白神山地の麓にある藤里町で、
「暮らし」をじっくり送りながら、「仕事」も楽しく!
秋田県の最北端に位置する藤里町。青森県との県境にあり、東アジア最大の原生的なブナ林である「世界自然遺産白神山地」が広がっています。
人口はおよそ3,100人。藤里駒ケ岳、高山、小岳といった山々もあり、登山やトレッキンを楽しむ人々も多く訪れています。白神山地の恵を受けた美しい川も流れていて、キャンプなどのアウトドア、レジャーも盛んです。日々の疲れを癒してくれる温泉もあります。
都心からのアクセスは、飛行機で羽田―大館能代便に乗り、レンタカーで30分ほど走ると町の中心部へ着きます。昭和初期までは鉱山の町でしたが、今は農林業が主な産業です。
藤里町には、鉄道や国道、コンビニはありません。ですが、日々の慌ただしさから逃れられる“ほっとする場所”がここにはあります。派手さはなくとも、大自然の中で暮らしをゆっくり、じっくりと楽しむことができるのが藤里町の魅力なのです。
そして、田舎ならではのクスっと笑える面白いエピソードも!
藤里町では、
・54%のお宅でポテトサラダに砂糖を入れています
・84%のお宅で漬物を常備しています
・藤里町は、軽トラ天国!46%のお宅に軽トラがあります
・77%の住民が、通勤時間は15分
・79%の住民は、年1回以上バーベキューを開催しています
・コンビニよりもスーパーいくとだ
・51%の住民は、毎月1回以上「湯の沢温泉」に入ります
(藤里町HP『ふじさとのいきかた』より抜粋)
そんな藤里町では、人口減少や高齢化という課題を抱えながらも、まちを元気にしようと様々な活動を行ってきました。今回は、そうした活動を通じて地域に根付き、住民とコミュニケーションをとりながら町を元気にしてくれる「地域おこし協力隊」の活動・募集内容を紹介します!
まちを元気に!「地域おこし協力隊」募集
藤里町では、子どもからお年寄りまで様々な住民と関わりを持ちながら、地域を元気にしてくれる新たな「地域おこし協力隊」を募集しています。下記の①〜③の活動を担ってくれる方、採用枠は若干名ですが「我こそは!」と思う方、ぜひご応募ください!
【活動①】『月刊とじこじ』の発行
『月刊とじこじ』とは、地域おこし協力隊員であるライターが制作している地域コミュニティ誌です。地域住民をターゲットとし、地域の豊さの発見と地域の誇り・想いを伝えています。
『月刊とじこじ』の内容は、地域の新しいモノ・コトへの取材や、聞き書きというスタイルで地域の皆さんを対象に自らの生まれや育ち、経験を聞きまとめることがメインです。
隊員の皆さんには、冊子の構成や企画づくりから、取材先との調整、編集業務、インタビュー、冊子のデザイン、ライティングなど、冊子を作る上での一通りの業務を行なって頂きます。
『月刊とじこじ』は、藤里町の全世帯へ配布しているほか、地域おこし協力隊の活動拠点である「かもや堂」に設置しており、若者だけでなくおじいちゃん・おばあちゃんなどの様々な年代の住民が手に取っています。「毎号楽しみにしている」「藤里に住んでいるけど、知らないことを知れた」などの声を頂いており、まさに地域の人々に愛されている冊子です。
\現役協力隊に聞いてみました! 実際に着任してみてどうですか??/
協力隊の森将太さんは、滋賀県出身。京都市などで報道機関の仕事を経験した後、一念発起し協力隊へ応募。2019年9月に着任し、月1で発刊するリトルプレス『とじこじ』のライティング、デザイン、編集を中心に行っています。
―― 森さんは『TURNS』の記事を見て応募されましたが、応募に至るまでのきっかけはどのようなものだったでしょうか。
森さん「報道機関での仕事は自分の天職だと思っていましたが、同時に一つの地域に長く関わり、地域の中での物事を記事化したいと考えていました。『とじこじ』は地域の方に聞き書きをするなど、地域に根を張ることでできる紙面づくりをしていて魅力を感じました。また、ゆくゆくは自分の店を持ちたいという想いもあり、フードカーの運営に携われることも、自分の将来構想とマッチングしたので応募しました。」
