平均月収は21万円で、この業界では月収19万円は平均に近い水準といえます。業種によって月収19万円の位置づけが異なることがわかります。

【業種別の平均月収(額面)】

業種 月給
(給料・手当)
年収 うち賞与
全体平均 32万円 460万円 71万円
電気・ガス・熱供給・水道業 53万円 775万円 139万円
情報通信業 44万円 649万円 120万円
金融業、保険業 42万円 652万円 149万円
建設業 39万円 548万円 81万円
学術研究、専門・技術サービス業、教育・学習支援業 38万円 551万円 100万円
製造業 36万円 533万円 103万円
複合サービス業 35万円 535万円 117万円
運輸業、郵便業 34万円 473万円 63万円
不動産業、物品賃貸業 34万円 469万円 63万円
医療、福祉 29万円 404万円 52万円
卸売業、小売業 28万円 387万円 54万円
サービス業 28万円 378万円 43万円
農林水産・鉱業 24万円 333万円 44万円
宿泊業、飲食サービス業 21万円 264万円 16万円

※出典:国税庁令和5年分 民間給与実態統計調査」の「(第 13 図)業種別の平均給与」より
※月給は「給料・手当 ÷ 12ヶ月」で算出
※正社員以外を含む

都道府県別の平均月収から見る地域差

月収19万円の評価は、住んでいる地域によっても変わります。

東京都の平均月収は36.9万円、大阪府は34.0万円と高い一方、青森県は25.0万円、宮崎県は25.4万円と地方では平均月収が低い傾向にあります。

つまり月収19万円は、東京などの大都市では平均を大きく下回りますが、地方では平均よりやや低い程度の水準といえます。

地域による生活費の違いも考慮すると、同じ月収19万円でも地域によって生活水準が異なることがわかります。

【都道府県別の平均年収・平均月収】

都道府県 平均年収 平均月収(所定内給与額) 都道府県 平均年収 平均月収(所定内給与額)
全国平均 472.9万円 31.8万円 三重県 455.3万円 30.5万円
北海道 422.4万円 28.9万円 滋賀県 455.5万円 30.3万円
青森県 357.4万円 25.0万円 京都府 470.0万円 31.6万円
岩手県 379.6万円 26.0万円 大阪府 510.3万円 34.0万円
宮城県 419.5万円 28.9万円 兵庫県 477.3万円 31.7万円
秋田県 381.6万円 26.1万円 奈良県 437.2万円 30.2万円
山形県 372.3万円 25.6万円 和歌山県 438.6万円 29.8万円
福島県 406.7万円 27.9万円 鳥取県 368.9万円 25.8万円
茨城県 465.5万円 31.2万円 島根県 395.8万円 26.9万円
栃木県 496.3万円 32.3万円 岡山県 430.4万円 29.1万円
群馬県 435.9万円 29.7万円 広島県 444.3万円 29.7万円
埼玉県 460.9万円 31.7万円 山口県 433.8万円 29.0万円
千葉県 453.0万円 31.0万円 徳島県 396.6万円 27.1万円
東京都 546.5万円 36.9万円 香川県 410.5万円 27.9万円
神奈川県 530.5万円 35.0万円 愛媛県 411.3万円 28.0万円
新潟県 396.7万円 27.0万円 高知県 399.7万円 27.3万円
富山県 437.2万円 29.4万円 福岡県 437.7万円 29.7万円
石川県 432.3万円 29.0万円 佐賀県 395.8万円 26.9万円
福井県 420.7万円 28.5万円 長崎県 376.2万円 25.7万円
山梨県 437.4万円 29.2万円 熊本県 394.1万円 26.9万円
長野県 428.7万円 28.8万円 大分県 399.9万円 27.1万円
岐阜県 435.9万円 29.2万円 宮崎県 368.0万円 25.4万円
静岡県 461.0万円 30.5万円 鹿児島県 389.5万円 26.8万円
愛知県 490.0万円 32.2万円 沖縄県 368.3万円 26.5万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

月収19万円の手取りで一人暮らしはきつい?生活レベルを検証

月収19万円、手取り約16万円で一人暮らしは可能なのでしょうか?

月収19万円の手取りでの現実的な生活水準について、生活費の内訳や、住める地域・家賃相場などの観点から検証していきます。

  • 月収19万・手取り16万円での一人暮らしの生活費目安
  • 月収19万円の家賃相場と住める地域

それでは順に見ていきましょう。

月収19万・手取り16万円での一人暮らしの生活費目安

月収19万円、手取り16万円での一人暮らしの生活費の目安は以下のようになります。

家賃は手取りの30%以内が理想とされるため、約5万円が上限です。主な支出は、次のようになります。

  • 家賃:5万円
  • 食費:3〜4万円
  • 光熱費・通信費:2万円程度
  • 日用品費:5千円
  • 交通費:1万円
  • 娯楽・交際費:1〜2万円
  • 保険・貯金:1万円程度

これらを合計すると14〜15万円程度になり、手取り16万円からするとぎりぎり赤字にならない計算です。

月収19万円の家賃相場と住める地域

月収19万円の場合、家賃は手取りの30%である約4.8万円が理想的です。この金額で住める地域は、大都市の都心部を除けば多くあります。

東京23区の場合は、郊外の物件や都心でもワンルームの古い物件が選択肢となります。大阪や名古屋などの地方都市では、市の中心部から少し離れれば5万円以内で1Kの物件が見つかりやすいでしょう。

