- この記事でわかること
- 建設業界の職種別キャリアパスや年収相場の全体像
- キャリアアップに必要な資格やスキル、年収アップを目指す戦略を紹介
- 建設業界でのキャリア形成は阻む壁もある!その対策も解説
- 異業種から建設業界へ転職する際のポイントと強みの活かし方
建設業界のキャリアパスは、様々な可能性が広がっています。
技術者としての専門性を極める道やマネジメント職として組織を率いる道があり、近年はDXの進展により新たな職種も生まれています。そのため、未経験から建設業へのキャリアチェンジにも期待が高まっています。
この記事では、建設業界でのキャリアパスや年収アップの方法、さらには建設業界への転職戦略まで、実践的な情報を徹底解説します。
建設業界でキャリアアップを目指す方は、ぜひ参考にしてください!
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Contents
建設業のキャリアパスとは?主な職種と年収相場
建設業界のキャリアパスは、未経験からでも経験と資格を積み重ねることで着実なキャリアアップが可能な魅力ある選択肢です。
ここでは、建設業界でのキャリアパスの概要と年収相場について詳しく解説します。
- 建設業界のキャリアパス全体像
- 建設業界の職種と役割
- 職種別の年収相場
それでは順に見ていきましょう。
建設業界のキャリアパス全体像
建設業界でのキャリアパスは、大きく分けて以下の2つの道があります。
- マネジメント職を目指す道
- 専門性を追求するスペシャリストになる道
マネジメント職では、現場監督からプロジェクトマネージャー、そして工事部長や建設部門の役員へとステップアップしていきます。
一方、スペシャリストとしては、一級建築士や技術士などの高度な資格を取得し設計や構造計算のエキスパートとして活躍する道があります。また近年では、建設業界でもDXの推進により、BIMやIoT技術の専門家としてのキャリアパスも注目されています。
建設業界では女性のキャリア形成も進んでおり、特に設計職や積算職ではきめ細かな対応力を活かして高い評価を得ています。
また未経験から建設業へのキャリアチェンジも、施工管理の助手やCADオペレーターなどからスタートし、段階的にスキルアップすることで実現可能です。
建設業界の職種と役割
建設業界には、プロジェクトの企画から完成まで様々な専門職が存在します。主な職種には、以下のようなものがあります。
- 現場監督・施工管理技士
- 建築設計職
- 積算・見積担当
- 営業職
現場監督・施工管理技士は、工事現場全体の進行管理や品質管理、安全管理を担当し、建設プロジェクトの要となる存在です。建築設計者は、建物の設計図面の作成から構造計算、施工図の確認まで、建物の設計全般を担当します。
積算・見積担当者は、建設プロジェクトのコスト管理の専門家として材料費や労務費の算出、予算管理を行います。営業職は顧客との商談や提案活動を通じて新規案件の獲得を担当し、建設会社の売上に直接貢献します。
これらの職種は、それぞれの専門性を活かしながら相互に連携してプロジェクトを進めていきます。
職種別の年収相場
建設業界の年収は、職種や経験年数、保有資格によって大きく異なります。
現場監督・施工管理技士は、新卒で300〜350万円からスタートし、一級建築施工管理技士の資格を取得すると400〜500万円程度まで上昇するのが一般的です。10年以上の経験を積むと、600万円以上の年収も珍しくありません。
建築設計者は経験10年程度で500〜700万円程度、一級建築士の資格を持つと年収が大きく上昇します。積算・見積担当者は、建築コスト管理士などの資格取得により、450〜600万円程度の年収が期待できます。
建設業の営業職は成果報酬型の給与体系が多く、実績次第で高収入を得られる可能性があります。どの職種でも、管理職になると700万円以上の年収が見込めます。
建設業のキャリアパス ~職種別に徹底比較~
続いて、建設業のキャリアパスを以下の職種別に具体的に見ていきましょう。
- 現場監督・施工管理技士のキャリアパス
- 建築設計者のキャリアパス
- 積算・見積担当者のキャリアパス
- 営業職のキャリアパス
それではひとつずつ解説します。
現場監督・施工管理技士のキャリアパス
現場監督・施工管理 | |
---|---|
未経験からの キャリアパスモデル |
現場監督補助 → 小規模現場責任者 → 大規模現場代理人 → 工事部長 |
年収目安 (経験10年) |
500-700万円 |
