この記事では、退職届・退職願の基本的な知識から適切な提出タイミング、退職届・退職願のテンプレートの構成や具体的な書き方、提出方法などの総合的なアドバイスを解説しています。
記事の終わりには上司に退職届・退職願を提出する際の適切な手順や面談での話し方についてもアドバイスしていますので、ぜひ最後までお読みください。
- この記事で分かること
- 退職届は基本情報を明記し、具体的な日付と退職理由などを記載する
- 礼儀正しい表現を使っているか、情報の漏れがないかをチェックしよう
- 提出する際は上司との面談を設定し、伝えるべきポイントを押さえよう
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退職届の基本知識
退職届は、雇用関係を終了させるための公式な書類です。正しいタイミングで、且つ手書きで提出することが推奨されます。
この章では、退職届を出す前の基本知識として、以下の点について解説します。
- 退職届とは何か
- 正しいタイミングで退職届を出す方法
- 退職届は手書きにすべきか
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
退職届とは何か
退職届とは、正式に雇用関係の終了を会社に通知する書類です。労働者が退職する意向を明確にし、退職希望の日付を伝えるために使用されます。
多くの企業では、退職の意志があることを口頭で伝えた後に退職届を形式として提出することが一般的です。退職届は労働者の最後の責任であり、職業道徳としてもきちんとした退職の意志表示と見なされています。
また日本では、退職の2週間前に提出することが労働基準法により一般的な慣例とされていますが、退職希望日までの充分な期間を確保し円滑な引き継ぎを行うためには、早めに相談し提出することが望ましいとされています。
正しいタイミングで退職届を出す方法
退職届を出すタイミングは、法律や会社のルールに定められた通知期間を尊重することが最も重要です。
日本の労働基準法では退職希望の意向を2週間前までに会社に伝える必要がありますが、企業によってはより長い期間を定めている場合があります。そのため退職を考えている場合は、就業規則を確認し必要な通知期間を把握しておくべきです。
またプロジェクトの進捗や業務の引継ぎの都合を考え、できるだけスムーズな移行が可能になるよう、余裕を持ったスケジュールで上司に通知することが望ましいでしょう。
退職届は手書きにすべきか
退職届は手書きにすることが望ましいとされています。これは、フォーマルな場でのマナーとして個人の責任と誠宠という意味を込められているからです。ただし企業によっては印刷したフォームや電子形式の提出を許可している場合もあり、公式な書類提出ルールを事前に確認することが重要です。
手書きによる退職届は感謝の気持ちを伝える上でもより個人的で心をこめたアプローチと捉えられがちですが、最終的には企業の規定に従い、社内文化や手続きの流れに配慮した形式を選ぶべきです。
退職届の基本的なテンプレート
退職届の基本的なテンプレートは、見出しや日付、住所、氏名などの必要な個人情報、退職日の明記、そして上司への感謝の言葉を盛り込む文面で構成されます。
退職届に記載する項目と記載方法について、以下のポイントをまとめました。
- 退職届の構成要素
- 個人情報の記載項目
- 退職日の記載方法
- 上司への感謝の言葉を盛り込む方法
順番に見ていきましょう。
退職届の構成要素
退職届の構成要素は、形式にこだわるよりも中身の正確さが求められます。
まず会社名と自分の名前を明記し、日付は提出日ではなく退職希望日である点に注意が必要です。次に、文章は簡潔に退職の意志を伝える内容を含むべきです。上司への感謝の意を示す部分も忘れずに入れます。重要なのは、余計な情報を省き要点をしっかりと伝えることです。
また社内規定に沿った書き方をすることもポイントです。大手企業などでは標準化されたテンプレートが用意されていることもありますので、そのフォーマットに従うことが求められる場合があります。
個人情報の記載項目
退職届には、自己識別が可能な必要な個人情報の記載が欠かせません。具体的には、以下の基本情報を明記する必要があります。
- フルネーム
- 住所
- 連絡先
