年収900万円と聞くと「高収入」というイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、実際の手取り額はどのくらいになるのでしょうか。税金や社会保険料を差し引いた実際の手取り額は、家族構成やボーナスの有無によって大きく変わります。

本記事では、年収900万円の手取り額を条件別に詳しくシミュレーションし、日本の平均年収との比較や効果的な資産形成方法まで解説します。年収900万円を目指している方、現在その水準にある方の参考になる情報を網羅的にお届けします。

 

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年収900万円の手取り額一覧【条件別シミュレーション】

年収900万円の手取り額は、家族構成やボーナスの有無によって月額54〜56万円程度になります。以下、具体的な条件別のシミュレーション結果をご紹介します。

独身・ボーナスなしの場合:月額手取り54.6万円

独身でボーナスがない場合の年収900万円の内訳は以下の通りです。

年間の内訳

900万 年収 月収
額面 9,000,000 750,000
厚生年金 713,700 59,475
健康保険 521,556 43,463
雇用保険 49,500 4,125
所得税 609,500 50,792
住民税 538,500 44,875
手取り収入 6,557,044 547,270

※出典:税金・社会保険料・手取り計算シミュレーション(あなたの給料を入力してパッと計算) | 税金・社会保障教育
※40歳以上65歳未満の場合
※所得税は復興税込み、住民税は調整控除後で計算

独身・ボーナスなしの場合、年収900万円から約244万円が税金・社会保険料として差し引かれ、実際の手取りは約73%となります。月額では75万円の額面に対して54.6万円の手取りとなり、約20万円が各種控除として差し引かれています。

独身・ボーナスありの場合:月額手取り54.1万円

ボーナスが年収の10%(90万円)含まれる場合の内訳は以下の通りです。

年間の内訳

900万 年収 月収
額面 9,000,000 675,000
厚生年金 796,050 66,337
健康保険 525,027 37,750
雇用保険 49,500 4,125
所得税 592,300 51,616
住民税 529,900 44,550
手取り収入 6,497,323 470,622

※出典:税金・社会保険料・手取り計算シミュレーション(あなたの給料を入力してパッと計算) | 税金・社会保障教育
※40歳以上65歳未満の場合
※所得税は復興税込み、住民税は調整控除後で計算

ボーナスありの場合、月額の手取りは54.1万円となり、ボーナスなしの場合と比べて約5,000円少なくなります。これは、ボーナスに対しても社会保険料が課せられるためです。

00配偶者ありの場合:月額手取り55.6万円

配偶者控除が適用される場合の内訳は以下の通りです。

年間の内訳

900万 年収 月収
額面 9,000,000 750,000
厚生年金 713,700 59,475
健康保険 521,556 43,463
雇用保険 49,500 4,125
所得税 533,500 44,458
住民税 505,500 42,125
手取り収入 6,667,544 555,629

※出典:税金・社会保険料・手取り計算シミュレーション(あなたの給料を入力してパッと計算) | 税金・社会保障教育
※40歳以上65歳未満の場合
※所得税は復興税込み、住民税は調整控除後で計算

配偶者控除により所得税と住民税が軽減され、独身の場合と比べて月額1万円程度手取りが増加します。特に所得税では年間約7.6万円、住民税では年間約3.3万円の節税効果があります。

【参考】年収・月収の額面・手取り早見表

以下は、年収の額面から年収の手取りと額面月収・額面手取りが一目でわかる早見表です。参考にしてみてください。

年収額面 年収手取り 額面月収 月収手取り
200万円 161万円 17万円 14万円
240万円 192万円 20万円 17万円
250万円 201万円 21万円 17万円
300万円 237万円 25万円 21万円
350万円 276万円 29万円 24万円
360万円 285万円 30万円 25万円
400万円 314万円 33万円 27万円
420万円 314万円 35万円 29万円
450万円 351万円 38万円 31万円
500万円 389万円 42万円 35万円
550万円 423万円 46万円 38万円
600万円 460万円 50万円 41万円
650万円 497万円 54万円 44万円
700万円 527万円 58万円 46万円
750万円 559万円 63万円 50万円
800万円 591万円 67万円 53万円
850万円 625万円 71万円 56万円
900万円 658万円 75万円 59万円
950万円 691万円 79万円 62万円
1000万円 724万円 83万円 65万円
1100万円 788万円 92万円 72万円
1200万円 852万円 100万円 78万円
1300万円 913万円 108万円 83万円
1400万円 967万円 117万円 89万円
1500万円 1019万円 125万円 94万円
1800万円 1183万円 150万円 110万円
2000万円 1295万円 167万円 121万円
2500万円 1554万円 208万円 147万円
3000万円 1774万円 250万円 170万円

