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岐阜で自然と向き合い、林業という仕事で暮らしを豊かにする

日本の真ん中に位置し、“にほんのおへそ”とも呼ばれている岐阜県は、森林率が全国2位
「清流の国 ぎふ」と呼ばれるように、長良川などの大きな川があり、山とともにきれいな水が流れているので、自然豊かな環境であることが岐阜県の特徴です。そういったことから、もともと林業が盛んな地域であり、他のエリアに比べて下地が整っているため林業に携わりやすい県だそうです。

今回は、そんな岐阜の環境に魅了されて恵那市に移住したNPO法人夕立山森林塾佐藤大輔さんを取材し、林業をはじめてからのライフスタイルや林業の魅力について、お話を聞きました。

 

▲佐藤 大輔さん/佐藤林業・NPO法人夕立山森林塾
大阪生まれ、奈良県育ち。移住をして、現在は岐阜県恵那市在住。森林組合で11 年間の経験を積み、独立して個人事業主として林業に従事している。NPO法人夕立山森林塾の代表も務めている。


 

林業をはじめたからこそ、できたこと。

大阪府で生まれ、奈良県で育った佐藤さん。高校時代に読んだ『エコロジー的思考のすすめ』という本がきっかけで「環境問題」に興味を持ち、卒業後は森林組合に入りました。
その後、人との“縁”をきっかけに恵那市へ移住し、そこでも森林組合に務めます。森林組合を退職されてからは独立し、木の駅プロジェクト(間伐した材を、地域の飲食店やお店で使える地域通貨と交換できる林業プロジェクト)の立ち上げなどに関わりました。

なぜ、移住後も林業を続けようと思ったのでしょうか?その理由は、林業の経験があり「自分を生かせる場」であると感じていたことと、体を動かすことが好きで、自分に向いている仕事だと思ったからだそうです。

林業をはじめてからの佐藤さんの生活は、朝8時に現場に集合し、16時半まで伐採などの仕事、その後は雑務などがあれば済ませて、終わったら家に帰宅。(なんと、ご自宅はご自身や知人の方の力を貸りながら、古家を改修して住んでいるそうです!)帰宅後は、薪ストーブを家族で囲みながらゆったりした時間を過ごしています。佐藤さんは、この“家族と過ごすじかん”をとても大切にしてらっしゃいます。

そうしたライフスタイルを送れるのも、林業という仕事のおかげです。

その他にも、林業の仕事をして身に付いた技術で、仕事で使用するトラックの整備や、機械の修理などもできるところはなるべくご自身で行うそうです。もともと建設会社だった倉庫を借り、必要な部品はネットやヤフオクなどで購入し、ご自身の知識やネットで検索しながら修理までしてしまいます。

普段体を動かされている分、せっかくならゆっくりしたいのではとお伺いすると、「これも趣味の一つで楽しみながらやっている」とのこと。お友達がこの倉庫に来た時には、佐藤さんのこういった仕事につながる趣味を見て羨ましがっていたようでした。やはり、自然の中で自分の力で生活するということに、少なからず憧れを持っている人も多いのではないでしょうか。これも、この林業という仕事、この自然環境だからこそできることだそうです。

 

危険な仕事を続ける理由

しかし、「林業」と聞くと他の職種よりも少し“ハード”なイメージがあります。大変なことはないか佐藤さんに伺ってみました。

「林業は自然の中で働く魅力があるし、色々な人に必要とされている仕事だから、やめようと思ったことはないが、命の危険を感じることもある仕事ではある。簡単な仕事ではないので、どんな人でも入って!とは思わないが、人の生活にはなくてはならない仕事なので、林業に従事する人は増えてほしいと思っている。」

林業を危険な仕事であると認識しつつも、私たちが生活するのに必要な仕事だと力強く話す佐藤さん。やはり自然の中で暮らしている人には、都会にはない「生きる強さ」や「心の豊かさ」があります。

また、現実的な面ではこのようにも話されていました。

「会社によって、お給料の面や働き方は様々だが、現在続けられている人は、仕事と生活に折り合いをつけられていると思う。“体をつかって働きたい”“人のためになる仕事がしたい”“身体能力が高い!”という方には向いている仕事だと思います。」

向き不向きはありますが、「林業」は大きなやりがいを感じられる職種であることは間違いなさそうです。

 

NPO法人夕立山森林塾での活動
“山に興味を持つ人を増やしていきたい”

佐藤さんが代表を務めるNPO法人夕立山森林塾では、仕事として関わる人以外に、一般の方にも森の大切さや魅力を知ってもらう活動をしています。地域の人と共に山の管理方法を考えることや、林業を始めたい人を対象とした講座「山しごと手習い塾」などの活動を続けています。

林業の仕事をしながら、情報発信の活動をするのはとても大変だそうです。しかし、これからの林業の担い手を増やすため、山に興味をもってくれる人を増やすためには、情報発信の活動は不可欠です。
そうした努力の甲斐もあり、近年では夕立山森林塾が主催する体験プログラムなどに参加する若者も増えてきました。林業の役割の大切さに気付き始めている人も大勢いるのです。

「林業」とは、一見すると大変な職業のように思われがちですが、自然と向き合いながら仕事をすることによって得られるやりがいは、他の職種とは一味もふた味も違った喜びを得ることができます。また、佐藤さんのようにDIYの技術が身に付くことも、この仕事ならではの強みです。

自然の中で暮らしたい、働きたいと、少しでも「林業」に興味のある方は、NPO法人夕立山森林塾や岐阜県の「森のジョブステーションぎふ」(下記のINFORMATION参照)を訪ねてみてはいかがでしょうか?

きっと今までには見たことのない“開けた世界”を体験することができますよ。

 

\INFORMATION/

【森のジョブステーションぎふ】

林業の就業相談から技術習得、定着までを一貫して支援し、担い手の確保・育成、事業者の雇用管理改善などの取組を行っています。
アドバイザーを配置しておりますので、いつでも相談ができます。

■所在地:岐阜県美濃市生櫛1612番地2 岐阜県中濃総合庁舎1階
■TEL:0575-33-4011(代表)
■FAX:0575-46-8408
■E-mail:m-job@gifu-shinrin.or.jp
■休所日:土曜日、日曜日、祝日、年末年始
■HP:https://gifu-shinrin.or.jp/labor


イベントの告知

森のしごとセミナー「~森と働く、森林と暮らす。~」

日程:2020年1月12日(日)
時間:11時~16時
場所:ウインクあいち 8階展示場
主催:森のジョブステーションぎふ
後援:岐阜県
内容:
●岐阜県の林業従事者・関係者によるトークセッション
(佐藤大輔さんも参加します。)
●岐阜県の林業に関わりのある「会社・市町村・学校」のブース出展
●「WOOD JOB!神去なあなあ日常」のプロデューサー「深津智男」さんが語る映画の裏側
●木の香りを楽しむワークショッップ、など

<問い合わせ先>
森のジョブステーションぎふ
(上記を参照ください)