【子育てにやさしい新潟県】
十日町市の『雪里留学』で、里山ならではの “学び” を体験しよう!

子どもの頃の記憶は、ずっと心に残る。見渡す限りの雪原、山や川で暗くなるまで遊び、雨の日には屋内で遊べる児童遊園に行くのが楽しみだった。

そんな幼少期を過ごしたあなたが親になって、自分が今いる場所が子どもの「故郷」になると気づいた時、どんな環境で成長を見守りたいかを考えることだろう。しかし、行政の支援を調べ、子育て環境を見比べているうちに時間は過ぎていく。そんな迷える子育て世代には「新潟県」を勧めたい。

都心からのアクセスが良く、安心安全で豊かな食と水に恵まれ、四季の移り変わりを感じることができる「子育てにやさしい新潟県」の姿を見ていこう。

 

雪国の強みを活かした『雪里留学』

今回の舞台は新潟県十日町市。小中一貫校のまつのやま学園は全校生徒が100人未満の小規模校である特徴を活かして『雪里留学』という全国的にも珍しい学校体験制度を運用している公立学校だ。この制度をきっかけに移住を決めた家族、学区外からわざわざ通ってくる児童・生徒もいるという。

 

 

『雪里留学』は「まつのやま学園」の学校教育を体験できる制度。小学校5年生以上から1人で住むことができる寮母付きの寮も整備されている。この制度を活用して、里山の自然の中での生活をしながら親子で短期移住体験を行い、実際に移住をした家族も多くいる。

2023年8月に開催された夏の雪里留学体験ツアーには31組の申し込みがあった。既に1組が移住を決め、2組が再来訪して移住準備をしており、その注目度がうかがえる。
このツアーが好評だったことを受け、2024年1月には「冬の雪里留学体験ツアー」が開催され、9組31名が参加した。

 


▲校舎内で、まつのやま学園と雪里留学制度の説明を受ける参加者

 

まつのやま学園の『雪里留学』とは?

新潟県十日町市松之山地域。3年に1度開催される越後妻有アートトリエンナーレ大地の芸術祭の里であり、日本三大薬湯「松之山温泉」を擁する移住者に人気の里山だ。

まつのやま学園は2017年度に中学校が移転新築して、小中一貫校となったばかりの新しい学校だ。ツアー参加者は、まだ新しい校舎内を案内されながら、その広さに驚いた。

参加者「生徒数が84人で、これだけの広さの敷地で過ごせたら伸び伸びできそうですね。先生の目も1人ひとりに行き届いていて、安心感があります

 

 

まつのやま学園の特色は立地や校舎だけではない。移住者を惹きつける魅力は、「この地域でしかできない学び」を提供しようとするカリキュラムにある。

学習指導要領に定められている教科だけではなく「まつのやまタイム」と名付けられた時間をつくり、田植えや稲刈りなどの、農業体験やヤギの飼育などを通じて里山の自然について学んでいる。例えば、昆虫の生態を学ぶ単元では、地域内の自然科学博物館に在籍している学芸員と共に里山のフィールドワークを行い、この地域ならではの学習方法で理解を深めている。

 


▲夏のツアーではヤギの散歩体験を行った

 

冬の体育では、近隣のスキー場を使ったスキー授業が行われる。都心部に住みながら、スキー競技を行う子どもがいる家庭は、このために『雪里留学』に参加することもあるという。

地域の人や保護者と一緒に教育をつくり、通常教科以外の場面で「主役」になれる機会をつくることができる。春には地域の人が山菜採りを教え、夏と秋には野菜と米をつくり、冬は雪山での遊び方を知る。

こうした都心にはない独自のカリキュラムの中で子どもに育って欲しいと考え、『雪里留学』で実際に体験し、その魅力に惹かれ、家族で新潟への移住を決める例が増えている。

 


▲学園長のオリジナルレクリエーションを楽しむ子どもたち

 

参加者「実際に子ども3人で移住をされたシングルマザーの方の話、家族3人で東京から移住を決めた方々、スキーのために関西から雪里留学に来ている母子。短期居住や移住はハードルが高いなと思っていましたが、実際にやっている方の話を聞くと現実味を帯びてきますね