※計算方法

どちらも千の位を四捨五入。

年収900万円から差し引かれる税金・社会保険料の内訳

年収900万円から差し引かれる税金・社会保険料について、それぞれの計算方法と仕組みを詳しく解説します。

2-1. 所得税の計算方法と控除額

所得税は累進課税制度を採用しており、年収900万円の場合は複数の税率が適用されます。

所得税の計算手順

  1. 給与所得控除:年収900万円の場合、給与所得控除額は195万円
  2. 課税所得:900万円 – 195万円 – 基礎控除48万円 = 657万円
  3. 所得税の計算:
    • 195万円以下:5%
    • 195万円超330万円以下:10%
    • 330万円超695万円以下:20%

独身の場合の所得税は約60.95万円となり、これは年収の約6.8%に相当します。配偶者控除がある場合は配偶者控除38万円が追加され、所得税が約53.35万円に軽減されます。

住民税の仕組みと税率

住民税は所得割と均等割から構成され、基本的に所得の10%(都道府県民税4%+市町村民税6%)の税率が適用されます。

住民税の計算

  • 課税所得:所得税と同様の計算方法
  • 所得割:課税所得×10%
  • 均等割:年額5,000円程度(地域により異なる)

年収900万円の場合、住民税は独身で約53.85万円、配偶者ありで約50.55万円となります。住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、転職や収入変動がある場合は注意が必要です。

厚生年金保険料の計算

厚生年金保険料は標準報酬月額に基づいて計算されます。年収900万円の場合、月額75万円(ボーナスなし)または月額67.5万円(ボーナスあり)が基準となります。

厚生年金保険料の特徴

  • 保険料率:18.3%(労使折半のため本人負担は9.15%)
  • 標準報酬月額の上限:65万円(2024年度)
  • 年収900万円の場合の年間保険料:約71.37万円(ボーナスなし)

厚生年金は将来の年金給付に直結するため、高い保険料を支払うことで将来受け取る年金額も増加します。

健康保険料の算出方法

健康保険料も標準報酬月額に基づいて計算され、保険料率は加入する健康保険組合によって異なります。

健康保険料の計算

  • 一般的な保険料率:約10%(労使折半のため本人負担は約5%)
  • 介護保険料:40歳以上の場合は追加で約1.64%
  • 年収900万円の場合の年間保険料:約52.16万円

健康保険料は医療費の自己負担軽減や傷病手当金などの給付を受けるための重要な保険料です。

雇用保険料について

雇用保険料は比較的負担が軽く、年収900万円の場合は年間約4.95万円となります。

雇用保険料の詳細

  • 保険料率:0.6%(労働者負担は0.3%、事業主負担は0.3%)
  • 年収900万円×0.3% = 2.7万円
  • 失業給付や育児休業給付などの財源となる

雇用保険は失業時の生活保障や各種給付金の財源となる重要な保険制度です。

年収900万円は日本の平均年収と比べてどのくらい高い?

年収900万円がどの程度高い水準なのかを、厚生労働省の賃金構造基本統計調査のデータを基に分析します。

日本の平均年収との比較

2023年の賃金構造基本統計調査によると、日本の平均月収は約318.3千円(全国計)となっています。これを年収に換算すると約382万円となり、年収900万円はこの約2.4倍の水準です。