- 社員番号など
これらの情報は会社側が退職手続きを行う際の確認事項となるため、誤りがないように注意深く記入しましょう。また漏れや誤字がないかを再度チェックすることで、プロセスの遅延を防ぎ、スムーズな退職手続きへと繋がります。
企業の人事部や担当者が確認しやすいよう、分かりやすい字体で丁寧に記載することが望ましいです。
退職日の記載方法
退職日は、具体的な日付を用いて明確に記載することが重要です。
「20●●年●月●日をもって退職いたします」
という形式で退職日を明記し、誤解を避けるためにも曜日の記載を加えるとさらに良いでしょう。
退職日は、提出日から少なくとも2週間先、さらに良い場合には1ヶ月以上を目安に設定されることが一般的です。これは後任者の教育や引き継ぎなどの準備期間を確保するためです。
期間は企業によって異なりますが、最低限の通知期間に沿ったものであるように気をつけましょう。
上司への感謝の言葉を盛り込む方法
退職届を提出する際には、これまでの感謝の気持ちを上司に伝える方法もあります。感謝の言葉を盛り込む方法は、具体的な経験や学んだことを挙げながら、その経験が自身の成長にどのように役立ったかを述べます。
たとえば以下のように退職届・退職願に書き加えることで、具体性をもって感謝の意を表現できます。
「この度は○年間、貴社で多くの経験を積ませていただき、ありがとうございました。特に××プロジェクトに携わらせていただいたことで、○○のスキルを深めることができました」
感謝の言葉を盛り込むことで、礼儀正しくかつ心を込めたメッセージとなり好印象をもたらし、円滑な退職へとつながります。ただし一般的な定型からはやや外れるので、感謝は口頭で伝える方が無難かもしれません。
具体的な退職届の書き方
この章では、具体的な退職届の書き方を紹介します。具体的には以下の構成にすると良いでしょう。
- はじめに – 表題
- 本文 – 退職理由の記述
- 結び – 感謝の表現と宛名
- 横書きの場合
それでは、ひとつずつ詳しく見ていきます。
はじめに – 表題
表題は「退職届」とします。紛らわしい言葉に「退職願」がありますが、退職願はまさに願い出て許可を得るときに提出するものです。
退職願を提出してから退職届を出す流れもありますが、多くの場合は口頭で願い出てから文書で退職届を出す流れとなります。
本文 – 退職理由の記述
退職届の本文において、退職理由の記述はデリケートな問題を含む可能性があります。
一般的な退職理由には、キャリアアップ、家庭の事情、健康上の理由、職場環境の変化などがありますが、具体的かつ個人的な詳細には踏み込まず、必要十分な情報を簡潔に伝えましょう。
「一身上の都合」とするのが一般的です。また退職予定日についても触れておきます。基本的な例文は次の通りです。
「このたび一身上の都合により〇〇〇〇年〇月〇日をもって退職いたします。」
上記本文の前の行に下詰めで「私儀」と記します。さらに上記本文の後に、提出日と所属部署・氏名を記します。氏名のみ下詰めで書きます。
結び – 感謝の表現と今後の抱負
退職届の結びの部分は、感謝の気持ちと今後の抱負を表現する重要なセクションです。
ただしすでに述べたように、一般的な定型では省かれます。どうしても伝えたいことがある場合は、温かみのある言葉遣いと共に簡潔で心からの感謝を表すことが重要です。
縦書きの場合は一番最後に宛名を書きます。所属する組織の最高責任者の役名とフルネームを高い位置に記します。
横書きの場合
なお横書きの場合は上記とやや順番が異なります。以下の順になります。
- 表題「退職届」
- 提出日
- 宛名(左詰め)
- 所属部署・氏名(右詰め)
- 本文
本文の前の行に右詰めで「私儀」、後の行に右詰めで「以上」と記します。
退職届の提出前チェックリスト
退職届の提出前のチェック項目は、以下とおりです。
- 礼儀正しい表現を使っているか
- 情報の漏れがないか
- 礼儀正しい表現を使っているか
最終的に退職届に自信を持って提出できるよう、これらの点を念入りにチェックしましょう。
それでは、詳しく見ていきます。
文章のチェックポイント
退職届の文章は、誤字脱字がないか慎重に見直し、丁寧かつ簡潔にまとめることが重要です。文章の具体的なチェックポイントは、以下のとおりです。
