適応障害の方が転職したり仕事に復帰したりするなどのために仕事を探すとき、役に立つのが転職エージェントです。しかし自分の特性などを考えた場合、どのエージェントを利用したらよいかわからないことがあるかもしれません。
この記事では、適応障害の方におすすめの転職エージェントを解説します。障害者/障がい者特化型のエージェントと一般就労でも利用できるエージェントの両方を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
なおこれ以降、「障害」単体の表記は「障がい(障害)」、そのほか別の単語とつながっている場合は慣例などを参考に使い分けします。
Contents
- 1 適応障害のある方の転職におすすめ特化型転職エージェント10選
- 1.1 LITALICO仕事ナビは定番で求人も多く使いやすい
- 1.2 dodaチャレンジは幅広い求人を扱っておりサポートにも配慮あり
- 1.3 ランスタッドチャレンジドは職歴があってよい条件希望の人におすすめ
- 1.4 atGPエージェントはスカウトサービスもあり
- 1.5 デイゴー求人ナビは就労移行支援や就労継続支援も確認できる
- 1.6 DIエージェントは希望に合わせて求人を新規開拓してくれる
- 1.7 エージェント・サーナは業界トップクラスの求人数で非公開求人が85%
- 1.8 LHH転職エージェント Social Partnersはステップアップ転職や年収アップに強みあり
- 1.9 アビリティスタッフィングは精神障害者に特化しておりフォローも手厚い
- 1.10 マイナビパートナーズ紹介は特例子会社ならではのアドバイスを企業・求職者に提供
- 2 適応障害の方も利用しやすい総合型転職エージェント5選
- 3 適応障害の方向け転職エージェント選びのポイント
- 4 オープン就労とクローズ就労のメリット・デメリット
- 5 適応障害の方が転職活動をする際の注意点
- 6 転職エージェントを活用して転職を成功させよう
適応障害のある方の転職におすすめ特化型転職エージェント10選
まず、適応障害のある方が転職する際におすすめの特化型転職エージェントを紹介します。以下の10のサービスです。
- LITALICO仕事ナビ
- dodaチャレンジ
- ランスタッドチャレンジド
- atGPエージェント
- デイゴー求人ナビ
- DIエージェント
- エージェント・サーナ
- LHH転職エージェント Social Partners
- アビリティスタッフィング
- マイナビパートナーズ紹介
いずれも障がい(障害)のあることをオープンにして利用することができます。では、1つずつ見ていきましょう。
LITALICO仕事ナビは定番で求人も多く使いやすい
「LITARICO仕事ナビ」は、就労移行支援事務所も運営しているリタリコによる転職エージェントです。
障がい(障害)のある方向けの転職エージェントとしては定番です。サイトの作りも、障がい(障害)のある方が自分に合わせた検索がしやすいようになっています。
そのほか就労移行支援施設や就労継続支援A型/B型の施設の検索もできるため、すぐに就労するのではない場合にも利用できます。コラムによる情報発信も充実しており、情報収集にも役立つでしょう。
基本データ
- 公開求人数:3,609件(2025年7月14日現在)
- 提供サービス:書類添削、面接対策
- 拠点:東京
- URL:https://snabi.jp/
dodaチャレンジは幅広い求人を扱っておりサポートにも配慮あり
「dodaチャレンジ」は、転職エージェント「doda」の障害者/障がい者特化型のサービスです。人材サービス最大手の1つパーソルグループによる運営です。
障害者/障がい者枠のハイキャリア向けの求人も扱っており、求人の幅が広いのが特長です。大手企業や正社員の求人も多数保有しています。
そのほか個別のサポートが充実。障害者/障がい者採用の専門的な知識や情報を持った専任のキャリアアドバイザーが在籍しており、パーソナリティも考慮した提案が受けられます。
基本データ
- 公開求人数:非公開
- 提供サービス:書類添削、模擬面接、企業との調整・交渉代行、入社後フォロー
- 拠点:東京・大阪・名古屋
