22歳の平均年収は297.4万円、平均月収は22.5万円であることをご存知でしょうか?

22歳で新社会人として働き始めたばかりの方や、これから転職を考えている方にとって、同年代の収入水準は気になるところですよね。

この記事では、22歳の平均年収について男女別・学歴別・業種別・地域別に詳しく解説します。

さらに手取り額の計算や将来のキャリアプランに役立つ情報をご紹介しますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください!

Contents

22歳の平均年収は297.4万円!全年齢・男女別の違い

22歳の平均年収は297.4万円と、全年齢の平均年収472.9万円と比較すると約63%の水準です。また、男女間で既に収入格差があることも明らかになっています。

【22歳の平均年収・平均月収】

22歳
平均年収 平均月収(基本給) 年間賞与その他特別給与額
297.4万円 22.5万円 27.5万円

 

(参考)全年齢の平均年収・平均月収

全年齢
平均年収 平均月収(基本給) 年間賞与その他特別給与額
472.9万円 31.8万円 90.9万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

それでは詳しく見ていきましょう。

22歳の平均年収と全年齢平均の比較

22歳の平均年収は297.4万円、平均月収は22.5万円です。これに対して全年齢の平均年収は472.9万円、平均月収は31.8万円となっています。

22歳の収入水準は全年齢平均の約63%です。この差は経験やスキル、役職の違いによるものと考えられます。22歳はまだキャリアの入口に立ったばかりの年齢であり、今後経験を積むことで年収アップが期待できます。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、年齢とともに年収は上昇し、50代前半でピークを迎える傾向にあります。22歳から数年後の25歳では平均年収が387.9万円、30歳では471.7万円と着実に上昇していきます。

22歳の女性の平均年収は男性より11.3万円低い

続いて、22歳の平均年収を男女別に見ると、男性が303.2万円、女性が291.9万円と、11.3万円の差があります。これは約3.7%の格差になります。

月収ベースでは男性22.7万円、女性22.3万円と差は小さいですが、年間賞与で差が広がる傾向にあります。22歳男性の平均年間賞与は31.1万円、女性は24.2万円と6.9万円の差があります。

【男女別:22歳の平均年収・平均月収】

性別 22歳
平均年収 平均月収(基本給) 年間賞与その他特別給与額
男性 303.2万円 22.7万円 31.1万円
女性 291.9万円 22.3万円 24.2万円

 

(参考)全年齢の平均年収・平均月収

性別 全年齢
平均年収 平均月収(基本給) 年間賞与その他特別給与額
男性 528.4万円 35.1万円 107.3万円
女性 377.9万円 26.3万円 62.8万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

この男女格差は全年齢層では更に拡大し、男性528.4万円、女性377.9万円と150.5万円もの差になります。22歳の時点では比較的小さい格差が、年齢を重ねるにつれて拡大していく現状があり、女性のキャリア形成や賃金格差是正は今後も重要な課題です。

22歳の平均年収と年収中央値から読み解く収入の実態

22歳の平均年収は297.4万円ですが、dodaの調査結果によると、22歳の正社員の年収中央値は300万円でした。この数字の違いは何を意味するのでしょうか。

この章では、収入の実態を正確に理解するために、平均値と中央値の両方について見ていきましょう。

  • 22歳の年収中央値は300万円
  • そもそも年収の中央値とは何か
  • 22歳男女別の年収中央値の違い

それでは順に解説します。

22歳の年収中央値は300万円

22歳の正社員の年収中央値は、dodaが約60万人の年収データから調査した結果によると300万円で、平均年収の297.4万円とほぼ同水準です。

この中央値という数値が意味するのは、22歳の労働者を年収順に並べた場合、真ん中に位置する人の年収が300万円ということです。つまり22歳の半数が300万円以上、半数が300万円未満の年収となっています。

