【香川県三豊市×JAL】ワーケーション×農×JALの出会いが生む、地域イノベーションの可能性

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リモートワーク化の時勢を追い風に、新たな旅のスタイルとして定着しつつあるワーケーション。そんなワーケーションの新たな可能性を感じさせるモニターツアーの第1回目が、2023年10月下旬に香川県三豊市で開催された。

ツアー参加者は日本航空株式会社の社員6名。

参加者は瀬戸内海の多島美を望む一棟貸しのゲストハウス「Bay Wind」を拠点に、4日間のワーケーションを体験。さらに農作業やまち歩き、地域活動の最前線で活躍するキーパーソンたちとの交流などを通し、さまざまな角度から三豊市の地域性と魅力、課題を見つめた。最終日には三豊市役所職員や地元企業の代表者との意見交換会を開催。ワーケーション×農×JALの出会いが生む、新たな価値創造のためのアイデアを出し合った。 

 

1日目:ワーケーション施設見学、地域プレイヤーとの交流会 

香川県の空の玄関口・高松空港から、三豊市内までは車で約 1 時間。 

オリエンテーションを終えた一行は、三豊市を拠点に多数の地域プロジェクトを展開する「瀬戸内ワークス株式会社」の森さくらさんの案内で、三豊らしさが詰まった3種類のゲストハウス見学へ。 

URASHIMA VILLAGE 


施設名の由来は、浦島太郎が亀を助けたとの言い伝えが残る無人島・丸山島を目前に望むことから

まず訪ねたのは、2021年1月に開業した「URASHIMA VILLAGE 

2,000坪の絶景地に佇む3棟の宿泊棟は、全室オーシャンビュー。キッチン、ダイニング、コンセント、Wi-Fiなどが完備されており、暮すように滞在することができる。敷地内には瀬戸内海に浮かぶ無人島・丸山島を望むサウナがあり、水風呂の代わりに海でリフレッシュするという贅沢なひと時を過ごすことも。 

森さん「人口6万人ほどの三豊市に大きな転機が訪れたのは、2017年頃のことです。市内北西部にある『父母ヶ浜』がSNSで“日本のウユニ湖”と紹介されて大きな反響を呼ぶと、年間観光客がそれまでの100倍にまで急増し、5年後には世界中から年間50万人が訪れる人気観光地になりました。

しかし市内には宿泊施設が少ないため、せっかく生まれた客足を地域経済の活性化に生かし切れないという新たな地域課題が生まれたんです。そこで三豊市に拠点を置く建材会社や工務店、スーパー、交通会社など、地元企業11 社が共同出資して生まれたのがURASHIMA VILLAGEです」 

URASHIMA VILLAGEは、出資企業の「琴平バス株式会社」が宿泊客の送迎を担い、地元スーパーを経営する「株式会社イマガワ」が食事メニューの開発・提供を行うなど、出資各社がそれぞれの事業領域を少しずつ広げ支え合うことで運営されている。 

広い敷地に宿泊等は3棟のみ。定員は棟ごとに異なるが、2名から最大10名までが宿泊可能。ワーケーションはもちろん、家族旅行客や外国人観光客の利用も増えているのだという。 

■URASHIMA VILLAGE
https://urashimavillage.com

積凪(つむなぎ)

次に訪ねたのは、「KITAKEN棟」と「MOKURASU棟」から成るゲストハウス「積凪​(つむなぎ) 

地元企業の「株式会社喜田建材」と工務店「株式会社モクラス」がタッグを組み、それぞれの技術を結集させて、2021年4月に“泊まれるショールーム”としてオープンさせた。 

施設内には、空と海、大自然とのつながりを演出するインフィニティプールやバレルサウナ(樽型サウナ)、薪ストーブ、ファイヤースペース、アイランドキッチン、BBQ設備など、「いつかこんな家に住めたら…」という夢を全て叶えたような優雅な空間が広がっている。 

