- この記事でわかること
- ヘルプデスクはITサポートの入り口、トラブルシューティングやユーザーサポートが主な業務
- ヘルプデスクは管理職や社内SE、エンジニアなど、多岐にわたるキャリアアップが可能
- キャリアプラン例をケース別に3選紹介
- 未経験からヘルプデスクを目指す方法:必要なスキルや資格を身につけ、実績や意欲をアピールしよう
ヘルプデスクのキャリアパスには、様々な可能性が広がっています。
技術力とコミュニケーション能力を兼ね備えたヘルプデスクは、IT業界で高い需要がある職種の一つです。技術サポートの経験を活かして、管理職やエンジニア、コンサルタントなど、様々な方向にキャリアアップすることもできます。
この記事では、ヘルプデスクの基本的な仕事内容から、将来のキャリアパスの選択肢、そしてキャリアアップに必要なスキルや資格まで詳しく解説していきます。
未経験からヘルプデスクへのキャリアチェンジを考えている方も既にヘルプデスクとして活躍中の方も、ぜひ最後までご覧になってキャリアプラン設計の参考にしてください。
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Contents
ヘルプデスクとは?主な仕事内容と年収相場
ヘルプデスクは、IT業界のキャリアパスの入り口として注目されている職種です。社内外のユーザーに対する技術サポートを通じて、幅広いITスキルと問題解決能力を身につけることができます。
まず最初に、ヘルプデスクの基本的な仕事内容から年収相場、そして業界動向まで詳しく解説していきます。
- ヘルプデスクの主な仕事内容
- ヘルプデスクとカスタマーサポートの違い
- ヘルプデスクの年収相場
- 業界動向と市場ニーズ
それでは順に見ていきましょう。
ヘルプデスクの主な仕事内容
ヘルプデスクの主な仕事内容は、社内外からのIT関連の問い合わせへの対応業務です。具体的には、PCやソフトウェアの操作方法の説明、システムトラブルの一次対応、各種設定変更の支援などを行っています。
これらの業務を遂行するためには、基本的なITリテラシーはもちろん、コミュニケーション能力が不可欠です。特に技術的な内容を分かりやすく説明する力や、ストレス状態にあるユーザーに対して冷静に対応する能力が求められます。
また近年では単純な問い合わせ対応だけでなく、トラブルの分析やナレッジの作成、業務改善の提案なども期待される場合が増えています。このため、論理的思考力やドキュメンテーション能力も必要とされる仕事です。
ヘルプデスクとカスタマーサポートの違い
一般的なカスタマーサポートとヘルプデスクは、どちらもサポート業務という点で共通していますが、その専門性と対応範囲に大きな違いがあります。
ヘルプデスクは、システムやソフトウェアに関する技術的な問題解決に特化しており、ITの専門知識が必須となります。問い合わせの内容も、ネットワークの設定やソフトウェアのエラー対応など、より技術的な事項が中心です。
一方、カスタマーサポートは製品やサービス全般に関する問い合わせに対応し、返品や料金に関する質問など、より一般的な顧客対応が主な業務となります。
またヘルプデスクは社内システムのサポートが中心であるのに対し、カスタマーサポートは主に一般消費者向けのサービスを提供する点が異なります。
ヘルプデスクの給与相場
ヘルプデスクの給与相場は、経験年数や勤務地域によって大きく異なりますが、未経験者の場合は年収300万円前後からスタートするのが一般的です。
その後3年程度の経験を積むと350万円から400万円程度まで上昇し、チームリーダーやマネージャーといった管理職になると450万円から500万円以上も視野に入ってきます。
特にIT関連の資格取得やプログラミングなどの専門スキルを習得することで、より高度な技術職へのステップアップも可能となり、さらなる収入アップが期待できます。また大手IT企業や金融機関などでは、これらの平均値を上回るケースも少なくありません。
待遇面では、シフト制での勤務が多く、休日出勤や夜勤がある場合もあります。一方で比較的残業が少ない職場も多く、ワークライフバランスを重視する方には向いている職種といえます。
