月収29万円の手取りがいくらになるのか気になっていませんか?

月収29万円の場合、一般的に手取り額は約24万円となります。しかし、配偶者や扶養家族の状況によっては、この手取り額は変動します。

本記事では、月収29万円の手取り額の詳細な計算方法や控除内訳、年収シミュレーション、全国平均との比較など、月収29万円に関する情報を徹底解説します。

さらに、この収入レベルでの生活水準や貯金の可能性、収入アップ戦略まで網羅的にご紹介します!

Contents

月収29万円の手取りはいくら?税金・社会保険料の内訳を徹底解説

月収29万円(額面)から実際に手元に残る金額はいくらになるのでしょうか。

まずは、月収29万円から各種税金や社会保険料がどのように控除されるのか、詳しく見ていきましょう。独身と既婚者では手取り額に違いがあるのも特徴です。

  • 月収29万円の手取り額と計算方法(手取り約24万円)
  • 独身者の月収29万円の手取り額(約23.9万円)と控除内訳
  • 配偶者ありの月収29万円の手取り額(約24.1万円)と控除内訳
  • 月収29万円で扶養家族がいる場合の手取り額の違い

それでは順に見ていきましょう。

月収29万円の手取り額と計算方法(手取り約24万円)

月収29万円の手取り額は、約24万円となります。

手取り額とは、給与(額面)から、税金と社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料)などが差し引かれた後に実際に手元に残る金額のことです。

計算方法は、まず月収から社会保険料を差し引き、次に所得税と住民税を差し引くという流れになります。

ただし、配偶者の有無や扶養家族の数によって控除額が変わるため、同じ月収29万円でも手取り額は人によって異なります。

独身者の月収29万円の手取り額(約23.9万円)と控除内訳

月収29万円の独身者の場合、手取り額は約23.9万円です。控除の内訳としては、次のようになります。

【月収29万の手取り額計算】
<独身の場合>

月収(額面) 29万円
 所得税 6,420円
 健康保険料 14,970円
 厚生年金 27,450円
 雇用保険 1,740円
控除合計額 50,580円
手取り額 239,420円

※出典:ファンジョブ|【2025年度対応】手取り計算|月給シミュレーション

独身者は配偶者控除などの恩恵を受けられないため、既婚者と比べて所得税の負担がやや大きくなります。

また住民税についても、翌年度から毎月約1万円程度が追加で控除されることを見込んでおく必要があります。

配偶者ありの月収29万円の手取り額(約24.1万円)と控除内訳

月収29万円で配偶者がいる場合、手取り額は約24.1万円となります。控除の内訳は、以下のとおりです。

【月収29万の手取り額計算】
配偶者ありの場合>

月収(額面) 29万円
 所得税 4,810円
 健康保険料 14,970円
 厚生年金 27,450円
 雇用保険 1,740円
控除合計額 48,970円
手取り額 241,030円

※出典:ファンジョブ|【2025年度対応】手取り計算|月給シミュレーション

同じ月収29万円でも、配偶者がいる場合は配偶者控除が適用されるため、独身者と比べて所得税負担が軽減され、手取り額が約1,610円多くなります。

ただし、配偶者の収入が一定額(年間103万円など)を超えると控除が受けられなくなるため注意が必要です。

月収29万円で扶養家族がいる場合の手取り額の違い

月収29万円で扶養家族がいる場合、手取り額はさらに変わってきます。子どもがいる場合は扶養控除や児童手当が適用され、手取りが増加します。

たとえば、配偶者と子ども1人を扶養している場合、所得税の負担がさらに軽減され、手取り額は約24.3万円程度になります。また子どもが2人以上いる場合はさらに控除が増え、手取り額も増加します。

ただし、子どもの年齢や配偶者の収入状況によって控除額は変わるため、正確な手取り額を知るためには、個別に計算する必要があります。

月収29万円の年収はいくら?ボーナスあり・なしのシミュレーション

続いて、月収29万円がどのくらいの年収に相当するのか、ボーナスの有無による違いや業種による変動について詳しく解説します。年収ベースで見ることで、自分の収入レベルをより正確に把握することができるでしょう。

  • 月収29万円のボーナスなしの年収は348万円
  • 月収29万円のボーナスありの年収シミュレーション
  • 業種別に見る月収29万円の年収水準とボーナスの影響