平均年収と中央値に大きな差がないことから、22歳の年収分布はある程度均等に分布していると考えられます。これは新卒入社で初任給に大きな差がつきにくい日本の雇用慣行が影響していると見られます。

22歳は社会人としてのキャリアをスタートさせたばかりの年齢であり、まだ個人の能力や成果による年収格差が生じにくい時期だといえるでしょう。

そもそも年収の中央値とは何か

年収の中央値とは、全ての人を年収の低い順から高い順に並べた時、ちょうど真ん中に位置する人の年収を指します。

例えば、5人の年収が200万円、250万円、300万円、350万円、1000万円の場合、平均年収は420万円ですが、中央値は300万円となります。

このように極端に高い、または低い年収を持つ人がいる場合、平均値は大きく影響を受けますが、中央値はそれほど影響を受けません。そのため中央値は実態をより正確に反映する指標として用いられることが多いのです。

22歳正社員の場合、平均年収と中央値の差は小さいですが、年齢が上がるにつれて格差が広がりやすく、全年齢では平均年収472.9万円に対して中央値は380万円(doda調べ)と、大きな差が生じています。

22歳男女別の年収中央値の違い

22歳の年収中央値を男女別に見ると、男性300万円、女性275万円(doda調べ)と25万円の差があります。これは平均年収の差11.3万円よりも大きく、実態としての男女格差がより顕著に表れています。

特に注目すべきは、男性の場合は平均値と中央値がほぼ同じ水準なのに対し、女性は平均値より中央値が低いという点です。これは女性の中でも比較的高収入の人が平均値を引き上げている可能性を示しています。

全年齢でも同様の傾向があり、男性の年収中央値は420万円、女性は340万円(doda調べ)と80万円の差があります。

22歳の段階から既に男女で収入格差が生じていることは、長期的なキャリア形成において重要な課題となるでしょう。

22歳の平均年収は最終学歴(大卒・高卒・専門卒)で格差あり?

22歳の平均年収は最終学歴によっても大きな違いがあります。

【最終学歴別:22歳の平均年収・平均月収】

最終学歴別 22歳
平均年収 平均月収(基本給)
高校 319.4万円 21.0万円
専門学校 308.1万円 21.6万円
高専・短大 340.9万円 22.1万円
大学 281.6万円 23.3万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

この表を見ると、意外にも22歳時点では大卒者より高卒者や高専・短大卒者の方が年収が高い逆転現象が起きています。この現象の背景には何があるのでしょうか。

  • 高卒22歳の平均年収は319万円
  • 大卒22歳の平均年収は282万円
  • 高専・短大卒の22歳の平均年収は341万円
  • 学歴別年収の意外な逆転現象とその理由

それでは順に見ていきましょう。

高卒22歳の平均年収は319.4万円

高卒22歳の平均年収は319.4万円、月給は21万円です。これは22歳全体の平均年収297.4万円と比較して約22万円高い水準です。

この結果は一見すると意外に思えますが、高卒者は大卒者よりも社会人としての経験年数が長いことが大きな要因と考えられます。

高卒者は18歳から働き始めるため、22歳の時点では既に4年間の職務経験を積んでいます。一方、大卒の22歳は賞与が低い、あるいはまだ支給されていないケースもあり、結果として年収の違いになっています。

ただし長期的に見れば、大卒者の年収や基本給の上昇率が高い傾向にあり、年齢が上がるとともに平均年収は逆転することが一般的です。

大卒22歳の平均年収は281.6万円

大卒22歳の平均年収は281.6万円、月給は23.3万円です。この年収は22歳全体の平均よりも約16万円低く、高卒者と比較すると約38万円の差があります。

しかし月給では23.3万円と最も高い水準にあり、基本給だけで見れば大卒者の優位性が表れています。

年収が低くなっている主な理由は、大卒者は22歳時点では社会人1年目であることが多く、賞与の支給額が少ないためです。また入社時期によっては1年目の賞与が満額支給されないケースもあります。

