大分県の移住イベント、今年はオンラインで開催します!
大分県と言えば、“温泉”
ですが、それ以外にもかぼすや関さば・とり天などの食、海・山などの豊かな自然…と、魅力的なものがいっぱい。
そんな大分県には、どんな暮らしがあって、どんな仕事ができる場があるのか?
イベントでは、「大分の住:古民家」と「大分の職:IT」の2つをテーマに、大分県で希望を叶えたり、場づくりをしている方々をゲストにトークセッションを行います。
また、11月1日~11月7日まで「大分移住 web相談ウィーク」として、大分県内の16自治体と就業・就農など5つの団体でオンライン相談会も開催します。
詳しくは、特設サイトをチェックしてみてください。
ここでは、イベント開催前に「大分の職:IT」のゲスト2人をご紹介します!
●『コラボ』 後藤洋介さん
大分県初のWebディレクション専門会社『コラボ』の共同創業者であり、『大分県IT部』のまとめ役でもある後藤洋介さん。生まれ育った大分で、商業施設のプロモーションやイベントの企画、まちづくりにもなどに関わってきた。
元々は広告や企画の分野のプロだった後藤さんだが、IT企業を創業したのは「イベントとかって場所が影響するので、大分で大きな仕事を受けるのは難しいんです。でも、ITだったら東京の仕事が大分でできるんですよ。表には出ない、2次受けや3次受けの仕事だったりしますが、有名企業のお仕事もできるんですよ」。
そこで、『コラボ』ではニアショア開発を追求する会社にすることに。
東京と大分の会社をコーディネイトする会社。企業の垣根を超えて一緒にプロジェクトチームを組んでやりましょう、という意味合いも込めて、シンプルな『コラボ』という名前になったそう
もう一つ、会社がテーマに掲げているのが「スタッフの働き方を追求する」ということ。
「大分で働きながら、キャリアアップができる環境を作ること目指した」という『コラボ』が創業3年目で出した答えが、社員のフリーランス化だった。
「大分県内ではできないようなレベルの高い仕事も、東京から受けることができる。でも、既存の労働法って時間による概念が強い。会社で拘束すると自由な働き方があまりできないし、ITをやっている意味もないと思ったんです。家でできることをわざわざ集めて管理するって、効率が良くないと思って。好きで住んでいる大分でいかに豊かに暮らすかを追求すると、社員という形ではちょっと難しい。クリエイティブ業界はたぶん、時間の概念で測ることは難しいと思うので」。
これまで担当していた仕事はそのまま任せ、ディレクションや営業は後藤さんやもうひとりの創業者で東京からの移住者でもある式地清志さんが行う。「こういうやり方は、一般的にギルド化って言われるみたいなんですけど。全国的にもやっぱり、まだ多くはないかもしれませんね。今はまだ、実験中という感じですが」と後藤さん。
以前は社員がオフィスに集まり働いていたが、『コラボ』は完全にフリーランス化。現在の社員は式地さんだけ。
実は完全フリー化する前も、社員それぞれの生活にあった働き方を提供してきた。
例えば、子どもを育てながら働くデザイナーの女性には、11:00〜16:00の勤務時間で週休3日を提案。
「彼女の働き方に寄り添う実験でもあるんですが、一流のデザイナーがクリエイティブ業界からいなくならずに済んだということでもあるので、僕らにとってもメリットはあるんです。子どもができて仕事を失うのはクリエイティブ業界ではよくあることですが、クリエイティブの仕事って、1年とか2年のブランクができちゃうと戻れなくなっちゃうんですよ。それももったいなくて」。
働き方については、常に試行錯誤を繰り返しているという後藤さん。
「大分では求人を出しても、いい人になかなか巡り会えないことがあって。だから、せっかく出会えた人をいかに大事にするかも重要なんです。『コラボ』では、好きな働き方ができるし、東京の仕事もできてキャリアアップもできるし、仕事の単価もいいですよってところを、強みにしています。家で仕事がしづらい人は、コワーキングスペースとして提供しているコラボラウンジを使うこともできます」。
大分駅前の、アクセスのいいビルの中にある「コラボラウンジ」。ワーキングスペースやイベントにも使えるのだが、現在はコロナの影響で一般の利用は中止している
『コラボ』では、フリーランスを含めた大分県内のITベンチャーのネットワーク作りにも力を入れている。
その活動の延長のような形で携わっているのが、『大分県IT部』。
「大分県のIT業界をいろんな人に知ってもらうための活動だったり、大分の中のネットワーク、コミュニティづくりみたいなことに力を入れています」。しかし、後藤さんは以前から、同業他社の方々と協力してIT関係者を集めた忘年会など、100人規模の交流会を開催していたという。「僕らは、ITというデジタルなことをやりながらも、一緒に会ってお酒を飲むことを、すごく大事にしていて。効率化できることは、ITを使って効率化した方がいい。でもITをどれだけやっても、人と会う尊さっていうのは一生失われないと思うので。コロナになって、なおさらそれを感じますよね」。
