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大分での未来は、ストレスフリー
さぁ、都会を捨てよう。
ー古民家編ー

大分県の移住イベント、今年はオンラインで開催します!

大分県と言えば、“温泉”
ですが、それ以外にもかぼすや関さば・とり天などの食、海・山などの豊かな自然…と、魅力的なものがいっぱい。

そんな大分県には、どんな暮らしがあって、どんな仕事ができる場があるのか?
イベントでは、「大分の住:古民家」と「大分の職:IT」の2つをテーマに、大分県で希望を叶えたり、場づくりをしている方々をゲストにトークセッションを行います。

また、11月1日~11月7日まで「大分移住 web相談ウィーク」として、大分県内の16自治体と就業・就農など5つの団体でオンライン相談会も開催します。
詳しくは、特設サイトをチェックしてみてください。

ここでは、イベント開催前に「大分の住:古民家」のゲスト2組をご紹介します!

 

 

●『山香文庫』 牧野史和さん・鯨井結理さん

大分県杵築市山香町で、おもに中学生などを受け入れる農村民泊『山香文庫』。
営むのは、山口県出身の牧野史和さんと、埼玉県出身の鯨井結理さん、共に移住者のカップル。

山口から東京の大学に進んだ牧野さんが専攻していたのはダンス。
ストリートダンスやコンテンポラリーダンスをしながら身体論も学ぶ中で、「東京で過ごすってどういうことだろうって考えているうちに、“農業だな!”っていう感じになって」。地元に帰るつもりで山口県内で農業研修などを受けている時に地域おこし協力隊という働き方を知り、移住のイベントで杵築市と出合う。
「偶然手に取ったのが、城下町が写った杵築市のパンフレット。『ここを歩いてみたいな』って思ったのがきっかけですね」。
そして大学を卒業した年の4月、杵築市の地域おこし協力隊に着任した。

担当したのは、農業振興。

杵築市は特産品がお茶ということもあり、生産組合などお茶に関わる仕事も多かった。
大学時代からお茶が好きでいろいろと飲んでいたので、お茶での繋がりを感じたそう。


専用のカウンターに立ち、自ら育てたお茶を丁寧に淹れてくれる牧野さん。「香りの変化も楽しいんですよ」

 

お茶農業の現場ではさまざまな出会いがあり、現在の農業の問題点に直面しながら、その奥深さに惹かれていく。移住当初は協力隊の期間が終わったら別の場所に行くつもりだったが、杵築市で暮らすうちに「大分県、めっちゃいいなぁ!ここから出るのは、もったいない!という気持ちになって」。

そんな牧野さんが選んだのは、海も山も、城下町もある杵築市の中でも、のどかな山間地である「山香(やまが)町」。「“山が香るんだ!”って、すごくきれいだなと思ったんです。協力隊として杵築市に来て2年目くらいからは、山香に住みたいと思っていました」。外からくる人々をおおらかに迎えてくれる地域としての居心地の良さも魅力的に感じた。「山香は昔、金山で栄えていたんですよね。金山には県外からも働く人が集まってくる。だから慣れているのかな。外から来た者に対しての接し方が柔らかいというか、それがすごく居心地がよかったんですね」。


視線の先にあるのは、ご近所のみなさんが「大楠様」と呼んでいる500歳の大樹。「縁側から見える大樹が大好きなんです」と、牧野さん

 

実際の家探しは難航したが、協力隊の期間ももう少しで終わってしまうという頃に出合ったのが、築150年という、現在の住まいである。集落を見守るような高台に建つ、眺めのいい平屋の古民家。

「案内してもらったのは冬の3時ごろだったんですが、縁側に冬の日差しが入ってきていて。あー、すごくいいなぁって思って。それが決め手でしたね」。


牧野さんが育てたお茶は『山香文庫』でも販売中。予約して訪れれば、試飲もできるそう。

 

パートナーの鯨井さんは、地元の埼玉で働いていたが「父と母がずっと、移住をしたいと言っていたので、私も、違うところで暮らしてみたいと思っていました」と、移住を見据えてヨガインストラクターに転職。

ヨガのインストラクターやトレーナーとして、全国各地に出張する機会が多くなり、本格的に移住先を探した。出張先から足を伸ばし、ゲストハウスや民泊を利用しながらさまざまな土地を見て、住む人たちとの交流をしてきた。
そんな中、大分を訪れた際に案内してくれたのが、当時、地域おこし協力隊だった牧野さん。
「ザ・観光地ではなくて、地元の人が集まるところだったり、その土地の人と触れ合ったり話したりしたいと伝えて。いろいろ連れ回してもらって、すごくいいところだなと思いました」。


「協力隊の任務として、移住者を増やしたいという気持ちで案内をしていました。でも、大成功でしたね(笑)」と、牧野さん。

 