それでは順に見ていきましょう。

月収29万円のボーナスなしの年収は348万円

月収29万円でボーナスがない場合、単純計算で年収は348万円(手取り額は約288万円)となります。

これは月収29万円を12ヶ月分計算した金額です。一般的に、ボーナスがない雇用形態としては、契約社員や派遣社員、一部の中小企業の正社員などが該当します。

最近は、ボーナスを出さずに月給を高く設定する企業も増えているため、月収29万円・年収348万円という水準は珍しくありません。

この年収レベルは、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」の統計データと比較すると、全国平均年収(約460万円)よりやや低めですが、若手社会人や地方で働く方にとっては平均的な水準といえるでしょう。年齢層や地域別の平均年収については、後ほど詳しく解説します。

月収29万円のボーナスありの年収シミュレーション

月収29万円でボーナスがある場合、年収は大きく変動します。

一般的に、ボーナスは月給の1~3ヶ月分が年2回支給される形が多いため、シミュレーションしてみましょう。

月給の1ヶ月分(29万円)が年2回支給される場合、年収は348万円+58万円=406万円になります。月給の2ヶ月分(58万円)が年2回支給される場合は、年収348万円+116万円=464万円となります。

さらに月給の3ヶ月分(87万円)が年2回なら、年収348万円+174万円=522万円にまで上昇します。業績好調の企業では、さらに高額のボーナスが支給されることもあります。

業種別に見る月収29万円の年収水準とボーナスの影響

月収29万円が業種によってどのような年収ポジションになるかは大きく異なります。

たとえば、下表の全国平均月収32万円(年収460万円)と比較すると、月収29万円はやや低めの水準です。特に電気・ガス業(月収53万円)や情報通信業(月収44万円)などの高給与業界では、月収29万円は平均を大きく下回ります。

一方、医療・福祉業(月収29万円)では平均的な水準であり、宿泊・飲食サービス業(月収21万円)と比較すれば高水準といえます。

ボーナスの影響も業種により大きく異なり、金融業では年間賞与が149万円と高額なのに対し、宿泊・飲食サービス業では16万円と低水準です。

【業種別の平均月収(額面)】

業種 月給
(給料・手当)
年収 うち賞与
全体平均 32万円 460万円 71万円
電気・ガス・熱供給・水道業 53万円 775万円 139万円
情報通信業 44万円 649万円 120万円
金融業、保険業 42万円 652万円 149万円
建設業 39万円 548万円 81万円
学術研究、専門・技術サービス業、教育・学習支援業 38万円 551万円 100万円
製造業 36万円 533万円 103万円
複合サービス業 35万円 535万円 117万円
運輸業、郵便業 34万円 473万円 63万円
不動産業、物品賃貸業 34万円 469万円 63万円
医療、福祉 29万円 404万円 52万円
卸売業、小売業 28万円 387万円 54万円
サービス業 28万円 378万円 43万円
農林水産・鉱業 24万円 333万円 44万円
宿泊業、飲食サービス業 21万円 264万円 16万円

※出典:国税庁令和5年分 民間給与実態統計調査」の「(第 13 図)業種別の平均給与」より
※月給は「給料・手当 ÷ 12ヶ月」で算出
※正社員以外を含む

月収29万円はすごい?全国平均と徹底比較

続いて、月収29万円が全国平均と比較してどのような位置づけにあるのか、年収偏差値や男女別・年齢別、業種別、地域別の観点から詳しく分析します。

  • 月収29万円の年収偏差値は46.2
  • 男女別・年齢別の平均月収から見る月収29万円の位置づけ
  • 業種別から見る月収29万円の評価
  • 都道府県別の平均月収と月収29万円の関係性

それでは順に見ていきましょう。

月収29万円の年収偏差値は46.2

月収29万円(年収348万円)の年収偏差値は46.2で、全国平均をやや下回る水準となっています。

偏差値50が平均であることを考えると、月収29万円はほぼ平均に近い水準といえるでしょう。ただし、学歴別に見ると評価が変わり、高卒者の場合は偏差値50.9となり平均以上の評価となります。