『コラボ』も『大分県IT部』も、移住者の大きな味方になってくれることは間違いないなさそう
最近、移住を考える人にとってもう一つ大きな魅力が、『コラボ』の中で誕生した。
「この春から、『大分に来たのにあんまり温泉に入ってない』って気づいた、式地が湯治宿を買って、そこでゲストハウスをしながら住んでいます。今、『コラボ』の本社は別府市にある鉄輪温泉のゲストハウスなんです。定額制のアドレスにも登録しているので、移住者で利用している人もいるんですよ」。
温泉付きのゲストハウスでお試し生活なんて、とても魅力的だ。
「すぐ近くにコワーキングスペースもあるので、仕事もできます。こういう“お試し”って、IT系の人はやりやすいんじゃないかなと思います」。仕事の単価についても、現在は大分でもあまり変わりない金額で仕事ができるそうだ。
「今住んでいる環境で、いかに豊かに暮らすかを追求する」そんな考えを持ち、大分のITコミュニティの中心にいる後藤さんのような存在があることは、移住者でなくてもともて心強い。
●『OITA CREATIVE ACADEMY』 勝河祥さん
ウェブサイトやアプリの制作会社『LAUNCH CRAFT』の代表であり、大分県のIT産業の発展のためにプロフェッショナルな人材を育成し、地域に人材を輩出していくことを目的とした私塾『OITA CREATIVE ACADEMY』の校長でもある勝河祥さんは、横浜生まれの大分育ち。父親の転勤に伴い小学生の頃から大分市で暮らしながら、長期の休みになると横浜の祖父母宅で過ごすなど、大分と横浜を頻繁に移動しながら育ってきた。
そして数年前、両親や兄弟は再び横浜へ移住。
しかし、勝河さんが生活と仕事の場として選んだのは、大分だった。
大分駅前の風景。大分空港や福岡行きの高速バス乗り場も集まり都心へのアクセスも容易なため、ITベンチャー企業のオフィスも多いエリア
「僕にとっては、大分市内なら東京とあんまり変わらない印象です。カフェもあるし、飲みに出ても4軒目や5軒目くらいまで普通に行ける。暮らすのに困るほどの田舎じゃないから、ちょうどいい田舎っていう感じ。ただ、東京や横浜と数は違いますよ。洋服を買うお店がないという話も出ますけど、確かにハイブランドやブランドの専門店は少ないです。でも、少ないからこそチョイスする楽しさってめちゃめちゃあると思うんですよ。僕は東京にもよく行っていたのですが、全部そろってる中で買うのってそんなに楽しくないんですよ」。
東京など都市圏に比べれば、アパレルショップも専門店も、音楽を楽しむ場もビジネスも、数は少ない。しかし、勝河さんにとってはそれも一つの魅力に映る。
「ムーブメントも少ないんですけど、逆にいうと、ないから作れるんですよね」。
「大分くらいの田舎に住むのが割とベストなんじゃないかな、と思います」と勝河さん。
ITベンチャーの代表である勝河さんだが、実は高校卒業後は全く別の業種で働いていた。
その後、デザイナーになりたいと専門学校で学び、卒業後はソフトウェアの会社に就職。しかし、在学中からデザインの仕事がしっくりこないと感じていたそう。「ソフトウェアの会社に入ってプログラミングと出合ったら、直感で、そっちの方が向いてると思って。その会社でエンジニアをやらせてもらって、独立しました」。
2016年、27歳の時に、大分市で『LAUNCH CRAFT』を起業した。
家族が横浜に生活を移したのも、その頃。しかし「仕事のために東京に行く、っていう発想がよくあると思うんですけど、僕は微塵も思わなかったですね。すごい人たちが近くに居たので」。
勝河さんにそう思わせたのは、前出の『コラボ』の後藤洋介さんをはじめとした、少し年上の、現在でも大分のIT業界を牽引する先輩たちと、その先輩たちが形作ってくれたコミュニティの存在だった。「イベントをする姿がすごくかっこよかったし、ITの話をできる人が周りに何人もいて。田舎だけど、田舎じゃないような感じだった」。
したいことを共有する仲間がいて、目指す先輩もいる。
大分での起業はとてもスムーズだった。「僕にとっては、大分で何も不自由がない。東京とは、規模が違うだけだと思うんです。でも、人間一人が関係する規模ってこれぐらいでちょうどいいですよね」。
「1日、同じところにいるのが嫌なんです」と、大分市中心部に2カ所ある事務所や自宅、コワーキングスペースなど、場所を移動しながら仕事をすることが多い。
大分での仕事のしやすさの1つに、同世代のライバルが少ないということもある。