平均年収との比較

  • 全国平均年収:約382万円
  • 年収900万円:平均の約2.4倍
  • 上位何%に該当:おおよそ上位10〜15%程度

年収900万円は明らかに高収入の部類に入り、日本の労働者の中でも上位層に位置しています。

学歴別平均年収との比較

学歴別の平均賃金データと年収900万円を比較してみましょう。

大学卒業者平均(369.4千円/月)との差

大学卒業者の平均月収は369.4千円(年収約443万円)であり、年収900万円はこの約2.0倍となります。

大学卒業者との比較

  • 大学卒平均年収:約443万円
  • 年収900万円との差:約457万円
  • 年収900万円は大学卒平均の約2.0倍

大学院卒業者平均(476.7千円/月)との差

大学院卒業者の平均月収は476.7千円(年収約572万円)であり、年収900万円はこの約1.6倍となります。

大学院卒業者との比較

  • 大学院卒平均年収:約572万円
  • 年収900万円との差:約328万円
  • 年収900万円は大学院卒平均の約1.6倍

高学歴層と比較しても、年収900万円は相当に高い水準であることがわかります。

企業規模別平均年収との比較

企業規模別の平均賃金と年収900万円を比較します。

大企業平均(346.0千円/月)との差

大企業(従業員1000人以上)の平均月収は346.0千円(年収約415万円)です。

大企業平均との比較

  • 大企業平均年収:約415万円
  • 年収900万円との差:約485万円
  • 年収900万円は大企業平均の約2.2倍

中企業・小企業との比較

中企業(従業員100〜999人)の平均月収は311.4千円(年収約374万円)、小企業(従業員10〜99人)の平均月収は294.0千円(年収約353万円)です。

中小企業平均との比較

  • 中企業平均年収:約374万円(年収900万円の約2.4倍)
  • 小企業平均年収:約353万円(年収900万円の約2.5倍)

大企業で働いていても、年収900万円は平均を大きく上回る高水準であることが確認できます。

【年収900万円の人の男女別割合】

年収 男女計 男性 女性
300万円以下 34.4% 19.3% 54.2%
300万円超〜400万円以下 16.3% 14.9% 18.1%
400万円超〜500万円以下 15.4% 17.5% 12.7%
500万円超〜600万円以下 10.8% 14.0% 6.7%
600万円超〜700万円以下 7.1% 10.0% 3.4%
700万円超~800万円以下 4.9% 7.2% 1.9%
800万円超~900万円以下 3.2% 4.9% 1.0%
900万円超 7.8% 12.2% 2.1%

※出典:国税庁令和5年分 民間給与実態統計調査」の「(第 16 表)給与階級別給与所得者数・構成割合」より

 

【参考】年齢別の平均年収・平均月収

年齢 平均年収 平均月収(所定内給与額) 年間賞与その他特別給与額
30歳 471.7万円 29.4万円 119.3万円
31歳 491.7万円 30.4万円 127.0万円
32歳 507.8万円 31.5万円 129.8万円
33歳 529.3万円 32.7万円 136.9万円
34歳 539.1万円 33.6万円 136.0万円
35歳 557.3万円 34.4万円 144.2万円
36歳 582.2万円 35.8万円 152.6万円
37歳 602.5万円 36.5万円 164.4万円
38歳 626.2万円 38.3万円 166.8万円
39歳 625.0万円 38.1万円 167.7万円
40歳 654.4万円 40.0万円 174.1万円
41歳 675.4万円 41.4万円 179.1万円
42歳 662.9万円 40.9万円 172.4万円
43歳 684.9万円 41.5万円 186.5万円
44歳 707.8万円 42.9万円 193.2万円
45歳 703.4万円 42.8万円 190.1万円
46歳 736.1万円 44.3万円 204.2万円
47歳 733.4万円 44.4万円 200.9万円
48歳 738.5万円 44.8万円 200.8万円
49歳 747.2万円 45.6万円 200.4万円
50歳 745.6万円 45.2万円 202.7万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

地域別に見る年収900万円の位置づけ

年収900万円の価値は地域により大きく異なります。

東京都の平均年収約547万円と比較すると年収800万円は1.65倍の水準ですが、地方では2倍以上の価値となる場合があります。

一方で、東京の住居費や生活費の高さを考慮すると、地方と単純に比較はできません。たとえば地方の年収600万円と生活水準が変わらないという可能性も出てきます。地域特性を考慮することが求められます。

【参考】都道府県別の平均年収・平均月収

都道府県 平均年収 月収(基本給) 都道府県 平均年収 月収(基本給)
全国平均 472.9万円 31.8万円 三重県 455.3万円 30.5万円
北海道 422.4万円 28.9万円 滋賀県 455.5万円 30.3万円
青森県 357.4万円 25.0万円 京都府 470.0万円 31.6万円
岩手県 379.6万円 26.0万円 大阪府 510.3万円 34.0万円
宮城県 419.5万円 28.9万円 兵庫県 477.3万円 31.7万円
秋田県 381.6万円 26.1万円 奈良県 437.2万円 30.2万円
山形県 372.3万円 25.6万円 和歌山県 438.6万円 29.8万円
福島県 406.7万円 27.9万円 鳥取県 368.9万円 25.8万円
茨城県 465.5万円 31.2万円 島根県 395.8万円 26.9万円
栃木県 496.3万円 32.3万円 岡山県 430.4万円 29.1万円
群馬県 435.9万円 29.7万円 広島県 444.3万円 29.7万円
埼玉県 460.9万円 31.7万円 山口県 433.8万円 29.0万円
千葉県 453.0万円 31.0万円 徳島県 396.6万円 27.1万円
東京都 546.5万円 36.9万円 香川県 410.5万円 27.9万円
神奈川県 530.5万円 35.0万円 愛媛県 411.3万円 28.0万円
新潟県 396.7万円 27.0万円 高知県 399.7万円 27.3万円
富山県 437.2万円 29.4万円 福岡県 437.7万円 29.7万円
石川県 432.3万円 29.0万円 佐賀県 395.8万円 26.9万円
福井県 420.7万円 28.5万円 長崎県 376.2万円 25.7万円
山梨県 437.4万円 29.2万円 熊本県 394.1万円 26.9万円
長野県 428.7万円 28.8万円 大分県 399.9万円 27.1万円
岐阜県 435.9万円 29.2万円 宮崎県 368.0万円 25.4万円
静岡県 461.0万円 30.5万円 鹿児島県 389.5万円 26.8万円
愛知県 490.0万円 32.2万円 沖縄県 368.3万円 26.5万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

