オールふくしま!福島くらし&しごとフェア2020オンライン開催!

11.1開催 トークライブレポート

例年「オールふくしま」で開催している福島県の移住イベント「福島くらし&しごとフェア」。今年は今まで遠方で行けなかった人も参加できるよう、自宅からも参加できるオンラインで開催。開催期間も29日間という福島県史上最長です。
今回私は、11月1日に開催されたトークライブ、第一部「地方での就職セミナー」、第二部「今だからこそ聞いておきたい!先輩移住者トーク」の初回に参加しました。

 

第一部:地方での就職セミナー

「求人票ではわからない、地方企業の魅力」

ゲストは、一般社団法人キャリア支援機構理事長の金内正さん。
また、ファシリテーターはキャリアコンサルタントの大宮美咲さんです。

 

まずは現在の福島県の転職・就職事情について

「確かにコロナの影響で雇用は多少減っていますが、東京の有効求人倍率0.89に対し、福島は求人有効倍率1.15で、全国的に比較するとあまり影響を受けていない状況です。
ただし、サービス業は全国と同じくかなり影響を受けている印象です。」(金内さん)

次に、福島県で働く上で重要な福島県の地域性・特徴について

「会津は、外部から来た人の受け入れに対して慎重ですが、一旦受け入れると人情味がある付き合いをしてくれるのが特徴。浜通りは、会津地域に比べるとさっぱりとした人付き合いですが、外から来た人に対してもオープンな地域。中通りは、人付き合いに関しては、会津と浜通りの中間くらいの印象ですね。」(金内さん)

「実際、会津に移住した人から距離感が密接すぎて息苦しくなった、という移住者の方もいらしゃる話を聞いたことがあるので、自身の性格と地域性を考慮して仕事を探すのもミスマッチが防げて良いかもしれません。福島では車通勤が当たり前。運転免許を持っているだけではなく、運転できることが不可欠。会津地域は雪が積もる地域も多いので雪道の運転も必要になります。」(大宮さん)

「中通りと会津では、米を作っている社員が多いために田植えや稲刈りの時期が重なり、会社を一斉に休まれると困る。そこで通常の勤務シフトに加えて、“稲刈り・田植えシフト“を考慮して休みを調整しているところもあります。経営者も、社員のプライベートを理解してくれており、兼業農家をやりたい人は週末で米作りができるので農業も始めたいという方にはいい地域だと思います。」(金内さん)

 

続いて、福島の企業の求人の出し方や求められている人材について

「都会ではインターネットで求人を探すことが多いかと思いますが、地方の企業は採用情報などを公開していないこともしばしば。社員の紹介で採用が決まることや口コミなどの人づてで求人情報を得る方もいます。」(金内さん)

「特に中間層(40代)を求めている企業は多いです。中間層が少ないため、ベテランの人たちが辞められない状況もあります。経験や技術、キャリアよりも、社風に合う方やマインドを重視する企業も多いですね。」(金内さん)

 

最後に、福島で就職したい人へのアドバイス

「インターネットだけではわからないことが多いので、まずは福島の企業を知っている人たちと繋がり、直接話を聞くのが一番。企業は自分たちの社風や良い部分を説明できない事が多いので、第三者(移住コーディネーター等)から意見を聞くのも良いですし、キャリア支援機構に直接聞いてもらう手もあります。福島は観光地もあり、非常に良いところなので、興味ある方はまずは遊びに来ていただき、福島を知っていただくことが第一歩かもしれません。」(金内さん)

「求人票だけが全てでは無いため自分で動いたり、地域や企業を知っている人を頼ったりするのも良いと思います。私もUターンして感じる部分でもあるので、応募する前に移住の相談窓口を通すのも企業を知る良いきっかけになります。インターネットだけの情報に惑わされず、直接繋がって情報を得てもらうのが良いのではないでしょうか。」(大宮さん)

お二人の話を聞き、都会とは違う地方での仕事の探し方や兼業農業に理解があったり、家族ぐるみの付き合いがあったり、地方の中小企業ならではの魅力を感じました。また、実際に地域に足を運んでみて、地域や企業との相性を見極めることの大切さを感じました。
イベントをきっかけに実際に大宮さん、金内さんに相談し、福島で働いている人と繋がり、働いてみたい地域にまずは行ってみてはいかがでしょうか。