その後も、牧野さんの東京出張や鯨井さんが大分に遊びに来たりと、交流が続いた。その間に鯨井さんは東京に住まなくても仕事ができるように調整し、昨年3月、この家に引っ越した。その際も「1年間は、住民票を移さないで、プレッシャーにならないように、お試しみたいな感覚で住んで、気にいったらそのまま一緒にいられればいいという感じで…」と、牧野さんは自身の経験や周囲の移住者の現状も踏まえ、完璧なコーディネーターぶりを発揮。鯨井さんも、ギャップを感じずに新たな生活を始められたという。

現在、鯨井さんは東京のスタジオに所属したまま、山香町を拠点にヨガインストラクターを続けている。
オンラインでスタジオの運営も手伝っているが、オンライン会議中に近所のおばあちゃんが縁側から「いるかい?」と顔をのぞかせることも。「オンライン先の仲間にも、おばあちゃんを紹介したりするんですよ」と、鯨井さん。

自らリノベーションした民泊用の部屋。「文庫」という名の通り、SNSを通じて全国から集まったたくさんの本が家のあちこちに並んでいる

牧野さんが住み始めて3年。
壁や本棚などは自身で手を入れ、住人が2人になった『山香文庫』は、昨年9月から念願の民泊をスタートさせた。2人にとって心地いい理想の暮らしも、徐々に完成しつつある。

 

 

●杵築市地域おこし協力隊 青木奈々絵さん

栃木県から東京都を経て大分県へ移住し、杵築市の地域おこし協力隊として2年目を迎えた青木奈々絵さんは、昨年末から自身で古民家のリノベーションを行っている。空き家バンクで出会った、昔ながらのおくどや井戸のある築150年以上の大きな一軒家。敷地内には、2階建ての立派な蔵、納屋、馬小屋、立派な植木が植わった庭や、畑まで備わっている。

 

まず取り掛かっているのは、宿泊施設を兼ねた自宅となる、母屋のリノベーション。自分たちで改装すべく、長野県諏訪市の「リビルディングセンタージャパン」で技術や知識を学んだパートナーの野口泰秀さんと2人、そして、多くの友人や地元の人たちに手伝ってもらいながら、コツコツと作業を進めている。


梁などを大工さんに新しくしてもらった以外は、ほぼセルフリノベーション。電気の配線なども電気工事士の資格を持つ野口さんが自ら行なっている

 

栃木県で生まれ育った青木さんだが、都会への憧れもあり、社会人になって上京。
「東京での暮らしもすごく刺激的で、充実していたんですが、5年、6年と住む中で消費する暮らしに違和感を感じ始めて。少しずつ、田舎暮らしや地方に行くことを考えるようになったんです」。次第に、旅行先でも、住むこともイメージするようになる。そんな青木さんを大きく動かしたのが、同い年の野口さんの行動だった

「30歳を目前に勤めていた会社を辞めて、90ccのカブで日本一周の旅に出たんです」。旅は1年近く続き、青木さん自身が気になる場所には現地で落ち合って一緒に過ごしていた中で、訪れた一つが杵築市だった。

きっかけは、杵築市山香町でヨーロッパの古楽器を制作する「カテリーナ古楽器研究所」と「農家民泊糧の家」を営むご家族との出会い。

「以前から素敵な場所だというのは、彼(野口さん)と私の共通の友人からも聞いていたので、いつか行きたいと思っていたんです」というが、日本一周の中で先に立ち寄った野口さんがその魅力に引き込まれた。

同じ場所を何度も訪れないという彼から「一緒にもう一度行こう」と誘われ、2人で山香町を訪れることになる。当時は移住を考えていなかった青木さんだが、訪問前日に仕事を辞めてきたこともあり、2週間近く山香町に滞在することになった。その間、以前から興味を持っていた地域おこし協力隊の方と会ったり、杵築市の空き家バンク物件を見にいったり。「自然と杵築市への移住が現実になっていて、気付いたら毎月空き家バンクをチェックするようになっていました。」と、青木さん。


七島藺の工房や民泊もできるよう、「とにかく広い家を」と探して出会ったのがこの家。「心地よい風が吹く静かな場所で、とても気に入っています」

 

一度、東京に戻るが、「やっぱり、あの空間が忘れられない!と、また大分に行って、山香町で出会った方々と再会して。何度か足を運ぶうちに住みたいという気持ちが強くなりました。その時、いいタイミングで地域おこし協力隊の募集があったんです」。

初めて杵築市を訪れてから3、4ヵ月後、青木さんは杵築市の地域おこし協力隊に応募していた。
一方、長い旅を終えた野口さんは、その足で長野県の『リビルディングセンタージャパン』へ向かい、リノベーションを学び始める。