- URL:https://doda.jp/challenge/promo/shutoken01.html
ランスタッドチャレンジドは職歴があってよい条件希望の人におすすめ
「ランスタッドチャレンジド」は、外資系の人材サービス会社ランスタッドによる障害者/障がい者の方向け求人をまとめたページです。
健常者向けと遜色ない条件の求人も多くあり、給与にこだわりがある方におすすめです。ただし正社員の職歴がないとサポートが受けられない場合もあるなど、その分やや応募する際の条件も厳しめとなっています。障害者/障がい者雇用枠を探しているなら、ほかのエージェントと併用しましょう。
一都三県と大阪では精神保健福祉士の支援が受けられるのが大きな特長です。
基本データ
- 公開求人数:561件(2025年7月14日現在)
- 提供サービス:エージェントサービス
- 拠点:北海道・山形県・宮城県・福島県・栃木県・茨城県・群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県・東京都・新潟県・静岡県・愛知県・三重県・大阪府・京都府・兵庫県・広島県・香川県・愛媛県・福岡県・宮崎県・熊本県・鹿児島県
- URL:https://www.randstad.co.jp/challenged/
atGPエージェントはスカウトサービスもあり
「atGP」は定番転職サービスの1つで、就労移行支援事業など障がい(障害)のある方向けの就労サービスを提供する株式会社ゼネラルパートナーズによる運営です。
転職サイトとして利用できるほか、エージェントサービスも提供しておりさまざまなサポートが受けられます。さらに2種類のスカウトサービスがあり、「プラチナスカウト」は面接が確約のスカウトです。
管理部門に強いハイクラス求人を扱う「atGPハイクラス」もあります。
基本データ
- 公開求人数:1,381件(2025年7月14日現在)
- 提供サービス:面接日程調整、志望動機や自己PRのアドバイス、模擬面接、面接後の振り返り、入社日調整、退職相談
- 拠点:東京・大阪・名古屋
- URL:https://www.atgp.jp/
デイゴー求人ナビは就労移行支援や就労継続支援も確認できる
「デイゴー求人ナビ」は、介護・医療系の人材サービスを展開する株式会社エス・エム・エスが運営する障害者/障がい者向けの転職支援サービスです。
障害者/障がい者枠での転職向け求人のほか、就労移行支援施設や就労継続支援A型・B型も調べることが可能です。転職以外の選択肢も比較したい人に適していると言えるでしょう。
求人検索と応募では、キャリアプランナーに相談することができます。案件は東京中心ですが、全国に対応。地方在住で求人が見つからなかった場合も、定期的にチェックするとよいでしょう。
基本データ
- 公開求人数:290件(2025年7月14日現在)
- 提供サービス:キャリアプランナー相談
- 拠点:東京
- URL:https://dei-go.com/
DIエージェントは希望に合わせて求人を新規開拓してくれる
「DIエージェント」は、障害者/障がい者雇用支援・教育事業を行う株式会社D&Iによる障害者/障がい者特化型の転職支援サービスです。
ヒアリングした希望に合わせて、求人を新規に開拓してくれるのが最大の特徴です。提案数が少ないと言われることもありますが、マッチングがていねいなため数が絞られることが理由です。収入アップの事例はもちろん、配慮してもらえる環境への転職の事例もあります。
また、面接対策に力を入れている点も特徴の1つです。
基本データ
- 公開求人数:非公開
- 提供サービス:書類作成サポート、面接対策、求人提案、入社日調整
- 拠点:東京
- URL:https://di-agent.dandi.co.jp/
エージェント・サーナは業界トップクラスの求人数で非公開求人が85%
「エージェント・サーナ」は、障害者/障がい者採用支援30年以上となる株式会社イフによる障害者/障がい者専門の転職エージェントです。
求人数が業界トップクラスで、非公開求人も多数。全案件の約85%を占めています。選択肢が多いのが大きなメリットです。なお対応エリアは関東・東海・関西となっています。
