年収600万円は多くの人が目指す年収ラインの一つですが、実際の手取り額は年間約459万円となり、額面から約141万円も税金や社会保険料で差し引かれます。

年収600万円の手取り額は、月収ベースでは約38万円の手取りとなりますが、生活レベルや家族構成によっては「意外と苦しい」と感じる方も少なくありません。

この記事では年収600万円の手取り計算方法から生活実態、そして年収アップの戦略まで詳しく解説します。

Contents

年収600万円の手取り計算と引かれる税金・社会保険料の内訳

年収600万円の手取り額を正確に把握するためには、税金と社会保険料の仕組みを理解することが重要です。額面600万円から差し引かれる金額は家族構成や賞与の有無によって変動し、実際の手取り額に大きく影響します。

  • 年収600万円の手取り月収は約38万円!主な控除項目の内訳
  • ボーナスあり・なしで変わる手取り額の違い
  • 扶養家族がいる場合の税金軽減効果
  • 年収600万円の実質的な税負担率

それでは順に見ていきましょう。

年収600万円の手取り月収は約38万円!主な控除項目の内訳

年収600万円(独身・ボーナスなし)の場合、手取り月収は約38万2千円となります。

額面月収50万円から約11万8千円が控除される計算です。内訳は厚生年金45,750円、健康保険28,975円、雇用保険2,750円、所得税15,100円、住民税25,208円となっています。

社会保険料だけで月約7万7千円、税金で約4万円の負担となり、控除率は23.6%に達します。

【年収600万円の手取り額計算】
<独身・ボーナスなしの場合>

年収 月収
額面 6,000,000円 500,000円
厚生年金 549,000円 45,750円
健康保険 347,700円 28,975円
(うち介護保険料) 47,700円 3,975円
雇用保険 33,000円 2,750円
所得税 181,200円 15,100円
住民税 302,500円 25,208円
手取り額 4,586,600円 382,217円

※出典:税金・社会保険料・手取り計算シミュレーション(あなたの給料を入力してパッと計算) | 税金・社会保障教育
※40歳以上65歳未満の場合
※所得税は復興税込み、住民税は調整控除後で計算

ボーナスあり・なしで変わる手取り額の違い

年収600万円でもボーナスの有無で手取り額は変動します。

ボーナス10%(60万円)がある場合、月収は45万円となり手取りは約33万3千円です。年間手取りは約460万円となり、ボーナスなしの場合と大きな差はありません。

これは社会保険料の上限設定や税率の関係によるものです。ただし、月々の家計管理はボーナスありの方が楽になる傾向があります。

【年収600万円の手取り額計算】
<独身・ボーナスあり(年10%)の場合>

年収 月収
額面 6,000,000円 450,000円
(うち賞与) 600,000円
厚生年金 538,020円 44,835円
健康保険 340,746円 28,395円
(うち介護保険料) 46,746円 3,896円
雇用保険 33,000円 2,750円
所得税 183,000円 15,250円
住民税 304,300円 25,358円
手取り額 4,600,934円 333,412円

※出典:税金・社会保険料・手取り計算シミュレーション(あなたの給料を入力してパッと計算) | 税金・社会保障教育
※40歳以上65歳未満の場合
※所得税は復興税込み、住民税は調整控除後で計算

扶養家族がいる場合の税金軽減効果

配偶者が扶養内(年収123万円以下)の場合、手取り額は約466万円まで増加します。配偶者控除により所得税が約3万9千円、住民税が約3万3千円軽減されるためです。

月収ベースでは手取り約38.8万円となり、独身時より約6千円の増加となります。

子どもがいる場合はさらに扶養控除が適用され、16歳以上の扶養親族1人につき所得税で38万円、住民税で33万円の控除が受けられます。

【年収600万円の手取り額計算】
<配偶者あり(扶養内パート123万円以下)の場合>

年収 月収
額面 6,000,000円 500,000円
厚生年金 549,000円 45,750円
健康保険 347,700円 28,975円
(うち介護保険料) 47,700円 3,975円
雇用保険 33,000円 2,750円
所得税 142,400円 11,866円
住民税 269,500円 22,458円
手取り額 4,658,400円 388,201円