各棟最大14名が宿泊できるため、ワーケーションのほか合宿や企業研修など幅広いシーンに活用できそうだ。

積凪
https://tsumunagi.jp

三豊鶴 

続いて、旧酒蔵に泊まるというユニークな体験ができる、酒造体験型ゲストハウス「三豊鶴 TOJI」へ。

建物の基になったのは、1877年(明治10年)に創業し、2005年まで地酒を造り続けた酒蔵「三豊鶴」。廃業後14年ほど空き家屋として放置されていたため老朽化が進み、2019年には危険家屋に指定された建物だった。いよいよ取り壊しの話が現実味を帯びてきた時、立ち上がったのは地元有志5名。「150年もの間地域のシンボルであり文化で続けた酒蔵を、なんとか未来につなぎたい」と合同会社を立ち上げ、クラウドファンディングなども活用しながらリノベーションを重ね、2020年に酒蔵の趣を生かした1棟貸しのゲストハウスとしてリニューアルオープンさせた。


旧酒蔵の精米所を大浴場にリノベーション。風呂釜は実際に使われていた大釜を、水もお酒の仕込み水が使われている

そうして生まれた三豊鶴のコンセプトは、「Brew a New You!(新しいあなたを醸そう!)」 

宿泊客を酒米に見立て、精米=脱衣、蒸米=入浴など、宿泊体験を通して酒造りのプロセスを実体験できる仕組みだ。大浴場にはサウナや水風呂、整い椅子も備わっている。 

森さん「インバウンド向けの体験型観光が脚光を浴びる今、自分自身を醸すというユニークな体験ができる三豊鶴は、旅の目的地として国内外から新たな観光客を呼ぶ可能性を秘めています。 

非日常的な空間に身を置くことでより自由で新鮮な発想が生まれやすくなるので、チームビルディングにも最適ですし、酒蔵をまるごと貸し出すレンタル事業も行っているので、ライブやコンサート、映画試写会、結婚式披露宴など、アイデア次第でさまざまな用途に活用できます」 

■三豊鶴
https://www.mitoyotsuru.com

今回巡った3種類のゲストハウスに共通しているのは、「三豊をこういう地域にしていきたい!」「地域のこんなものがあったらおもしろい!」というアイデアを、住民同士の助け合いの中で実現し運営していること。 

「地域の未来は誰かに委ねるのではなく、自分たちの力で創り切り拓いていく」という三豊の地域性と、共助の精神が息づくまちならではの希望が感じられた。 

 

地域プレイヤーの活動紹介 

 実際に地域活動の最前線で活躍しているプレイヤーたちは、今どのような思いで活動し、どんな未来を見つめているのだろうか? 

ゲストハウス見学を終えた一行は、カメラマン、スーパーマーケットの3代目、交通事業社という全く異なる事業を展開しながら互いに支え合う、若き3名の事業主の話を聞いた。 

藤岡優さん|合同会社 Fizm 代表|三豊市出身、Uターン者 

「三豊の歴史は俺が作る」という覚悟を持ち、カメラマンとしての活動を主軸に、地域に伝わる祭事の様子を収めた写真集の出版や古民家再生プロジェクト、ジーンズブランド「ボブソン」とのコラボGパンづくりなど、さまざまな活動をしています。 

活動をする中で気付いたのは、新たなチャレンジをした数だけ新しい仲間に出会えるということです。仲間たちとの支え合いの輪が広がるとそこが居場所になり、その居場所が地域全体に広がることで、より豊かな地域になっていくという実感があります。 

三豊という地域を、小さなチャレンジがたくさん生まれ、例え失敗したとしても仲間と一緒に成功までもっていける、「大好きな仲間と本気で楽しむ大人がいるまち」にしていきたいです。 

今川宗一郎さん|株式会社ウルトラ今川 代表|三豊市出身 

祖父の代から営んできた地元スーパー「スーパー今川」の3代目として、スーパーを経営しながら、後継者のいない離島の移動販売事業や老舗かまぼこ屋などの地域事業を継承し、新たに珈琲店や寿司屋、カラオケパブなどを立ち上げ経営しています。  

事業を行う上で一番優先しているのは、自分たちの幸福度です。自分たちにとって幸福とは何かを突き詰めて考えていくと、身近にいる家族や仲間が幸せに暮らしている状態に行き着きます。特に自分は地域のインフラを支える事業を担っているので、仕事を通じて自分たちの幸福度を上げると、それが結果的に地域の方々の幸せにもつながり、より豊かなまちになっていくと感じています。 

これからも「地域とともに生き、ともに栄え、ともに滅びる」をコンセプトに、仲間と楽しみながら豊かなまちをつくっていきたいです。 

 