「素敵な出会いがあった自然豊かな場所で暮らしたい」という気持ちを胸に、それぞれが別の場所で動き始めた。

杵築市の地域おこし協力隊となった青木さんの担当は、移住定住促進。「空き家バンク」の運営や移住フェアなどの相談員としての活動も行いながら、東京に住んでいる頃から始めていた藁細工の技術も、杵築市で進化させた。今では作品を作るだけでなく、展示やワークショップを開催できる「杵築七島藺マイスター」の資格も取得した。

七島藺(しちとうい)は、大分県の国東半島のみで栽培されている植物。おもに畳み表の原料として使われるが、最近は工芸作品としても人気を集めている

 

杵築市の中でも、民家よりも田畑が多いこの場所で、自らの手で古民家を改修していて思うのは、「持ちつ持たれつ」の精神で成り立っている、ということ。「この古民家の改修も、2人で始めたとは言っても、友達だけではなく、ご近所の方々やたくさんの人たちがお手伝いに来てくれていて。皆さんすごく力を貸してくださるんです。最初は、何かお返しをと思っていたのですが、そういうことではないんですね。単純に応援してくれて、楽しんでくれる。なので、逆に農繁期は私が農家さんのお手伝いに行ったり、若い力が必要なときには力仕事をしに行ったり。そういう循環がうまくいっているんです。ここだったら、世の中がどうにかなっても、きっと生きていける!って、強く感じます」。

田舎暮らしは思いのほか忙しくて大変なこともあるけど「私の周りの人は、逞しいのに美しいんです。私も、そういう暮らしがしたいなって思います」。

文:河野恵 撮影:藤本幸一郎

 

「大分の職:IT」の記事はこちら

大分県の先輩移住者の声が詰まった「大分移住手帖」はこちら

                   
FREE OITA
大分での未来は、ストレスフリー
さぁ、都会を捨てよう。
開催日 2020年11月1日(日) 〜2020年11月7日(土)
時間10:00~17:00
会場オンライン開催
主催大分県
参加方法下記、[応募フォーム]から特設サイトに進み、お申し込みください。
お問い合わせ先FREE OITAイベント事務局(株式会社第一プログレス)
TEL 03-6269-9732
mail info★turns.jp
(★を@に変えてお送りください)
プログラム内容

11月1日(日)
・「大分の職:IT」と「大分の住:古民家」をテーマにしたトークセッション
・占い(抽選で10名)
・臼杵煎餅のワークショップ(抽選で10名)

11月1日(日)~11月7日(土)
「大分移住 web相談ウィーク」として、大分県内の16自治体と就業・就農など5つの団体でオンライン相談会を開催します。

トークセッション ゲスト
牧野史和さん・鯨井結理さん
牧野史和さん(山口県出身)
大学進学とともに上京し、身体哲学を専攻。移住フェアで出合った杵築市に惹かれ、大学卒業と共に地域おこし協力隊として移住し、農業振興を担当。3年の任期終了後、国東市で有機栽培を行う『二宮茶園』の師匠に弟子入り。茶園で働きながら、ダンス講師も務める。
2019年9月、自宅でもある『山香文庫』で本格的に民泊を開始。「山香は本当にごはんがおいしすぎて、こっちに来てもう10kg以上太りました」

鯨井結理さん(埼玉県出身)
地元で働いたのち、移住を視野に入れ、ヨガのインストラクターに転職。
2019年3月、杵築市山香町の『山香文庫』に移住。ヨガのインストラクターとして、大分県内外で教えるほか、リモートで東京のスタジオの運営も手伝う。数年前からはスウェディッシュマッサージ(オイルマッサージの一種)も学び、9月からは『山香文庫』でスウェディッシュマッサージを取り入れたリトリートを始めた。移住を考えている両親に大分県をプッシュ中。
青木奈々絵さん
栃木県出身。
大学卒業後、東京の国際協力団体に勤務。旅行で杵築市山香町を訪れたことをきっかけに、2019年に杵築市地域おこし協力隊として移住。空き家バンクの運営や移住相談業務を行う一方、国東半島に伝わる伝統工芸・七島藺(しちとうい)の技法を習得。各地で展示やワークショップを実施している。現在、2021年民泊開業を目指し、パートナーと共に古民家のリノベーションに奮闘中。
ファシリテーター
TURNSプロデューサー 堀口正裕
株式会社会社第一プログレス常務取締役
TOKYO FM「SkyrocketCompany スカロケ移住推進部」 「デュアルでルルル♪」ゲストコメンテーター
国土交通省、農林水産省等での地方創生に関連する各委員を務める他、地域活性事例に関する講演、テレビ・ラジオ出演多数、全国各自治体の移住施策に関わる。
東日本大震災後、豊かな生き方の選択肢を多くの若者に知って欲しいとの思いから、2012年6月「TURNS」を企画、創刊。地方の魅力は勿論、地方で働く、暮らす、関わり続ける為のヒントを発信している。
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