どうする? これからの働き方・暮らし方
『Girls Meeting Aichi 2020』開催レポート

コロナ禍の影響で、私たちの「暮らし」や「仕事」に大きな変化が起こっているここ数ヶ月。これまであまり地方暮らしについて考えることがなかった人たちも、「移住」「多拠点居住」など新しい働き方や暮らし方を検討しはじめている方も多いのではないでしょうか。

そんな背景を踏まえて、今回は愛知県にゆかりのある女性たちのお話を通して  “私らしい暮らし”  を実現していくためのオンラインイベント『Girls Meeting Aichi 2020』を開催しました!その一部始終をこれからご紹介します。

 

–  ゲスト&講師  –

【トーク第一部】
・東京から愛知に「転職」した佐藤萌里子さん
・結婚を機に愛知に移住し育児をしながら「起業」した廣瀬あゆみさん

【トーク第二部】
愛知県出身で地元をこよなく愛するモデル・タレントの柴田紗希さん⻑澤メイさん

【ワークショップ】
愛知の自然素材を使ったワークショップを開催しました。

Aコース:化粧品づくり ワークショップ(『ほしの雫』鎰廣景子さん
Bコース:ハーブティーブレンド ワークショップ(『Verseau(ヴェルソー)』村田美沙さん

司会進行は、約20年間、愛知県内の各地を取材した経験のある川本えこさんです。
ゲストの皆さんから、仕事や暮らしにまつわる愛知の魅力をたっぷりと伺いました!

 

【トーク一部】「転職」と「起業」の切り口から知る、愛知の住みやすさとは?

まず最初にお話を伺ったのは、東京からJターン(※)した株式会社デルフィスの佐藤萌里子さんと、結婚を機に愛知に移住後、子育てをしながら起業された株式会社Lii代表の廣瀬あゆみさんです。

※Jターン:生まれ育った故郷から進学や就職で都会に移住した後、故郷に近い地方都市に移住すること

 

(川本さん)--お二人とも、慣れ親しんだ場所を離れて愛知の「暮らし」「仕事」に、不安や迷いはありませんでしたか?


佐藤萌里子さん(株式会社デルフィス 勤務)

(佐藤さん)「東京で働いていた時は、やりがいを感じながらもとても忙しく、心のどこかで “いつかは名古屋に帰りたい” と思っていました。名古屋では広告宣伝の職が見つかるか心配でしたが、色んなアンテナを張っていると、愛知には製造業以外の企業や職種もたくさんあることが分かり、現在の会社を見つけることができました。
今は、東京でやってきたことが糧になっていますね。 “こうありたい”という自分の軸さえブレなければ、転職をしても自分らしく暮らせるのだと思います!」

佐藤さん曰く、転職した場合のお給料については、会社の人事部に相談に乗ってもらい、納得のいく条件で転職できたのだとか。

(佐藤さん)「あと、愛知で暮らし始めて本当に良かったのは、居住空間が広くなったことです!家賃は東京の時と同じですが、倍の広さで暮らせています。」

愛知に来てからの生活コストは、東京に住んでいた時よりも抑えられているので、“生活の質が上がった” そうです。

 

(川本さん)--廣瀬さんの場合はどうでしょう?子育てをしながら「起業」するって、とてもハードなことのように思えるのですが…?


廣瀬あゆみさん(株式会社Lii 代表) Twitter: @ayumi_lii

(廣瀬さん)「私は関西で生まれ育ち、東京ではマーケティングの仕事に携わっていましたが、結婚を機に名古屋で暮らし始めて出産しました。その後は転職して、福祉のベンチャー企業でブランディングや広報を担当し、色んな可能性を感じて児童発達支援の分野で起業しました!起業した会社では、デジタルスポーツ療育開発、福祉施設の採用支援などを行っています。

東京では子育てしながら起業する人も珍しくなく、それだけ競合相手が多いので、東京での起業は私には実現できなかったと思います。その意味で、愛知は起業家にとって “ブルーオーシャン” だと思い、ビジネスのポテンシャルを感じた名古屋での起業を選びました。保育園への送迎も車でできてスムーズなので、子育てと仕事も両立しやすいです。

私の場合、やりたいことができれば場所は重要じゃないんです。やりたいことを “今” やる!これが私のモットーです!」

 

お二人とも、東京で暮らしていた頃よりも愛知での暮らしの方が「ワーク・ライフ・バランスが取りやすくなった」と口を揃えて言います。安く快適な住環境など、愛知ならではの便利でゆとりある暮らしを満喫しているようでした。

 

※トーク第一部の動画はこちら

 

【トーク二部】地元・愛知と関わる二人から見た、愛知の魅力とは?

一宮市出身のモデル・タレントの柴田紗希さんと、名古屋市出身のモデル・タレント長澤メイさんのお二人に、愛知の魅力を語っていただきました。

帰省するときに感じる愛知の“居心地の良さ”、必見です!