またサービスもマッチングがていねいで、入社後のギャップを抑えることにも成功。短期離職率が0.5%ときわめて低い水準を実現しています。
基本データ
- 公開求人数:1,432件(2025年7月14日現在)
- 提供サービス:就労条件の調整、面談対策、入社後のフォロー
- 拠点:東京
- URL:https://www.agent-sana.com/
LHH転職エージェント Social Partnersはステップアップ転職や年収アップに強みあり
「LHH転職エージェント Social Partners」は、障害者/障がい者採用の専門的な知識を持つコンサルタントによる転職支援サービスです。世界的な人材サービス大手アデコグループが提供しています。
障害者/障がい者支援専門のコンサルタントが在籍、適切なサポートを提供。またもともと障害者/障がい者枠以外の人材サービスのため、ステップアップの転職支援に強みがあります。年代問わず、精神障害の方の年収アップの事例も豊富です。
基本データ
- 公開求人数:417件(2025年7月14日現在)
- 提供サービス:求人提案、応募に関するアドバイス、面接日程の調整、企業との調整
- URL:https://jp.lhh.com/occupation/socialpartners
アビリティスタッフィングは精神障害者に特化しておりフォローも手厚い
「アビリティスタッフィング」は、 リクルートグループが運営する障害者/障がい者向け人材紹介事業です。
精神障害者/障がい者の方向けのサービスで、求人の95%が精神障害者/障がい者向け案件となっています。今のところ対応エリアは首都圏なので、東京周辺で仕事を探している精神障がい(障害)の方にぴったりです。
求人への応募は、紹介のほか直接応募も可能。さらにフォローが手厚く、定着率が高いのも特徴です。入社後も精神保健福祉士等の資格をもった専門家から、定期的に面談などのサポートを受けることができます。
基本データ
- 公開求人数:275件(2025年7月14日現在)
- 提供サービス:求人照会、入社後のフォロー
- 拠点:東京
- URL:https://ability.r-staffing.co.jp/
マイナビパートナーズ紹介は特例子会社ならではのアドバイスを企業・求職者に提供
「マイナビパートナーズ紹介」は、マイナビグループの特例子会社である株式会社マイナビパートナーズによる障害者/障がい者に特化した求人紹介サービスです。
障がい(障害)に詳しい専門カウンセラーがサポート。運営元が特例子会社のため、企業へのアピールのポイントなどにも精通しており的確なサポートが得られます。
また企業が障害者/障がい者を受け入れる際のノウハウも蓄積。企業にアドバイスすることも可能で、求人にも働きやすさが期待できます。イベントの実施や企業のインターンシップ情報の提供も行っています。
基本データ
- 公開求人数:非公開
- 提供サービス:書類添削、面接対策、面接の日程調整、入社日の調整、定着支援
- URL:https://mpt-shoukai.mynavi.jp/
適応障害の方も利用しやすい総合型転職エージェント5選
続いて、適応障害の方も利用しやすい総合型の転職エージェントについてまとめます。以下の5つのサービスがあります。
- リクルートエージェント
- dodaエージェント
- マイナビAGENT
- パソナキャリア
- キャリアスタート
上記のサービスは、クローズ就労で利用するのにとくに向いています。またケースバイケースにはなりますが、オープン就労でも利用できることも少なくありません。
リクルートエージェントは圧倒的な求人数でチャンスが広がる
「リクルートエージェント」は、求人数を豊富に持つ転職エージェントです。求人数、安定したサービス品質でまずは登録して損はないエージェントです。
とにかくほかの追随を許さない圧倒的な求人数を誇ります。営業・技術系を中心にあらゆる業種・職種をカバー。地方の求人も多く、拠点も各地にあります。地方で転職活動中の人にとっても大きなメリットとなるでしょう。
選択肢を増やせるため、希望に合う求人に出会える可能性が高まります。
基本データ
- 公開求人数:581,492件(2025年7月14日現在)