 

「アウトドア部」がある学校

自然に囲まれたフィールドを存分に活かす「アウトドア部」があるのが、まつのやま学園の特徴の一つだ。松之山地域には新潟のアウトドアブランド「スノーピーク」が監修した「越後妻有大厳寺高原キャンプ場」や長靴でも遊べるファミリースキー場「松之山温泉スキー場」をはじめとするアウトドアスポットが点在し、学園の児童・生徒の活動フィールドとなっている。

 


▲夏のツアーではアウトドア部の体験としてSUPを楽しんだ

 

冬のツアーで訪れたのは、松之山温泉スキー場。スノーアクティビティを体験するためだ。アウトドア部の顧問である村山英明さんも、まつのやま学園の教育に力を入れる「地域の人」のひとり。この日は雪山が初めての人でも楽しめる乗り物を用意して、ツアー参加者が親子で雪遊びを楽しんだ。

 

 

村山さん「まつのやま学園のアウトドア部の活動は、楽しみながら里山での生きる力を身につけてもらうことが目的。アクティビティだけではなく、キャンプをしたり火おこしをしたりするうちに、自然の中で逞しく成長する姿が見えてきます。松之山地域には学校外にもアウトドアクラブがあって、親子で一緒に楽しむこともできますよ」

 


▲村山さんの助手をするのはアウトドア部OBの志水さん。東京から親子で移住した。

 

参加者「雪があるだけで楽しい。子ども達も雪合戦を始めたり、雪だるまを作ったりして、教えなくても自分の力で自然と遊ぶようになってました。うちの子は、いつもゲームばかりでインドアですけど、こういう場所に来るとすごく楽しそうに遊びますね」

親子で楽しめる部活動。一歩外に出れば、自然豊かなアウトドアフィールドがあるのも、里山である松之山地域で暮らす魅力の一つだ。

 

「自然科学部」は探究の入り口

参加者が次に向かったのは「森の学校」キョロロ。全体が錆に覆われ、蛇のような特殊な形をした里山科学館である。ここには自然科学分野で博士課程を修了した学芸員が3名在籍しており、まつのやま学園の「理科室」のような役割を担っている。ここでは移住者や地域の人との交流やフィールドワークを行った。

 


▲先輩移住者や自治振興会の人とのランチ交流会を実施

 

自分自身も移住者であるという小林誠さんは、キョロロに勤める学芸員のひとりで、子どもがまつのやま学園に通っている保護者でもある。そして自然科学部をバックアップしている「地域の人」だ。

 

 

自然科学部に在籍する児童・生徒は、自分自身の関心がある分野について、実際にフィールドに出て探究・研究を行う。研究テーマは、風呂カビを除去する菌の研究や木の化石や鉱物の採集、ザリガニなどの外来生物の駆除活動と食材としての活用研究と幅広い。

参加者はスノーシューに履き替えて、ブナ林へと入っていく。自然科学部の活動の一つであるフィールドワークを体験するためだ。

 

 

小林さん「落ち葉をめくって見ると、雪虫と呼ばれる黒い小さな虫がいるのが観察できます。実はこの雪虫、調査研究で約90種は確認できたのですが、まだまだ未知の部分が多くて新種発見の可能性は高いです。ここに転がっているフンはウサギかな。足跡も残ってますね」

参加者は話に耳を傾ける。生物多様性を実体験できる貴重な機会だが、まつのやま学園では日常的なフィールドワーク。自然科学の分野において、とても良い環境が揃っている。

 


▲落ち葉の隣の黒い点が雪虫。新種がまだ発見される。

 

参加者「コンクリートに囲まれた都心部の公園だけでは、体験できないことだらけ。子どもも興味津々でした。学校の勉強も、こういう風に興味を持ってもらえたらいいですけどね」

フィールドワークの最後には、ブナ林の真ん中で寝転び、五感で自然を感じる。子どもにとっては遊びの延長線だとしても、こうした好奇心を刺激する体験を重ねることで、探究へ繋がるだろう。

 

