暮らしの選択肢をそっと広げる空気を感じて。
一泊二日で行く「#秋のいすみ取材旅」レポート

[この記事は、いすみ市起業家発掘及び情報発信業務を受託したTURNS(第一プログレス)がPhotoliと協力して制作しております]

2019年秋、写真のメディア「Photoli」のメンバーと一緒に、千葉県いすみ市へまちの魅力に出会う取材に行って来ました!
夏の取材に引き続き、3本に渡ってその様子をお伝えいたします。

最後となる本編は、取材全体のレポートになります。
2日間で訪れた場所、そして魅力的ないすみの人々をご紹介いたします。
ぜひ会いに行ってみてください。

 


「千葉県いすみ市で、一緒に取材旅をしませんか?」

そんな呼びかけに耳を傾けた同世代たちが集まって、はじめましての土地で、一日を過ごす。
「いすみ取材旅」と名付けられたその旅は、真夏のいすみ市と秋の終わりのいすみ市で、穏やかな時間が通り過ぎるなか開催されました。

今回お届けするのは「#秋のいすみ取材旅」として行われた取材の記憶です。

取材旅を主催したTURNSとPhotoli編集部、そして取材メンバーたちの目には、いすみのまちはどのように写ったのでしょう。

 

2日間でいすみ市を巡る「#秋のいすみ取材旅」

「#秋のいすみ取材旅」は、2019年11月23日〜24日にかけて、一泊二日で開催された千葉県いすみ市を巡るツアーです。

いすみ市で暮らす人々を中心に、風景や食なども含め、まるっといすみを体感して、その魅力を発信することを目的として開催されました。

取材旅に参加したのは、こんなメンバーです。

まず、TURNSとPhotoli編集部。

いすみ市とは、はじめましてのメンバーもいれば、二度目ましてのメンバーも。いずれにしても、秋のいすみを体験するのは初めてです。

(左から、原克典さん・井関奈美さん・齊藤菜穂さん・保坂美南さん・井口麻友子さん)

そして、私たちの呼びかけに手を挙げてくれた取材メンバーがこちら。

平日は会社員として働いていたり、趣味で映像作品を作っていたり、と多種多様なキャリアや個性を持つメンバーたちが、取材旅をきっかけに集いました。

5名とも、いすみ市を訪れるのは初めてですが「将来的に移住・起業を考えていて、いすみ市を知ってみたい」など、それぞれが抱くいすみ市への期待もあったようです。

 

いすみで「生きる」を決めた人たち

「実際に行ってみないと、いすみの魅力には気がつけないのかもしれない。」いすみでの2日間を終えた私は今、そんなことを思っています。

なぜなら、きっといすみに流れている穏やかな雰囲気。それこそが、いすみが持つなによりの宝なのではないかと思うからです。

取材メンバーそれぞれが切り取る、飾らないそのままのいすみの写真を見たとき、そんなことを実感しました。

私たち一人ひとりの目に写るいすみの印象は、それぞれが撮影した写真に色濃く反映されています。

ということで、ここからは、取材旅で訪れた6つのスポットを順番にご紹介します。

取材メンバーの写真が代わる代わる登場するので、お話と合わせて、写真で切り取るいすみの様子も感じていただけたら嬉しいです。それでは、どうぞ。

 


①「星空の小さな図書館」三星千絵さん(図書館)

大人も子どもも、おじいさんやおばあさんも。みんなが一息つける「場」が作りたいと考え、古民家の納屋を改装し、小さな図書館をいすみ市にオープンさせたのが三星千絵さんです。

──こじんまりとした、優しい場ですね。訪れる方は、いすみ市内にお住まいのことが多いのですか?

三星さん:いすみ市の方もいれば、隣の市から訪れる方、東京から来てくださる方、いろいろですね。このあたりでは、車をちょっと走らせて隣のまちまで出かけることが珍しくないので、親子連れでドライブなんてことも多いですよ。


Photo by – 原克典

──どうしていすみ市で図書館を開こうと思ったのですか? 古民家の改装というと、いろいろなアイデアがありそうだと思ったのですけれど……。

三星さん:誰もが身近に感じられる場所を作りたいと思ったからです。人の集う空間で、かつ、私が好きな「本」で何かできたら……と考えたら、図書館って良いなあと。

Photo by – 齊藤菜穂

三星さん:私は28歳のときに東京からここへ移住してきたんです。東京の忙しない日々から脱したいと考えていたときに知ったいすみ市には、自分らしくワクワクしながら働く人ばかりが集っていて。まずは1年と思って住んでみたら、本当に好きになっちゃったんですよね。