※出典:税金・社会保険料・手取り計算シミュレーション(あなたの給料を入力してパッと計算) | 税金・社会保障教育
※40歳以上65歳未満の場合
※所得税は復興税込み、住民税は調整控除後で計算

年収600万円の実質的な税負担率

年収600万円の実質税負担率は約23.5%となります。これは所得税・住民税・社会保険料を含めた総額での計算です。

日本の累進課税制度では年収が上がるほど税負担率も上昇するため、600万円は中堅サラリーマンとしては標準的な負担率といえます。

ただし、住宅ローン控除やふるさと納税などの控除制度を活用することで、実質的な負担を軽減することが可能です。

年収600万円の年収偏差値と市場価値

年収600万円の市場価値を客観的に評価するには、年収偏差値や属性別の達成率を把握することが重要です。全体的には平均以上の年収ですが、学歴や年齢、地域によってその価値は大きく変わります。

  • 年収600万円は年収偏差値53.1!平均年収からみる位置づけ
  • 年収600万円を稼ぐ人の男女別割合
  • 地域別の年収600万円の価値の違い
  • 年齢別にみる年収600万円の到達難易度

それでは順に見ていきましょう。

年収600万円は年収偏差値53.1!平均年収からみる位置づけ

年収600万円の年収偏差値は53.1となり、平均年収の472.9万円を上回る水準です。正社員の年収中央値が380万円(doda調べ)であることを踏まえると、上位30%程度に位置します。

特に40代男性の年収中央値は550万円(doda調べ)となっており、年収600万円は40代男性にとって標準的な水準といえる一方で、女性の場合は管理職や専門職でなければ到達が困難な年収帯であることが読み取れます。

また学歴別での評価も差が大きく、高卒では年収偏差値61.7と高評価ですが、大卒では41.6と平均を下回ります。また企業規模別にみると中小企業では偏差値55.1となり、平均的な水準となっています。

【年収600万円の正社員の年収偏差値】

年収額面 600万円
年収偏差値 総合 53.1
高卒 61.7
大卒 41.6
中小企業 55.1

※出典:年収偏差値チェッカー
※45歳の場合

【全年齢の平均年収・平均月収】

全年齢
性別 平均年収 平均月収(所定内給与額) 年間賞与その他特別給与額
全体 472.9万円 31.8万円 90.9万円
男性 528.4万円 35.1万円 107.3万円
女性 377.9万円 26.3万円 62.8万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

【正社員の年収中央値】

年齢 全体 男性 女性
全体 380万円 420万円 340万円
20代 345万円 360万円 300万円
30代 400万円 462万円 359万円
40代 450万円 550万円 380万円

※出典:正社員の年収中央値は?男女別・年齢別・都道府県別にも解説(平均年収ランキング【最新版】) |転職ならdoda(デューダ)

年収600万円を稼ぐ人の男女別割合

国税庁の統計によると、年収600万円台を稼ぐ人の割合は全体の7.1%です。

男女別では男性10.0%、女性3.4%と大きな格差があります。男性では比較的到達しやすい年収帯ですが、女性にとってはまだ高いハードルということがわかります。

【年収600万円の人の男女別割合】

年収 男女計 男性 女性
300万円超〜400万円以下 16.3% 14.9% 18.1%
400万円超〜500万円以下 15.4% 17.5% 12.7%
500万円超〜600万円以下 10.8% 14.0% 6.7%
600万円超〜700万円以下 7.1% 10.0% 3.4%
700万円超~800万円以下 4.9% 7.2% 1.9%
800万円超~900万円以下 3.2% 4.9% 1.0%