年収900万円を稼げる職業・業界

年収900万円に到達するためには、どのような職業や業界を選ぶべきでしょうか。具体的な職種と業界の特徴を解説します。

年収900万円に到達しやすい職種

年収900万円を実現しやすい職種は以下の通りです。

管理職・経営幹部

  • 部長クラス以上の管理職
  • 事業部長、支店長などの責任者
  • 年収レンジ:800万円〜1,500万円

専門職

  • 医師、弁護士、会計士などの士業
  • コンサルタント、アナリスト
  • 年収レンジ:700万円〜2,000万円

営業職(インセンティブ重視)

  • 不動産営業、保険営業
  • IT・通信業界の法人営業
  • 年収レンジ:600万円〜1,500万円

技術職(高度専門性)

  • AIエンジニア、データサイエンティスト
  • 外資系IT企業のエンジニア
  • 年収レンジ:700万円〜1,200万円

業界別の年収水準

年収900万円を実現しやすい業界の特徴を整理します。

金融業界

  • メガバンク、証券会社、生命保険会社
  • 30代後半〜40代前半で年収900万円到達が一般的
  • 安定した高収入が期待できる

コンサルティング業界

  • 戦略コンサル、総合コンサル
  • 20代後半〜30代前半でも年収900万円が可能
  • 成果に応じた昇進・昇格が期待できる

IT業界

  • GAFA等の外資系IT企業
  • 国内大手IT企業の上位職
  • 技術力次第で早期の高収入実現が可能

製造業(大手企業)

  • 自動車、電機、化学などの基幹産業
  • 40代前半〜中盤で年収900万円到達
  • 安定した雇用と収入増加が期待できる

地域別の年収格差(東京都368.5千円/月など)

地域によって年収水準には大きな格差があります。厚生労働省のデータによると、都道府県別の平均月収で全国平均(318.3千円)を上回るのは5都府県のみです。

高収入地域(月収)

  • 東京都:368.5千円(年収約442万円)
  • 神奈川県、愛知県、大阪府なども全国平均を上回る
  • 栃木県も全国平均を上回る

地域格差の要因

  • 本社機能の集中(東京都)
  • 製造業の集積(愛知県)
  • 港湾都市としての商業集積(大阪府、神奈川県)

年収900万円を目指す場合、これらの高収入地域での就職・転職を検討することが有効です。特に東京都では平均月収が36.9万円と高く、年収900万円の実現可能性が他地域よりも高いといえます。

年収900万円の生活レベルと家計管理

年収900万円の手取り55万円前後で、どのような生活が可能なのでしょうか。理想的な家計管理方法を含めて詳しく解説します。

月収55万円でできる生活水準

手取り月収55万円は、日本国内では十分に豊かな生活を送ることができる水準です。

独身の場合の生活例

  • 家賃:15万円〜20万円(手取りの約30〜35%)
  • 食費:8万円〜10万円
  • 光熱費・通信費:3万円
  • 交通費:2万円
  • 被服費・美容費:5万円
  • 交際費・娯楽費:8万円
  • 貯蓄・投資:15万円〜20万円

家族がいる場合の生活例

  • 家賃・住宅ローン:18万円〜22万円
  • 食費:12万円〜15万円
  • 光熱費・通信費:4万円
  • 教育費:5万円〜10万円
  • 保険料:3万円
  • その他生活費:8万円
  • 貯蓄・投資:10万円〜15万円

月収55万円あれば、都心部でも快適な住環境を確保でき、教育費や娯楽費にも十分な予算を割くことができます。

理想的な家計配分

年収900万円の手取りを効率的に活用するための理想的な家計配分を提案します。

推奨配分(手取り55万円の場合)