大卒22歳の年収が低いもう一つの要因として、総合職として入社し研修期間が長いケースや、営業職などで基本給が低く成果報酬型の給与体系が採用されている場合もあります。

高専・短大卒の22歳の平均年収は340.9万円

高専・短大卒の22歳の平均年収は340.9万円、月給は22.1万円です。これは全学歴の中で最も高い水準となっています。

高専・短大卒者は20歳前後から働き始めるため、22歳時点では2〜3年の職務経験があります。特に高専卒は技術系の職種に就くことが多く、専門性の高いスキルが評価され、比較的高い給与水準となる傾向があります。

また短大卒の場合は、看護や保育など特定の資格を必要とする職種に就くケースが多く、資格手当などが加算されることで年収が高くなっているケースもあります。

このように高専・短大卒の場合、専門性を活かした職種選択が功を奏し、若い段階から高い年収を実現していると考えられます。

学歴別年収の意外な逆転現象とその理由

22歳の平均年収において、大卒281.6万円に対し高卒319.4万円、高専・短大卒340.9万円という「逆転現象」が起きています。

この背景には主に職務経験の差があります。22歳時点での職務経験年数は、高卒で4年、高専・短大卒で2〜3年、大卒では1年未満の場合が多いのです。

また、大卒者は総合職として入社し長期的な育成を目的とした配属が多いのに対し、高卒者や高専・短大卒者は即戦力として現場や技術職に配属されることが多く、残業手当などの実労働に対する報酬が反映されやすいという面もあります。

ただし、この逆転現象は一時的なもので、30代以降のキャリアでは大卒者の年収が上回る傾向があります。学歴による年収差は最終的なゴールではなく、スタート地点の違いとして捉えることが重要です。

22歳の平均年収を業種別・企業規模別に比較

22歳の平均年収は業種や企業規模によっても違います。

この章では、どの業種が高収入なのか、また大企業と中小企業ではどのくらいの差があるのかを詳しく見ていきましょう。

  • 22歳の平均年収より高い業種トップ3とその特徴
  • 22歳の平均年収より低い業種の実態
  • 大企業と中小企業の22歳の平均年収の差

それでは順に見ていきましょう。

22歳の平均年収より高い業種トップ3とその特徴

【業種別:22歳の平均年収・平均月収】

主な業種別 22歳
平均年収 平均月収(基本給)
電気・ガス・熱供給・水道業 316.3万円 22.2万円
運輸業,郵便業 314.2万円 23.6万円
製造業 310.8万円 21.5万円
建設業 308.6万円 23.7万円
医療,福祉 305.9万円 23.1万円
教育,学習支援業 298.0万円 22.6万円
卸売業,小売業 292.3万円 22.6万円
不動産業,物品賃貸業 291.1万円 23.5万円
情報通信業 290.4万円 23.5万円
金融業,保険業 279.2万円 22.2万円
生活関連サービス業,娯楽業 276.0万円 22.0万円
宿泊業,飲食サービス業 266.5万円 20.9万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

22歳の平均年収297.4万円より高い業種トップ3は、

  1. 電気・ガス・熱供給・水道業
  2. 運輸業・郵便業
  3. 製造業

です。

電気・ガス・熱供給・水道業は公共性が高く安定した経営基盤があり、福利厚生が充実している点が特徴です。また技術職が多く、専門性が評価されやすい環境です。

運輸業・郵便業は労働時間が長く、夜間や休日の勤務に対する各種手当が充実している傾向があります。製造業は工場での交代制勤務や技術職としてのキャリアパスが明確であり、技能に応じた昇給制度が整っていることが多いです。

