北アルプスのパノラマを望む地で生活と仕事が両立した毎日を満喫

長野県池田町

長野県の安曇野エリア北部に位置する池田町は、北アルプスのパノラマと安曇野の田園を望み、豊かな自然に恵まれながらも総合病院やスーパーもある「ほどよい田舎」。松本市と白馬村の中間に位置し、仕事とレジャーのどちらにもアクセスがよいことが特徴です。

近年は質の高いハーブやワイン用ぶどうの生産で注目され、自家用野菜を作りたいなど オーガニックな生活を求めて移住する方も増えています。今回は、6年前にこの町に移住してきた青山さん夫妻に話を伺いました。

2012年に池田町に移住した青山高幸・裕子さん夫妻。ゼネコン会社で建築設計士をしていた高幸さんは、東京、大阪、名古屋と転勤した後、この地を選んだ。

高幸さん:「前の会社ではおもに高層ビルの賃貸用住居の設計をしていたんですが、私としては環境と家をセットにした個人住宅の設計をしたかったんです。良い設計をしたら面と向かってありがとうと言われる…そういう、住んでいる人の顔が見える住まいづくりができたらいいかなと。勤務自体もハードで、毎晩帰るのが遅かったですしね」

裕子さん:「私は都内で編集デザイナーをしていたのですが、これまた深い時間まで勤務の多い仕事で…。これじゃ、子どもも作れないと相談して、私は会社を辞めて、夫は地方への転勤届けを出したんです。子どもも産まれて、大阪に3年半、名古屋に2年過ごしたときに、夫が東京に戻るという内示が出たんですね。もう一度東京に戻るなら、これは地方へ移住のタイミングなのかなって」

もうひとつのきっかけは東日本大震災だったそう。あっという間に首都圏のインフラは崩壊。家族の絆の大切さを再確認した。同時期にカナダ旅行で、アウトドアが身近にある生活を体感したのも影響した。

高幸さん:「朝起きてカヌーを楽しんでから、昼に働いて、夕方からはBBQ。こういう生き方もいいなとワークライフバランスを改めて考えました」

長野には毎年キャンプに来ていたし、高幸さんはスキーで白馬に、妻の裕子さんは山登りが好きで松本に縁があった。なので、その中間点で家を探した。偶然、現在住んでいる土地の情報を得る。

高幸さん:「北アルプスを望む立地で、地域の雰囲気も気に入りました。でも、仕事が決まっていないのに、移住はできない。ウチには子どももいましたからね」

裕子さん:「家を探していたときに、立派な遊具がある公園があったんです。こういう場所があるなら、子育て環境にもいい土地なのかなと思いました。」

移住に際し、充実した生活のため勤め先にはこだわった。そして仕事を探し始めて4ヶ月後、ようやく転職紹介会社から現在勤務する「小林創建」を紹介され、縁あって採用に。

高幸さん:「面接時、就職が決まったら、こういう家を建てますと今住んでいる家の模型を作ってプレゼンをしたんです。それがよかったのかも(笑)」。

裕子さん:「夫は一時、ほかの仕事に転職しようかなとも考えた時期があったのですが、私は今の職業は続けたら?と言ったんです。ここまで培ってきた経験は活かしたいですものね。それと子どもが2人いるので、いくら収入があればこういった生活ができると、夫婦であれこれシュミレーションしました。理想と現実をしっかりと把握して答えを出すのも、地方移住には大切だと思うんです」

松本市内の会社までの25kmほどを車で通勤。田舎道は信号も少なく、移住前に満員電車に揺られるのを思うと苦にならないとのこと。

高幸さん:「今はやりたかった自然素材の住まいづくりもできているし、何より生活環境がいい。今後は中古物件のリノベーションにも取り組んでみたいです。地域貢献にもなりますしね。それとSNSを活用した今の生活の情報発信もしていきたです。こういう生活を過ごせている伝えることで、これから移住を考えている方々の参考にもなるでしょうから。自分達もその当時、リアルな情報が少しでも欲しかったですから」

休みの日は家から望む北アルプスの状況や天気をみてスキーや山歩きに行く事も。庭にはBBQコンロがあり、時間があれば肉や野菜を焼く。青山さん夫妻は池田町ライフを十分に満喫しているようだ。

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池田町のおすすめスポットのご紹介!