  • 固定費(家賃・保険等):40%(22万円)
  • 変動費(食費・光熱費等):35%(19万円)
  • 自己投資:5%(3万円)
  • 娯楽・交際費:10%(5万円)
  • 貯蓄・投資:10%(5万円)

この配分により、生活の質を維持しながら将来への備えも着実に進めることができます。特に自己投資の割合を確保することで、更なる収入アップも期待できます。

住宅ローンの借入可能額

年収900万円の場合、住宅ローンでどの程度の金額を借り入れることができるでしょうか。

借入可能額の目安

  • 年収倍率5〜6倍:4,500万円〜5,400万円
  • 返済負担率25%以内:月額返済額18.75万円以内
  • 35年ローンの場合:約5,000万円程度の借入が可能

注意点

  • 手取りベースでの返済負担率は30%以内が理想
  • 月額返済額16万円程度に抑えることを推奨
  • ボーナス払いは使わず、月額均等払いが安全

年収900万円であれば、都心部でも質の高いマンションや一戸建ての購入が現実的に検討できる水準です。

老後資金の準備方法

年収900万円の方が効果的に老後資金を準備する方法を解説します。

老後資金の必要額

  • 一般的な老後資金:2,000万円〜3,000万円
  • 余裕のある老後:4,000万円〜5,000万円
  • 準備期間:30年間と仮定

推奨する準備方法

  1. 企業型確定拠出年金(企業型DC)
    • 月額5.5万円まで拠出可能
    • 所得控除により節税効果も大きい
  2. 個人型確定拠出年金(iDeCo)
    • 企業型DCがない場合は月額2.3万円まで
    • 運用益非課税のメリット
  3. つみたてNISA
    • 年額40万円まで投資可能
    • 運用益が20年間非課税
  4. 一般的な投資信託・株式投資
    • 余剰資金での長期投資
    • 分散投資によるリスク軽減

月額10万円〜15万円を老後資金として積み立てることで、30年後には3,000万円〜5,000万円の資産形成が可能です。

年収900万円の手取りを増やす方法

年収900万円の手取りをさらに増やすための具体的な方法を解説します。

各種控除の活用

税負担を軽減することで実質的な手取りを増やすことができます。

配偶者控除・扶養控除

配偶者控除は最も効果的な節税方法の一つです。

配偶者控除の効果

  • 配偶者控除:38万円(配偶者の年収103万円以下)
  • 配偶者特別控除:年収150万円以下まで段階的に適用
  • 年収900万円の場合の節税効果:約11万円

扶養控除の活用

  • 16歳以上の扶養親族:1人あたり38万円控除
  • 19歳〜22歳の特定扶養親族:1人あたり63万円控除
  • 大学生の子供がいる場合の節税効果は特に大きい

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは節税効果と老後資金準備を同時に実現できる制度です。

iDeCoの節税効果

  • 年収900万円の場合の限界税率:約33%(所得税23%+住民税10%)
  • 月額2.3万円拠出の場合の年間節税額:約9万円
  • 30年間での累計節税額:約270万円

ふるさと納税

ふるさと納税は実質2,000円の負担で返礼品を受け取れる制度です。

ふるさと納税の控除上限額

  • 年収900万円・独身の場合:約15万円
  • 年収900万円・夫婦の場合:約12万円
  • 効果的に活用することで食費等の節約が可能

副業による収入増加

年収900万円の方でも副業により更なる収入増加が可能です。

推奨する副業

  1. コンサルティング業務
    • 本業のスキルを活用
    • 時給5,000円〜15,000円
    • 月10時間で5万円〜15万円の追加収入
  2. 講師・研修業務
    • 専門知識の活用
    • 1回2〜5万円程度の報酬
    • 月2〜3回で10万円程度の追加収入
  3. 不動産投資
    • 中長期的な資産形成
    • 年収900万円なら融資も受けやすい
    • 月10万円〜30万円の家賃収入も可能

副業時の注意点

  • 年間20万円超の所得は確定申告が必要
  • 会社の副業規定を必ず確認
  • 本業に支障をきたさない範囲で実施

投資による資産形成

年収900万円の余剰資金を効果的に投資することで、長期的な資産形成が可能です。

推奨する投資手法

  1. インデックス投資
    • 低コストで市場平均リターンを獲得
    • 月10万円×30年で約4,000万円(年利5%想定)
    • リスクを抑えた長期投資に最適
  2. 個別株投資
    • 高配当株への投資
    • 年3〜5%の配当利回りを期待
    • 1,000万円投資で年間30〜50万円の配当収入
  3. REIT(不動産投資信託)
    • 不動産投資の間接的な実施
    • 年4〜6%程度の分配金利回り
    • 月5万円の積立で安定した分配金収入