- 提供サービス:エージェントサービス、提出書類の添削、面接対策、独自に分析した業界・企業情報の提供
- 拠点:東京・北海道・宮城・宇都宮・さいたま・千葉・横浜・金沢・新潟・長野・静岡・名古屋・京都・大阪・神戸・岡山・広島・高松・福岡
- URL:https://www.r-agent.com/
dodaはエージェント/サイト一体型で自分でも応募が可能
「doda」は、人材紹介・転職支援を行う大手「パーソルキャリア」が運営する総合型転職サイトです。エージェントサービスも利用できる点が人気の理由の1つになっています。
業界最大級の求人数で、非公開求人が多いのもメリットです。またエージェント/サイト一体型なので、サポートを受けながらの応募も自力での応募も両方が可能です。
エージェントサービスのキャリアアドバイザーは専任。希望やパーソナリティーをより深く理解したうえでのサポートが期待できます。クローズ就労でも安心して一任できるでしょう
基本データ
- 公開求人数:250,356件(2025年7月14日現在)
- 提供サービス:スカウトサービス、年収査定、合格診断、レジュメビルダー、「自己PR」発掘診断、転職タイプ診断、はたらく女性のためのモヤモヤ解消診断、オンライン仕事力診断
- 拠点:東京・横浜・札幌・仙台・静岡・名古屋・大阪・京都・神戸・岡山・広島・福岡・鹿児島
- URL:https://doda.jp/consultant/
マイナビAGENTは20代・30代の求人に強みあり
「マイナビAGENT」は、さまざまな転職サイトを運営している株式会社マイナビによる転職エージェントです。きめ細かいサポートが受けられると評価されています。
とくに20代・30代の求人を多く扱っており、その年代ならおすすめです。拠点も全国にあり、地方在住で仕事を探している場合も多くの選択肢の中から選ぶことができるでしょう。適応障害の方でも働きやすそうな求人が見つかるかもしれません。サポートがきめ細かい点もクローズ就労で安心できるポイントです。
基本データ
- 公開求人数:非公開
- 提供サービス:エージェントサービス
- URL:https://mynavi-agent.jp/
パソナキャリアは希望と提案のマッチング度が高くサポートも充実
「パソナキャリア」は、人材派遣会社の株式会社パソナによる転職エージェントです。ハイクラス転職に強みがあるエージェントですが、適応障害の方も安心して利用できます。
ていねいなヒアリングによるマッチング力とサポート体制が同社の長所。希望をはっきり伝えればしっかり対応してくれるでしょう。それは実績としても現れており、オリコン顧客満足度調査で4年連続No1を獲得するなど、利用者の満足度が高いのが特長です。
女性の転職にも強みがあるので、女性の方はまず相談してみるとよいでしょう。
基本データ
- 求人数:公開求人6,785件(2025年7月14日現在)
- 提供サービス:エージェントサービス、スカウトサービス
- 拠点:東京・大阪・名古屋・横浜・広島・福岡
- URL:https://www.pasonacareer.jp/
キャリアスタートは第二新卒・既卒特化型で内定率・定着率が高い
「キャリアスタート」は、若手のキャリア形成を応援する第二新卒・既卒専用の転職エージェントです。
面接や書類作成のサポートを提供しているので、準備したうえで安心して本番に臨めます。そのため内定率は80%以上。さらにマッチングの精度も高く、転職してからの定着率は90%以上と高い水準です。利用できる年齢が限られるのと拠点が少ないですが、都市部で仕事を探している第二新卒・既卒の方ならぴったりです。
そのほかYouTubeやコラム記事を通じて、就職・転職に関する情報発信も行っています。
基本データ
- 求人数:非公開
- 提供サービス:面接トレーニング、書類作成サポート
- 拠点:東京・大阪
- URL:https://careerstart.co.jp/
適応障害の方向け転職エージェント選びのポイント
適応障害の方向けの転職エージェントを選ぶ際、エージェントに関して確認しておくべきポイントをまとめます。以下の点が挙げられます。
- 求人の数が多い
- 職場の雰囲気をを知っている
- サポートが充実している