これらの業種は比較的早くから責任ある業務を任せられることが多く、22歳という若い年齢でも高い年収を得られる傾向があります。

22歳の平均年収より低い業種の実態

一方で、22歳の平均年収297.4万円より低い業種として、

  • 宿泊業・飲食サービス業
  • 生活関連サービス業・娯楽業
  • 金融業・保険業

などが挙げられます。

これらの業種が低い理由としては、サービス業界では初任給が低く設定されていることや、パートタイムの従業員が多い業界構造があります。

意外にも金融業・保険業の22歳の年収が低いのは、入社後の研修期間が長く、本格的な営業活動開始までの期間が他業種より長いことが影響している可能性があります。また成果報酬型の給与体系の場合、22歳の段階ではまだ大きな成果を上げにくいことも一因です。

ただし金融業は年齢とともに年収上昇率が高く、30代以降では他業種を大きく上回る傾向があります。

大企業と中小企業の22歳の平均年収の差

続いて、22歳の平均年収を企業規模別に見ると、次の表のようになっています。

【企業規模別:22歳の平均年収・平均月収】

企業規模別 22歳
平均年収 平均月収(基本給)
1,000人以上 302.6万円 22.9万円
100~999人 295.7万円 22.5万円
10~99人 288.8万円 21.5万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

大企業と中小企業では約13.8万円の差があり、これは約4.8%の格差です。この差は月給の違いだけでなく、賞与の差が大きく影響しています。

大企業では安定した業績を背景に定期的な賞与支給が期待できるのに対し、中小企業では業績変動の影響を受けやすいという特徴があります。

ただし企業規模による差は22歳の段階ではまだ小さく、年齢が上がるにつれて拡大する傾向にあります。中小企業でも成長産業や専門性の高い分野では高収入が期待できるケースもあり、単純に企業規模だけでなく業種や職種も考慮した就職先選びが重要です。

22歳の平均年収の都道府県別ランキング!

22歳の平均年収は地域によっても大きな差があります。

東京都をはじめとする都市部と地方では、どのくらいの格差があるのでしょうか。地域間格差の実態とその背景を詳しく見ていきましょう。

  • 22歳の平均年収が最も高い都道府県・最も低い都道府県
  • 都市部(東京都・神奈川県など)の22歳の平均年収
  • 地方の22歳の平均年収事情
  • 地域間格差が生じる理由とメリット・デメリット

それでは順に解説します。

22歳の平均年収が最も高い都道府県・最も低い都道府県

22歳の平均年収が最も高いのは東京都で322.5万円、次いで神奈川県の321.6万円です。逆に最も低いのは鳥取県の261.4万円で、次いで沖縄県の262.8万円、青森県の264.9万円と続きます。

【都道府県別:20~24歳の平均年収・平均月収】

地域別 22歳 地域別 22歳
平均年収 平均月収(基本給) 平均年収 平均月収(基本給)
1位 東京都 322.5万円 24.3万円 26位 広島県 293.6万円 21.1万円
2位 神奈川県 321.6万円 23.6万円 27位 愛媛県 293.3万円 20.9万円
3位 愛知県 316.6万円 22.8万円 28位 長野県 292.3万円 20.9万円
4位 滋賀県 315.0万円 22.3万円 29位 鹿児島県 292.3万円 21.2万円
5位 千葉県 314.7万円 22.8万円 30位 福井県 291.7万円 21.1万円
6位 埼玉県 313.7万円 23.2万円 31位 宮城県 289.8万円 21.3万円
7位 兵庫県 313.6万円 22.3万円 32位 香川県 289.8万円 20.9万円
8位 京都府 313.3万円 23.0万円 33位 徳島県 289.3万円 21.5万円
9位 静岡県 312.0万円 22.5万円 34位 大分県 287.7万円 20.2万円
10位 大阪府 311.2万円 23.1万円 35位 佐賀県 285.4万円 20.3万円
11位 奈良県 311.2万円 22.9万円 36位 熊本県 285.3万円 20.8万円
12位 三重県 310.5万円 22.1万円 37位 山形県 281.4万円 20.2万円
13位 茨城県 306.6万円 21.9万円 38位 新潟県 281.4万円 20.0万円
14位 和歌山県 301.7万円 21.5万円 39位 秋田県 281.1万円 19.8万円
15位 山口県 301.3万円 21.1万円 40位 高知県 278.8万円 20.2万円
16位 群馬県 299.8万円 21.6万円 41位 宮崎県 278.1万円 19.8万円
17位 岡山県 298.8万円 21.5万円 42位 長崎県 277.4万円 20.2万円
18位 福岡県 298.1万円 21.9万円 43位 島根県 276.6万円 20.0万円
19位 北海道 297.8万円 21.2万円 44位 岩手県 276.4万円 19.9万円
20位 岐阜県 297.5万円 21.2万円 45位 青森県 264.9万円 19.5万円
21位 栃木県 297.1万円 21.6万円 46位 沖縄県 262.8万円 20.1万円
22位 山梨県 296.8万円 21.1万円 47位 鳥取県 261.4万円 19.2万円
24位 石川県 295.9万円 21.2万円
25位 福島県 294.5万円 21.0万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