田島颯さん|暮らしの交通株式会社 代表|東京都江戸川区出身 

「地域と子どもたちを結び、学びの関係人口を創りたい」と、教育を軸に活動してきました。活動する中で特に過疎化が進む地域では、子どもたちの移動の格差が体験の格差を生んでいることを実感し、三豊の地元企業13社と協力して「暮らしの交通」を立ち上げ、エリア定額乗り放題サービズ「mobi」をはじめとする交通事業に取り組んでいます。 

三豊には足りないものがたくさんあります。でもだからこそ、優さんや宗一郎さんの話にもあった通り、「だったら自分たちの力で、ほしいものを創っていこう!」という前向きな風土が根付いている地域です。 

地方創生やまちづくりのような漠然としたものを目指すのではなく、自分たちが暮らすまちだからこそ、「これがほしいから創りたい!」という当事者意識を大切に、事業を続けていきたいです。 

 

地域住民との懇親会 

夜には、「自家焙煎 ハレとケ珈琲 仁尾のスタンド」で開かれた地域住民との懇親会に参加。地産食材をふんだんに用いたおもてなし料理に舌鼓を打ちながら、初日の感想をシェアしたり、地域プレイヤーたちの熱い思いに触れたりと、思い思いの時間を過ごした。 

三豊市では、こうした交流の席で生まれたアイデアに協賛が集まり、実際に事業化することも多いのだそう。この日も和やかな会話の中から新規事業の芽が生まれ、育まれたようだった。 

 

2日目:農作業体験 

三豊市の農業生産高は四国一。生産品目も桃やぶどう、ミカンなどの果樹類をはじめ、キャベツや玉ねぎ、レタスなどの野菜、米、養鶏まで幅広い。 

2日目はそんな三豊の農業の可能性に触れるべく、「瀬戸内ReFarming株式会社」代表の横山裕一さんによる案内のもと、2023年11月にオープン予定の「The CAPE Life Science Studio(以下、CAPE)」で農作業を体験。 

CAPEは、地域プロデュース・企業ブランディングなどを多数手掛ける「株式会社umari」の本社兼企業向け研修施設。農園や果樹園、キッチン、サウナのほか、ソーラー発電設備や水再生システム、プライベートビーチなども有し、開業後は企業向けの研修プログラムの提供やチームビルディング等での利用を見込んでいる。 

横山さん「ここは、人が生きていくのに欠かせない食とエネルギーの循環を、自分たちの手で生み出す実験圃場です。例えば自然災害による被害を受けても、水も食料も電力も自給できるこの施設を活用すれば災害時にも生活に必要なものは揃いますし、地域再生の拠点としても活用できると思います。この場所から新しい循環を生み出し、農が持つ可能性と豊かさを広げていきたいです」 

ガラス張りのサウナの目前に広がる農園は、30年近く放置されていた耕作放棄地を開墾し直し、5段の畑に整備したもの。既に実験圃場として利用されていて、1段目は自然栽培、2~4段目は有機肥料、5段目以降は科学肥料を使う農法に使い分けることで、生育条件が作物の成長や収穫量に与える影響などを計測しているのだという。 

また、土を耕さずに作物を育てる「不耕起栽培」にも挑戦しているのだそう。不耕起栽培は栽培できる作物が限定されるなどのデメリットがある一方、植物が吸収し土壌に排出した炭素をそのまま土中に貯留できることからCO2削減効果が見込まれ、農地の森林化を図る環境配慮型の次世代農業として昨今注目を集め始めている。 

参加者は、2段目の畑でピーマンやパプリカ、ナスなどの収穫を体験。 

有機農法で育てられた野菜は、科学肥料を使用した場合と比べて成長速度がゆっくりで収穫量も少なく、雑草や病害虫を除去する手間も掛かる。でもその分、野菜本来が持つ甘みや旨味を味わえるという特徴がある。 

青々と実ったピーマンを収穫しその場で味見した参加者からは、「甘い!」「みずみずしい!」など驚きの声が聞かれ、リアルな体験を通して地域の魅力に触れることの大切さを実感したようだった。 

3日目:ワーケーションブレスト会 

3日目は、宿泊先のBay Windや市内コワーキング施設等でのワーケーションを体験。この日の夕方には3日間の地域体験を振り返り、三豊市の魅力と課題をそれぞれ50個挙げるブレスト会が開かれた。 