投資時のポイント

  • 分散投資によるリスク軽減
  • 長期投資を前提とした商品選択
  • 手数料の安い証券会社の利用
  • 定期的なポートフォリオの見直し

年収900万円のライフステージ別資産形成戦略

年収900万円という高い収入を得ている方は、ライフステージに応じた適切な資産形成戦略を立てることで、より豊かな人生を送ることができます。各年代で直面する課題や優先すべき目標が異なるため、それぞれに最適化されたアプローチが必要です。

20代:キャリア初期の投資戦略

20代で年収900万円を達成している方は、非常に優秀なキャリアスタートを切っています。この時期の最大の武器は「時間」です。複利効果を最大限に活用できる期間が長いため、積極的な資産形成を行うことが重要です。

月額手取り約55万円のうち、生活費を30万円程度に抑えることで、月20万円以上の投資資金を確保できます。この時期におすすめの投資戦略は、株式投資の比重を高めにした分散投資です。つみたてNISAの年間40万円の非課税枠を最大限活用し、残りの資金で個別株投資や投資信託への投資を検討しましょう。

また、20代のうちにiDeCoへの加入も強く推奨されます。年間拠出限度額の27.6万円(企業年金制度によって異なる)を満額拠出することで、所得税・住民税の節税効果と将来の年金受給額の増加を同時に実現できます。年収900万円の税率では、年間約8万円の節税効果が期待できます。

30代:結婚・子育て世代の家計管理

30代になると結婚や出産といったライフイベントが重なり、家計管理の複雑さが増します。年収900万円あれば、これらのライフイベントにも余裕を持って対応できますが、計画的な資産形成が重要になります。

結婚後は配偶者控除の活用を検討しましょう。配偶者の年収が103万円以下の場合、38万円の配偶者控除を受けられ、年収900万円の税率では約11万円の節税効果があります。また、子どもが生まれた場合の扶養控除も重要で、16歳未満の子どもがいる場合は児童手当の受給も可能です。

この時期の投資戦略としては、リスクとリターンのバランスを取った分散投資が適しています。教育資金の準備として、子ども1人あたり300万円~500万円の大学進学資金を目標に、学資保険や教育資金専用の投資信託を活用しましょう。月額5万円程度の積立投資で、18年後には約1,200万円の資産形成が可能です。

40代:教育費と住宅ローンの両立

40代は人生で最も支出が多い時期の一つです。住宅ローンの返済と子どもの教育費が重なり、家計管理が最も困難になる時期でもあります。年収900万円あれば、これらの支出にも対応できますが、効率的な資産管理が必要です。

住宅ローンについては、年収900万円の場合、一般的に6,000万円~7,000万円程度の借入が可能ですが、返済比率を25%以下に抑えることが重要です。月額手取り55万円の場合、住宅ローン返済額は月13万円程度に抑えるのが理想的です。繰り上げ返済と投資のバランスを考慮し、住宅ローン金利が1%台の場合は、繰り上げ返済よりも投資に回した方が有利な場合があります。

教育費については、私立中学・高校・大学を想定した場合、子ども1人あたり約1,500万円の準備が必要です。40代からでも月額10万円の積立投資で、60歳時点で約2,400万円の資産形成が可能です。この時期はインデックス投資を中心とした堅実な投資戦略が推奨されます。

50代:老後準備の本格化

50代は老後資金の準備を本格化させる重要な時期です。年収900万円の方が65歳で退職する場合、老後30年間の生活費として約9,000万円の資産が必要とされています。

この時期の投資戦略は、リスクを徐々に抑えながら着実な資産形成を目指すことです。株式投資の比重を60%程度に抑え、残りを債券や不動産投資信託(REIT)に配分します。月額15万円程度の積立投資で、65歳時点で約2,700万円の追加資産形成が可能です。

また、50代後半からは退職金の運用プランも重要になります。年収900万円の大企業勤務者の場合、退職金は2,000万円~3,000万円程度が期待できます。この退職金を効率的に運用することで、老後の生活水準を維持できます。

みんなが使っている転職サービス上位6選 【1,382人に聞いた転職サービス利用状況】

実際に登録したことのある転職サービスについてアンケートをとりました。アンケート結果として、みんなが使っている転職サービスの上位6サービスは以下です。

  • 1位|リクルートエージェント(821人)
  • 2位|doda(564人)
  • 3位|リクナビNEXT(389人)
  • 4位|マイナビAGENT(312人)
  • 5位|ビズリーチ(288人)
  • 6位|エン転職(282人)