※出典:国税庁令和5年分 民間給与実態統計調査」の「(第 16 表)給与階級別給与所得者数・構成割合」より

地域別の年収600万円の価値の違い

年収600万円の価値は地域によっても大きく異なります。

東京都の平均年収546万円と比較すると、600万円は平均をやや上回る程度です。一方、地方では県によって平均年収が350万円台のところもあり、年収600万円は相当高い水準となります。

生活費の違いを考慮すると、地方の年収600万円は東京の年収800万円相当の生活レベルを実現できる場合があります。

【参考】都道府県別の平均年収・平均月収

都道府県 平均年収 平均月収(所定内給与額) 都道府県 平均年収 平均月収(所定内給与額)
全国平均 472.9万円 31.8万円 三重県 455.3万円 30.5万円
北海道 422.4万円 28.9万円 滋賀県 455.5万円 30.3万円
青森県 357.4万円 25.0万円 京都府 470.0万円 31.6万円
岩手県 379.6万円 26.0万円 大阪府 510.3万円 34.0万円
宮城県 419.5万円 28.9万円 兵庫県 477.3万円 31.7万円
秋田県 381.6万円 26.1万円 奈良県 437.2万円 30.2万円
山形県 372.3万円 25.6万円 和歌山県 438.6万円 29.8万円
福島県 406.7万円 27.9万円 鳥取県 368.9万円 25.8万円
茨城県 465.5万円 31.2万円 島根県 395.8万円 26.9万円
栃木県 496.3万円 32.3万円 岡山県 430.4万円 29.1万円
群馬県 435.9万円 29.7万円 広島県 444.3万円 29.7万円
埼玉県 460.9万円 31.7万円 山口県 433.8万円 29.0万円
千葉県 453.0万円 31.0万円 徳島県 396.6万円 27.1万円
東京都 546.5万円 36.9万円 香川県 410.5万円 27.9万円
神奈川県 530.5万円 35.0万円 愛媛県 411.3万円 28.0万円
新潟県 396.7万円 27.0万円 高知県 399.7万円 27.3万円
富山県 437.2万円 29.4万円 福岡県 437.7万円 29.7万円
石川県 432.3万円 29.0万円 佐賀県 395.8万円 26.9万円
福井県 420.7万円 28.5万円 長崎県 376.2万円 25.7万円
山梨県 437.4万円 29.2万円 熊本県 394.1万円 26.9万円
長野県 428.7万円 28.8万円 大分県 399.9万円 27.1万円
岐阜県 435.9万円 29.2万円 宮崎県 368.0万円 25.4万円
静岡県 461.0万円 30.5万円 鹿児島県 389.5万円 26.8万円
愛知県 490.0万円 32.2万円 沖縄県 368.3万円 26.5万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

年齢別にみる年収600万円の到達難易度

年齢別では37歳で平均年収が602万円に達するため、30代後半以降では標準的な年収となります。

20代で年収600万円を達成するのは難しいですが、40代では平均的な水準です。転職市場では年収600万円は中堅層の標準的な提示額となっています。

このように年収600万円はキャリアの進展とともに到達しやすくなる年収帯であることがわかる一方で、業界や職種によっては50代でも年収600万円に届かないケースもあります。