参加者からまず挙がったのは、自然環境と景観の良さ。「観光地として有名な父母ヶ浜だけが格別に綺麗なのだと思っていたけど、実際に現地を訪ねてみると、ふと立ち止まった場所からでも瀬戸内の穏やかな海と多島美を眺めることができた」という感想や、「海・山・川が一つのまちの中にある地域は全国的にも珍しく、大きなポテンシャルを秘めているのではないか」という意見、また、三豊市は日本トップクラスの日照時間の長さを誇り、今回の滞在期間中も終日晴天に恵まれていたことから、「アクティビティとの相性も良い」という意見も聞かれた。 

次に話題に上がったのは、ベンチャーマインドを持った魅力的な経営者や個人事業主が多いという点。今回出会った方々それぞれが地域愛を抱いて活動していること、そして全国的にも先進的な事例が多数生まれていることに大きな刺激を受けた様子だった。 

その反面、三豊市自体の認知度が低いために「そうした魅力的な取り組みが広く知られていない現状には、改善の余地があるのではないか」という意見も。その課題を解決するべく、日本航空が持つ全国の企業・自治体とのつながりや自社ブランドのパッケージツアー「JALパック」のスキームを生かして、自治体・法人向けの研修パッケージツアーを造成し、全国販売できないかというアイデアが生まれ、次回以降のモニターツアーで地域の方々の意見を取り入れながらその可能性を深掘りしていくという結論に至った。 

 

4日目:地域体験の共有・意見交換会

最終日には、前日のブレストで出し合った三豊市の魅力と課題を、三豊市役所政策部の竹田直矢さん、倉本明佳さん、細川莉紗さん、「瀬戸内ワークス株式会社」の原田佳南子さん、「瀬戸内ReFarming株式会社」の横山裕一さんを前に発表。 

参加者による地域体験と地域の実情を擦り合わせ、地域に新たな価値生み出すための意見交換会を開催した。 

<参加者による発表内容> 

参加者によるプレゼンを踏まえ、地域の方々からはさまざま意見が挙がった。 


左から、細川莉紗さん、竹田直矢さん、倉本明佳さん

三豊市 政策部 政策調査官 兼 地域戦略課長 事務取扱 

竹田直矢さん 

「三豊市の確たるアイデンティティーが見えづらいという点は、私自身も感じているところです。その一因には、地域プレイヤーたちが熱意とアイデアをもってそれぞれの事業に取り組んでいるものの、その活動が一部エリアに集中していてまだ市全体に浸透していないことが挙げられると思います。また、日常的に食べるような生鮮食品類は質量ともに豊かですが、三豊らしさが伝わるような地産品やおみやげ類が少ないという点も共感できました」 

 三豊市 政策部 産業政策課 副主任 

細川莉紗さん 

「課題の指摘に関して、共感できるところが多かったです。私はUターンしてきたので、地元を出た数年前と比べると地域が着実に進歩しているという実感はあるのですが、三豊市自体の認知度不足もあり、個々の取り組みが広く知られていないと痛感しています。今後は三豊市としてターゲット設定を行うところから、地域ブランディングに取り組んでいきたいです」 

 三豊市 政策部 地域戦略課 主任 

倉本明佳さん 

「Uターン者への積極的なアプローチができていない点は、市としても課題感を抱いているところです。また、認知度の面では地元住民も地元の魅力を知らないというケースがあるので、地域外だけでなく地元の方々にも良さを知ってもらい、三豊の価値や魅力を自分たちの言葉で語れるようにしていかなければと考えています」 


左から、原田佳南子さん、横山裕一さん

瀬戸内ワークス株式会社  代表取締役 

原田佳南子さん 

「共感できるところがたくさんあった一方で、違和感を抱いた部分もありました。 

まずは『そもそも課題って解決すべきなの?』という点です。地域が抱える課題を挙げたらきりがないですし、ひとつの課題を起点に事業を考えていくとその課題が解決したところでモチベーションが下がり、事業の継続性が生まれにくくなると思います。 

次に、誰が事業主体になるのかという点です。 

今回のモニターツアーで巡っていただいたゲストハウスや農園なども、それぞれの事業主が楽しくてやっていたことが結果的に地域コミュニティの創出や魅力発信、移住者増加などにもつながっていたのであって、決して地域の課題を解決するために事業を始めたわけではないんです。 

自らリスクを取って自分たちがほしい日常を作ってきた人がたくさんいる地域なので、『三豊のために地域課題を解決します!』と言ってアイデアを出すだけで実行が伴わないと、地域からの信頼は得にくいと思います。 