福利厚生は企業によって差がありますが、大手企業では各種保険や住宅手当、資格取得支援制度などが充実しています。ただし派遣やSES企業での勤務の場合は、正社員と比べて待遇面で差がある場合もあります。
業界動向と市場ニーズ
ヘルプデスクの需要は、企業のIT化が進む中で依然として高い水準を保っています。特にテレワークの普及により、リモートでのサポート需要が増加しているのが特徴です。
市場動向としては、AIやチャットボットの導入により単純な問い合わせ対応は自動化される傾向にあります。しかし複雑な問題解決や、ユーザーとの直接的なコミュニケーションが必要な場面では、人による対応が重要視されています。
またクラウドサービスの普及により必要とされるスキルセットも変化しています。従来の機器操作やソフトウェアの知識に加えて、クラウドサービスの利用支援やセキュリティ対策の知識なども求められるようになってきています。
ヘルプデスクのキャリアパスの考え方
ヘルプデスクとして活躍するには、まず自分自身のキャリアプランを明確にする必要があります。
キャリアチェンジを成功させるためには、まず自分自身のキャリアプランを明確にする必要があります。ここでは、ヘルプデスクからのキャリアアップを考える際に、押さえておくべき重要なポイントを解説します。
- キャリアパスを考える目的
- キャリアプランニングの方法
- ヘルプデスクの一般的なキャリアパス
それでは順に見ていきましょう。
キャリアパスを考える目的
ヘルプデスクを目指す方や、すでにヘルプデスクとして働いている方がキャリアパスを考えることには重要な意味があります。
まずヘルプデスクは多くの人にとってIT業界での最初のステップとなり、そこから様々な専門職へと成長できる可能性を秘めています。例えば技術的な知識を深めてエンジニアになるか、それともマネジメントスキルを磨いて管理職を目指すかなど、将来の方向性を意識することで、より効果的なスキルアップが可能になります。
またIT業界は技術革新が速く、求められるスキルも常に変化しています。キャリアパスを明確にすることで、今後必要となるスキルや資格を事前に把握し、計画的な学習を進めることができます。
さらにヘルプデスクの経験は、技術的な知識だけでなくコミュニケーション能力や問題解決力など、様々な職種で活かせるスキルを培う機会となります。これらのスキルをどのように発展させ、キャリアに活かしていくかを考えることも重要です。
キャリアプランニングの方法
キャリアプランニングとは、自身の職業人生における目標を設定しそれを達成するための道筋を描くことです。ヘルプデスクのキャリアパスを踏まえて、まず5年後、10年後の自分をイメージすることが重要です。
またヘルプデスクの仕事において競争力を保つには、定期的なスキルアップと業界のトレンドを追うことが欠かせません。
キャリアプランとして具体的な計画を立てることで必要なスキルや資格を明確にし、目標に向かって計画的に行動することで漠然とした将来への不安を解消することができます。
キャリアプランは、決めたあとに何度でも変えることができます。市場環境の変化や自身の興味関心の変化に応じて、柔軟に見直していくことが大切です。
ヘルプデスクの一般的なキャリアパス
ヘルプデスクのキャリアパスは、一般的には次のように進めていきます。
入社後数年間で基本的な技術サポートスキルを習得し、その後、より複雑な問題解決能力やチームマネジメント技術を発達させることが求められます。
たとえば初心者レベルでは、顧客からの一般的な問い合わせに回答することからスタートし、数年の経験を積むことでトラブルシューティングの専門家やチームリーダーへとステップアップしていきます。この過程では業務効率化のためのプロセス改善や、ヘルプデスクソフトウェアの導入・運用の知識も重要になります。
さらに中級レベルを過ぎると、システム管理者やITプロジェクトマネージャーといった上位職への道が開け、技術的なスキルだけでなく、プロジェクト管理やチームの育成能力を高めることがキャリアアップにつながります。
ヘルプデスクから広がる将来のキャリアパス