上記の3点は、障害者/障がい者特化型のエージェントも一般就労向けの総合型も共通の内容です。順に見ていきましょう。
求人の数が多い
まず、求人の数が多いかどうかチェックしましょう。求人の数が多いと選択肢が増えるためです。
障害者/障がい者の方に合う求人がそもそも少ないため、母数が多いほうがよい求人に出会える確率を高めることができます。そのためとくに数が少なくなりがちな特化型の場合は確認しましょう。特化型の場合、障がい(障害)の種類によって応募できる求人が決まっている場合もあります。たとえば精神障害特化型などです。適応障害に対応している求人数をチェックしてみてください。
もちろんクローズ就労で総合型のエージェントを見る場合も同様です。
職場の雰囲気をを知っている
また、職場の雰囲気を把握しているエージェントかどうかもチェックしましょう。担当者が教えてくれるか、掲載されている求人内容の文面から伝わってくるかなどが見るべき点です。
職場の雰囲気を事前に知ることで、残業が多い、コミュニケーションの風通しが悪いなど適応障害の方に向かない職場を避けることができます。安心して働き続けるためには、応募する前に職場の雰囲気を知っておくと安心できるでしょう。
とくに一般就労向けの総合型エージェントを利用するときは要確認です。
サポートが充実している
転職活動におけるサポートが充実しているかどうかもポイントです。手厚いサポートが受けられると、障がい(障害)をカバーすることが可能になるためです。
書類の添削や面接対策がしっかりしていれば、特性や希望条件をどのように伝えたらよいかアドバイスがもらえます。突破率が高まるのはもちろん、メンタル面でも不安解消にも大きく役立つでしょう。
加えて特化型エージェントならば、専門的な知識に基づくサポートも期待できます。経験によりノウハウも蓄積されていることが期待できるので、安心度がより高まると言えます。
オープン就労とクローズ就労のメリット・デメリット
続いては、障がい(障害)を公表して就労するオープン就労と公表しないクローズ就労、それぞれのメリット・デメリットについてまとめます。
オープン/クローズのどちらにするかで、選択するべき転職エージェントも変わってきます。譲れない条件を明確にすることで、どちらのメリットを享受してどちらのデメリットを避けるかが決まります。
また両方の種類のエージェントを併用する場合も、それぞれの特徴を理解しておくことが転職活用に役立つでしょう。
では、順に見ていきます。
オープン就労のメリット
オープン就労の場合、障がい(障害)があることを認識されている状態で就労できるのが大きなメリットとなります。そのため、より具体的には以下のような対応が期待できます。
- 不向きな仕事を紹介されずに済む
- 配慮が受けられる
- 環境が整備されている
転職活動中は、適応障害の方に向かない仕事は除外して提案してもらえます。
さらに就労してからも、配慮や整備された環境により、不安の軽減や症状の再発予防につながります。その結果仕事がしやすくなり、長く働き続けられる可能性が高まるでしょう。
オープン就労のデメリット
ただしオープン就労にもデメリットがあります。
たとえば一般に、選択肢となる職種が限られます。軽作業や単純作業などの割合が高くなるため、必ずしも希望している職種の仕事が見つかるとは限りません。
また作業内容がシンプルなことが多いせいで、収入が低くなりやすいと言えます。さらに関連してキャリア形成が難しくなる場合もあります。
将来的な収入アップやキャリア形成を意識するなら、徐々にステップアップしていくことが必要になるでしょう。
クローズ就労のメリット
クローズ就労では、オープン就労でデメリットとなる点が解消されます。
まずは、クローズ就労で応募する一般就労の求人は障碍者枠の求人に比べて圧倒的に数が多くあります。そのため選択肢が多くなり、希望に合う仕事が探しやすくなるほか決まりやすくなるとも言えます。
さらにオープン就労の障害者/障がい者枠の求人に比べ、収入も高くなります。そのため経済的な面では生活を安定させやすくなるでしょう。
クローズ就労のデメリット
しかしクローズ就労の場合は、オープン就労にあるメリットを享受できない点がデメリットとなります。