★このトークセッションの模様は、ふくしまぐらし。Youtubeでご覧いただけます。

 

<相談窓口>
●福が満開、ふくしま暮らし情報センター:https://www.furusatokaiki.net/consultation/fukushima/
●福島県 移住コーディネーター:https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/fui/web-shinkoukyoku.html
●ふくしま就職情報センター:https://www.f-turn.jp/static/center/
●一般社団法人キャリア支援機構:https://career-shienkikou.com/

<求人情報・会社情報>
●ふくしまではたらく:https://www.fukushima-job.jp/

<職場体験・インターンシップ>
●大人のインターンシップ:https://fkkoyou.net/training/detail.php?training=2
●福島労働局 若年者地域連携事業 職場体験:https://public.lec-jp.com/jakunen-fukushima/taiken/
●Fターンインターンシップ:https://f-turn-is.jp/

 

第二部 今だからこそ聞いておきたい!先輩移住者トーク

第二部は福島の先輩移住者や地域のキーマンが仕事や暮らしについて語る「今だからこそ聞いておきたい!先輩移住者トーク」。ファシリテーターは移住者でもあり、ライターやいわき経済新聞編集長を務める山根麻衣子さんです。

 

「都会での仕事にモヤモヤ??地方ならではの仕事の流儀お伝えします!」

ゲスト①:一般社団法人ブルーバード 渡部允道さん

福島愛、家族愛、お酒愛、祭り愛が強いという渡部さん。祭りは地域の勉強ができ、地域の人とも交流ができることが魅力だそうです。現在は茨城県と福島県郡山市で二拠点居住をしながら、福島で様々なプロジェクト・事業に携わっています。

・Real.local郡山
https://www.reallocal.jp/koriyama
立ち上がったばかりの学生主体のローカルメディア。学生ならではの視点で地域のリアルを発信中。取材で地域の方々と接することができる。

・こおりやま街の学校
https://machigaku.jp/
全国で活動をされている講師を迎え、様々な視点で地域を学ぶプロジェクト。

・僕たちの空き家大学
https://akiyadaigaku.com/
福島で空き家のオーナーとプレイヤーをつなぐプロジェクト。空き家を活用して町を楽しくしたいと思っている方向けにオンラインで座学を開催。

・まちの人事部
https://machinokoe.com/
人との交流がなかなかできない、どうやって良いかわらかない人向けにまずは交流のきっかけになるように始めたプロジェクト。例えば農業体験したい人と手伝って欲しい人などをマッチング。リアルでもデジタルでも集めたやりたいこと、やれますという声が見えるのが特徴。

このように今ではたくさんのプロジェクトに携わっている渡部さんですが、参加者からは、「郡山で事業を進めていきながら、どのように家族との時間を作っているのでしょうか?」という質問が出ました。確かに気になる所です。

「半年間はバタバタ過ごしていましたね。いきなりこうなったわけではなく準備と時間をかけてきましたが、理解のある上司や支えてくれる仲間の協力あってこそ。家族には正直我慢してもらっている部分もありますが、早く一緒に暮らしたいからできるだけ早く成果を出したい。どんなことでも続けることが大事だと思います。楽しめないと続けられないので、楽しむのが大事!」(渡部さん)

忙しいながらも家族がいるからこそ、仕事も頑張れるという渡部さんの家族愛の強さが伝わってくる回答でした。

 

ゲスト②:株式会社家守舎桃ノ音アカリ 上神田健太さん

上神田さんは都庁で7年勤務。公務員を続けるべきか27歳位で悩んだ末、街のためになることを自分でできないかと思い、奥さんの実家がある国見町へJターン。現在は奥様の実家の家業を継ぎながら、ご自身の会社(株式会社家守舎桃ノ音)を経営されています。

・Co-learning Spaceアカリ
https://yamorisyamomonone.com/
「学び」を軸に運営している、Co-learningスペース。もともとは元縫製工場で町の所有だった建物をリノベーション。ラウンジでは学生が勉強したり、レストランは国見町出身のシェフが地場の食材を使ったシチリア料理を提供していたり、レンタルオフィスやスタジオもあるのでオンライン配信もできる。