転職サービスの利用アンケート(クラウドワークス) 回答数:1,382 / 集計期間:2024年09月19日~10月03日

1位|リクルートエージェント(利用回答数:821人) 圧倒的な求人数

「リクルートエージェント」は、求人数、安定したサービス品質で、まずは登録が必須のエージェントです。

まず何と言っても求人数が多いことがおすすめの理由として挙げられます。転職成功の実績も多く、優れているのは求人の数だけではありません。業界に精通したアドバイザーが在籍しているので、ぴったりの求人を見つけ出してくれます。求人やサービスの質・量ともにトップクラスで転職エージェントとしては定番・王道のサービスです。

営業・技術系を中心にあらゆる業種・職種をカバー。総合型ながら条件ごとに特化したページもあり、使いやすいのも人気の理由です。

リクルートエージェントのおすすめポイント
求人数が圧倒的に多い
業界に精通したアドバイザーが在籍
条件ごとに特化したページがあり使いやすい

基本データ

リクルートエージェント
求人数 公開求人474,685件/非公開求人399,542件(2024年10月22日現在)
提供サービス エージェントサービス、提出書類の添削、面接対策、独自に分析した業界・企業情報の提供
拠点 東京・北海道・宮城・宇都宮・さいたま・千葉・横浜・金沢・新潟・長野・静岡・名古屋・京都・大阪・神戸・岡山・広島・高松・福岡
URL https://www.r-agent.com/

リクルートエージェントに登録する

リクルートエージェントの口コミ・評判を読む

2位|doda(利用回答数:564人) エージェント/サイトの一体型で自分でも応募が可能

「doda」は、人材紹介・転職支援を行う大手「パーソルキャリア」が運営する総合型転職サイトです。エージェントサービスも利用できる点が人気の理由の1つになっています。

dodaも求人数が多く、非公開求人も条件が良いものが多いのが大きなポイントです。

また転職サイトと転職エージェントの一体型で、使い方の自由度が高いのもおすすめポイント。エージェントサービスでは専任のキャリアアドバイザーがサポートしてくれます。なお企業との対応は採用プロジェクト担当が行い、求職者と企業とでそれぞれ別のプロフェッショナルが対応します。

dodaのおすすめポイント
非公開求人も好条件多数
転職サイトと転職エージェントの一体型で自由度が高い
専任のキャリアアドバイザーがサポート、企業は別のプロフェッショナルが対応

基本データ

doda
求人数 公開求人262,342件/非公開求人31.049件(2024年10月22日現在)
提供サービス スカウトサービス、年収査定、合格診断、レジュメビルダー、「自己PR」発掘診断、転職タイプ診断、はたらく女性のためのモヤモヤ解消診断、オンライン仕事力診断
拠点 東京・横浜・札幌・仙台・静岡・名古屋・大阪・京都・神戸・岡山・広島・福岡・鹿児島
URL https://doda.jp/consultant/

dodaに登録する

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3位|リクナビNEXT(利用回答数:389人) 求人サイト群の中でも最大級の求人数と使いやすさ

「リクナビNEXT」は大定番の転職サイトで、サイトの見やすさや使いやすさにも定評があります。

エージェントなしの狭義の転職サイトの中では、求人数はトップクラス。新規の求人も多く、定期的にチェックすることで希望に合う求人に出会える可能性が高まります。

ツールが便利でサイトが使いやすいのも特長です。たとえば「気になるリスト」を使うと、気になる企業や後でゆっくりチェックしたい企業をリスト化できるほか、気になるに追加した企業から面接のオファーが来る可能性があります。

そのほか、公開求人・非公開求人の企業からオファーがもらえる「オファーを待つ」、自己分析ツール「グッドポイント診断」などがあります。

リクナビNEXTのおすすめポイント
サイトが見やすく使いやすい
狭義の転職サイトでは最大級の求人数
多くの人が利用している定番の転職サイト

基本データ

リクナビNEXT
求人数 公開求人824,000件以上(2024年10月22日現在)
提供サービス オファー、気になるリスト、グッドポイント診断
URL https://next.rikunabi.com/

リクナビNEXTに登録する

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4位|マイナビAGENT(利用回答数:312人) 20代・30代の求人に強い