具体的には、就労中の配慮を受けることができません。そのため残業が多かったり仕事量を調節してもらえなかったりして、ストレスを感じるリスクがあります。さらに障がい(障害)を理由に休んだり免除を受けたりすることができないため、仕事の内容や進め方で負担感があるかもしれません。
そのほかにも、人間関係や物理的な面で職場の環境が合わないといった場合もあるでしょう。
適応障害の方が転職活動をする際の注意点
最後に、適応障害の方が転職活動をする際に注意すべき点についてまとめます。以下の点が挙げられます。
- 体調を優先して無理をしない
- 発症した原因を特定する
- 希望条件に優先順位をつける
- 応募企業の環境や制度を確認する
- 適応障害に不向きな仕事は避ける
1つずつ見ていきましょう。
体調を優先して無理をしない
収入面などで不安を感じたとしても、まずは体調を優先して無理をしないことが非常に重要です。まだ不安定な状態で就労しても、結局続けられず退職するといったことになりかねません。それだけでなく、結果的に回復が長引くリスクも高まります。
家庭の事情やそれまでの勤務状況などによっても変わりますが、傷病手当や失業手当、生活保護などお金をどうにかする方法はいくつかあります。まずは体調を整えることを第一に考え、就労は医師の許可が出てからにしましょう。
発症した原因を特定する
適応障害を発症した場合、はっきりした原因があります。原因を特定することで、似た仕事内容や職場環境を避けるなど対処することができるようになります。対処すれば、再発防止や軽減も可能です。
安心して職探しができるようになるほか、就労後も継続・定着できる可能性が高まります。さまざまな面でプラスに働くので、具体的な転職活動を始める前に原因を特定しておきましょう。
医師の診断を受けることで特定してもらえます。その際、復帰するときの条件を診断書に書いてもらうのも良い方法です。
希望条件に優先順位をつける
さらに希望条件に優先順位をつけることも重要です。条件の優先順位をつけて優先順位が低い条件は妥協することが、現実的な対処として求められます。
オープン就労、障害者/障がい者枠を希望する場合、そもそも求人が少ないのが実情です。クローズ就労でも、適応障害に合う環境の整っている求人は見つけづらい可能性があります。あれもこれもと条件を付けていると、仕事が見つからないということになりかねません。
自分にとって大きなストレス源は避けつつ、妥協できる範囲を探りましょう。
応募企業の環境や制度を確認する
さらに、応募企業の職場環境や制度を確認することも大切です。具体的には、人間関係などの環境はどうか、メンタルヘルスに関する制度が整っているかなどを調べましょう。エージェントの担当者に尋ねる、求人情報を読み込む、口コミを参考にする、面接で質問するといった方法があります。
メンタルヘルスに取り組んでいる会社なら、制度を整備したり社風に反映されたりするはずです。働きやすさに直結することなので、事前に確認しましょう。
適応障害に不向きな仕事は避ける
また仕事を探す時点で、適応障害のある方には向かない仕事は避けるようにしましょう。一言で言えば、ストレスの負荷が大きい仕事は避けた方がよいと言えます。
具体的には、責任が大きい仕事です。たとえばチームをまとめる管理職や命を預かる医師などが該当します。そのほかノルマの厳しい営業職もストレスを感じやすいでしょう。クレーム対応の担当者なども、気持ちの切り替えが苦手な人には不向きです。
意味がわかりづらい横文字の職種名にも注意しましょう。たとえば「ビジネスサポーター」など、顧客の問題を聞き出したうえで問題を解決できる商品を提案して買ってもらう営業職であったりする可能性があります。
転職エージェントを活用して転職を成功させよう
適応障害で転職をしようという場合、サポートしてくれる転職エージェントは転職成功に近づくことができる頼もしい存在です。ただし本文でも述べた通り、まずは自分の体調が最優先です。不安定な状態の間は転職活動はしないようにして、回復してから転職活動を始めましょう。
その際は、エージェントに頼れるところは頼りつつ、納得のいく転職のために自分でも積極的に活動していきましょう。この記事をぜひ参考にしてください。応援しています。