一方、大卒者では偏差値42.0とやや低めの評価になります。また企業規模別では、中小企業においては偏差値47.2とほぼ平均に近い水準です。

【月収29万円の年収偏差値】

月収額面 29万円
年収額面 348万円
年収偏差値 総合 46.2
高卒 50.9
大卒 42.0
中小企業 47.2

※出典:年収偏差値チェッカー
※30歳の場合

男女別・年齢別の平均月収から見る月収29万円の位置づけ

男女別・年齢別に月収29万円を評価すると、その位置づけがより明確になります。

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、全体の平均月収は33.0万円で、男性の平均は36.3万円、女性の平均は27.5万円です。つまり、月収29万円は全体平均よりやや低いものの、女性の平均より高く、男性の平均より低い水準にあります。

さらに年齢別に見ると、20代後半(平均26.7万円)や30代前半(平均29.9万円)の平均と比較すると平均的または若干高い水準です。新卒の平均月収(大卒24.8万円、大学院卒28.7万円)と比べれば、月収29万円は高い水準といえるでしょう。

一方、40代(平均35.1~37.2万円)や50代(平均38~39.2万円)と比較すると低めの水準となります。

【年代別・男女別の平均月収】

年齢層 賃金
男女計 男性 女性
全体 330,400円 363,100円 275,300円
~19 199,300円 203,600円 191,300円
20~24 232,500円 234,200円 230,600円
25~29 267,200円 274,700円 258,100円
30~34 299,500円 316,300円 271,600円
35~39 328,700円 352,300円 284,300円
40~44 351,400円 385,500円 288,400円
45~49 372,700円 416,000円 298,000円
50~54 380,400円 428,200円 295,400円
55~59 392,000円 444,100円 294,000円
60~64 317,700円 344,700円 259,900円
65~69 275,500円 294,300円 234,000円

※出典:厚生労働省令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」の「第2表 性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び年齢階級間賃金格差」より

【新卒の平均月収】

最終学歴 平均月収
(所定内給与額)
中央値
(所定内給与額)
高校 19.8万円
(男性20.1万円、女性19.2万円)
19.5万円
専門学校 22.3万円
(男性21.9万円、女性22.5万円)
21.9万円
高専・短大 22.4万円
(男性23.1万円、女性22.1万円)
21.8万円
大学 24.8万円
(男性25.1万円、女性24.5万円)
24.1万円
大学院 28.7万円
(男性29万円、女性27.8万円)
27.9万円

※出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の「新規学卒者の所定内給与額」及び「新規学卒者の所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値」より
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

業種別から見る月収29万円の評価

業種別に月収29万円を評価すると、業界によって位置づけが大きく異なることがわかります。

国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、全業種の平均月収は32万円ですので、月収29万円はやや低めです。特に電気・ガス・熱供給・水道業(平均53万円)、情報通信業(平均44万円)、金融・保険業(平均42万円)などの高給与業界では、月収29万円は大幅に平均を下回ります。

一方、医療・福祉業(平均29万円)では平均的な水準であり、卸売・小売業(平均28万円)、サービス業(平均28万円)では平均に近い水準です。

さらに農林水産・鉱業(平均24万円)や宿泊・飲食サービス業(平均21万円)と比較すると、月収29万円は高い水準にあります。このように、業種によって月収29万円の評価は大きく変わります。

【業種別の平均月収(額面)】

業種 月給
(給料・手当)
年収 うち賞与
全体平均 32万円 460万円 71万円
電気・ガス・熱供給・水道業 53万円 775万円 139万円
情報通信業 44万円 649万円 120万円
金融業、保険業 42万円 652万円 149万円
建設業 39万円 548万円 81万円
学術研究、専門・技術サービス業、教育・学習支援業 38万円 551万円 100万円
製造業 36万円 533万円 103万円
複合サービス業 35万円 535万円 117万円
運輸業、郵便業 34万円 473万円 63万円
不動産業、物品賃貸業 34万円 469万円 63万円
医療、福祉 29万円 404万円 52万円
卸売業、小売業 28万円 387万円 54万円
サービス業 28万円 378万円 43万円
農林水産・鉱業 24万円 333万円 44万円
宿泊業、飲食サービス業 21万円 264万円 16万円