「IT業界でいうと、27歳くらいで独立して会社を作った同世代っていないんですよね。下手な競争もないから、かなり仕事をしやすいと思うんです。東京だったら、そういうところはもっとハードかなと思いますね。何年も前から、ニアショア、東京の仕事を地方でやるっていうのも流行ってますから。そういった時にも、大分の中の競争率が低いので仕事をやりやすい。業種にもよると思いますが、独立するならこういう地方の方がやりやすいと思います」。
実際、仕事の発注元は東京や大阪などが多く頻繁に都市圏へも足を運ぶが、大分空港までバスに乗っている時も、空港での待ち時間も、飛行機に乗っている時も仕事はできるため、「東京も、福岡に行くのとおなじくらいの感覚ですね」。距離的な不便さは感じていない。
「もう、会社を大きくしたいとかそういう思いはなくて。残りの人生は、ITとクリエイティブに特化して『人のために使う』って決めているんですよ」
2年前、大分県下のWEB関連の事業をしている会社が中心となり立ち上げた、『OITA CREATIVE ACADEMY』の校長を務めることになった。
創設には関わっていないが、「先輩たちが作った土台を次は僕らが引き継がないと、っていう思いがあったので、断る理由がなかったですね。もともとオンラインでプログラミングの講師をしていたり、出身の専門学校で非常勤講師を勤めた経験もあったので、教えることは好きでしたから」。
そんな勝河さんが今考えていることは、次世代のITやクリエイティブ人材の育成と、コミュニティ作り。
「僕がしてもらったように、ITやクリエイティブの仕事に関わる人たちの、自己実現のための力になれればいいなと思うんです」。『OITA CREATIVE ACADEMY』が行うのは、教育だけでなく、コミュニティの提供、そしてインキュベーション。学んで技術を身につけて終わりではなく、その後はインターンの場を提供したり、作業の場所を提供したり、起業したいと思う人を支援したり。教育だけで終わらせない、継続的なサポートを実践している。すでに技術を持っている人も、これから技術習得を目指す人にとっても、心強い存在だ。
文:河野恵 撮影:藤本幸一郎
「大分の住:古民家」の記事はこちら
大分県の先輩移住者の声が詰まった「大分移住手帖」はこちら
- FREE OITA
大分での未来は、ストレスフリー
さぁ、都会を捨てよう。
ー仕事:IT編ー -
開催日 2020年11月1日(日) 時間 10:00~17:00 会場 オンライン開催 主催 大分県 参加方法 下記、[応募フォーム]から特設サイトに進み、お申し込みください。 お問い合わせ先 FREE OITAイベント事務局(株式会社第一プログレス)
TEL 03-6269-9732
mail info★turns.jp
(★を@に変えてお送りください)プログラム内容 11月1日(日)
・「大分の職:IT」と「大分の住:古民家」をテーマにしたトークセッション
・占い(抽選で10名)
・臼杵煎餅のワークショップ(抽選で10名)11月1日(日)~11月7日(土)
「大分移住 web相談ウィーク」として、大分県内の16自治体と就業・就農など5つの団体でオンライン相談会を開催します。
- ゲスト
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株式会社コラボ 後藤洋介さん大分市生まれ、大分市育ち。
地元の広告代理店勤務を経て、2011年、独立。上場企業から大手商業施設、行政事業、地域の商店まで日本中の様々なプロジェクトに参加し、同時に他社の役員等も兼務。2017年、Webディレクション専門会社『株式会社コラボ』を共同創業。県内で創業支援のイベント開催や講師、IT業界の環境向上、DXやドローンの促進事業にも参加しながら、ラジオパーソナリティも務める。OITA CREATIVE ACADEMY 勝河祥さん横浜市生まれ、大分市育ち。
高校卒業後、販売業を経験したのち、専門学校でデザインを学ぶ。ソフトウェア会社でエンジニアとして働き、2016年、27歳で制作会社『LAUNCH CRAFT』を創業。2017年、『OITA CREATIVE ACADEMY』校長に就任し、2019年には理事長に就任。趣味は服や物、音楽とお酒。仏教や哲学に関心があり、人生のモットーは純粋。
- ファシリテーター
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TURNSプロデューサー株式会社会社第一プログレス常務取締役
TOKYO FM「SkyrocketCompany スカロケ移住推進部」 「デュアルでルルル♪」ゲストコメンテーター
国土交通省、農林水産省等での地方創生に関連する各委員を務める他、地域活性事例に関する講演、テレビ・ラジオ出演多数、全国各自治体の移住施策に関わる。
東日本大震災後、豊かな生き方の選択肢を多くの若者に知って欲しいとの思いから、2012年6月「TURNS」を企画、創刊。地方の魅力は勿論、地方で働く、暮らす、関わり続ける為のヒントを発信している。