必須資格 |
|
求められる適性 |
|
魅力・やりがい |
|
課題・注意点 |
|
独立の可能性 | 工事監理会社として独立 |
現場監督・施工管理技士のキャリアは、通常、現場代理人の補佐からスタートします。
はじめの2〜3年は、工程管理や品質管理、安全管理の基本を先輩社員の指導のもとで学びます。その間に二級建築施工管理技士の資格を取得し、小規模な現場の責任者として経験を積んでいくのが一般的です。
5年程度の経験を積んで一級建築施工管理技士の資格を取得すると、より大規模な現場の現場代理人として活躍できるようになります。
10年以上のキャリアを積むと、複数の現場を統括する工事部長や工事所長としてマネジメント職へのステップアップも可能です。また専門性を活かして、品質管理や安全管理のスペシャリストとしてのキャリアを築くこともできます。
<キャリアパス例>
補佐(現場監督補助)→小規模な現場の責任者(二級建築施工管理技士)→大規模な現場代理人(一級建築施工管理技士)
- → 工事部長・工事所長(マネジメント職)
- → スペシャリスト(品質管理・安全管理)
建築設計者のキャリアパス
建築設計 | |
---|---|
未経験からの キャリアパスモデル |
CADオペレーター → 設計アシスタント → 設計主任 → 設計室長 |
年収目安 (経験10年) |
500-800万円 |
必須資格 |
|
求められる適性 |
|
魅力・やりがい |
|
課題・注意点 |
|
独立の可能性 | 設計事務所開業 |
建築設計者のキャリアパスは、CADオペレーターや設計アシスタントとしてキャリアをスタートさせます。
基本的な図面作成や資料作成の技術を習得しながら、建築の実務経験を積んでいきます。3〜4年程度の経験を積むと、小規模な建築物の設計を任されるようになり、二級建築士の資格取得を目指します。
一級建築士の資格を取得すると、より大規模なプロジェクトの設計主任として活躍できるようになります。10年以上のキャリアを積むと、設計部門のマネージャーや設計室長として組織のマネジメントを担当したり、設計事務所を独立開業したりする選択肢も広がります。
近年では、環境配慮型建築やリノベーション設計など、専門分野に特化したキャリアも注目されています。
<キャリアパス例>
設計アシスタント・CADオペレーター → 小規模建築物の設計(二級建築士) → 大規模プロジェクトの設計主任(一級建築士)
- → 設計部門マネージャー・設計室長
- → 専門分野特化(環境配慮型建築・リノベーション設計など)
- → 独立(設計事務所など)
積算・見積担当者のキャリアパス
積算・見積 | |
---|---|
未経験からの キャリアパスモデル |
数量拾い補助 → 見積担当 → 積算責任者 → 積算部長 |
年収目安 (経験10年) |
450-600万円 |
必須資格 |
|
求められる適性 |
|
魅力・やりがい |
|
課題・注意点 |
|
独立の可能性 | コストコンサルタント |
積算・見積担当者のキャリアパスでは、まず基本的な数量拾いや単価設定の手法を学びます。
先輩社員の指導のもと、材料費や労務費の算出方法、見積書作成の基本を習得していきます。3年程度の経験を積むと、小規模案件の見積業務を任されるようになり、建築積算士の資格取得を目指します。
5年以上の経験を積み、建築コスト管理士の資格を取得すると、大規模プロジェクトの積算責任者として活躍できるようになります。また原価管理や予算管理のスペシャリストとして、経営的な視点でのコスト管理も担当するようになります。
キャリアの後半では、積算部門のマネージャーとして後進の育成に携わったり、独立してコストコンサルタントとして活動したりする道も開かれています。
<キャリアパス例>
数量拾い・単価設定の学習 → 小規模案件の見積業務(建築積算士) → 大規模プロジェクトの積算責任者(建築コスト管理士)
- → 原価管理・予算管理のスペシャリスト
- → 積算部門マネージャー
- → 独立(コストコンサルタントなど)
営業職のキャリアパス
営業職 | |
---|---|
未経験からの キャリアパスモデル |
営業アシスタント → 営業担当 → チームリーダー → 営業部長 |
年収目安 (経験10年) |
500-1,000万円(成果報酬含む) |
必須資格 | 宅建があると有利 |
求められる適性 |
|
魅力・やりがい |
|
課題・注意点 |
|
独立の可能性 | 建設コンサルタント |