ヘルプデスク経験者には、多様なキャリアの可能性が開かれています。日々の業務で培った技術知識とコミュニケーションスキルを活かし、技術職やマネジメント職、さらには異業種へのキャリアチェンジまで、幅広い選択肢があります。
この章では、以下のキャリアパス例を挙げて具体的に解説します。
- 管理職へのステップアップ
- プログラマーへの転向
- 社内SEへの移行
- ITエンジニアへのキャリアアップ
- ITコンサルタントへの挑戦
- 事務職へのキャリアチェンジ
それぞれのキャリアパスの特徴と必要なスキルを詳しく見ていきましょう。
管理職へのステップアップ
ヘルプデスクでの経験を活かして管理職を目指すキャリアパスは、多くの人が選択する道の一つです。チームリーダーから始まり、マネージャー、さらには部門長へと段階的にステップアップしていきます。
このキャリアパスでは、技術的な知識に加えてチームマネジメントやプロジェクト管理のスキルが重要になります。特にメンバーの育成や業務の効率化、予算管理などのビジネススキルが求められます。
また社内外との調整や折衝も増えるため、より高度なコミュニケーション能力も必要となります。
プログラマーへの転向
ヘルプデスクでシステムやソフトウェアに関する知識を深めた後、プログラマーへとキャリアチェンジするケースも増えています。ユーザーからの問い合わせ対応を通じて得た実務的な課題解決能力は、プログラミングの現場でも大きな強みとなります。
この転向を成功させるためには、まずJavaやPython、PHP等の人気のプログラミング言語を習得し、実践的なコーディングスキルを磨く必要があります。さらにオブジェクト指向やデータベース設計などの基礎知識も重要です。
社内SEへの移行
ヘルプデスクから社内SEへの移行は、自然な流れのキャリアパスの一つです。システムの運用管理や改善提案、新規システムの導入支援など、より広範な業務を担当することになります。
この役割では、システム全体を俯瞰する視点が重要で、ネットワーク、セキュリティ、データベースなど、より専門的な知識が必要となります。また、ベンダーとの折衝や予算管理なども含まれるため、ビジネス面のスキルも求められます。
ITエンジニアへのキャリアアップ
ヘルプデスクでの経験を基盤に、より専門的なITエンジニアを目指すことも可能です。ネットワークエンジニアやセキュリティエンジニア、インフラエンジニアなど、特定の分野に特化したスペシャリストとしてのキャリアを築くことができます。
このキャリアパスでは、CCNA等のネットワーク関連資格や情報処理技術者試験などの専門資格の取得が重要になります。また新しい技術への継続的な学習と実践的なスキルの向上が求められます。
ITコンサルタントへの挑戦
豊富なヘルプデスク経験を活かして、ITコンサルタントとしてのキャリアを築くこともできます。企業のIT戦略の立案や、システム導入のアドバイザリー、業務改善の提案など、より戦略的な役割を担います。
このキャリアパスでは、技術知識に加えて、ビジネス分析力やプレゼンテーション能力、プロジェクトマネジメントスキルが重要になります。また業界動向や最新技術のキャッチアップも欠かせません。
事務職へのキャリアチェンジ
ヘルプデスクで培ったITスキルと業務知識を活かして、一般事務職へのキャリアチェンジを選択する人もいます。社内システムやITツールに精通していることは、事務職としても大きな強みとなります。
特にIT関連の部署での事務職やシステム管理業務を含む総務職などは、ヘルプデスクの経験を直接活かせる職種です。また、業務効率化やデジタル化の推進役として、組織に貢献することもできます。
ワークライフバランスを重視したい場合や、より安定した働き方を望む場合の選択肢として考えられます。
ヘルプデスクのキャリアプラン例
ヘルプデスクからのキャリアアップには、様々な選択肢があります。
ここでは代表的なキャリアプランの例を詳しく解説し、それぞれのパスで必要となるスキルや心構えについて説明していきます。自分の適性や目標に合わせて、最適なキャリアプランを選択する際の参考にしてください。
- 管理職へのステップアップを目指す例
- ヘルプデスクから社内SEになる例