最高の東京都と最低の鳥取県では約61.1万円の差があり、これは鳥取県の平均年収の約23%に相当する大きな格差です。

東京都の高い年収水準は、大企業の本社機能が集中し高付加価値産業が多いことが背景にあります。一方、低い年収水準の地域は、第一次産業や観光業が中心で、大企業や成長産業の進出が少ないという特徴があります。

また地域の産業構造や人口規模、企業の集積度などが年収水準に影響しており、これらの要因が複合的に作用して地域間格差を生み出しています。

都市部(東京都・神奈川県など)の22歳の平均年収事情

都市部の22歳の平均年収は全国平均を大きく上回っています。

東京都(322.5万円)、神奈川県(321.6万円)、千葉県(314.7万円)、埼玉県(313.7万円)と、首都圏全体で高い水準となっています。また大阪府(311.2万円)や愛知県(316.6万円)など、大都市を抱える府県も高水準です。

これらの地域に共通するのは、大企業や外資系企業の集積があり、情報通信業や金融業など高付加価値産業が多いという点です。特に東京都では、月給が24.3万円と全国平均の22.5万円を大きく上回っています。

しかし都市部では家賃や生活費が高いという側面もあり、手取り収入での実質的な生活水準は数字ほどの差がない可能性もあります。都市部の高い年収は、激しい競争環境や長時間労働といった要素と表裏一体の面もあることを考慮する必要があるでしょう。

地方の22歳の平均年収事情

地方の22歳の平均年収は、全国平均を下回る傾向にあります。

特に東北や九州、四国地方では、多くの県が全国平均297.4万円を下回っています。例えば岩手県(276.4万円)、秋田県(281.1万円)、高知県(278.8万円)、宮崎県(278.1万円)などです。

地方の平均年収が低い背景には、地域経済の規模や産業構造の違いがあります。地方では第一次産業や観光業、小売業など比較的賃金水準の低い産業の割合が高く、大企業や成長産業の進出が少ないという特徴があります。

また地方では正社員以外の雇用形態(契約社員、パート)の割合が高い傾向にあり、これも平均年収を押し下げる要因となっています。ただし地方では家賃や生活費が安いという利点もあり、実質的な生活水準は年収だけでは測れない面もあります。

地域間格差が生じる理由とメリット・デメリット

22歳の平均年収における地域間格差が生じる主な理由は、以下の3点です。

  1. 産業構造の違い
  2. 企業規模の違い
  3. 労働市場の需給バランスの違い

東京などの大都市には企業の本社機能が集中し、情報通信や金融など高付加価値産業が多く、自ずと給与水準も高くなります。一方で地方は第一次産業や観光業などが中心で、相対的に賃金水準が低い傾向にあります。

この格差にはメリットとデメリットがあります。

メリットとしては、高年収を求める人材が都市部に集まることで経済活動が活性化し、国全体の成長につながる点が挙げられます。デメリットとしては、地方の人材流出や過疎化の加速、地域間の経済格差拡大などがあります。

しかし近年ではリモートワークの普及により地方でも都市部の企業で働く機会が増え、地域間格差是正の動きも見られます。年収だけでなく生活コストや生活の質を総合的に考慮した働き方の選択が重要といえるでしょう。

22歳の平均年収・平均月収の手取り額を計算!