※出典:国税庁令和5年分 民間給与実態統計調査」の「(第 13 図)業種別の平均給与」より
※月給は「給料・手当 ÷ 12ヶ月」で算出
※正社員以外を含む

都道府県別の平均月収と月収29万円の関係性

都道府県別に平均月収を見ると、月収29万円の評価は地域によっても大きく異なることがわかります。

下表をみると、全国平均の月収は31.8万円ですが、東京都(平均36.9万円)や神奈川県(平均35.0万円)、大阪府(平均34.0万円)などの大都市圏では平均を下回ります。

一方、青森県(平均25.0万円)、秋田県(平均26.1万円)、宮崎県(平均25.4万円)などの地方では平均を上回る水準となります。

つまり、月収29万円は大都市圏では低めの水準である一方、地方では比較的高い水準といえます。また物価の違いも考慮すると、地方での月収29万円は大都市圏よりも実質的な生活水準が高くなる可能性があります。

【都道府県別の平均年収・平均月収】

都道府県 平均年収 平均月収(所定内給与額) 都道府県 平均年収 平均月収(所定内給与額)
全国平均 472.9万円 31.8万円 三重県 455.3万円 30.5万円
北海道 422.4万円 28.9万円 滋賀県 455.5万円 30.3万円
青森県 357.4万円 25.0万円 京都府 470.0万円 31.6万円
岩手県 379.6万円 26.0万円 大阪府 510.3万円 34.0万円
宮城県 419.5万円 28.9万円 兵庫県 477.3万円 31.7万円
秋田県 381.6万円 26.1万円 奈良県 437.2万円 30.2万円
山形県 372.3万円 25.6万円 和歌山県 438.6万円 29.8万円
福島県 406.7万円 27.9万円 鳥取県 368.9万円 25.8万円
茨城県 465.5万円 31.2万円 島根県 395.8万円 26.9万円
栃木県 496.3万円 32.3万円 岡山県 430.4万円 29.1万円
群馬県 435.9万円 29.7万円 広島県 444.3万円 29.7万円
埼玉県 460.9万円 31.7万円 山口県 433.8万円 29.0万円
千葉県 453.0万円 31.0万円 徳島県 396.6万円 27.1万円
東京都 546.5万円 36.9万円 香川県 410.5万円 27.9万円
神奈川県 530.5万円 35.0万円 愛媛県 411.3万円 28.0万円
新潟県 396.7万円 27.0万円 高知県 399.7万円 27.3万円
富山県 437.2万円 29.4万円 福岡県 437.7万円 29.7万円
石川県 432.3万円 29.0万円 佐賀県 395.8万円 26.9万円
福井県 420.7万円 28.5万円 長崎県 376.2万円 25.7万円
山梨県 437.4万円 29.2万円 熊本県 394.1万円 26.9万円
長野県 428.7万円 28.8万円 大分県 399.9万円 27.1万円
岐阜県 435.9万円 29.2万円 宮崎県 368.0万円 25.4万円
静岡県 461.0万円 30.5万円 鹿児島県 389.5万円 26.8万円
愛知県 490.0万円 32.2万円 沖縄県 368.3万円 26.5万円

※出典:厚生労働省の2023年(令和5年) 賃金構造基本統計調査 をもとに算出
※平均年収は、「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」により算出(所定内給与額は各種手当を除く)
※短時間労働者(パートタイム労働者)を除く

月収29万円(手取り約24万円)の生活レベルと家計シミュレーション

月収29万円(手取り約24万円)で、どのような生活が送れるのでしょうか。一人暮らしからファミリー世帯まで、具体的な支出バランスを見ていきましょう。

  • 月収29万円の一人暮らしの生活レベルと支出バランス
  • 月収29万円のDINKsの生活レベル
  • 月収29万円の3人家族・4人家族の生活水準比較

それでは順に解説します。

月収29万円の一人暮らしの生活レベルと支出バランス

月収29万円(手取り約24万円)の一人暮らしは、比較的余裕のある生活が可能です。

一般的な支出バランスとしては、

  • 家賃6~8万円(手取りの25~30%)
  • 食費4~5万円
  • 水道光熱費1~1.5万円
  • 通信費1万円
  • 交通費1~2万円
  • 交際費2~3万円
  • 日用品費1万円