- ヘルプデスクから事務職にキャリアチェンジする例
それでは順に見ていきましょう。
管理職へのステップアップを目指すキャリアプラン例
期間 |
役割 | 業務内容 |
スキル・資格目標 |
---|---|---|---|
入社1-2年目 | ヘルプデスク担当 |
|
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3-4年目 | シニアヘルプデスク/サブリーダー |
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5-6年目 | ヘルプデスクチームリーダー |
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7-8年目 | IT支援部門マネージャー |
|
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9年目以降 | IT統括部門の管理職 |
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ヘルプデスクとして管理職を目指す場合、技術力だけでなくマネジメントスキルの段階的な習得が重要です。特にヘルプデスクでは、日々の業務で培うコミュニケーション能力や問題解決力が将来の管理職として大きな財産となります。
ただし、早期からマネジメント志向に偏りすぎると技術的な基礎が不十分になる可能性があるため、最初の2-3年は技術力の向上にも注力することがポイントです。
ヘルプデスクから社内SEになるキャリアプラン例
期間 |
役割 | 業務内容 |
スキル・資格目標 |
---|---|---|---|
入社1-2年目 | ヘルプデスク担当 |
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3-4年目 | テクニカルサポート担当 |
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|
5-6年目 | ジュニア社内SE |
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7-8年目 | 社内SE |
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|
9年目以降 | シニア社内SE |
|
|
ヘルプデスクから社内SEを目指す場合は、技術力の向上が最重要です。ただしヘルプデスク業務をおろそかにせず、むしろ問い合わせ対応を通じて幅広い技術知識を吸収することが大切です。
特にシステムの全体像を理解する力は、ヘルプデスクならではの強みとなります。技術資格の取得は重要ですが、実践的なスキルとのバランスを意識して両輪で進めていく必要があります。
ヘルプデスクから事務職にキャリアチェンジする例
期間 |
役割 | 業務内容 |
スキル・資格目標 |
---|---|---|---|
入社1-2年目 | ヘルプデスク担当 |
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3-4年目 | ヘルプデスク/事務兼任 |
|
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5-6年目 | 事務職 |
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|
7-8年目 | 事務職リーダー |
|
|
9年目以降 | 事務部門マネージャー |
|
|
ヘルプデスクで得たIT知識は、事務職に転職した場合にも大きな強みとなります。このキャリアプランのポイントは、ヘルプデスク業務を行う上で、ITスキルに頼りすぎず、基本的な事務処理能力や業務知識の習得も計画的に進めていくことです。
特に業務改善やDX推進のスキルは両方の経験を活かせる重要な専門性となるため、意識的に経験を積むことをおすすめします。
ここまで3つのキャリアプランの例をご紹介しましたが、いかがでしたか?