22歳の平均年収297.4万円、平均月収22.5万円に対して、実際の手取り額はいくらになるのでしょうか。独身と既婚では税金面での違いもあります。

この章では実際の家計運営の参考になる情報をご紹介します。

  • 22歳の平均月収は22.5万円(手取り18.8万円)
  • 22歳で平均年収297.4万円・平均月収22.5万円の生活レベル

それでは順に見ていきましょう。

22歳の平均月収は22.5万円(手取り18.8万円)

22歳の平均月収は22.5万円で、この金額から各種控除が差し引かれた手取り額は約18万~19万円です。

月収から差し引かれる主な控除項目は、

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料
  • 所得税

などがあります。

【22歳の平均年収・平均月収の手取り計算】
<独身の場合>

平均月収 225,000円
健康保険料 10,978円
介護保険料 0円
厚生年金保険料 20,130円
雇用保険料 1,350円
所得税 4,480円
控除額合計 36,938円
手取り月収 188,062円
手取り年収 2,256,744円

 

配偶者ありの場合>

平均月収 225,000円
健康保険料 10,978円
介護保険料 0円
厚生年金保険料 20,130円
雇用保険料 1,350円
所得税 2,860円
控除額合計 35,318円
手取り月収 189,682円
手取り年収 2,276,184円

※出典:ファンジョブ|【2025年度対応】手取り計算|月給シミュレーション

この控除率は約16.4%となります。年間でみると、平均年収297.4万円に対して手取り年収は約225.6万円と推計されます。

22歳は社会人としてのキャリアをスタートさせたばかりで、収入が比較的低い時期です。そのため高額所得者に比べて控除率は低く、手取り額の割合は比較的高くなっています。

ただし今後年収が上がるにつれて累進課税の影響で控除率も上昇していくため、キャリアプランを考える際には手取り額の変化も意識しておくことが重要です。

独身22歳の平均手取り額

独身の22歳の場合は、各種扶養控除や配偶者控除が適用されないため、同じ収入の既婚者と比べると若干税負担が大きくなります。

また22歳で入社1年目であれば、住民税の課税が翌年からとなるケースが多く、入社1年目と2年目で手取り額に差が生じることがあるので注意が必要です。そのため、社会人1年目は特に収入と支出のバランスを把握し、計画的な家計管理を心がけましょう。

既婚22歳の平均手取り額と税金面での違い

既婚の22歳の場合、平均月収22.5万円からの控除額は独身者と比べて少なくなります。既婚者の場合は、配偶者の収入状況によって控除額が変わってきます。

特に所得税は配偶者控除の適用により、月額約0.3万円と独身者の約0.4万円より少なくなります。結果として手取り月収は約19.0万円、年間では約227.6万円程度になると見込まれます。

配偶者の年収が103万円以下であれば配偶者控除が適用され、103万円超201.6万円未満であれば配偶者特別控除が段階的に適用されます。

上記のほかに生命保険料控除や住宅ローン控除など、結婚を機に適用される控除も増えることが多く、夫婦共働きで収入を増やすか、配偶者控除を活用するかなど、家庭の状況に応じた選択が必要になります。

22歳で平均年収297.4万円・平均月収22.5万円の生活レベル

22歳で平均年収297.4万円、手取り月収約18.8万円の場合について、一般的な家計シミュレーションを考えてみましょう。

【独身・一人暮らしの生活費モデル】

家賃 5~6万円
水道光熱費 1万円
食費 3~4万円
通信費 1万円
交通費 1万円
日用品費 0.5万円
交際費 2万円
保険・年金 0.5万円
その他雑費 1万円
合計 15~17万円