(参考)年齢別の平均年収・平均月収

年齢 平均年収 平均月収(所定内給与額) 年間賞与その他特別給与額
22歳 297.4万円 22.5万円 27.5万円
23歳 323.2万円 23.4万円 42.0万円
24歳 359.7万円 24.4万円 66.7万円
25歳 387.9万円 25.1万円 86.4万円
26歳 407.3万円 26.2万円 92.8万円
27歳 426.7万円 27.2万円 100.5万円
28歳 439.8万円 27.8万円 106.7万円
29歳 466.6万円 29.1万円 116.9万円
30歳 471.7万円 29.4万円 119.3万円
31歳 491.7万円 30.4万円 127.0万円
32歳 507.8万円 31.5万円 129.8万円
33歳 529.3万円 32.7万円 136.9万円
34歳 539.1万円 33.6万円 136.0万円
35歳 557.3万円 34.4万円 144.2万円
36歳 582.2万円 35.8万円 152.6万円
37歳 602.5万円 36.5万円 164.4万円
38歳 626.2万円 38.3万円 166.8万円
39歳 625.0万円 38.1万円 167.7万円
40歳 654.4万円 40.0万円 174.1万円
41歳 675.4万円 41.4万円 179.1万円
42歳 662.9万円 40.9万円 172.4万円
43歳 684.9万円 41.5万円 186.5万円
44歳 707.8万円 42.9万円 193.2万円
45歳 703.4万円 42.8万円 190.1万円
46歳 736.1万円 44.3万円 204.2万円
47歳 733.4万円 44.4万円 200.9万円
48歳 738.5万円 44.8万円 200.8万円
49歳 747.2万円 45.6万円 200.4万円
50歳 745.6万円 45.2万円 202.7万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

年収600万円を稼ぐ職業と業界分析

年収600万円を実現できる職業や業界には一定の傾向があります。専門性の高い職種や成長業界では比較的到達しやすく、業界選択がキャリア形成において重要な要素となります。

  • 業界別の年収600万円の達成難易度
  • 年収600万円台の職業ランキング

それでは順に見ていきましょう。

業界別の年収600万円の達成難易度

年収600万円の達成が比較的容易と考えられる主な業界は、

  • 情報通信業(平均649万円)
  • 金融・保険業(平均652万円)
  • 電気・ガス・水道業(平均775万円)

です。製造業(平均533万円)や建設業(平均548万円)でも管理職や技術職は到達可能でしょう。

一方、サービス業(平均378万円)や小売業(平均387万円)では管理職でも年収600万円の達成は困難な場合があります。業界選択は年収に大きく影響するため、転職時の重要な検討要素となります。

【参考】業種別の平均年収・月収

業種 平均年収 内訳
平均月収
(給料・手当)
賞与
全体平均 460万円 388万円 71万円
電気・ガス・熱供給・水道業 775万円 636万円 139万円
金融業、保険業 652万円 503万円 149万円
情報通信業 649万円 529万円 120万円
学術研究、専門・技術サービス業、教育・学習支援業 551万円 451万円 100万円
建設業 548万円 467万円 81万円
複合サービス業 535万円 418万円 117万円
製造業 533万円 430万円 103万円
運輸業、郵便業 473万円 410万円 63万円
不動産業、物品賃貸業 469万円 406万円 63万円
医療、福祉 404万円 351万円 52万円
卸売業、小売業 387万円 333万円 54万円
サービス業 378万円 335万円 43万円
農林水産・鉱業 333万円 290万円 44万円
宿泊業、飲食サービス業 264万円 248万円 16万円

※出典:国税庁令和5年分 民間給与実態統計調査」の「(第 13 図)業種別の平均給与」より
※月給は「給料・手当 ÷ 12ヶ月」で算出
※正社員以外を含む

年収600万円台の職業ランキング

年収600万円台を狙える代表的な職業には、次のようなものが挙げられます。

  • システムエンジニア
  • 営業職(法人営業)
  • 経理・財務担当者
  • 人事・労務担当者
  • 製造業の技術職 など

特にIT業界のエンジニアは20代後半から30代前半で600万円に到達するケースが多く見られます。

営業職では実績次第で年収600万円を超えることが可能で、金融や不動産業界では特に高い年収を期待できます。管理職候補や専門職では経験年数とともに年収が上昇する傾向があります。

年収600万円でも生活が苦しいと感じる理由

年収600万円は一見すると余裕のある年収ですが、実際には生活の苦しさを感じる人が少なくありません。その背景には次のような理由があります。

年収600万円でも生活が苦しいと感じる理由
  1. 税金・社会保険料の負担が重い
  2. 生活レベルの向上により支出が増加
  3. 住宅ローンの負担が大きい
  4. 教育費が年々増えていく