- 文法や誤字脱字がないか
- 退職の日付を正しく記載しているか
- 役職など記載された情報に誤りがないか
- 文章全体のトーンが一貫しているか
表現は、敬意を表しつつ不要な詳細は省略することで読み手の理解を促進します。最後に、文章全体のトーンが一貫していて、社内の基準に沿っているかを見直すことも大切です。
情報の漏れがないか
退職届を提出する前の最終確認として、情報の漏れがないか厳重にチェックすることも非常に重要です。具体的には、以下の項目が正確に記載されているかを確認します。
- 氏名
- 所属・役職
- 退職希望日
- 宛名
提出前には、上記の必要な情報がすべて含まれているかを再度チェックしてください。すべての情報が適切で正確かつ礼儀正しい表現であることを提出前に確実に検証してください。
礼儀正しい表現を使っているか
退職届を提出する際、礼儀正しい表現を使用することは極めて重要です。書面を通じて最後の印象を良くするためには、以下のポイントを心がけてください。
- 敬語を正しく用い、過度なカジュアル表現は避ける
- 表現の選択は、丁寧かつ簡潔に退職の意向を伝える
これらの表現を適切に用いることで、退職の意向をスムーズに伝え円満退職につなげることができるでしょう。
上司に提出する際の注意点
いざ上司に退職届を提出する際は、以下の点に注意が必要です。
- 上司との面談の設定
- 面談で伝えるべきポイント
- 退職理由に合わせた対策
まず面談を設定し、面談では退職の意向と退職届の提出を正式に告げます。面談をお願いする際には、予め退職理由を明確にし必要に応じて退職理由に応じた説明内容も用意しておくことが望ましいです。
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
上司との面談の設定
退職を決意した際は、上司との面談を計画的に行うことが重要です。面談を設定する際には、まず上司が比較的余裕を持っている時間帯を選びましょう。突然ではなく事前に「個人的な話があります」と一言添え、面談の予定を立てることが礼儀です。
面談時には退職の意志をはっきりと伝えつつ、会社への感謝の気持ちを忘れずに表現しましょう。また可能な限り円滑な引き継ぎを行えるように、退職の理由やタイミングについても誠実に話すことが求められます。
これにより、後任者への負担を軽減し職場の雰囲気を保つことにもつながります。
面談で伝えるべきポイント
面談で伝えるべきポイントは、退職の意志の確認、退職理由の説明、退職日の提案、引き継ぎの提案、そして感謝の表明の5つです。
退職の意志ははっきりと伝え、曖昧な表現は避けてください。退職理由は誠実に、しかし冗長にならないように簡潔に説明します。会社への不満を理由にするのはやめておきます。改善することを理由に引き止めに遭う可能性が高まるからです。
さらに具体的な退職日を提示し可能な限り柔軟に対応する意向を示せば、円滑な退職過程を期待できます。引き継ぎの準備は、責任感を持って仕事を終える姿勢を示すため重要です。
最後にこれまでの経験への感謝を忘れずに伝えることで、プロフェッショナルな印象を残しましょう。
退職理由に合わせた対策
退職理由は、プライベートなもの、キャリアアップのためのもの、または人間関係に起因するものと様々です。
たとえばプライベートな理由であれば、具体的な詳細を避けながらも誠実に状況を伝えることが重要です。キャリアアップを目指す場合は、新たな挑戦への意欲を示し感謝の気持ちを表明することで、前向きな退職のイメージを残すことができます。
人間関係に関する退職理由の場合は、非難や批判を避けなるべくニュートラルな表現に留めるべきです。いずれにせよ退職届は一度提出すると撤回が難しいため、提出前には内容を十分に吟味し必要に応じて信頼できる第三者に相談することをお勧めします。
まとめ
退職届の提出は、転職活動の締めくくりとして非常に重要です。
この記事では、退職届の基本から、適切なタイミングの見極め、手書きの大切さ、そして丁寧な退職届の作成方法に至るまでを丁寧に解説しました。
この記事を読んだ方が、効果的なテンプレートの活用、心に響く感謝の言葉の織り交ぜ方、提出前のチェックリスト、そして上司への正しい提出方法を参考に、慎重に進めて円満な退職を実現されることを願っています。