キャリアプランを設計して日々の業務に取り組むことで、目標への道筋が明確になります。ただし、ここでご紹介したキャリアプランはあくまで一例であり、企業規模や業界によって具体的なステップや必要期間は異なる可能性があります。
重要なのは、目標とする職種に必要なスキルを計画的に習得していくことです。各キャリアパスにおいて、ヘルプデスクで培った技術知識やコミュニケーション能力は大きな強みとなります。
次の章では、キャリアアップの方法について、さらに詳しく解説していきます。
ヘルプデスクでのキャリアアップ方法
ヘルプデスクでキャリアアップを実現するためには、計画的なスキルアップと実践的な経験の積み重ねが不可欠です。技術スキル、ビジネススキル、資格取得など、様々な側面からの自己啓発が重要になります。
ここでは、以下の3つのキャリアアップ方法について具体的なアプローチを説明していきます。
- スキルを習得する
- 資格を取得する
- 経験を活かして転職する
それでは順に見ていきましょう。
① スキルを習得する
ITスキル、ビジネススキル、語学力は、ヘルプデスクのキャリアアップにおける三本柱と言えます。これらのスキルは、日々の業務を通じて自然と身についていく面もありますが、意識的な学習と実践を組み合わせることで、より効果的にスキルアップを図ることができます。
特に新しい技術やツールが次々と登場するIT業界では、継続的な学習姿勢が重要になります。それでは、具体的に習得すべきスキルを見ていきましょう。
ITスキル(プログラミング、ネットワーク、データベースなど)
ITスキルの習得は、ヘルプデスクのキャリアアップにおいて最も重要な要素の一つです。基本的なプログラミング言語の理解から始まり、ネットワークの設定・運用、データベースの管理まで、段階的にスキルを積み上げていきます。
またクラウドサービスやセキュリティ対策など、最新のIT技術にも常にアンテナを張り、実践的なスキルとして身につけることが重要です。オンライン学習プラットフォームやハンズオン研修なども積極的に活用し、体系的な学習を進めていきましょう。
ビジネススキル(コミュニケーション、問題解決能力など)
技術スキルと並んで重要なのが、ビジネススキルの向上です。特にユーザーとの効果的なコミュニケーション能力、問題の本質を見抜く分析力、効率的な業務改善を実現する提案力などが求められます。
これらのスキルは、日々の業務の中で意識的に実践することで磨かれていきます。また、社内外の研修プログラムや勉強会への参加も、スキルアップの良い機会となります。
語学力
グローバル化が進む現代のビジネス環境では、語学力、特に英語力の重要性が増しています。技術文書や海外ベンダーとのコミュニケーション、グローバルチームでの協業など、様々な場面で英語力が求められます。
オンライン英会話や技術英語の学習など、継続的な学習を通じて、実践的な語学力を身につけることが望ましいでしょう。
② 資格を取得する
資格取得は、自身の技術力やビジネススキルを客観的に証明する有効な手段です。また資格取得に向けた学習プロセスを通じて、実務では得られない体系的な知識を身につけることもできます。
ヘルプデスクのキャリアアップにおいて特に有効な資格と、その活用方法について説明していきます。
IT関連資格(基本情報処理技術者試験、CCNAなど)
IT関連資格の取得は、技術力の証明として重要です。基本情報処理技術者試験は、ITの基礎知識を体系的に学ぶ良い機会となります。またネットワーク分野ではCCNAなど、各専門分野に特化した資格も、キャリアアップの強力な武器となります。
資格取得に向けた学習を通じて、実務では得られない理論的な知識も深めることができます。
ビジネス関連資格
ITスキルに加えて、ビジネス関連の資格取得も検討に値します。プロジェクトマネジメント関連の資格(PMP等)や、ITILなどのフレームワーク関連の資格は、より上位のポジションを目指す際に有利となります。
また簿記やビジネス実務法務検定なども、総合的なビジネススキルの向上に役立ちます。
③ 経験を活かして転職する
転職は、キャリアアップの有効な手段の一つです。ヘルプデスクでの経験を活かして、より専門性の高いポジションや待遇の良い企業へのステップアップを図ることができます。
特に実際のユーザーとの対応を通じて得られる現場感覚や多様な技術的課題に触れられる経験は、多くの企業が求めているスキルです。
転職を成功させるためには、自身のスキルと市場価値を正確に把握し計画的な準備を進めることが重要です。また、転職エージェントの活用や、業界内の人脈作りも、より良い転職機会の獲得につながります。
ヘルプデスクでのキャリアパス選択のヒント
キャリアパスの選択は、長期的な視点で慎重に検討する必要があります。自身の適性や興味、市場動向など、様々な要素を総合的に判断し、最適な選択をすることが重要です。