―― 『とじこじ』の紙面を編集する中で、地域の人を対象にした「聞き書き」について魅力を感じておられますが、手応えはいかがでしょうか。
森さん「実際に活動してみると、思った以上に大変です。小さい町とはいえ、3,100人もいれば取材先がすぐ見つかるものと思いますが、10人に依頼して1人も受けてくれない時もあります。また、取材の対象は、一般の方。何かの会の代表であったり、町内みんなが知っている人だけでなく、肩書きのない人、地道に農業をやっている人、夫を支える奥さんなどにスポットを当て、あえてそういうところにアプローチしています。それが魅力的でした。一般の方々は、自身の話が記事になるようなものじゃない、と言われることも多いですが、取材をしていくうちにたくさんの思い出が蘇り、文章と写真を添えて紙面にすると、とても輝いて見えます。そこに書かれている文章は紛れもないその人自身の事であるので、取材した相手も喜んでくれるんです。」
―― 協力隊の活動としての充実についてはどう感じておりますか。
「ライターやフードカーの活動以外にも、定住に向けた準備や挑戦したいことがあります。まだ、形になっていないものであり、どうすればいいか悩んでいますが、町役場の担当者が日頃からフラッと訪れ、たわいもない会話から解決の糸口が見つかり、少しずつ前進しています。お金のサポートなどはもちろん必要ですが、それよりもソフト面が大切だと感じています。7割が人・3割がお金のような。そういった点で言うと、町役場とのコミュニケーションは良く取れていると思います。ちょっとした日常会話から、ガッツリ堅い話まで、気兼ねなく話せることは、知らない土地に赴く協力隊員にとって必要不可欠です。」
また、今年1月には、聞き書きをライフワークにする作家・塩野米松さんをゲストに、聞き書き取材の人数が100人を超えたことを記念したイベントを開催されたそうです。
「聞き書きはおよそ7年にわたって紡がれてきたもので、藤里の地に根付き始めていると実感しています。イベントを通してこれからもやっていこうよという機運も高まったと思います。他の地域を見れば、10年以上続いているところもあったり、子どもが参加しているところもあったりしますが、今後、他の地域と繋がり連携することで、様々な人を巻き込んだ展開になればと思いましたし、町内外にアピールすることができたと思います。」と森さんは語ります。ライターの枠を飛び越え、新しい活動にも意欲的に取り組んでいます。
自分が携わった冊子を通じて、地域の想いや魅力を伝えるのは、地域の人にとても喜ばれます。それと同時に、地域の人との輪がどんどんと広がり、新しい企画や活動に繋がることも、とてもやりがいを感じられそうです。
【活動②】フードカーの運営
藤里町には、キッチンスペースを備えた黄色い車(=フードカー)があり、春から秋にかけて町内のいたるところへ赴きコーヒーの販売をしています。テイクアウトも可能ですが、フードカーの前にイスとテーブルを用意しているので、そこが地域の憩いの場になっています。
地域の人々とのコミュニケーションやお出かけの機会をつくる、まさに “コミュニケーションを紡ぐフードカーバリスタ” なのです。
このフードカーは、平成29年に誕生して以来、地域の方々に慣れ親しまれてきました。子ども、お母さん、お父さん、お年寄りなど、多くの人の憩いの場となっています。
\現役協力隊に聞いてみました! 実際に着任してみてどうですか??/
現在21歳と歴代最年少の協力隊員、水野桃加さんは大阪出身ですが、これまで様々な地方での活動を経験。 “誰もが集うことができる「居場所」を作りたい” という想いで、フードカーに乗って地域の方々へコーヒー提供を行っています。
―― 水野さんも森さんと同じく『TURNS』の記事を見て協力隊の応募をされたと思いますが、協力隊になろうと思ったきっかけはなんでしょうか。