それでは順に見ていきましょう。

① 税金・社会保険料の負担が重い

年収600万円では約141万円が税金・社会保険料として控除され、手取り率は76.5%となります。この負担感は年収が上がるほど重くなり、昇給した実感が得にくい要因となっています。

特に住民税は前年所得ベースで課税されるため、転職で年収が下がった場合でも高い税額が課される場合があります。また40歳以降は介護保険料の負担も求められます。

社会保険料も年収に比例して上昇するため、額面の増加ほど手取りが増えない現実があります。

② 生活レベルの向上により支出が増加

年収600万円になると生活レベルも向上し、支出が自然に増加する傾向があります。

外食費や衣服費、趣味娯楽費などの変動費が膨らみがちです。また、年収に見合った住居への住み替えや、高級品への購買欲求も高まります。

年収の増加とともに支出も比例して増えるため、貯蓄率が向上しないケースが多く見られます。ライフスタイルインフレーションと呼ばれるこの現象は、年収アップ後の家計管理の重要課題です。

③ 住宅ローンの負担が大きい

年収600万円では住宅ローンの借入上限が4,200万円程度となり、都市部では相応の住宅購入が可能です。しかし月々の返済額は年収の25%~30%を占め、手取り収入に対する負担率は相当高くなります。

35年ローンでも月10万~15万円の返済となり、固定費の大部分を占めます。金利上昇リスクや維持費も考慮すると、住宅購入は家計を圧迫する大きな要因となります。

④ 教育費が年々増えていく

子どもの教育費は年収600万円世帯でも大きな負担となります。

私立中学受験を検討する家庭では塾代だけで年間100万円を超える場合があります。大学進学時の費用も国公立で年間約120万円、私立理系では年間180万円程度が必要です。

複数の子どもがいる場合、教育費だけで年収の3分の1以上を占めることもあり、家計を圧迫する主要因となっています。

年収600万円の生活レベルと家計管理のリアル

年収600万円の生活レベルは家族構成によって大きく異なります。ここでは、独身、夫婦、子育て世帯それぞれの家計シミュレーションを通じて、リアルな生活実態を把握しましょう。

  • 【独身世帯】年収600万円の家計内訳シミュレーション
  • 【夫婦世帯】年収600万円の家計内訳シミュレーション
  • 【子育て世帯】年収600万円の家計内訳シミュレーション

それでは順に見ていきましょう。

【独身世帯】年収600万円の家計内訳シミュレーション

独身で年収600万円の場合、手取り約38万円から

  • 家賃 12~15万円(手取りの3分の1)
  • 食費 5~6万円
  • 光熱費 1.5万円
  • 通信費 1万円
  • 交通費 1万円

が基本的な生活費となります。

残り約15万円は貯蓄・投資、趣味娯楽費、交際費に充てることができ、比較的余裕のある生活が可能です。年間貯蓄額は100万~150万円程度が目安となり、将来への備えも十分できる水準です。

【夫婦世帯】年収600万円の家計内訳シミュレーション

夫婦世帯(配偶者扶養内)では手取り約39万円から

  • 住居費 15~18万円
  • 食費 7~8万円
  • 光熱費 2万円
  • 通信費 1.5万円

のように配分します。さらに車を所有する場合は維持費で月3~4万円追加となります。

したがって、残り約10万円で貯蓄、保険、趣味娯楽費を賄う必要があり、独身時代より支出管理が重要になります。年間貯蓄額は80~120万円程度が現実的な目標となるでしょう。