認知度・ブランディング不足などの課題に対してJALとして何ができるのかを考えるよりも、主語を『私』に変えて、『私は三豊市をフィールドにどんなおもしろいことができるか、何がやりたいか』という視点で考えていただきたいです」 

JAL「原田さんの『課題に目を向けるよりも、もっと純粋に自分たちが心からワクワクすることをやっていった方が良いのでは?』というご指摘にハッとさせられました。私たち6人中5人は課題解決を担うソリューション事業部に所属していることもあり、ブレストでも魅力より課題の方を注視していたのですが、実際に地域を巡ってみて、ここで暮らしている人は課題があっても『別に困っていない』というのが率直な感想でした」 

原田さん「そうなんです。実はこの地域が今一番求めているのは、課題や困りごとを見出して寄り添ってくれる人ではなく、一緒になって面白いことをやっていける人なんです。 

だから『“あなた・今・ここ”でしかできないことは何だろう?』という視点から、多少のリスクを負ってでも自分がやりたいこと実現するフィールドとして “三豊を貸してもらう”くらいの主体性を持った方が良い結果につながると思います。 

地域課題よりも、三豊が持つ魅力に目を向けてみませんか?」 

相場さん「私が三豊を巡って最も魅力を感じたのは、ホテルの敷地内に瀬戸内海の多島美を望むサウナがあるところです。都会では決してできない体験ができる地域だと思いました。また、私は桜が大好きなのですが、市内の至る所に桜並木があるのを見て、春にはまた別の美しい景色が広がっているはずだと、季節を変えてまた訪れたいと思いました」 

三輪さん「市内のどこからでも美しい景色を眺められることに感動しましたし、それを眺められる環境でリモートワークできるのはとても贅沢だと感じました。また、こんなにベンチャーマインドを持つ人が集まっていて、人に会うたびに刺激をもらえるのはすごいことだと思います。日本航空という組織として何ができるかではなく、地域の方々と人対人の付き合いをする中で新しい価値を生み出すことができたら、とても大きな財産になると感じました」 

中村さん「青い空と多島美が広がる風景はこの地域ならではだと思いますし、ドライブなど車との相性も良いと感じました。その一方で、自分は地元の方々に喜んでいただいてこそやりがいを感じるタイプなので、例えば景観を生かして新たにサウナを造るとなった場合、地元の人たちにも残していきたい景色があると思うので、地域の方々がどう思うのかが気になります。さまざまな立場の人から幅広く意見を聞き、それらを取り入れながら事業を考えていきたいと思います」 

福田さん「とにかく地域で活躍する人が魅力的で、自分自身を成長させられる地域だと感じました。たくさんの刺激をいただけたので、 JALの人材育成事業の一環として三豊で定期的に社員研修を行うのも良いのではないかと思います」 

廣谷さん「毎日散歩やまち歩きをしていたのですが、やはり景色がいいですね。海だけでなく山も身近にある環境なので、例えば山道を自転車で下って父母ヶ浜まで向かうようなアウトドアプランがつくれたらいいなと思いました」 

八木さん「静寂が魅力だと思いました。都会で暮らしていると静かな環境に身を置くことは難しいので、特にアイデアや企画を生み出すクリエイティブな仕事をしている人にとっては、とても良い環境だと感じます」 

原田さん「ありがとうございます。地域ビジネスの成功には、事業の中心に『最後の一人になってもやり続けたい!』という熱意と覚悟を持った経営責任者がいることが欠かせません。三豊市は民間主導の事業を行政が強力にバックアップする体制が整っていますし、今はクラウドファンディング等でも資金集めはできるので、そういう人が中心にいればお金も人も自然と集まり回り始めるものです。今出していただいたような魅力を起点に、主語を一人称にして『私はこれがしたい!』と思うことを、三豊市と二者一体となって実現していきましょう!」 

 

 “地域のため”から“自分のため”に。 

地域と関わる意義を、ビジネス視点の課題解決から自己実現へと一新させ、参加者の主体性を引き出した今回のワーケーション。 

「ワーケーションは、単に働く環境を変えること以上の価値と可能性を秘めている」 

そう実感できる4日間となった。 

 

▼三豊市×JALワーケーションレポートvol.2へ続く!
https://turns.jp/91149

                   

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