地方都市であれば、家賃3〜4万円で比較的広めの物件も選べます。

月収19万円の手取りでの生活がきついと感じる理由と対策

月収19万円、手取り16万円での生活が「きつい」と感じる理由はさまざまです。

ここでは、月収19万円での生活がきつく感じる主な理由と、その対処法について解説します。

月収19万円の手取りでの生活がきつい
  1. 物価上昇に収入が追いついていない
  2. 住居費の負担が大きい
  3. 貯蓄や将来への投資が難しい
  4. 予想外の出費に弱い
  5. 周囲との比較で感じるプレッシャー

それでは順に見ていきましょう。

理由① 物価上昇に収入が追いついていない

月収19万円の手取りで生活がきついと感じる大きな理由の一つは、物価上昇に収入が追いついていないことです。

近年の食料品や光熱費の値上がりにより、同じ生活水準を維持するためのコストが上昇しています。

特に2022年以降の物価上昇は顕著で、基本的な生活費が増加する一方、月収19万円の水準はほとんど変わっていないケースが多いため、実質的な購買力が低下しています。

理由② 住居費の負担が大きい

月収19万円の手取り16万円で生活がきついと感じる二つ目の理由は、住居費の負担の大きさです。

特に都市部では家賃が高騰しており、理想とされる「手取りの30%以内」という基準を守ると、約4.8万円が上限となります。

しかし、この金額では住める場所や物件の質に大きな制約ができてしまいます。通勤時間が長くなったり、築年数が古い物件を選ばざるを得なかったりと、住環境で妥協を強いられることが多いのです。

理由③ 貯蓄や将来への投資が難しい

月収19万円の手取りでは、日々の生活費で精一杯となり、貯蓄や将来への投資が難しいことが三つ目の理由です。

一般的に収入の20%程度は貯蓄に回すことが推奨されますが、手取り16万円の場合、3.2万円が目安となります。

しかし実際には、生活費を切り詰めても月に1万円程度の貯蓄が限界というケースが多く、将来の住宅購入や結婚、子育てといったライフイベントに備えるのが難しくなります。

理由④ 予想外の出費に弱い

月収19万円の手取りで生活がきつい四つ目の理由は、予想外の出費に弱いことです。家電の故障や急な医療費、冠婚葬祭費用など、突発的な支出が発生した場合に対応する余裕がありません。

少ない貯蓄では急な出費に対応できず、結果的にクレジットカードの分割払いやカードローンに頼らざるを得なくなり、さらに生活を圧迫するという悪循環に陥りやすくなります。

理由⑤ 周囲との比較で感じるプレッシャー

月収19万円の手取りで生活がきつい五つ目の理由は、周囲との比較で感じるプレッシャーです。

SNSなどで友人や知人の生活を見ると、旅行や外食、ショッピングなど、自分にはできない消費活動を楽しんでいる様子が目に入ります。

また同年代の平均収入と比較しても低い水準にあることが多いため、「自分だけが取り残されている」という心理的なプレッシャーを感じやすくなります。

月収19万円から収入アップする4つの戦略

月収19万円の手取りでは生活が苦しい場合、収入をアップさせるための戦略が必要です。収入アップは生活の質を向上させるだけでなく、将来の安定にもつながる重要なステップになります。

月収19万円からの収入アップ戦略
同じ職場で昇給・昇格を目指す
スキルアップで市場価値を高める
副業で月収を増やす
転職で年収アップを目指す

それでは順に見ていきましょう。

戦略① 同じ職場で昇給・昇格を目指す

月収19万円から収入アップを目指す最初の戦略は、現在の職場での昇給・昇格です。

まずは上司との定期的な面談で、昇給の条件や必要なスキルを確認しましょう。多くの企業では、目標達成度や業務の質、責任範囲の拡大などが評価ポイントになります。

また社内の資格取得制度や研修を積極的に活用し、業務に関連する資格や専門知識を身につけることも効果的です。

戦略② スキルアップで市場価値を高める

月収19万円からの収入アップに効果的な二つ目の戦略は、市場価値を高めるスキルアップです。業界で求められている専門スキルや資格を調査し、計画的に習得していきましょう。

ITスキルやデータ分析能力など、業種を問わず需要の高いスキルを身につけることも有効です。

オンライン学習プラットフォームや書籍など、低コストで学べる手段を活用し、日々の業務の合間にスキルアップを進めていくことがポイントです。

戦略③ 副業で月収を増やす

月収19万円からの収入アップの三つ目の戦略は、副業での収入増加です。本業に支障が出ない範囲で、自分のスキルや時間を活かせる副業を検討しましょう。

クラウドソーシングサイトでのWebライティングやデータ入力、フリマアプリでの物販、休日を活用したイベントスタッフなど、さまざまな選択肢があります。

月に5万円程度の追加収入を得ることができれば、生活の余裕が大きく変わるでしょう。

戦略④ 転職で年収アップを目指す

月収19万円からの収入アップの四つ目の戦略は、より条件の良い企業への転職です。同業種でも企業によって給与水準は大きく異なります。

転職エージェントを活用して、自分のスキルや経験に見合った求人を探しましょう。また成長産業や人手不足の業界に転職することで、給与アップの可能性が高まります。

転職前に業界研究や企業分析をしっかり行い、面接では自分の強みを具体的にアピールすることが成功の鍵です。

まとめ

この記事では、月収19万円の手取り額の計算方法から年収偏差値、生活レベルの検証まで徹底的に解説しました。

月収19万円の手取りは約16万円で、年収に換算すると約228万円となります。この収入水準は全国平均よりもやや低いものの、地域や業種によって評価は変わります。

月収19万円の手取り額での一人暮らしは可能ですが、貯蓄や突発的な出費に弱い面があります。

月収19万円からの収入アップを目指すなら、現職での昇給・昇格、スキルアップ、副業、転職など複数の戦略があるため、自分に合った方法を選びましょう。