営業職は、まず先輩社員に同行して商談や現場見学の進め方を学びます。
建設業の基礎知識や業界用語、見積書の見方なども習得しながら、徐々に自身で案件を担当するようになります。3年程度で一人前の営業担当者として、新規開拓から契約締結まで一貫して案件を管理できるようになります。
5年以上の経験を積むと大型案件や重要顧客を担当するようになり、チームのリーダーとしてメンバーの指導も行います。
10年以上のキャリアでは、営業部門のマネージャーとして戦略立案や組織管理を担当したり、役員として経営に参画したりする道が開かれます。また豊富な人脈を活かして独立し、建設コンサルタントとして活躍する選択肢もあります。
<キャリアパス例>
基礎知識習得 → 案件担当(一人前の営業担当者) → 大型案件・重要顧客の担当(チームリーダー)
- → 営業部門マネージャー
- → 役員
- → 独立(建設コンサルタントなど)
建設業界でキャリアアップに必要な資格とスキル
建設業界のキャリアパスでは、特に技術力を証明する資格が重要視されます。そのため着実にキャリアアップするためには、計画的な資格取得とスキル向上が不可欠です。
建設業界で必要とされる主な資格とスキルには、以下のようなものがあります。
分類 | 資格 | スキル |
---|---|---|
建築系 |
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土木系 |
|
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管理系 |
|
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その他 | - |
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分類ごとに詳しく見ていきましょう。
建築系の必須資格
建築分野では、一級建築士が最も権威のある資格です。設計・監理業務を行う上で不可欠であり、取得には実務経験と高度な専門知識が求められます。
また施工管理では、一級建築施工管理技士が重要な資格となります。この資格は、現場監督として大規模な建設現場を管理する際に必須となります。
その他にも、建築設備士や建築積算士、建築コスト管理士など、専門分野に応じた資格があります。
これらの資格はキャリアアップや転職時の強みとなるだけでなく、給与アップにも直結します。資格取得には長期的な準備が必要ですが、建設業界でのキャリア形成において重要な投資となります。
土木系の必須資格
土木分野では、一級土木施工管理技士が最も基本的な資格です。
この資格は、土木工事の施工管理を行う上で必須とされ、現場監督としてのキャリアを築く際の重要な足がかりとなります。より高度な資格として技術士があり、特に建設部門の技術士は、高度な技術力を証明する資格として評価されています。
また、測量士や地質調査技士、コンクリート技士など専門分野に特化した資格も重要です。これらの資格は、特定の工事や業務において責任者となる際に必要とされます。
土木分野では、複数の資格を組み合わせることで、より幅広い業務に対応できる技術者として評価されます。
管理系の推奨資格
プロジェクトマネージャーやマネジメント職を目指す場合、技術資格に加えてマネジメント系の資格取得も重要です。
特にPMP(Project Management Professional)は、国際的に認知されたプロジェクトマネジメントの資格として評価が高く、大規模プロジェクトの管理職として活躍する際に強みとなります。
また建設業経理士は建設業の財務や経理に関する専門知識を証明する資格で、経営層を目指す上で重要です。
その他、衛生管理者や安全管理者など、現場の安全衛生管理に関する資格も、マネジメント職として必要とされるスキルを証明するものとして価値があります。
その他の専門スキル
資格以外にも、建設業界でのキャリアアップには様々な専門スキルが求められます。
特にCADやBIM(Building Information Modeling)などのデジタルツールの操作スキルは、近年ますます重要性が高まっています。また環境アセスメントや省エネ計算など環境配慮型建築に関する知識も、今後のキャリア形成において重要な要素となっています。
コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力も、管理職を目指す上で欠かせないスキルです。英語力はグローバルなプロジェクトに携わる際に重要となります。