ここでは、効果的なキャリアパス選択のためのポイントを詳しく解説していきます。
- 自分の強みを見つける
- 興味のある分野を深掘りする
- 将来性のある業界・職種を研究する
- キャリアプランを作成する
それでは順に見ていきましょう。
自分の強みを見つける
キャリアパスを選択する際の第一歩は、自分自身の強みを正確に把握することです。ヘルプデスク業務を通じて培った技術力、コミュニケーション能力、問題解決能力など、具体的なスキルを客観的に評価します。
またどのような業務に携わる際にやりがいを感じるか、どのような環境で最も力を発揮できるかなど自己分析を深めることで、より適切なキャリアパスの選択が可能になります。
興味のある分野を深掘りする
将来性のあるキャリアパスを選択するためには、自身が興味を持てる分野を見つけ、それを深く掘り下げることが重要です。
技術的な側面に関心がある場合は、特定の専門分野(ネットワーク、セキュリティ、クラウドなど)について重点的に学習します。また、マネジメントに興味がある場合は、リーダーシップやプロジェクト管理のスキルを意識的に磨いていきます。
将来性のある業界・職種を研究する
IT業界は常に変化し続けており、新しい技術や職種が次々と生まれています。将来性のある分野を見極めるためには、業界動向や技術トレンドをこまめにチェックし、市場ニーズを把握することが重要です。
特にAIやクラウドコンピューティング、サイバーセキュリティなどの成長分野については重点的に情報収集を行い、必要なスキルの習得を計画的に進めることをおすすめします。
また業界のカンファレンスやセミナーへの参加、技術ブログの購読なども、最新動向を把握する有効な手段となります。
キャリアプランを作成する
具体的なキャリアプランの作成は、目標達成への重要なステップです。
短期(1-2年)、中期(3-5年)、長期(5-10年)といった時間軸で、達成したい目標とそのために必要なアクションを明確にします。たとえば「2年以内にチームリーダーになる」という目標があれば、そのために必要な資格取得やスキル習得のスケジュールを具体的に立てます。
また定期的にプランを見直し、必要に応じて修正を加えることで、より実現可能な計画となります。
未経験からヘルプデスクになるには?キャリアチェンジの秘訣
ここまで、ヘルプデスクの仕事の魅力とキャリアの築き方について解説してきました。未経験からヘルプデスクへキャリアチェンジしたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ヘルプデスクとして働くために必要な準備と、効果的な転職活動のポイントについて解説します。適切な準備と戦略的なアプローチで、スムーズなキャリアチェンジを実現しましょう。
- ヘルプデスクに必要なスキル
- 履歴書・職務経歴書の書き方
- 面接対策
- 転職エージェントの活用方法
それでは順に説明します。
ヘルプデスクに必要なスキル
ヘルプデスクとして働くためには、技術面とヒューマンスキル面の両方が必要です。
技術面では、基本的なPC操作やネットワークの知識、一般的なビジネスソフトの使用方法などが求められます。また、ITパスポート試験などの基礎的な資格取得も知識の証明として有効です。
ヒューマンスキル面では、分かりやすい説明力、問題解決能力、ストレス耐性などが重要です。これらのスキルは独学や研修を通じて段階的に習得していくことが可能です。
履歴書・職務経歴書の書き方
転職活動において、履歴書と職務経歴書は自己アピールの重要なツールです。特に未経験からのキャリアチェンジの場合、過去の経験をヘルプデスク業務にどう活かせるかという視点で整理することが重要です。
たとえばカスタマーサービスでの経験があれば、それをコミュニケーション能力の証明として強調します。また独学で習得したITスキルや取得した資格なども具体的に記載することで、学習意欲と基礎知識をアピールできます。
面接対策
ヘルプデスクの仕事の面接では、技術的な質問に加えて問題解決能力やコミュニケーション能力も評価されます。
そのため、基本的な技術用語の理解やトラブルシューティングの考え方について事前に準備しておくことが重要です。たとえば「困っているユーザーにどう対応するか」といった実践的な質問も想定し、具体的な回答を用意しておきましょう。
また面接では、学習意欲や向上心も重要な評価ポイントとなるため、資格取得に向けて学習中の方はそのことを伝えるのも効果的です。
転職エージェントの活用方法
転職エージェントは、未経験者のキャリアチェンジを支援する強力なパートナーとなります。特にIT業界に特化したエージェントは、市場動向や求人情報に詳しく、適切なアドバイスを提供してくれます。
転職エージェントを活用する際は、自身のキャリアプランや希望する就業条件を明確に伝え、それに合った求人を紹介してもらうことが重要です。また複数のエージェントを併用することで、より多くの選択肢を得ることもできます。
