前回に続き、栗山町で「cafe&barくりとくら」を営む石井翔馬さんに、町の魅力や今後の活動についてお伺いしました。
石井さんが着用するオリジナルのパーカーにも注目。くりやまのアルファベット「krym」がプリントされている。今後、一般発売する予定だ。
—————–実際に栗山町の生活はどうですか?
「暮らしやすくて、いいところだなと思いますし、だからお店ができているんだなと感謝しています。都会と違うなと感じるところは、農家さんと密接に関わることができ、直接野菜を購入できることですね。生産者との距離が近いので、どんな人がどうやって野菜を作っているのかわかる。これは、すごく大きなことです。地方と都会は人間関係が変わると聞きますが、栗山町はそこまで小さな町でもないので、人と人との距離感が近すぎて窮屈になることもない。買い物するときは、車で1時間ほどで札幌に行けるなど、利便性もあります。。」
昭和堂時計店の建物を生かした「cafe&barくりとくら。」まもなく同建物内でゲストハウスもオープン。ここを訪れる人と町民との交流の場となっていきそう!
————-「cafe&barくりとくら」は、とても素敵なお店で、交流の場にピッタリですね。
「ありがとうございます。内装は町内の建築デザイナーに依頼しましたが、自分たちでもできる限りDIYしています。家具は栗山にあるメーカーのもので、お酒は町内にある小林酒造のもの。店内と料理、お酒で、栗山町を感じてもらうことができます。」
木材をふんだんに使用し、ぬくもりのある雰囲気の店内。
「北海道にはたくさんのファームレストランがあるんですが、栗山町には観光客など外から訪れる人向けのお店が少ない。町内に飲食店はたくさんあるんですが、飲みに行くときは、1軒目に居酒屋、後はスナックという流れができあがってしまっている。でも、若い世代ってスナックに慣れていないし、女性同士のグループは行きにくいと聞きます。それで、気軽に行けるような、カフェバルが交流の場になるといいなと思ったんです。」
———-どういったお客さんが来るのでしょうか?
「今は夜のバル営業だけなので、料理を食べながらお酒を楽しみに町民の方が来てくれることが多いです。職場の集まりで宴会をすることもあるし、他のお店で食事をした後、二軒目としてハシゴしに来る人もいますね。他には、料理のための野菜を仕入れている農家の人が来てくれることもあります。そういう繋がりがあるのは嬉しいですね。」
栗山町で採れた新鮮な野菜や、お酒のおつまみとなるようなメニューがずらり。
手打ちピザを焼き上げるピザ窯。生地には、栗山町のコーンパウダーが練りこまれているほか、具材も町内産を使用。
栗山町にある酒蔵「小林酒造」の日本酒など、各種取り揃えている。
————「cafe&barくりとくら」開業のために行なった、クラウドファンディングについて教えてください。
「若者が活躍できる場づくりとして、町おこしの一貫で、2018年にクラウドファンディングを行いました。クラウドファンディングのなかでも、ふるさと納税の制度を生かした『ガバメントクラウドファンディング』というものを利用したんです。目標金額は300万円でしたが、寄付金額は600万円を超え、達成率は202%以上となりました。クラウドファンディングで支援してくれた人が、横浜などの遠方から食事に来てくれた時は嬉しかったですね。」
————栗山町が持つ可能性について、どう思いますか?
「日常生活がしやすく、美味しい農産物や特産品がたくさんあり、移住者も増えてきているので、若い人が新しいことを始めやすい場所です。いいところだなと感じて僕も住んでいますし、これから僕たちみたいな若い人の動きが徐々に増え、連鎖して町が盛り上がっていくといいですね。」
————–栗山町は移住支援に力を入れている町ですね。
「そうですね。移住を検討している人は、町内に移住者が営むレストランなどお店がいくつもあるので、そういったところを訪ねてみれば、移住に関する生の情報が得られます。うちのお店にもぜひ遊びに来てください。」
栗山町では、クリエイター向けお試し移住「くりやまクリエイティブステイ」の参加者を募集しています。栗山町に滞在しながら創作活動ができ、作品をクリエイターズマーケットで販売することも可能。栗山町を拠点に、ローカルクリエイターを目指す方の移住を応援しています。
クリエイターズマーケット内には、アクササリーなど手作り作家のものが並ぶ。
ゲストハウスがまもなくオープンし、これからもますます外から訪れる人と町内の人が繋がる場所となりそうな「cafe&barくりとくら」。石井さんに、栗山町へ移住を考える人へのメッセージを聞いた。
「若い人がどんどん移住し、新しいことを始める動きがもっと増えればいいなと思います。また、農業がさかんなので、新規で就農したいという人はもちろん、新鮮な食材を生かしたレストランや、静かな環境のなかでものづくりをするのもいいと思います。人と人とが繋がれる場として、『cafe&barくりとくら』もありますし、移住者の活動を町外に向けて情報発信し、協力できたらと思います。移住をしてみたいという方が、食事や宿泊に来てくれて、いろんな話ができたら嬉しいですね。」
石井さんのような、新しいチャレンジを受け入れてくれる場所、栗山町。くりやまクリエイティブステイで、栗山町のもつポテンシャルを確かめて欲しい。
前編はこちら
「くりエイト」するまち栗山町 新しい目線で、地域の資源を掘り起こす 1
文・ナガソクミコ 写真・和田北斗
○くりやまクリエイティブステイについて○
【概要】
北海道栗山町にある「くりやま暮らし体験施設 緑酔庵」でお試し移住を体験し、町での暮らしの様子を指定するブログに投稿するクリエイターを募集。
施設体験料金は町が負担し、ブログ記事投稿に対して1日につき、謝礼7,000円(源泉徴収前金額)が支払われる。
※投稿に対する報酬付与上限は7日分まで。
【応募締切】
2019年9月30日(月)23:59まで
【滞在期間】
2019年10月1日(火)〜2020年2月29日(土)の間で6泊7日以内
※年末年始は不可。
【参加特典】
1. 特産品や栗山産野菜 (3,000円相当)を進呈。
2. くりやまクリエイターズマーケットで、作品の展示販売が可能。
※展示・販売を行う場合は合わせてマーケットでの店番業務もご対応いただきます。
※出店料や販売手数料は不要。
3. 町内の「あさひ工房」にある、レーザーカッター、UVプリンターのデジタル工作機械も利用可能です。
※オペレーションスタッフはおりません。
※操作講習を必ず受けていただきます。
※工作機械の使用は事前予約が必要です。
※別途施設利用料(1日100円)がかかります。
【募集組数】
3組程度(予定)
※希望条件に満たない場合など、採用組数を増減する可能性があります。
※応募多数の場合は事務局にて応募内容を考慮の上、参加者を決定させていただきます。
【応募可能な方、参加条件】
北海道や栗山町に移住を検討しているクリエイター(※)で、滞在中の様子をブログ記事として投稿、公開可能な方。
※ライター、フォトグラファー、ハンドメイド作家、イラストレーター、デザイナー等の職種に就いている方を特に希望。
※ブログ投稿に必要なスマートフォンやPCはご自身でお持ち込みください。体験施設ではWi-Fiが利用可能です。
※投稿いただいたブログ記事・お写真は、今後栗山町が行う移住促進の広報PRに利用させていただく可能性があることをご了承ください。
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開催日 2019年10月1日(火) 〜2020年2月29日(土)