・空想マルシェ
空想を実現するという想いからネーミングしたプロジェクト。今年は国見町の高校生たちが役場職員と街を良くするためのアイディアのプレゼンバトルを開催。
「マルシェで町を良くするきっかけにしたい。普段遊べない公道も子どもたちの遊び場にするなど子どもたちのクリエイティビティを発揮できるような企画も実施している。」(上神田さん)

・FUKUSHIMABONCHI
https://yamorisyamomonone.com/fukushimabonchi
みんなが自由に移動できないコロナ禍でも何かできないかという思いで、オンライン上で街を散策するよう楽しめる空想都市をイメージしたWebサイトを開設。実在するお店や農家のECサイトなどをまとめ、街の情報を発信している。

移住者でありながら、このように福島で街づくりに関する面白いことを色々とやっている上神田さんですが、福島での人脈づくりはどのように構築していったのでしょうか。

「福島の人たちとの繋がるために、5年くらいは結構地道にイベントに顔を出したり、名刺を配ったりし続けました。移住2年目に、地元の面白い人たちに直接アポを取り、取材して記事を書きました。自分が熱い想いを持っていくとみなさん協力してくれましたね。カメラマンの友達と東京の編集社に勤める友達に協力してもらいながら発信しました。」(上神田さん)

「株式会社 家守舎桃ノ音」のnote:https://note.com/momonone2018/

 

他の地域にいながら、福島と関わるには?

今は「関係人口」という言葉があるように、移住だけではなく、二拠・多拠点居住など、地域と色んな方法で関われる機会が増えつつありますが、福島に関わりたいと思っている人たちは何から始めたら良いでしょうか。

「都会にいながら福島と関わることはできます。まずは、街の学校の聴講生になって学ぶのもありですし、福島県も副業のマッチングしているのでそれに手を挙げたり、県営住宅でトライアル移住もしてみるのもいいですね。少しずつでも良いので地域と関わっていくのがオススメ。ブルーバードも1階がカフェと本屋の機能を持った場所で地域の学生に開放もしています。2階はヘルベチカデザインの事務所で3階はクリエイターズルームというスモールオフィス。リアルローカルの活動拠点にもなっていますから、サテライトオフィスや地方で活躍したい人にもってこいの場所です。
今後は空き家活用の一環として、ゲストハウスを作り、移住希望者などが泊まれる施設として運営する予定。色々使い方を考え中です。
ブルーバードができて1年、前よりも若い人たち、特に20~30代の女性中心に人が増えたと体感しています。外へ出た経験があるからこそ、次のステップに活かせることもあるから、場所というより一緒に働くメンバーや想いが大切。全員に理解はされないが、理解してくれる人とどうやっていくか、自分を信じて進みながらも楽しんでいくかが大事だと思います。」(渡部さん)

●ブルーバード:https://bluba.jp/
●ヘルベチカデザイン:http://helvetica-design.co.jp/
●福島県副業マッチングサイト:https://pro-fukushima.com/
●来てふくしま体験住宅提供事業:
http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/41065a/kitefukushima.html

「アカリの1階は誰でも無料で利用できるので、地産地消のイタリアンを食べにきてみるとか。テスト前は学生が多くきていて、ここにきた学生たちがイベントに参加してくれたりもしているので良いきっかけの場になると思います。現在進めているプロジェクトのエリアデザインラボ(35歳以下)には福島に住んでいる面白い人たちや事業している人たち40人くらいのメンバーがいて、将来的には、アカリのシェアオフィスの入居者と一緒に仕事をやっていきたいと思っているので仲間を絶賛募集中!オンラインでも参加可能です。」(上神田さん)

●エリアデザインラボ:https://note.com/momonone2018/m/mfa65711cd319

渡部さん、上神田さん両名から福島をより良くしたい気持ちが伝わってきました。
また、お二人とも福島に自分たちの場所を持っているので、興味を持った方は、郡山市、国見町へお二人に会いに足を運んでみて話をしてみるのも良いかもしれません。
渡部さんは「ふくしま暮らしサポーター」としても登録されており、移住相談等、本人に問い合わせも可能です。