Photo by – 保坂美南

 

②「ブラウンズフィールド」中島デコさん(マクロビオティックカフェ ライステラス・宿泊施設 慈慈の邸)

まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのよう。「ブラウンズフィールド」を訪れたとき、真っ先に抱いたのはそんな感情でした。

Photo by – 井関奈美

オーナーの中島デコさんは、マクロビオティックと呼ばれる食事法を実践しながら、カフェや宿泊施設などを営み、暮らしています。

──コーヒーやケーキ、すごくおいしかったです。ここのランチは、この土地で栽培されている食材を使っているのですよね。

中島さん:そうですね。「マクロビオティック」と呼ばれる料理をご提供しています。
なるべく、家の畑か地元の季節のお野菜を、余すところなく使うんです。お米は目の前の田んぼで、自然栽培で作っています。お醤油やお味噌やお酢などの調味料は自家製です。

素材の味を楽しむスイートポテトのタルト / Photo by – 原克典

──ここは、最寄り駅のJR長者町駅からは歩いて50分の距離と伺いました。中島さんは、どうしてここで暮らすことになったのですか?

中島さん:たまたま、と言うのが一番しっくりきますね。私は、東京生まれ、東京育ちなのでいすみ市との接点はありませんでした。いすみ市を知ったのは、友人が紹介してくれたから。5人の子どもを産んで育てて、次の暮らしを考えたときに、自然のあるまちで、種を蒔いて育てる暮らしをしたいなと。

──東京といすみとでは、中島さんにとっての暮らしのあり方は大きく変わっているように見えますね。

中島さん:東京に暮らしていたときは、生活か仕事か、どちらかを選ぶのが当たり前だと思っていました。でも、いすみに来て、それは違うなあと気がついたんです。私は自分達の食べるものは自分達で作る、いわゆる自給自足の生活をしているのですが、それって生活と仕事は一緒になり得るし、ベーシックインカムの獲得にもつながるなあと。


Photo by – 葵

中島さん:やりたいことのために、何かを犠牲にするとか、食いつなぐために働くとか。そんな考え方を取っ払ってくれたのが、このまちでした。自分の「やりたい」を自分で選択しデザインしていく生き方が、ここにはある気がします。

 

③「green+」御田勝義さん、亜季子さん(オーガニックカフェ・エコアパート)

“ヴィーガン料理”という言葉を初めて聞いたのは「green+(グリーンプラス)」を訪れたときのこと。

green+は、JR長者町駅から歩くこと約10分のところにある、東京からいすみ市に移住した御田さんご夫婦が営まれている、オーガニックカフェ・エコアパートです。

Photo by – 保坂美南

──ヴィーガン料理、初めて食べたのですが、どのメニューもどこかホッとするような味わいでした。オーガニックの料理と出会ったのは、どんなきっかけだったのでしょうか。

お手製の車麩の中華風角煮 / Photo by – 中村英史

勝義さん:「ブラウンズフィールド」の中島デコさんの元で働いていたことです。僕自身は北海道の小樽出身なのですが、関東・中部・関西地方あたりを転々とした後、海外に旅に出ていて。その後、自然暮らしに興味があって、いすみ市を訪れたんです。

──今は、カフェだけではなくエコアパートも経営されているんですよね。

勝義さん:このカフェの隣には、同じ間取りの部屋が4棟並んでいて、住まいとして移住者の方に住んでいただいています。目の前には畑もあるので、自家製の野菜を作ることもできて。今は、ちょうどお住まいのみなさん、僕らと同じ子育て中のご家族なんです。

亜季子さん:もっとコミュニティの中で子育てができたらと思い「森のようちえん いすみっこ」というグループを作っています。私は、もともと東京で夜中まで働く、みたいな生活をしていたのですが、自然を求めていすみに移住して、人のつながりに救ってもらったことがたくさんあって。

亜季子さん:自分たちが体験しているからこそ感じられる、子育て世代なりの暮らしやすさもいすみの中で作り続けていきたいなと思っています。

 

④ 「チャナリーフ」迎忠男さん、裕美さん(アジアンカフェ食堂)

夏の取材の際にも、少しだけお話を伺っていた「チャナリーフ」。前回はマルシェ「ホーフ市」の会場でお会いしたのですが、今回はお二人が営まれているカフェの店舗へ。

Photo by- 井口麻友子

優しい味わいのインドカレープレートをいただきました

──すごく温かで賑やかな雰囲気ですね。前回お話を伺った際に、南インドへの旅でインスピレーションを受けて、ここをオープンしたとお話いただきました。インドでどのような出会いがあったのですか?