 

廃校を使った「雪原学舎」、雨の日も楽しめる屋内遊園施設の「めごらんど」

2泊3日では足りないほど、まつのやま学園を取り巻く多くの教育資源に触れることができた参加者たち。合宿所としても使われている「松代棚田ハウス」や廃校を活用した雪中キャンプ施設「雪原学舎」といった子ども達が楽しめる施設に宿泊し、忘れられない体験ができたようだ。


▲校舎内にテントが張られ、室内でアウトドア気分が味わえる。

 

2024年1月9日にオープンした「雪原学舎」は、気軽に冬のキャンプやグランピングを楽しめるスポットで、雪の降った朝には早朝からグラウンドで雪遊びをする姿も。こうした家族で楽しめるスポットが次々と生まれているのも、子育て世代の移住者を惹きつける魅力の一つになっている。

 

 

その他にも、映画のロケ地にもなった図書館「情報館」や雨天時でも遊べる屋内遊園施設「めごらんど」を巡り、新潟での暮らしのイメージを膨らませた。

 

 

ツアー最終日は、地域の食材を使った料理が人気の「IKOTE(いこて)」で振り返りタイム。移住の検討度が上がった分、必要な住まいや仕事に対する情報、雪里留学の申し込み方法など、具体的な移住のためのアクションを知りたいという声があがった。

 

 

今後、ますます注目が集まるであろう、まつのやま学園の『雪里留学』の取り組み。十日町市で移住支援を行なっている「十日町市移住コンシェルジュ」では、雪里留学も行程に組み込んだオーダーメイド移住体験プログラムを整備していくという。興味が湧いた方は、一度問い合わせてみてはいかがだろうか。

また、今回ご紹介した十日町市の雪里留学体験ツアー以外にも、新潟県内には移住体験ツアーを実施している市町村が数多くある。少しでも地方移住を考えている方がいたら、ぜひ実際に現地を訪れ、にいがた暮らしの魅力を体験してみてほしい。
先輩移住者の生の声を聞いたり、その土地の空気に触れることで、あなたが思い描く理想の暮らしに一歩近づけるだろう。

 

【新潟県へのU・Iターンに関するワンストップ窓口】
新潟、ちょっといいかも…そう思った方! まずは「にいがたくらしごとセンター」に登録を!
https://niigatakurashi.com/soudan/

 

【新潟県内での移住体験ツアーに関する問い合わせ】
新潟県 しごと定住促進課 U・Iターン就業促進班
[TEL] 025-280-5635
[E-mail] ngt050050@pref.niigata.lg.jp

 

【冬の雪里留学体験ツアーの問い合わせ】
十日町市移住コンシェルジュ
[拠点]  asto事務所(十日町市袋町西91番地1)
[開所日時]  月曜日から土曜日 午前10時から午後4時(年末年始、祝祭日を除く)
[問合せ先]  電話 025-755-5444  メール tokamachi.iju@gmail.com
[ホームページ]  http://ijuiju.jp/tokamachi/

 

文/大塚眞  撮影/ほんまさゆり、金谷恭平

 

新潟県が子育てしやすい理由6選

❶ 食材が新鮮! 何を食べてもおいしい!

食材がおいしい 第4位(ブランド総合研究所「地域ブランド調査2020」)
地元産の食材が豊富 第2位(ブランド総合研究所「地域ブランド調査2020」)

新潟県は、何といっても「食の宝庫」。
コシヒカリに代表されるお米だけでなく、西洋なしのルレクチエや新潟枝豆、佐渡寒ブリなど全国に誇る食材がたくさんあります。
また、のっぺや笹ずしなどの郷土料理、タレカツ丼やラーメンといったご当地グルメも充実!
「ミシュランガイド新潟」を手に、お出かけしてみては?

 

❷ 自然が身近で、思いっきり遊べる!