のように配分すると、残りを貯金や趣味・娯楽に充てることができます。

また、大都市圏では家賃の割合が高くなりがちですが、地方であれば家賃を抑えることで貯蓄に回せる金額を増やせます。

月収29万円(手取り約24万円)の収入水準で一人暮らしであれば、月5万円程度の貯金も十分可能であり、数年で頭金や結婚資金など、まとまった資金を準備することができるでしょう。

月収29万円のDINKsの生活レベル

月収29万円で共働きのDINKsの場合、世帯収入は大幅に増加するため、かなり余裕のある生活が可能です。

パートナーも同程度の収入があれば、世帯の手取り収入は月45〜50万円程度となります。そのため、次のような生活費配分も可能です。

  • 家賃10~12万円(世帯手取りの20~25%)
  • 食費6~7万円
  • 水道光熱費2万円
  • 通信費2万円
  • 交通費2~3万円
  • 交際費5~6万円
  • 貯金10~15万円

これば、旅行や趣味、将来のマイホーム購入に向けた積極的な貯蓄など、ライフスタイルの選択肢が広がる生活レベルといえます。

月収29万円の3人家族・4人家族の生活水準比較

月収29万円(手取り約24万円)が世帯の唯一の収入源である場合、3人家族・4人家族では生活水準はかなり厳しくなります。

3人家族(夫婦+子ども1人)の場合、

  • 家賃7~8万円
  • 食費6~7万円
  • 水道光熱費2万円
  • 通信費1.5万円
  • 教育費2~3万円
  • 交通費1.5万円

とすると残りは3~4万円程度となり、十分な貯蓄は難しい状況です。

4人家族(夫婦+子ども2人)ではさらに厳しく、教育費や食費が増加するため、節約しても貯蓄はほぼ不可能となるでしょう。

この場合、配偶者のパートタイム収入や児童手当などの支援制度を活用することが求められます。また、住宅ローンがある場合は、返済額によってはさらに家計が圧迫される可能性も。

月収29万円の手取りでファミリー世帯が生活するには、共働きや収入アップが重要な課題となります。

月収29万円の手取りでできること・できないこと

月収29万円(手取り約24万円)でどのような生活設計が可能なのでしょうか。この章では、貯金、住居、住宅ローン、車などの観点から分析します。

  • 月収29万円の手取りで貯金はできる?効率的な家計管理のポイント
  • 月収29万円の手取りで適正な家賃はいくら?地域別の住居選択
  • 月収29万円の手取りで組める住宅ローンの目安
  • 月収29万円の手取りで可能な車の維持と購入プラン

それでは順に見ていきましょう。

月収29万円の手取りで貯金はできる?効率的な家計管理のポイント

月収29万円(手取り約24万円)でも、効率的な家計管理を行えば十分な貯金は可能です。

単身者の場合、手取りの15~20%(3.6~4.8万円)程度の貯蓄を目標にするとよいでしょう。貯金を確実に増やすコツは「先取り貯金」で、給料日に真っ先に決まった金額を貯蓄に回し、残りを生活費として使う方法です。

また固定費を見直すことも重要で、携帯料金の見直しやサブスクリプションの整理などで月1~2万円の節約も可能です。さらに食費の節約(自炊中心、まとめ買い)や光熱費の節約(LED電球への交換、節水)など、変動費の削減も効果的です。

これらの取り組みにより、月5万円程度の貯金も十分実現可能です。

月収29万円の手取りで適正な家賃はいくら?地域別の住居選択

月収29万円(手取り約24万円)の場合、適正な家賃は手取りの30%以内、つまり7.2万円程度が目安です。ただし、地域によって家賃相場は大きく異なります。

東京23区内では7.2万円では狭い物件しか借りられませんが、郊外や地方都市であれば同じ予算でより広い物件を選ぶことができます。たとえば、東京都内では7万円程度でワンルーム(20㎡前後)、神奈川県や埼玉県などの首都圏郊外では1DK(30㎡前後)、地方都市では1LDK(40㎡以上)が借りられる場合もあります。

また初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)も考慮し、引っ越し時に家賃の3~5ヶ月分程度の資金が必要になることも覚えておきましょう。