「マイナビAGENT」は、さまざまな転職サイトを運営している株式会社マイナビによる転職エージェントです。きめ細かいサポートが受けられると評価されています。

とくに20代・30代の求人が多いので、その世代の人にはおすすめです。また全国に拠点があり地方の求人も充実しているので、大都市圏以外で探している人にもぴったりです。

履歴書や職務経歴書のサポートも充実、初めての転職でも安心して利用できます。IT、営業など業種・職種別のサービスもあります。自分が探している業種と一致するならより探しやすくなるでしょう。

マイナビAGENTのおすすめポイント
20代・30代の求人が多い
地方の求人も充実
履歴書や職務経歴書のサポートもあり安心

基本データ

マイナビAGENT
公開求人数 非公開
提供サービス エージェントサービス
拠点 拠点情報はこちらをご確認ください
URL https://mynavi-agent.jp/

マイナビAGENTに登録する

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5位|ビズリーチ(利用回答数:288人) ハイクラス向けで企業からスカウトが受けられる

「ビズリーチ」は、ハイクラス求人が多いのが特徴の転職サイトです。厳密にはスカウト型のサイトで、エージェントではありません。登録するとヘッドハンターや企業からのスカウトが受けられます

最大の特長は、ハイクラス求人が多いことです。年収1,000万円以上の求人が1/3以上を占めています。一定以上の経験やスキルがある人が転職活動するのに役立つサービスです。

もう1つの大きな特徴として、登録するだけでヘッドハンターや企業からスカウトが届く点があります。以前は「スカウト」と「プラチナスカウト」の2種がありましたが、今は「プラチナスカウト」に一本化されています。プラチナスカウト経由での採用は全体の約70%。採用される可能性が高く、スカウトが届いたら大きなチャンスです。実際、企業からスカウトが届いた場合は書類選考が免除されます。

基本的にヘッドハンターはアドバイスをしませんが、場合によってはアドバイスをもらえることもあります。無料プランと有料プランがあり、有料プランは制限なく求人に応募できます。

ビズリーチのおすすめポイント
ヘッドハンターや企業からのスカウトが受けられるハイクラス向けサイト
企業からプラチナスカウトが来た場合は即面接が可能
有料プランなら制限なく求人に応募できる

基本データ

ビズリーチ
求人数 公開求人138,081件(2024年10月22日現在)
提供サービス スカウトサービス、有料プラン(プレミアムステージ)
拠点 東京・大阪・名古屋・福岡・静岡・広島
URL https://www.bizreach.jp/

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6位|エン転職(利用回答数:282人) サイトが使いやすく情報も充実、利用者の満足度が高い

「エン転職」は、人材サービス大手の一つエン・ジャパン株式会社による転職サイトです。エージェントサービスも利用できます。

オリコン顧客満足度調査の転職サイト部門で、2018年から2024年まで7年連続で総合満足度No.1となっています。サイトの使いやすさは定評があり、自力で検索・応募するのに適したサービスです。口コミなどの情報も充実しており、企業間の比較検討もしやすくなっています。

さらに転職サイトのほか転職エージェントとしても利用することができ、非公開求人も多数保有しています。大手ですが最大手ほどでない規模で、きめ細かいサポートを受けることが可能。また女性向けのページのほか、ミドルや若手ハイキャリアなどに特化した関連サイトもあります。

エン転職のおすすめポイント
2018年から2024年まで7年連続で総合満足度No.1
サイトが使いやすいほか情報も充実
非公開求人も多数保有

基本データ

エン転職
求人数 公開求人152,678件(2024年10月22日現在)
提供サービス エージェントサービス
URL https://employment.en-japan.com/

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まとめ:年収900万円の手取り

年収900万円の手取りは、家族構成によって月額54〜56万円程度となり、日本の平均年収の約2.4倍という高い水準です。この収入を効果的に活用することで、豊かな生活と将来への備えを両立させることができます。

年収900万円の手取りのポイント

  • 独身の場合:月額手取り54.1〜54.6万円
  • 配偶者ありの場合:月額手取り55.6万円
  • 控除活用により手取りの最適化が可能
  • 日本の労働者の上位10〜15%に該当する高収入

年収900万円は確実に高収入の部類に入りますが、税負担も相応に重くなります。しかし、適切な節税対策と資産形成を行うことで、この収入を最大限に活用し、経済的な豊かさと将来への安心を同時に実現することができます。

重要なのは、現在の生活水準を維持しながらも、将来への投資を怠らないことです。年収900万円という恵まれた収入を生かし、計画的な資産形成と賢い節税対策を実践することで、更なる経済的な安定と成長を目指しましょう。