自然公園面積 第2位(環境省「R2自然公園都道府県別面積総括」)
スキー・スノボ場数 第3位(43か所)(文部科学省「H30社会教育調査」)
海水浴場数 第5位(54か所)(日本観光振興協会「H31数字でみる観光」)
温泉地数 第3位(144か所)(環境省「H31温泉利用状況」)

全国5位の広い面積を持ち、海岸線の長さはなんと635km!
スキー、スノボはもちろん、春夏秋冬、でも山でも色々なレジャーを楽しむことができます。今度の休みの日はどこへ行こうか、考えるとわくわくしますよね。
ちなみに、日本スキー発祥の地は新潟県。あの「レルヒ少佐」によって伝えられました。


 

❸ 子育て環境充実! 働くパパ・ママを応援!

地域子育て支援拠点数 (人口あたり)第1位(厚生労働省「R1地域子育て支援拠点事業実施状況」)
待機児童数 0人(厚生労働省「R3保育所等関連状況取りまとめ」)
正規雇用率 第6位(68.9%)(総務省「H29就業構造基本調査」)
育児女性有業率 第11位(76.6%)(総務省「H29就業構造基本調査」)

新潟県は、地域子育て支援拠点数が全国1位! 保育所の数も多く、待機児童はいません。
安心して子育てができ、お仕事にもスムーズに復帰できそうですね。
新潟県は通勤時間が短いというデータ(片道25分・全国17位)もあるので、その分、子どもと過ごす時間を増やせます。

 

❹ のびのび学び、のびのび育つ環境がある!

小学生体力・運動能力 男子第7位 女子第6位(文部科学省「R3全国体力・運動能力、運動習慣等調査」)
中学生体力・運動能力 男子第1位 女子第4位(文部科学省「R3全国体力・運動能力、運動習慣等調査」)
高等学校等進学率 第1位(文部科学省「R2学校基本調査」)
中等教育学校数 第2位(7校)(文部科学省「R2学校基本調査」)

新潟県の子どもは、運動ができて、勉強もがんばる。豊かな心、健やかな体、確かな学力をはぐくみ、子どもひとりひとりの個性をのばす教育環境が整っています。
ちなみに、新潟県の小学生の平均身長は、男女ともトップクラス!(R3、男子5位・女子3位)
文字通り「のびのび」と成長…ということが言えるのかも?!

 

❺ 理想のマイホームを実現できる!

持ち家比率 第7位(74.0%)(総務省「H30住宅・土地統計調査」)
住宅延べ面積 第5位(129.0㎡)(総務省「H30住宅・土地統計調査」)

新潟県はマイホーム率が高く、しかも広い!(東京都 持ち家比率 45.0%・住宅延べ面積65.9㎡)
子どもが元気いっぱいに過ごせる家、いいですよね。
一戸建てを新築する、分譲マンションを購入する、空き家を探してリフォームする…自分たちにあった家づくりをきっと実現できます。

空き家情報も充実してます。

 

❻ 国内主要都市との交通アクセス良!

本州日本海側最大の人口を有する新潟県は、交通インフラが充実しています。
新幹線の駅数は日本一!(7駅)
ビジネスに、旅行に、利便性の高さもおすすめポイントです。ふるさとが恋しくなったときも安心して帰ることができますね。

【新幹線】
新潟 ⇔ 東京 1時間40分
越後湯沢 ⇔ 東京 1時間10分
上越妙高 ⇔ 東京 1時間50分

【飛行機】
札幌まで 1時間15分
名古屋まで 55分
大阪まで 1時間
福岡まで 1時間40分

【船】
北海道へ 2航路(小樽・苫小牧)

※時間はいずれも最速の時間

 

\新潟の子育て環境をもっと知りたい方はこちらから/
子育てのススメ
https://niigatakurashi.com/parenting/

 

官民挙げて子育て応援!新潟県こむすび定期

令和5年4月以降に生まれたお子様に10万円分の定期預金をお渡しします。

新潟県こむすび定期は、入園・入学の経済的負担が大きい節目節目に対する支援を行うため、2歳ごろと5歳ごろに満期となる「お子様名義の定期預金」(それぞれ5万円分)をお渡しするものです。

取扱金融機関からも、金利の上乗せやプレゼントなど、様々な+αの特典があります。

詳細:https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kodomokatei/komusubiteiki-plus.html

                   

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