みんなが使っている転職サービス上位6選 【1,382人に聞いた転職サービス利用状況】
実際に登録したことのある転職サービスについてアンケートをとりました。アンケート結果として、みんなが使っている転職サービスの上位6サービスは以下です。
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- 4位|マイナビAGENT(312人)
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※転職サービスの利用アンケート(クラウドワークス) 回答数:1,382 / 集計期間:2024年09月19日~10月03日
1位|リクルートエージェント(利用回答数:821人) 圧倒的な求人数
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営業・技術系を中心にあらゆる業種・職種をカバー。総合型ながら条件ごとに特化したページもあり、使いやすいのも人気の理由です。
- リクルートエージェントのおすすめポイント
- 求人数が圧倒的に多い
- 業界に精通したアドバイザーが在籍
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基本データ
リクルートエージェント | |
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求人数 | 公開求人474,685件/非公開求人399,542件(2024年10月22日現在) |
提供サービス | エージェントサービス、提出書類の添削、面接対策、独自に分析した業界・企業情報の提供 |
拠点 | 東京・北海道・宮城・宇都宮・さいたま・千葉・横浜・金沢・新潟・長野・静岡・名古屋・京都・大阪・神戸・岡山・広島・高松・福岡 |
URL | https://www.r-agent.com/ |
2位|doda(利用回答数:564人) エージェント/サイトの一体型で自分でも応募が可能
「doda」は、人材紹介・転職支援を行う大手「パーソルキャリア」が運営する総合型転職サイトです。エージェントサービスも利用できる点が人気の理由の1つになっています。
dodaも求人数が多く、非公開求人も条件が良いものが多いのが大きなポイントです。
また転職サイトと転職エージェントの一体型で、使い方の自由度が高いのもおすすめポイント。エージェントサービスでは専任のキャリアアドバイザーがサポートしてくれます。なお企業との対応は採用プロジェクト担当が行い、求職者と企業とでそれぞれ別のプロフェッショナルが対応します。
- dodaのおすすめポイント
- 非公開求人も好条件多数
- 転職サイトと転職エージェントの一体型で自由度が高い
- 専任のキャリアアドバイザーがサポート、企業は別のプロフェッショナルが対応
基本データ
doda | |
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求人数 | 公開求人262,342件/非公開求人31.049件(2024年10月22日現在) |
提供サービス | スカウトサービス、年収査定、合格診断、レジュメビルダー、「自己PR」発掘診断、転職タイプ診断、はたらく女性のためのモヤモヤ解消診断、オンライン仕事力診断 |
拠点 | 東京・横浜・札幌・仙台・静岡・名古屋・大阪・京都・神戸・岡山・広島・福岡・鹿児島 |
URL | https://doda.jp/consultant/ |
3位|リクナビNEXT(利用回答数:389人) 求人サイト群の中でも最大級の求人数と使いやすさ
「リクナビNEXT」は、大手の株式会社リクルートによる定番の転職サイトです。サイトの見やすさや使いやすさにも定評があります。
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基本データ
リクナビNEXT | |
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求人数 | 公開求人824,000件以上(2024年10月22日現在) |
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4位|マイナビAGENT(利用回答数:312人) 20代・30代の求人に強い
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とくに20代・30代の求人が多いので、その世代の人にはおすすめです。また全国に拠点があり地方の求人も充実しているので、大都市圏以外で探している人にもぴったりです。
履歴書や職務経歴書のサポートも充実、初めての転職でも安心して利用できます。IT、営業など業種・職種別のサービスもあります。自分が探している業種と一致するならより探しやすくなるでしょう。