「藤里町に来る前は、地方での生活に憧れ、鳥取や岐阜、北海道、沖縄と様々なところへワーキングホリデーで訪れていました。その中で、地域おこし協力隊として活動している方を通じて制度を知ったことが始まりです。協力隊の求人を探していた時、『TURNS』の記事を見て面白そうだと思ったのが藤里町の協力隊でした。私はライティングの仕事をしてみたかったのですが、そのような職業は、これまでどういうものを作ってきたかその成果物で判断されると思います。しかし、私自身はまだ年齢的に若く、そのような成果物も作った事がないため、協力隊の経験を活かし、将来につなげたいと考えていました。また、私はコーヒーが好きで、カフェ巡りなどもしていました。ライターの仕事もですが、古民家カフェなども将来できたらと思い、応募しました。」
―― フードカーに乗って各地区を回っていますが、実際どんなスタイルで運営しているのでしょうか。
「コーヒーを作って、お客さんとお喋りして、差し入れを貰って一緒に食べる・・・まぁ基本的にこれだけです(笑)。フードカーは誰もが集える居場所で、コーヒーをただ提供するというよりは、“居場所を作っている” 感覚です。実は、フードカーに人が誰もいない日や時間帯があるんです。その時はその周りの景色と空間を1人で楽しみます。不思議な光景なんですよ。家はあるし、人もいるはずなのに、人影は私以外ない。その矛盾と美しい風景を独り占めしてゆっくり本を読んだり写真を撮ったりしています。ちょっと遊びすぎですかね(笑)。」
―― 今回の協力隊募集について、藤里町と相性の良さそうな人はどんな人でしょうか。
「やはり年配の方が多いので、昔話などを聞いたり、「人に興味がある人」だと、この町を楽しめると思います。あと、「自分で何かやりたい事がある人」は様々なことに挑戦できるのではないかとも思います。というのも、基本的にフードカーや『月刊とじこじ』の制作は毎日やるような事ではなく、フードカーは冬の間はお休みもします。なんにもやることが無いような時期があり、そういう時、自分のやりたいことをやり込めるという時間的な余裕があるからです。あとは、お酒がたくさん飲める人は向いてるかもしれませんね(笑)。」
ほどよい “余白の時間” が、新しいことにチャレンジし、自分を成長させてくれるのでしょう。そういった時間が取れるのも、藤里町の素晴らしいところですね。
【活動③】S N Sでの情報発信や『かもや堂』の管理
このほかに、協力隊共通の活動として、S N Sを使ってまちの魅力を発信して頂いたり、まちの作戦会議室である『かもや堂』の管理も担って頂きます。
・藤里町のFacebookページ
・『かもや堂』のFacebookページ
\こんな人に応募してほしい!(求める人物像)/
・文章を書くことが好きな方
・取材やライター、編集の経験が少しでもある方
・車の運転が出来る方
・コーヒーや料理が好きな方
・飲食店勤務の経験がある方
・地域の魅力発信に興味がある方
上記の「求める人物像」は必須ではありませんが、何よりもまず「住民とコミュニケーションをとりながら、地域を元気にしたい!」という想いを持って活動してくれる人に、ぜひ来ていただきたいと藤里町の採用担当者は話しています。
地域おこし協力隊の活動では、様々な人と関わります。だからこそ、まちの人や外部の人と連携し、積極的にまちづくりに参加していくことで、より充実した取り組みをつくっていける人を求めています。
まちには鉄道がないので、車での移動が基本になりますが、交通の不便さ以上に、四季の恵みを生かした暮らしと、味わい深い藤里町の人々との触れ合いがあります。藤里町にしっかり向き合い活動していった先に、まちを元気にするだけではなく、自分自身の成長や新たな発見もできるはずですよ!
また、今回募集している求人は、雇用を行わない委嘱型のスタイルを取っているので、ミッション以外の時間も多くとる事ができます。その間に副業をして、将来的ななりわいを見つけたり、地域での新しい行事を作ったりすることができます。これまでの協力隊員も、そのような時間を使って様々な事に挑戦してきました。まだまだ、スポーツ交流であったり、6次産業作りであったり、健康増進であったり、地域で事を起こせそうな事はたくさんあり、競合することもないので、やろうと思えば何でもできる可能性を秘めているのです!
眺めも美しく豊かな自然に囲まれた藤里町で、人と人を繋ぎ、まちに“希望”をつくる仕事を一緒にしてみませんか?
たくさんのご応募お待ちしています!