このモデルの場合、毎月3万円程度の貯蓄が可能となります。

とくに地方都市であれば、家賃は更に安く抑えられる可能性があり、都市部と比べて多少余裕が生まれるでしょう。一方、東京などの都市部では家賃が7~8万円と高くなりがちで、手取りの40%以上を占める場合もあります。

22歳の時点から計画的な家計管理を心がけ、無理のない範囲で貯蓄する習慣をつけることが、将来的な資産形成の第一歩となります。また副業や転職に向けた資格取得など、将来の年収アップにつながる自己投資も検討する価値があるでしょう。

22歳の平均年収に関するよくある質問

22歳の平均年収に関して、多くの方が抱く疑問について詳しく解説します。統計データとの乖離を感じる理由や、ボーナスの実態、貯金の可能性など、22歳の収入に関する疑問にお答えします。

  • 22歳の平均年収297.4万円はおかしい?
  • 22歳のボーナス平均額はいくら?
  • 22歳の平均年収297.4万円で貯金はどのくらいできる?

それでは順に見ていきましょう。

22歳の平均年収297.4万円はおかしい?

22歳の平均年収297.4万円という数値に違和感を覚える方も多いでしょう。

22歳の年収中央値300万円に近い数字ですが、この記事でご紹介した平均年収・平均月収は、就業形態がパート・アルバイト等の「短時間労働者」を除いた、「一般労働者」(正社員など)のデータであることも重要です。

さらに地域差や業種、企業規模による差も大きく、東京都の平均322.5万円に対し、鳥取県では261.4万円と約60万円の差があります。

このような違いを意識し、自分の状況と全国平均を単純比較するのではなく、地域や業界の特性を考慮して評価することが大切です。

22歳のボーナス平均額はいくら?

22歳のボーナス(賞与)の平均支給額は、厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査をもとに算出すると、年間約27.5万円です。男女別にみると、男性は31.1万円、女性は24.2万円と約7万円の差があります。

全年齢層の年間ボーナス平均額90.9万円と比較すると低い金額ですが、22歳は大卒の場合、入社1年目にあたる年齢のため、勤続年数に応じたボーナス査定が低くなる傾向もあります。

またボーナスの有無や金額は業界や企業規模によって大きく異なり、安定した公務員や大手企業では比較的高額なボーナスが期待できる一方、ベンチャー企業やサービス業では少ないか、支給されないケースもあります。

このように賞与額は実績や業績によって大きく変動するため、平均額はあくまで参考値として捉えるのが良いでしょう。

22歳の平均年収297.4万円で貯金はどのくらいできる?

22歳の平均年収297.4万円、手取り年収約226万円(月額約18.8万円)で、どれだけ貯金できるかは生活環境によって大きく変わります。

たとえば22歳で一人暮らしの場合、家賃、食費、光熱費・通信費、交際費などの基本的な生活費で月15万円程度が必要となり、残りの3万円ほどが貯蓄に回せる計算です。つまり、年間36万円の貯蓄が可能といえるでしょう。

もし実家暮らしであれば、生活費の負担が少ないため月10万円程度の支出とすると、年間約100万円の貯蓄も可能です。

このように計画的な家計管理と支出の見直しを行えば、22歳の平均年収でも十分な貯金ができると考えられます。

まとめ

この記事では、22歳の平均年収と平均月収、手取り額について、様々な角度から解説してきました。

22歳の平均年収は297.4万円、月収は22.5万円ですが、男女や学歴、業種、企業規模、地域によって大きな差があることが分かりました。特に高卒と大卒の逆転現象や都市部と地方の格差など、興味深い特徴も見られます。

また22歳の平均月収の手取りは月額18.8万円程度となり、生活状況によって貯蓄の可能性も変わってきます。

ぜひこの記事の内容をもとに、これからのキャリアプランや生活費を考える参考にしてくださいね。