これらのソフトスキルは、日々の業務経験を通じて磨いていくことが大切です。
建設業界で年収アップを目指す3つの戦略
建設業界での年収アップは、資格取得や経験の蓄積、そして適切なキャリア戦略の選択によって実現できます。
ここでは、具体的な年収アップの方法を、基礎年収の向上、キャリアアップ、そして独立・起業という3つの観点から詳しく解説します。
- 基礎年収を上げる
- キャリアアップ・転職をする
- 独立・起業する
それでは順に見ていきましょう。
年収アップ戦略1|基礎年収を上げる
建設業のキャリアパスにおいて、基礎年収を上げるためには資格取得がまず重要です。
一級建築士や一級建築施工管理技士などの資格を取得することで、基本給が上がるだけでなく、資格手当も加算されます。多くの建設会社では、資格取得支援制度も整備されており、取得費用の補助や報奨金制度なども用意されています。
また経験を積むことで高度な業務を任されるようになり、それに応じて給与も上昇します。特に大規模プロジェクトや難易度の高い工事での実績は、年収アップに直結します。
基礎年収を上げるためには会社選びも重要です。大手ゼネコンや優良な中堅建設会社では、充実した給与体系や福利厚生制度が整備されています。業界研究を十分に行い、自身のキャリアプランに合った企業を選択することが、安定した年収アップにつながります。
年収アップ戦略2|キャリアアップ・転職をする
管理職への昇進は、年収アップの大きな機会となります。
現場監督から工事長、さらに工事部長へとステップアップすることで、基本給の上昇に加えて職務手当や役職手当などが加算されます。ただし管理職として成功するためには、技術力だけでなく、リーダーシップやマネジメントスキルの向上も必要です。
あるいは専門性を深めることも年収アップの有効な戦略です。設計、積算、環境配慮型建築など特定の分野でのエキスパートとして認められることで、より高い報酬を得ることができます。
職場内でのキャリアアップや昇進機会に限界がある場合は、より良い待遇を求めて建設業界内で転職することも年収アップの機会となります。
しかし転職する場合は単純な年収比較だけでなく、将来のキャリアパスや企業の成長性、福利厚生なども含めて総合的に判断することが重要です。
転職による年収アップの実現方法
建設業界での転職による年収アップは、適切な市場価値の把握と戦略的な転職先の選択が重要です。
特に一級建築士や一級施工管理技士などの資格保持者は転職市場での価値が高く、年収を20〜30%アップさせることも可能です。大手ゼネコンや成長中の中堅建設会社では経験者の採用に積極的で、好条件を提示することも多くあります。
また専門性を活かした転職も効果的です。たとえば環境配慮型建築やリノベーション、医療施設など、特定分野での経験は高く評価されます。
転職活動では、建設業界に特化した転職エージェントを活用し、現在の市場動向や求人情報、年収相場などの情報を収集しましょう。また職務経歴書は具体的な実績や数値を盛り込み、自身の強みを明確にアピールすることが大切です。
年収アップ戦略3|独立・起業する
独立・起業は、より大きな収入を得る可能性を秘めています。
建設業界での豊富な経験と専門知識を活かして設計事務所や工務店を立ち上げることで、経営者として高い収入を得ることができます。
ただし独立にはリスクも伴うため、十分な準備と計画が必要です。特に一定期間の実務経験や必要な資格の取得、顧客基盤の構築などが重要となります。
また建設コンサルタントや積算事務所など、専門性を活かした事業展開も選択肢となります。独立準備の段階から、税務や労務管理などの経営知識も学んでおく必要があります。
独立成功のためには、技術力だけでなく、営業力や資金管理能力なども求められます。リスクを最小限に抑えるため、独立に向けた段階的なアプローチを検討することをおすすめします。
建設業界でキャリア形成を阻む5つの壁と対策
建設業はやりがいのある仕事ですが、キャリア形成には次のような課題や障壁も存在します。
- 長時間労働
- 体力的な負担
- 資格取得の難しさ
- キャリアプランを立てにくい
- 3K(きつい・汚い・危険)のイメージ
それでは順に見ていきましょう。
長時間労働
建設現場は特に長時間労働になりがちで、ワークライフバランスを保つことが難しいという点が挙げられます。残業時間が多く、プライベートな時間を確保できないために、キャリアアップのための学習時間や自己研鑽の時間が不足しがちです。