【子育て世帯】年収600万円の家計内訳シミュレーション

子育て世帯では教育費や養育費が大幅に増加します。夫婦世帯で必要であった基本的な生活費に加えて、

  • 住居費 18~20万円
  • 食費 8~10万円
  • 教育費・習い事費 5~8万円
  • 医療費・衣服費 3万円

が追加で必要です。また子どもの保育園代や学童保育費も月3~5万円かかる場合があります。

年収600万円の子育て世帯は、毎月の手取り約39万円に対し支出が35万円を超えることが多く、貯蓄は月2~-4万円程度に留まるでしょう。教育費の増加と将来の資産形成のためには、家計の見直しと効率的な支出管理が不可欠となります。

年収600万円を目指すための転職戦略

ここまで年収600万円の評価と生活レベルの実態について解説してきましたが、年収600万円は多くの人が目標とする年収ラインです。

ここでは、年収600万円への転職を検討している方に向けて、転職成功のための戦略的アプローチをご紹介します。年収600万円に到達するには、市場動向を把握し、スキルアップと効果的な転職活動を組み合わせることが重要になります。

  • 現在の年収から600万円への転職ルート
  • 年収600万円を狙える転職市場の動向
  • スキルアップで年収600万円を実現する方法
  • 年収600万円の求人の見極め方と交渉術

それでは順に見ていきましょう。

現在の年収から600万円への転職ルート

年収400万円や500万円から年収600万円への転職では、同業界でのキャリアアップまたは成長業界への転職が有効です。

営業職では実績をアピールし、マネジメント経験を積むことで昇格を狙えます。技術職では専門資格の取得や新技術への対応力が評価されます。

年収300万円台から600万円台を目指す場合は、業界チェンジやスキルアップ転職が必要となるでしょう。特にIT業界やコンサルティング業界へのキャリアチェンジが有効な選択肢となります。

年収600万円を狙える転職市場の動向

転職市場では年収600万円帯の求人は豊富にあり、特にIT・金融・製造業で需要が高まっています。特にDX推進に伴うデジタル人材や、グローバル展開を支える英語力のある人材への需要が拡大しています。

そのため、転職市場においてマネジメント経験者や専門資格保有者は特に有利で、複数社からのオファーを受けることも可能です。ただし、書類選考通過率は20~30%程度のため、面接対策の重要性も高まっています。

スキルアップで年収600万円を実現する方法

年収600万円実現のためのスキルアップでは、

  • デジタルスキル(Python、SQL、Tableau等)
  • マネジメントスキル
  • 語学力の習得

が効果的です。また、

  • 中小企業診断士
  • PMP
  • AWS認定資格
  • 簿記1級

などの資格取得が年収アップに直結します。

これらの習得は、オンライン学習やスクール受講で6~12ヶ月程度の学習期間を設け、実務で活用できるレベルまで習得することが重要です。資格を取得するには、学習投資として年間20~50万円程度の予算確保が必要になるケースもあります。

年収600万円の求人の見極め方と交渉術

年収600万円の求人では基本給と賞与の内訳、昇給制度、福利厚生の詳細確認が重要です。特に、みなし残業代の有無や実際の労働時間も事前に把握しましょう。

面接では実績を具体的な数値で示して入社後の貢献力をアピールし、年収交渉では現在年収の20~30%アップを目安に他社オファー状況も適度に伝えることで交渉力を高めます。

なお、内定後の条件確認は書面で行い、入社後のミスマッチを防ぎましょう。

まとめ

この記事では年収600万円の手取り計算から生活レベル、転職戦略まで詳しく解説しました。

年収600万円の手取りは年間約459万円、月収ベースでは手取り約38万円です。この手取り額で生活する場合、家族構成や支出管理によって生活の質は大きく変わります。

年収600万円では税負担の重さや教育費の増加などから「生活が苦しい」と感じる課題もありますが、適切な家計管理と戦略的なキャリア形成により、より豊かな生活を実現することが可能です。

これから年収600万円を目指す方も、すでに到達している方も、この記事を参考に賢い資産形成と人生設計を進めてください。