シャンティクティ

自然農とパーマカルチャーを実践する臼井健二さんが営むゲストハウス「シャンティクティ(サンスクリット語で“平和の家”の意味)」。緑豊かな安曇野の森の中で、自然豊かな暮らしを体感できる施設だ。

母屋は閉館して使われてなかった宿を、臼井さんがパーマカルチャーのエッセンスを加えてリノベーションしたもの。ほかにも、アースオーブンや自然菜園、固有種や在来種を保存する「種センター」、子どもに人気のホビットハウスなど、施設内を歩けばまるで童話の世界に入りこんだかのような、ほのぼのとした世界観に入っていける。

「シャンティクティ」では自然農業塾やパーマカルチャー塾をはじめとして、マインドフルネスや快医学、占星術など、様々なイベントを開催。また、シュタイナー教育を実践する認可外保育施設「おひさま」の園舎としても利用され、取材時は親子で楽しそうに味噌づくり体験をしていた。これら講座の参加をきっかけに、移住を決断した方も少なくない。興味がある方はぜひ参加してみては!
http://www.ultraman.gr.jp/shantikuthi/

カミツレの宿 八寿恵荘

“花とハーブの町”池田町を体感できる宿が「カミツレの宿 八寿恵荘」。日本初のBIO HOTEL®認証を取得したこの宿は、食事や飲物はすべてビオロジック。さらに石鹸やシャンプー類から、タオルやベッドリネン類にまで、施設の建材にも可能な限り自然素材を使用している。自然環境に配慮し、ゲストに優しい宿泊施設なのだ。

北アルプスの山々に囲まれた悠々とした自然の中にある「カミツレの宿 八寿恵荘」。ちなみに“カミツレ”とはカモミールの和名。毎年5月中旬から6月上旬にかけては、施設の周囲一帯でカモミールの花が満開となり、甘く心地のよい香りに包まれる。

この日のディナーは前菜、菜園サラダ、蒸し鶏のスープ、地元野菜の天婦羅、信州サーモンのカミツレソース添え、かまどご飯、自家製の漬け物、季節のデザート。材料にはBIO認証基準をクリアした野菜や魚、肉などを使用。とくに野菜類は池田町の契約農家の方々が収穫した野菜に加えて、自社農園の採れたてのキャベツやトマト、カブなどが並ぶことも。そんな厳選された食材を、シェフが腕を奮い、素材そのものの味を活かしたやさしい味付けに仕上げている。もちろん、化学調味料や添加物は一切使用していない。

「華密恋の湯」でカミツレエキスがたっぷり入った湯船に浸かって心身ともにリラックス。窓の外にはカミツレ畑が一面に広がる。お風呂や洗面所では自社工場で製造されたカミツレエキス配合のスキンケアやヘアケア製品を使うことができる。製品は販売もしており、毎朝工場の見学ツアーも開催(参加無料)している。
https://yasuesou.com/

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池田町を含む「北アルプス地域」では、2018年7月〜2019年3月までの期間中、月に1日北アルプスの移住相談窓口が銀座NAGANOに設置されます!詳しくは、こちらのページをご覧ください。
https://turns.jp/21138

文・写真:安藤“アン”誠起 ※一部写真池田町役場提供


【池田町の魅力を体験できるツアー】

じっくりと魅力を体験できる1泊2日のツアーが開催されます。
「八寿恵荘」に宿泊し、「シャンティクティ」も見学。薪割体験や住民との懇親会などもあり、人気の宿にお得な値段で宿泊できる内容となっています。

●日時:平成30年8月3日(金曜日)4日(土曜日)
(集合)3日(金曜日)13:00 『道の駅池田』集合
(解散)4日(土曜日)14:00 『道の駅池田』解散
※ JRをご利用の方には大糸線「安曇追分」駅まで送迎いたします。
●参加費:9,000円(宿泊・食費・体験料込)
●対象:移住後働きながら暮らしたいとお考えの方(概ね40代までの若年世代)
(10月5日6日は「セカンドライフをお考えの方」)
●定員:15名(先着順)
●募集期間:7月2日(月曜日)~7月27日(金曜日)
●行程

《3日(金曜日)》
・住宅造成地、学校、保育園、病院など町内各所をご案内
・薪ストーブ専門店『山風舎』で薪割り体験
・住民、移住先達者を交えた懇親会(夕食)
・日本初ビオホテル認証の宿、『八寿恵荘』に宿泊
《4日(土曜日)》
・ゲストハウス『シャンティクティ』見学
・移住先達者お宅訪問
・『手打ちそば かたせ』(昼食)
・ハーブセンターで収穫・摘み取り体験

奇数月の第2土曜日には、希望に沿った案内が可能なライトツアーも開催しています。

                   

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