佐賀県では、県内就職を希望する全ての求職者と人材募集中の県内企業を結ぶ求人サイト「さがジョブナビ」を通し、佐賀で働くための様々な情報を発信する取り組みを行っています。
今回は「さがジョブナビ」に求人情報を掲載中の企業に就職・転職し、キャリアを拓いた3名の移住者のストーリーを連載でお届けします!
vol.2は、三重県から移住し、佐賀県小城市にある老舗酒蔵「天山酒造」の杜氏となった、後藤潤さんのストーリーです!
■佐賀県就職情報サイト「さがジョブナビ」
■株式会社天山酒造
名水の里として知られる佐賀県小城市で、明治8年(1875年)から酒造りを営む老舗酒蔵。標高1,046mの秀峰・天山を中心とする天山山系の清水を使用した酒は、キリっと澄んだ辛口の味わいが特徴です。
―天山酒造入社までの経歴を教えてください。
生まれは北九州市の門司区で、幼少期は山口県の下関市で過ごしました。そして就職を機に三重県四日市へ。工業地帯でプラント計装、計測機器や制御機器の試運転やメンテナンスに関わる仕事を7年ほど行っていました。
―前職は工業系のお仕事をされていたのですね。もともとお酒はお好きだったのですか?
最初にお酒に興味を持ったきっかけは、味わいも色合いもさまざまな世界のビールと出会ったことでした。日本酒は…飲まず嫌いでしたね(笑)でも、あるとき馴染みの酒屋さんから勧めてもらった日本酒を飲んで「おいしい!」と感じたんです。それを機にさまざまな地域の日本酒を飲むようになり、「なぜこんなにも味が違うんだろう?」と製造方法に興味が湧きました。プラントの仕事も好きでしたが、日本酒の世界に親しむうちに「酒造りを仕事にしたい!」と思うようになっていったんです。
―どのような経緯で天山酒造に入社されたのでしょうか。
転職した当時はネットもなかったので、四日市で働きながら求人情報誌で酒造りの求人を探していました。でも全く見つからなくて「どうしたら酒を造る仕事に就けるのだろう?」と思っていたんです。たまたま北九州市に遊びに出かけた時に、ふと手に取った雑誌に「あなたも日本酒を造りませんか?」という天山酒造の求人が出てたんです。「これを逃したら酒造りの仕事には一生出会えない!」と感じ、意を決してこの世界に飛び込みました。
―全く別の業界に飛び込むのには勇気がいりますよね。実際に転職されてどうでしたか?
そう思われがちですが、酒造りには科学的な一面もあるんですよ。もろみの醗酵管理などは機械で温度制御をしますので、工場で働いていた時の経験が役に経ちました。ただ、やはり酒造りは人の手の感覚や経験で進める工程もあります。それはエンジニアの頃にはなかったので新鮮でしたね。また日本酒は「味わい」という、数字では測れない部分を表現するところにも面白さを感じています。
―酒造りをする上で心がけていることはありますか?
私は「和醸良酒」という言葉を胸に刻んでいます。この言葉には2つの意味があり、一つは私たち造り手一人ひとりが皆で心を一つにすることで良い酒が醸される(生まれる)ということ。もうひとつは、良い酒が人々の和をつくるという意味です。酒造りには長い歴史がありますし、酒は人と人をつなぐ大切な役割を担ってきたのだと感じます。
―天山酒造の社内には表彰状もたくさん飾ってありますね。
おかげさまで国内外さまざまな賞をいただきました。私が特に印象深かったのは、フランスで開催される「Kura Master」という日本酒のコンクールですね。2017年に「七田 純米吟醸 雄町50」が最優秀のプレジデント賞を受賞したんです。その時に、フランス人のシェフやソムリエから食中酒として評価されたことが大変嬉しかったです。
―入社される以前、佐賀に来られたことはありましたか?
ありませんでした。実家で住宅地図を広げて、家族と「会社の近くに小学校はあるみたいだぞ」なんて話していましたね。佐賀には縁もゆかりもなかったのですが、会社のみなさんや地域の方々にあたたかく迎え入れてもらいました。唯一、すこし困ったのは方言です(笑)
―実際に佐賀住んでからの印象はいかがですか?
佐賀はとにかく自然が豊かな地域だと感じています。小城市内を流れる祇園川には、ホタルが飛び交う美しい自然が今も残っています。また最近は趣味でバイクツーリングを楽しんでいるのですが、県内各地で美しい風景や美味しいお店を見つけて「佐賀にはいいところがたくさんあるなぁ…」と、日々感じています。
―今後の目標について教えてください。
私が入社した頃は季節雇用の杜氏や蔵人(くらびと)を中心に酒造りを行っており、私も彼らから酒造りを学びました。それから酒蔵の社員が酒を造る時代へと変化しました。どちらも経験している身として、酒造りの歴史を若い社員に伝えながら、先人たちから受け継いできた「天山酒造の味」をこれからも守っていきたいです。
―酒造りも佐賀の伝統文化のひとつですよね。
最近嬉しかったのは、若手社員が「酒造りって本当に面白いですね!」と言ってくれたこと。彼もお酒が好きで異業種から転職してきたんです。また、製造担当の女性は「日本酒の美味しさを伝えたい」と、東京で開催されるフェアなどに積極的に参加してPRしてくれています。
「面白い」とか「好き」という気持ちは、この仕事をやっていく上で一番大切な部分だと思います。
―佐賀への移住や就職・転職を検討している方にメッセージをお願いします!
佐賀の人々はあたたかいので安心して来てほしいということです。また自然豊かな風土がありますので、のびのび子育てしたい方にとっても、とても良い環境だと思います。日本酒のアテになる、美味しいものもたくさんありますよ(笑)
私は佐賀で仕事も生活も充実した毎日を送っています。
■さがジョブナビ
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■連載「佐賀で働く」
「さがジョブナビ」に求人情報を掲載中の企業に就職・転職し、キャリアを拓いた3名の移住者のストーリーを連載でお届けしています!
【vol.1】心から楽しめる仕事と暮らしにめぐり逢えた、佐賀移住×就職
小濱あやかさん|株式会社GOTENリゾート|奥武雄温泉 風の森 ポリバレンター
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