しかし近年では、多くの企業で働き方改革が進められています。
具体的には、ICTツールの導入による業務効率化やノー残業デーの設定、休日の確保などの取り組みが行われています。個人レベルでも、タスク管理の効率化や優先順位の明確化によって、時間管理を改善することができます。
また建設現場でのIoTやAIの活用により、従来は人手に頼っていた作業の自動化も進んでいます。これらの新技術を積極的に活用することで、労働時間の削減と業務効率の向上が期待できます。
転職に際して、ワークライフバランスを重視する企業を選ぶことも一つの選択肢です。
体力的な負担
建設行は重労働や長時間立ち仕事など、体力的な負担が大きい仕事が多く、年齢的な体力の衰えでキャリアアップが難しくなるケースが少なくありません。また女性にとっても大きな障壁となります。
これに対して、建設現場での体力的な負担を軽減するため、昨今は様々な対策が講じられています。パワーアシストスーツなどの補助機器の導入や重機・ロボットの活用により、重労働の負担が軽減されつつあります。
また定期的な健康診断や体力管理、適切な休憩時間の確保なども重要な対策となります。
特に年齢を重ねてから建設業でキャリアを継続するためには、早い段階から体力管理を意識することが大切です。また現場監督からマネジメント職へのキャリアチェンジや設計・積算などの事務職への移行も、体力的な負担を軽減する選択肢となります。
資格取得の難しさ
建設業界には、施工管理技士や一級建築士など多くの資格が存在します。これらの資格を取得するためには専門的な知識や経験が必要であり、独学では難しいケースが多いため資格取得のハードルが高いと感じている人も多くいます。
この課題については、計画的な学習と実務経験の組み合わせで克服する必要があります。
多くの企業では資格取得支援制度を設けていますので、積極的に活用しましょう。また通信教育やオンライン学習を活用することで、仕事と学習の両立も可能です。さらに社内の勉強会や資格取得者からのアドバイスも、学習の助けとなります。
キャリアプランを立てにくい
建設業界のキャリアパスは企業や職種によって大きく異なり、具体的なキャリアプランを立てにくいという点が挙げられます。そのため、キャリア形成のモチベーションが低下してしまう人もいます。
この課題に対しては、まず自身のキャリアビジョンを明確にし、それに向けて自ら積極的に目標設定を行うことが重要です。
たとえば5年後、10年後にどのようなポジションを目指すのか、そのために必要な資格やスキルは何かを明らかにし、その習得に向けた行動計画を具体的に立てることで自分なりのキャリアパスを構築できます。
また社内外のロールモデルを探し、キャリア形成の参考にすることも効果的です。特に管理職や独立起業した先輩社員との対話を通じて、実践的なアドバイスを得られることがあります。
ほかにも、転職エージェントやキャリアコンサルタントに相談することで、より客観的な視点からのキャリアプランニングが可能です。
3K(きつい・汚い・危険)のイメージ
建設業界は、3K(きつい・汚い・危険)といったイメージが根強く残っており、特に若い世代や女性からの人気が低迷しているのが現状です。
しかし実際の現場では、新技術の導入や環境改善の取り組みにより徐々に変わりつつあります。
最新の安全管理システムやIoT技術の導入により、作業環境の安全性は大きく向上しています。またドローンやBIM(Building Information Modeling)の活用によって従来の危険な作業や重労働が軽減され、より効率的で安全な作業環境が実現されています。
女性の技術者の増加も業界イメージの改善に貢献しています。多くの企業で女性が活躍できる職場環境の整備が進められ、産休・育休制度の充実やフレックスタイム制の導入なども進んでいます。
このように、建設業界は着実に「新3K(給与が高い・休暇が取れる・希望が持てる)」へと変革を遂げつつあるのです。
建設業界にキャリアチェンジするには
建設業界は、未経験者でもキャリアチェンジが可能な業界です。
特に施工管理や設計など専門性の高い職種では着実にキャリアアップできる道筋があり、やりがいのある仕事として人気があります。またデジタル化の進展によって従来の建設業のイメージが大きく変わりつつあり、女性や異業種からの転職者も増加しています。
ここでは、建設業界への転職を考えている方に向けて、その魅力とキャリアチェンジのコツを解説します。
- 建設業に転職するメリット・デメリット
- 建設業に向いてる人の特徴