●ふくしま暮らしサポーター:https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/fui/fui-annainin.html

 


 

この日は他にも、2本のトークライブが開催されました。

「サーフィンが繋いでくれた、地方満喫ライフとは?」

「つながりメーカー」こと南相馬市役所観光交流課交流推進係の大和田智之さんと、普段は郡山市在住で毎週末南相馬へ通うサーフィン女子後藤彩さんが、サーフィン(趣味)を通じた地域との関わり方についてお話されました。後藤さんはサーフィンを通じて、大和田さんをはじめ南相馬の人たちと繋がり、地域の魅力にはまり、福島での生活を満喫しているそうです。

「南相馬の良さをいろいろな人に、サーフィンや他のことからでも知ってもらいたいし、通って欲しい。家族みたいな関係になれば何かあっても頼りにできるため、そういう関係を作りたい。ここには面白い人たちがたくさんいるので、その人たちと繋がり、楽しんでもらいたい。」(大和田さん)

「東京では地方の魅力発信を行うMYSHSake Bar(日本酒バー)で、地方の美味しいもの・ストーリーのあるお酒をPRしていました。大和田さんともMYSHの関係人口プロジェクトで出会いました。大和田さんからいただいた南相馬市サポーター会報誌ミナミソウマガジンを見て、南相馬はサーフィンが有名ということを知り、サーフィンを始め、南相馬に通い続けています。南相馬はかっこつける感じがなく自然体で居られるので、一人でも飛び込んで行きやすいコミュニティだと思います。」(後藤さん)

●MYSH Sake Bar:https://mysh.tokyo/myshsakebar/
●南相馬市サポーター:
https://www.city.minamisoma.lg.jp/attraction/experience/supporters/7196.html
●ミナミソウマガジン:
https://www.city.minamisoma.lg.jp/attraction/experience/supporters/7832.html

 

「人と人との繋がりで生まれる、空き家を通じた地域活性化とは?」

最後のトークライブゲストは、会津若松市でコミュ二ティのツールとして空き家を活用する“空き家てらす”のお二人。人に会える場所としてのゲストハウスを運営している「隠れ家ゲストハウス」の斎藤拓哉さんとおせっかいな建築屋こと「wowroom」の齋藤康平さん。

「”空き家てらす”とは団体名ではなく空き家や古民家活用の可能性を提示して、そこにいろいろな活動をしている個人や団体が集まって何かを企画することの総称で合言葉のようなものです。人と人が出会い、交流して何かを作るという順番を意識し、”流れが先で構造が後”を基本ルールとして、様々な活動を行っています。」(拓哉さん)

「wowroomでは、中古住宅や店舗などをリノベーションする際にその場所に愛着を持ってもらうために作業とセットで工事やイベントを行い、様々な人が関われる場としている。wowroomに関わってくれている大工さんたちはただリノベーション工事をするのではなく、その思いを汲んで自分たちも楽しんで現場に入ったり、活動に参加してくれる人が多い。」(康平さん)

「会津若松は、柔らかい人が多く、懐の深いところが良い街だと思います。ゲストハウスは外から来た人と地元の人と繋がるきっかけになる場所であり、空き家活用だけでなく、いろんな体験を提供できるのでまずはふらっと遊びに来て欲しいですね。」(拓哉さん)

2020年11月13日開催「いえのあれこれ」:https://fb.me/e/gQ4o7OdJW

●空き家てらす:https://www.facebook.com/akiya.terrace.aizu/
●隠れ家ゲストハウス:https://kakurega-gh.com
●wowroom:https://makewow.jp/

このように、先輩移住者や地域のキーマンによるトークイベントも盛り沢山で、「ふくしまぐらし。」の魅力が福島に暮らす方たちを通して感じることのできるイベントでした。
また、市町村などに直接相談ができるオンライン個別相談も行われたり、自分にあった「ふくしまぐらし。」を見つけるきっかけになった方も多かったのではないでしょうか。

オンライン個別相談 (市町村等への個別相談予約はこちらから)

まず初めの一歩として、オンラインで福島と繋がり、次に福島に行ってみて、その地域や人の魅力を実際に体感してみながら、少しずつ地域に関わっていくのも良いかもしれません。

 

 

                   

人気記事

新着記事