裕美さん:南インドにあるケララ州を訪れたときに、自然豊かな暮らしを体験したんです。都会暮らしが長かったこともあり、心がほぐれるような空気に身を置いて癒やされるなと感じて。

──そこで、スパイス料理を学ばれたんですね。カフェをオープンする場所としていすみ市を選んだのはどうしてなのでしょう。

裕美さん:いすみ市で、たまたまこんな場所があるよと紹介してもらったのが、この場所でした。自然が豊かな南インドの空気を思い出せるからお気に入りになったんですよ。

忠男さん:本来は旅が好きな2人なので、トリップ感あふれる空間創りと料理をしながら、生活の中に音楽やエンターテインメントがあるような、いつまでも「変化する暮らし」を楽しみたいなと思っています。

 

⑤大原漁港「港の朝市」

Photo by – 貝津美里

次にご紹介するのは、漁港のあるいすみ市ならではの、大原漁港「港の朝市」。
いすみの朝を彩る「港の朝市」は、大原漁港のすぐ目の前で、毎週日曜日の朝8時から正午まで開催されています。

いすみ市産の新鮮な水産物や加工品が並びます。屋台から漂ういい香りに、到着した途端お腹が「グウ」と鳴き声を上げていました。


Photo by – 中村英史

タコ飯やイセエビのお味噌汁など、朝から贅沢な食事……。お味噌汁を一口すすってみると、じんわりとした温かさが身体に広がります。


Photo by – 原克典

ジュウジュウと食材を焼く音や、醤油の香ばしい匂いなど、五感で海の幸を楽しめる雰囲気がたまりません。

Photo by – 井関奈美

その他、意外にも“モーニング”のフレーズが似合いそうな珈琲屋さんも発見。いすみの朝は、バリエーション豊かなようです。

 

⑥「高秀牧場ミルク工房」馬上温香さん(牧場・チーズ工房)

最後にご紹介するのは「高秀牧場ミルク工房」。
牧場の牛を眺めながらジェラートが食べられるお店です。

店長を務める馬上温香さんは「牛が好きで仕方がなくて」と笑顔で牧場を案内してくださいました。

──牧場の敷地、とっても広いですよね。どのくらいの牛を飼育しているのでしょうか?

馬上さん:うちの牧場は、東京ドーム4.5個分と、広大な敷地の中にあります。飼育している牛の数は、150頭。毎日、2トンの乳量を出荷しています。

Photo by – 中村英史

馬上さん:広い敷地を活かして、牧草を自給生産していたり、トウモロコシを始めとする作物を生産していたり。循環型酪農と呼ばれる、エコな牧場のスタイルを保っているんです。豊かな自然の中で育つので、味わい深い牛乳ができるんですよ。

新鮮&濃厚な牛乳で作ったジェラート

馬上さん:工房は牧場のすぐ隣なので、牛の近くにいられて幸せだなあって思います。

 
 

自由な選択の後押しをしてくれる。それが「いすみ」なのかもしれない

いすみに暮らす人々と、そこで生まれる考え方を追いかけた2日間。

いすみは多様さを受け入れ、寛容に挑戦させてくれる土壌があるのだろうなと感じる旅の時間でした。

取材旅を終えた後、取材に参加していたメンバーに参加した感想を聞いてみました。

すると、

「有り余るお金を稼ぎたいわけではない。でも、普段から好きなことをして心を豊かに暮らしている状態を実現したいとは心から思う。

いすみ市の人たちは、それを体現していて、自分の選択も肯定していた。自分もそんな生き方を選びたい」

と、今後の選択のヒントを得ていたり、

「ずっと良い会社でバリバリ働くことが正解だと思ってきた。

ただ、いくら安定していても、自分の気持ちを押し殺して暮らすのはやっぱり息苦しいし、そう思いながら過ごす時間ももったいない。だから、自分も人生を思い切り生き抜くために、今の状況を変えようと思う」

と、大きな決断をした人も。

今の時代、東京を離れて地方で起業する人も増えています。子育てのために、あえて、都会を離れる人もいます。

自分が生きたいと思える場所を見つけられたら、それがきっと一番良い。

そして、いすみはそんな人のいろいろな「選択」と「決断」を後押ししてくれるはず。取材を終えた今、そんな気がしています。

 

文:鈴木詩乃(Photoli)
写真:横尾涼(Photoli ※クレジットのないもののみ)
アイキャッチ:中村英史

 

 

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