- 異業種から建設業への転職で活かせる経験・強み
- 未経験からの転職活動のポイント
それでは順に見ていきましょう。
建設業に転職するメリット・デメリット
建設業へのキャリアチェンジには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット |
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デメリット |
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このように、建設業への転職にはメリットが多くあります。
一方、デメリットについては、適切な準備と計画によって克服することが可能です。特に近年は、建設業界でもワークライフバランスを重視する企業が増えており、労働環境も改善傾向にあります。
建設業に向いてる人の特徴
建設業界でキャリアを築くには、次のような適性が重要です。
- 建設業に向いているのはこんな人!
-
- 論理的に考え計画的に進められる
- 全体を俯瞰し細部まで注意を払える
- コミュニケーション能力が高い
- マルチタスクをこなせる
- 問題解決能力と状況判断力がある
- 継続的に学習し資格取得に励める
建設業界でのキャリアパスを考える際は、これらの適性について自己分析してみましょう。
さらに未経験から建設業への転職を考えている方は、新しいことを学ぶ意欲と向上心があることも重要なポイントです。
異業種から建設業への転職で活かせる経験・強み
異業種からの転職者も、これまでの経験を建設業界で活かすことができます。
たとえば営業職の経験がある方は、建設業界での営業職や積算職に活かせる交渉力やコミュニケーション能力を持っています。また事務職の経験者は、書類作成能力や数値管理のスキルを工事書類の作成や原価管理に活かすことができます。
IT業界からの転職者は、建設業界のデジタル化やBIMの導入が進む中、そのスキルを大いに活かせる可能性があります。また製造業での品質管理や工程管理の経験は、建設現場での施工管理に直接役立てることができます。
このように、異業種での経験は建設業界での新たなキャリアパスを築く上で、むしろ強みとなることも多いのです。
さらに異業種ならではの視点や発想は、建設業界に新しい価値をもたらす可能性もあります。特に業務改善や効率化の面で、異業種での経験が活きてくることがあります。
未経験からの転職活動のポイント
建設業界への転職を成功させるためには、計画的な準備と効果的な転職活動が重要です。
まず未経験者の場合、基本的な業界知識や専門用語の習得から始めることをおすすめします。業界専門の転職エージェントを活用することで、市場動向や求人情報、必要なスキルについて具体的なアドバイスを得ることができます。
また職種によって求められる資格や経験が異なるため、志望する職種に応じた準備が必要です。施工管理を目指す場合は、施工管理技士の資格取得を視野に入れた学習計画を立てることが重要です。設計職を目指す場合は、CADなどの基本的なスキルを習得しておくことが望ましいでしょう。
転職先の選定では、研修制度や資格取得支援制度が充実している企業を選ぶことで、よりスムーズなキャリアチェンジが可能になります。特に建設業界では実務経験が重要視されるため、実践的な研修プログラムがある企業を選ぶことをおすすめします。
- 転職活動のポイント
-
- 基本的な業界知識や専門用語を学ぶ
- 転職エージェントを活用して情報収集
- 志望職種に必要な資格やスキルを準備(例:施工管理技士、CADスキルなど)
- 研修制度や資格取得支援が充実した企業を選ぶ
- 実践的な研修プログラムがある企業を重視
みんなが使っている転職サービス上位6選 【1,382人に聞いた転職サービス利用状況】
実際に登録したことのある転職サービスについてアンケートをとりました。アンケート結果として、みんなが使っている転職サービスの上位6サービスは以下です。
- 1位|リクルートエージェント(821人)
- 2位|doda(564人)
- 3位|リクナビNEXT(389人)
- 4位|マイナビAGENT(312人)
- 5位|ビズリーチ(288人)
- 6位|エン転職(282人)
※転職サービスの利用アンケート(クラウドワークス) 回答数:1,382 / 集計期間:2024年09月19日~10月03日
1位|リクルートエージェント(利用回答数:821人) 圧倒的な求人数