 

(川本さん)--愛知に帰省する際は、どんな場所に行かれてますか?


柴田紗希さん(Instagram:@shibasaaki

(柴田さん)「緊急事態宣言が出る前の2月、東京の友達を連れて愛知県一宮市の糸や繊維の工場見学に行きました。『Re-TAiL』という一宮市にある古い建物に遊びに行ったんですけど、色とりどりの糸や様々な柄の生地があって、見ているだけでワクワクするような場所でした!」


Re-TAiL(リテイル)』では、繊維を主軸にファッションやデザインなど創造的なテナントやアトリエ、展示やイベントなどを集めている。(写真提供:柴田紗希さん)

(柴田さん)小島日和さんという尾州織物のデザイナーがいるんですけど、1日中車を運転してくれて、市内の色々なところを案内してくれました!地元を巡るのが楽しかったですね。住んでいる時は、こんなに素晴らしい場所なんだってことに気づいていませんでした。いつか、自分も一宮市の糸と関わって何かしたいなあって思っています。」


(写真提供:柴田紗希さん)

(柴田さん)「あとは、初めて常滑市に行って、陶芸家を訪ねたりもしました。常滑焼にお茶を入れてもらえて楽しかったですね。常滑は古き良き町。観光スポットもたくさんあってフォトジェニックな場所なんです!鎌倉っぽいイメージですね。カレー屋さんにも入ったんですが、めちゃくちゃ美味しかった…!」


常滑市にある「やきもの散歩道」。 土管坂(左)と見守り猫「とこにゃん」(右)  (写真提供:柴田紗希さん)

 

(川本さん)--どれもとっても楽しそうですね!!
続いては長澤メイさんです。長澤さんは名古屋市出身ですよね?帰省された時、どんな場所を訪れますか?


長澤メイさん(Instagram:@xxmeixx1208

(長澤さん)「はい、名古屋市出身です。私、味噌煮込みうどんが大好きなんです。名古屋でいちばん美味しいと思っているのが大須にある『味噌にこみ  たから』です。普通、味噌煮込みうどんの麺は固めなんですけど、ここの麺は少し柔らかめ。煮込んであるので味が染みててすごく美味しい…!オススメです。店主のおじちゃんがとっても優しくてユニークなの!」


(写真提供:長澤メイさん)

愛知と言えば、味噌文化。やはり、お味噌には二人とも強い思い入れがあるようです。

(柴田さん)「東京だと味噌に困りますね。赤味噌が欲しいけど、東京ではなかなか手に入らない。東京に来たばかりの時は、コンビニおでんに味噌がつかないことにびっくりしました!笑」

 

(川本さん)--そんな『味噌にこみ たから』のある大須ですが、二人は大須にはよく行かれるんですか?

(長澤さん)「大須にはしょっちゅう行きます!古着屋さんとか食べ歩きできるお店、大須観音もあるので…おじいちゃん・おばあちゃんも来ているし、若い子もいます。全部が詰まっている感じ!」

(柴田さん)「大須は、浅草とか下北とか高円寺とかを混ぜたような街ですね!それに、古着の値段が東京より断然安いんです!めちゃくちゃ可愛い古着がたくさんある!タピオカも流行る前からありましたし、“日本の流行は大須から”って感じですね!」

(長澤さん)「あと、私、いつか瀬戸市に行ってみたいんです!東京で陶芸を習っているんですけど、その先生がわざわざ材料を買いに瀬戸まで行ってるみたいなので気になっていて。せともの祭りにも行ってみたいです!」

愛知県出身のお二人ですが、いつか訪れたい魅力的な場所もたくさんあるようです。

 

(川本さん)--地元大好きなお二人は、愛知に帰りたい瞬間はありますか?

(長澤さん)「いつも帰りたいです!街が好き。コンパクトで移動もしやすいし、買い物しやすい。」

(柴田さん)「帰った時は、美意識の高い友人に美容の話を聞きに行ったりもします。名古屋はおしゃれでキラキラした女性が多いと思う。刺激になって自分も感化されます!」

 

(川本さん)--東京と愛知の違いはどんなところだと思いますか?

(長澤さん)「“ひと”が違う。親切でフレンドリーだけど、ベタベタしない人が多い。人との距離感が適度で心地よいです。」
(柴田さん)「親切だけど、深くまでは掘り下げない…みたいな。程よい感じだよね。あと、愛知では家族ぐるみで遊びに出かけることも結構ありますし、親子で仲良い人が多い印象ですね。」

(川本さん)--参加者の方から「いつも行くところが同じになってしまうので、愛知県のオススメ観光スポットを教えて欲しい!」という質問も来てますが。他にもオススメの場所は知ってますか?

(長澤さん)「長久手のエリアも最近変わってきたと聞きました。新しいカフェができてたり、IKEAもできたりしたようです!」

(川本さん)--長久手のあたりは、2022年に『ジブリパーク』ができるんですって!もうすぐですよ!