地域や通勤時間との兼ね合いを考えながら、最適な住居を選択することが重要です。

月収29万円の手取りで組める住宅ローンの目安

月収29万円(額面)の場合、組むことができる住宅ローンの目安は、年収の6~7倍程度で約2,000万円~2,400万円が一般的です。

返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)は35%以内が望ましいとされており、月々の返済額は7~8万円程度が上限となります。

ただし、頭金の有無や金利、返済期間によって借入可能額は変動します。たとえば500万円の頭金があれば、2,500万円~2,900万円程度の物件購入も視野に入ります。

住宅ローンを検討する際は、将来の収入変動や子どもの教育費なども考慮し、余裕を持った計画を立てることが大切です。

月収29万円の手取りで可能な車の維持と購入プラン

月収29万円(手取り約24万円)でも、適切な予算設定をすれば車の購入と維持は十分可能です。

一般的には、年収の30%程度(約100万円前後)が車の購入予算の目安とされています。新車であれば軽自動車や小型車が中心となりますが、中古車を選べばミドルクラスの車種も選択肢に入ります。

月々の車の維持費としては、

  • ガソリン代1~2万円
  • 自動車保険1~1.5万円
  • 駐車場代0.5~2万円(地域により異なる)
  • 車検・メンテナンス費(積立)1万円

などで、合計4~6万円程度を見込んでおくとよいでしょう。

購入時には、頭金をできるだけ多く用意し、ローン期間は3~4年程度に抑えることで、無理のない返済計画を立てることができます。

月収29万円からの3つの収入アップ戦略

最後に、月収29万円から収入をさらに増やすための具体的な戦略を3つのアプローチから解説します。

月収29万円からの収入アップ戦略
  1. 現在の仕事で月収29万円からキャリアアップする
  2. 転職により月収29万円から年収アップを目指す
  3. 月収29万円の仕事を続けつつ副業で手取り収入を増やす

それでは順に見ていきましょう。

戦略① 現在の仕事で月収29万円からキャリアアップする

月収29万円から現職でキャリアアップするには、資格取得と成果の見える化が鍵となります。

業界関連の資格取得は昇給・昇進のチャンスを広げ、IT業界では情報処理技術者試験、金融業界ではFP資格などが有効です。また社内プロジェクトへの積極参加や業務改善提案も評価につながります。

人事評価では「売上〇%アップ」など数字で成果を示すことが重要で、上司との定期面談で将来のキャリアパスを相談するなど、計画的なキャリア形成を意識しましょう。

戦略② 転職により月収29万円から年収アップを目指す

月収29万円からの転職で年収アップを実現するには、市場価値の高いスキル習得と戦略的な転職活動が重要です。

一般的に転職での年収アップは10~20%が目安ですが、IT・金融・コンサルティング業界への転職では30%以上も可能です。転職前にデジタルスキルやマネジメントスキルなど汎用性の高いスキルを習得しておくことが、年収アップへの近道です。

転職活動では複数の転職エージェントを活用し、面接では現職での具体的成果を数字で示せるよう準備しましょう。

戦略③ 月収29万円の仕事を続けつつ副業で手取り収入を増やす

月収29万円の本業を維持しながら、副業で収入を増やすことも効果的です。

オンラインで完結する副業は時間や場所に縛られず取り組みやすく、Webライティングやデザイン、プログラミングの知識があればクラウドソーシングで案件獲得が可能です。

副業初心者はデータ入力やアンケートモニターから始めるのがおすすめです。本業のスキルを活かした副業も効率的で、月3~5万円の副収入があれば年間36~60万円の収入増となります。

ただし、副業を始める際には、就業規則を確認した上で取り組みましょう。確定申告や健康管理にも注意が必要です。

まとめ

この記事では、月収29万円の手取り額について、税金や社会保険料の内訳、年収シミュレーション、全国平均との比較など様々な観点から解説しました。

月収29万円の手取りは約24万円で、年収は348万円(ボーナスなし)となります。

月収29万円は年収偏差値46.2とほぼ平均に近い水準で、この手取りで一人暮らしするなら比較的余裕のある生活レベルですが、ファミリー世帯では厳しい面もあります。

月収29万円からの収入アップを目指すなら、資格取得や転職、副業などの戦略が有効です。自分の収入を客観的に理解し、計画的な資産形成を進めましょう。