「リクルートエージェント」は、株式会社リクルートによる転職エージェントです。求人数、安定したサービス品質でまずは登録が必須のエージェントです。
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- リクルートエージェントのおすすめポイント
- 求人数が圧倒的に多い
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基本データ
リクルートエージェント | |
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求人数 | 公開求人474,685件/非公開求人399,542件(2024年10月22日現在) |
提供サービス | エージェントサービス、提出書類の添削、面接対策、独自に分析した業界・企業情報の提供 |
拠点 | 東京・北海道・宮城・宇都宮・さいたま・千葉・横浜・金沢・新潟・長野・静岡・名古屋・京都・大阪・神戸・岡山・広島・高松・福岡 |
URL | https://www.r-agent.com/ |
2位|doda(利用回答数:564人) エージェント/サイトの一体型で自分でも応募が可能
「doda」は、人材紹介・転職支援を行う大手「パーソルキャリア」が運営する総合型転職サイトです。エージェントサービスも利用できる点が人気の理由の1つになっています。
dodaも求人数が多く、非公開求人も条件が良いものが多いのが大きなポイントです。
また転職サイトと転職エージェントの一体型で、使い方の自由度が高いのもおすすめポイント。エージェントサービスでは専任のキャリアアドバイザーがサポートしてくれます。なお企業との対応は採用プロジェクト担当が行い、求職者と企業とでそれぞれ別のプロフェッショナルが対応します。
- dodaのおすすめポイント
- 非公開求人も好条件多数
- 転職サイトと転職エージェントの一体型で自由度が高い
- 専任のキャリアアドバイザーがサポート、企業は別のプロフェッショナルが対応
基本データ
doda | |
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求人数 | 公開求人262,342件/非公開求人31.049件(2024年10月22日現在) |
提供サービス | スカウトサービス、年収査定、合格診断、レジュメビルダー、「自己PR」発掘診断、転職タイプ診断、はたらく女性のためのモヤモヤ解消診断、オンライン仕事力診断 |
拠点 | 東京・横浜・札幌・仙台・静岡・名古屋・大阪・京都・神戸・岡山・広島・福岡・鹿児島 |
URL | https://doda.jp/consultant/ |
3位|リクナビNEXT(利用回答数:389人) 求人サイト群の中でも最大級の求人数と使いやすさ
「リクナビNEXT」は、大手の株式会社リクルートによる定番の転職サイトです。サイトの見やすさや使いやすさにも定評があります。
エージェントなしの狭義の転職サイトの中では、求人数はトップクラス。新規の求人も多く、定期的にチェックすることで希望に合う求人に出会える可能性が高まります。
ツールが便利でサイトが使いやすいのも特長です。たとえば「気になるリスト」を使うと、気になる企業や後でゆっくりチェックしたい企業をリスト化できるほか、気になるに追加した企業から面接のオファーが来る可能性があります。
そのほか、公開求人・非公開求人の企業からオファーがもらえる「オファーを待つ」、自己分析ツール「グッドポイント診断」などがあります。
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基本データ
リクナビNEXT | |
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求人数 | 公開求人824,000件以上(2024年10月22日現在) |
提供サービス | オファー、気になるリスト、グッドポイント診断 |
URL | https://next.rikunabi.com/ |
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履歴書や職務経歴書のサポートも充実、初めての転職でも安心して利用できます。IT、営業など業種・職種別のサービスもあります。自分が探している業種と一致するならより探しやすくなるでしょう。
- マイナビAGENTのおすすめポイント
- 20代・30代の求人が多い
- 地方の求人も充実
- 履歴書や職務経歴書のサポートもあり安心