- マイナビAGENTのおすすめポイント
- 20代・30代の求人が多い
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基本データ
マイナビAGENT | |
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公開求人数 | 非公開 |
提供サービス | エージェントサービス |
拠点 | 拠点情報はこちらをご確認ください |
URL | https://mynavi-agent.jp/ |
5位|ビズリーチ(利用回答数:288人) ハイクラス向けで企業からスカウトが受けられる
「ビズリーチ」は、ハイクラス求人が多いのが特徴の転職サイトです。厳密にはスカウト型のサイトで、エージェントではありません。登録するとヘッドハンターや企業からのスカウトが受けられます。
最大の特長は、ハイクラス求人が多いことです。年収1,000万円以上の求人が1/3以上を占めています。一定以上の経験やスキルがある人が転職活動するのに役立つサービスです。
もう1つの大きな特徴として、登録するだけでヘッドハンターや企業からスカウトが届く点があります。以前は「スカウト」と「プラチナスカウト」の2種がありましたが、今は「プラチナスカウト」に一本化されています。プラチナスカウト経由での採用は全体の約70%。採用される可能性が高く、スカウトが届いたら大きなチャンスです。実際、企業からスカウトが届いた場合は書類選考が免除されます。
基本的にヘッドハンターはアドバイスをしませんが、場合によってはアドバイスをもらえることもあります。無料プランと有料プランがあり、有料プランは制限なく求人に応募できます。
- ビズリーチのおすすめポイント
- ヘッドハンターや企業からのスカウトが受けられるハイクラス向けサイト
- 企業からプラチナスカウトが来た場合は即面接が可能
- 有料プランなら制限なく求人に応募できる
基本データ
ビズリーチ | |
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求人数 | 公開求人138,081件(2024年10月22日現在) |
提供サービス | スカウトサービス、有料プラン(プレミアムステージ) |
拠点 | 東京・大阪・名古屋・福岡・静岡・広島 |
URL | https://www.bizreach.jp/ |
6位|エン転職(利用回答数:282人) サイトが使いやすく情報も充実、利用者の満足度が高い
「エン転職」は、人材サービス大手の一つエン・ジャパン株式会社による転職サイトです。エージェントサービスも利用できます。
オリコン顧客満足度調査の転職サイト部門で、2018年から2024年まで7年連続で総合満足度No.1となっています。サイトの使いやすさは定評があり、自力で検索・応募するのに適したサービスです。口コミなどの情報も充実しており、企業間の比較検討もしやすくなっています。
さらに転職サイトのほか転職エージェントとしても利用することができ、非公開求人も多数保有しています。大手ですが最大手ほどでない規模で、きめ細かいサポートを受けることが可能。また女性向けのページのほか、ミドルや若手ハイキャリアなどに特化した関連サイトもあります。
- エン転職のおすすめポイント
- 2018年から2024年まで7年連続で総合満足度No.1
- サイトが使いやすいほか情報も充実
- 非公開求人も多数保有
基本データ
エン転職 | |
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求人数 | 公開求人152,678件(2024年10月22日現在) |
提供サービス | エージェントサービス |
URL | https://employment.en-japan.com/ |
まとめ
この記事では、ヘルプデスクのキャリアパスやキャリアプラン例、さらにキャリアアップに必要なスキルや資格まで詳しく解説してきました。
ヘルプデスクはIT業界でのキャリアの入り口として優れた選択肢であり、その先には多様なキャリアパスが広がっています。技術サポートの経験を通じて習得できる幅広いITスキルとコミュニケーション能力は、将来のキャリアアップにおいて大きな強みとなります。
ヘルプデスクのキャリアパス選択においては、自身の適性や興味を深く理解し、市場動向も踏まえた慎重な判断が重要です。さらに目標とするキャリアに向けて、計画的なスキルアップと実践的な経験の積み重ねが不可欠です。
また未経験からヘルプデスクを目指す方も、適切な準備と戦略的なアプローチがあれば、充実したキャリアをスタートさせることができます。
この記事の内容を参考にして、ぜひ自身の理想とするキャリアを実現していってくださいね!