(柴田さん、長澤さん)「えー!すごーい!行きたい〜!!行ってみたいところが増えました〜!」

お二人のトークから、愛知が大好きなことが伝わってきました。将来的には、空気がおいしくて自然の多い場所に住みたいという想いもあるようです。

愛知は観光スポットもたくさんあるので、ぜひ遊びに行きたいですね!

 

愛知の自然素材を身近に感じるオンラインワークショップ

トークイベントの後半は、愛知の自然素材を使ったワークショップが開催されました。

 

【Aコース】化粧品づくりワークショップ

愛知県田原市で農薬・化学肥料不使用の米栽培をしている“ゆたかわ”さんの米ぬかを使った洗顔スクラブと、設楽茶油を使用したネイルオイルの2種類をつくりました。

講師は、日本手作りコスメ協会認定の手作りコスメコーディネーターで、手作りコスメインストラクターの資格を持つ鎰廣景子さんです。

鎰廣さんは、ライフスタイルや食、生活環境などの在り方が心身の状態に影響すると気づいたことがきっかけで、自然環境に寄り添った暮らしを目指すようになったそうです。

地域おこし協力隊として東栄町に移住し、地元のセリサイト(化粧品原料)を使った手作りコスメ教室事業を担当し、独立しました。「自然の力を暮らしに取り入れることで、自分らしく生きていけることを知るきっかけになって欲しい」という想いで自然素材を使った出張型の手作りコスメ教室『ほしの雫』 の運営をはじめています。

(鎰廣さん)「他のスクラブが使えなくなるくらい、米ぬかスクラブは優秀です!使い続けるとくすみも消えて、滑らかな肌になりますよ。このスクラブを使った日はお肌のすべすべ感を感じてもらうため、裸で寝て欲しいくらいです!(笑)」

材料を混ぜ合わせていると、ふわっと精油のいい香りが。作りながら心も癒され、愛知県を身近に感じることができました。

 

【Bコース】ハーブティーブレンド ワークショップ

愛知県の生産者のハーブを使い、好きなハーブを好みの量でブレンドする自分だけのオリジナルハーバルドリンクを作るワークショップです。

講師は、愛知県常滑市出身で、植物療法士の資格を持つハーバルライフスタイリストとして活躍する『Verseau(ヴェルソー)』の村田美沙さん。

現在は東京在住ですが、馴染みのある土地のハーブや植物の情報を発信したいと思い、生まれ育った愛知や岐阜の農家を訪ね、不定期でジャーナルも発行しています。


(左から)レモンバーベナ レモングラス、ローゼル、和紅茶

(村田さん)「ハーブ選びは自分の好きなもの、自分らしさを考えられるのが洋服選びと似ています。今日をきっかけに、皆さんにもハーブティーを好きになって欲しいです。ハーブティーは内側から植物を楽しめるけど、実際に出かけて行って目で見て匂いを嗅いだりするのもオススメなので、ぜひ愛知に足を運んでみてください。」

都市だけではなく、身近に自然があるのも愛知の魅力のひとつ。愛知の自然素材に癒されるワークショップでした。

 

− 愛知の魅力まとめ −

✔︎愛知県は街中がぎゅっとコンパクトに集約されていて移動しやすい
✔︎ちょっと足をのばせば観光地や「山」「海」「離島」などの自然がある
✔︎焼き物をはじめとした、ものづくりが盛ん
✔︎仕事と暮らし、子育てなどの「ワーク・ライフ・バランス」が取りやすい
✔︎「転職」や「起業」など、女性の活躍を応援してくれる土壌がある

 

今回の『Girls Meeting Aichi 2020』を通じて愛知県は、「転職」「起業」がしやすいこと、子育て環境が良いこと、そして都市機能も「山」「海」といった自然も近くにあって “住みやすい場所” であることがわかりました。

まず気軽に足を運んでみることから、愛知の魅力を体験してみてはいかがでしょうか?

 

関連情報

■あいち女性起業家・経営者支援プログラム「COMPASS」
https://sstartup.jp/compass/
女性起業家の経営者としての成長及びビジネスのスケールアップ(事業拡大)を支援するプログラムです。

■あいちUIJターン支援センター(場所:品川・名古屋)
https://www.uij-aichi.jp/
※窓口やオンラインでの個別相談、就職に役立つイベントの開催など、愛知へのUIJターンを希望する方をサポートしています。

■常滑市にあるカフェ「常々」
http://tsunezune.jp/

■小島日和さんの「terihaeru」
https://www.terihaeru.com/

■味噌にこみ たから
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230105/23007904/

■ほしの雫
https://hoshinoshizuku.shopinfo.jp/

■Verseau(ヴェルソー)
https://verseau.me/

 

文/老伽真由美

                   

人気記事

新着記事