基本データ
マイナビAGENT | |
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公開求人数 | 非公開 |
提供サービス | エージェントサービス |
拠点 | 拠点情報はこちらをご確認ください |
URL | https://mynavi-agent.jp/ |
5位|ビズリーチ(利用回答数:288人) ハイクラス向けで企業からスカウトが受けられる
「ビズリーチ」は、ハイクラス求人が多いのが特徴の転職サイトです。厳密にはスカウト型のサイトで、エージェントではありません。登録するとヘッドハンターや企業からのスカウトが受けられます。
最大の特長は、ハイクラス求人が多いことです。年収1,000万円以上の求人が1/3以上を占めています。一定以上の経験やスキルがある人が転職活動するのに役立つサービスです。
もう1つの大きな特徴として、登録するだけでヘッドハンターや企業からスカウトが届く点があります。以前は「スカウト」と「プラチナスカウト」の2種がありましたが、今は「プラチナスカウト」に一本化されています。プラチナスカウト経由での採用は全体の約70%。採用される可能性が高く、スカウトが届いたら大きなチャンスです。実際、企業からスカウトが届いた場合は書類選考が免除されます。
基本的にヘッドハンターはアドバイスをしませんが、場合によってはアドバイスをもらえることもあります。無料プランと有料プランがあり、有料プランは制限なく求人に応募できます。
- ビズリーチのおすすめポイント
- ヘッドハンターや企業からのスカウトが受けられるハイクラス向けサイト
- 企業からプラチナスカウトが来た場合は即面接が可能
- 有料プランなら制限なく求人に応募できる
基本データ
ビズリーチ | |
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求人数 | 公開求人138,081件(2024年10月22日現在) |
提供サービス | スカウトサービス、有料プラン(プレミアムステージ) |
拠点 | 東京・大阪・名古屋・福岡・静岡・広島 |
URL | https://www.bizreach.jp/ |
6位|エン転職(利用回答数:282人) サイトが使いやすく情報も充実、利用者の満足度が高い
「エン転職」は、人材サービス大手の一つエン・ジャパン株式会社による転職サイトです。エージェントサービスも利用できます。
オリコン顧客満足度調査の転職サイト部門で、2018年から2024年まで7年連続で総合満足度No.1となっています。サイトの使いやすさは定評があり、自力で検索・応募するのに適したサービスです。口コミなどの情報も充実しており、企業間の比較検討もしやすくなっています。
さらに転職サイトのほか転職エージェントとしても利用することができ、非公開求人も多数保有しています。大手ですが最大手ほどでない規模で、きめ細かいサポートを受けることが可能。また女性向けのページのほか、ミドルや若手ハイキャリアなどに特化した関連サイトもあります。
- エン転職のおすすめポイント
- 2018年から2024年まで7年連続で総合満足度No.1
- サイトが使いやすいほか情報も充実
- 非公開求人も多数保有
基本データ
エン転職 | |
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求人数 | 公開求人152,678件(2024年10月22日現在) |
提供サービス | エージェントサービス |
URL | https://employment.en-japan.com/ |
まとめ
この記事では、建設業のキャリアパスについて、多角的な視点から解説してきました。
建設業界のキャリアパスは、技術の進化とともに大きく変化しています。
従来の施工管理や設計業務に加え、DXの進展により新たな職種や専門性が生まれキャリアの選択肢は更に広がっています。特にデジタルスキルと従来の建設知識を組み合わせた人材の需要は高く、年収面でも魅力的な条件が提示されています。
建設業界でのキャリアアップや年収アップには、計画的な資格取得と専門スキルの習得が不可欠です。また未経験から建設業にキャリアチェンジする場合は、転職エージェントを活用しながら計画的に転職活動を進めましょう。
建設業界には、あなたの能力を活かせる多くのチャンスが待っています。この記事をきっかけに、キャリアの選択肢の一つとして検討していただければ幸いです。