「求む、地域の『担い手』-課題解決の最前線から-」TURNS vol.66【9/20最新号発売】 

特集|求む、地域の「担い手」-課題解決の最前線から-

地方創生が叫ばれて久しい昨今、全国各地でまちづくりを牽引するプレーヤーたちが活動しています。
それでも、課題解決は待ったなし。人口は減り、高齢化が進み、耕作放棄地や放置林が増加──。全国で「担い手」が不足している今、どうすれば都市一極集中の社会構造を変え、持続可能な地域を実現していけるのか?
そんな中で目立ち始めたのが、従来とは異なる発想や方法論を携えて〝最前線〟に飛び込む人たち。彼ら彼女らはどんな未来を見据えながら、目の前の課題と向き合っているのでしょうか。

本特集では各地の求人関連の情報も掲載。
次の地域の「担い手」は、あなたかもしれません。

 

巻頭レポート

滋賀県近江八幡市|Going Nuts!
大事なものは初めから足元にあったんだ
長い旅の先に見つけた人生を捧げる仕事
どんな時に人は「この仕事に人生を捧げよう」と決意するのか。一つは、自分の意思を超えた運命を感じた時だろう。滋賀県近江八幡市の株式会社エバンジェリストが展開する「Going Nuts!」はまさに、大きな何かに導かれるようにして生まれたナッツブランドだ。これまでの人生、家族の歴史、そしてまちの歴史──。それらが交わるところに自らの生きる道を見出した起業家の挑戦は多くの人を巻き込み、より広域のムーブメントへと発展しつつある。

熊本県南関町|ヤマチク
九州の竹だけで「箸」をつくる
荒れた竹山と人をいかす地場産業の底力
福岡県との県境に位置する、熊本県南関町。その山間に、10代から70代まで、30人の従業員が働く工場がある。創業から61年。純国産の天然竹を使って箸を専門でつくり続けてきた、日本で唯一のメーカー「ヤマチク」だ。天然資源である竹でつくってきたのは〝箸〟のみ。素材の調達から製品にして届けるまでを担うヤマチクは今、つくり手の立場を超えて自社ブランドを確立し、「ものづくり」が続く未来に向けて動き始めている。

 

秋田県湯沢市|株式会社KAMURO
地域〝のこし〟企業の
未来にむけた土壌づくり
山形県と宮城県に隣接し、秋田県の東と西の玄関口に位置する湯沢市秋ノ宮地区。かつては五千人が暮らしたこのまちも、この50年で1300人に減少。3校あった小学校はすべて廃校になり、子どもの数もかつての1/30にまで減っている。このままでは、まちが消滅してしまう──。立ち上がったのは、秋ノ宮出身の菅通悦さん。20年ほど務めた国家公務員の職を手放し、地元の仲間たちとともに「株式会社KAMURO」を立ち上げた。菅さんは、自らの会社を〝地域のこし企業〟と呼ぶ。地域おこしならぬ、地域のこし。その種をまき始めて二年。今、少しずつ次の未来が芽吹き始めている。

群馬県桐生市|株式会社シカク
心地良いおせっかいと
オープンマインドが息づくまち
新しい場所で何かを始めることは、楽しみな反面、不安もつきまとう。そんな時、誰かが応援してくれたら、心配事の相談に乗ってくれたら、こんなに心強いことはない。群馬県桐生市は、昨年8月に店舗開業・起業等を目指す移住希望者をメインターゲットに支援する窓口「むすびすむ桐生」を開設。歴史ある銭湯の再生や若者に人気のサウナまで、にわかに盛り上がる桐生のまちでは、根っからのおせっかい気質を生かして人と人をつなぐ、新しいまちづくりの動きが生まれている。

鹿児島県薩摩川内市|ECOMMIT
捨てない未来はすぐそこに
環境と経済を両輪で回す循環商社
マンションの共用部、ショッピングモール、郵便局──。私たちの身近な場所に、青い回収ボックスが設置され始めたのを見かけたことはあるだろうか。その名も「PASSTO(パスト)」。これまでにも、不要になった衣類や瓶を回収し、リユースやリサイクルする行為は行われてきた。PASSTOが面白いのは、その先だ。不要になった衣類を身近に設定された回収ボックスに投函すると、細かく選別された上で再流通し、大部分がリユースされる。さらに今後衣類だけでなくあらゆる不要品循環する仕組みを構築し、新しいものづくりのインフラをつくり「捨てない社会」をかなえるという。そんな壮大な夢に挑戦しているのが、鹿児島発の循環商社こと「ECOMMIT」だ。さて、一体どのように?


地域づくりの鍵は人材にあり!
全国のユニークな取り組み事例3選

 


第2特集
「成功事例」の、その先へ

全国には地域再生や移住促進の〝成功事例〟として、メディアなどで頻繁に取り上げられる街があります。
山積する問題を前に悪戦苦闘している自治体にとって、それらは目標とすべき事例。だけれど、現実の課題解決の歩みがそこで終わるわけはありません。
一つの課題を乗り越えたら、また新たな課題が浮上し、全力でそれらと向き合う……そんな地道な取り組みが今も続けられています。

北海道東川町
歴史を紡ぎ、楽しみながら現在をつくる
シンプルだけど難しい、まちづくりの本質
30年をかけて緩やかに、しかし着実に人口を増加させている小さな自治体が北海道にある。北海道第2の都市である旭川市の隣町、東川町だ。人口8500人のうち、今や約6割が移住者だという。「移住施策の成功例」として多くのメディアに取り上げられるこの町には、なぜ人が集まり続けるのか。そして、暮らす人々はどんな未来を見ているのか。地域の〝玄関口〟として旅行者にも地元民にも人気の「居酒屋りしり」を入り口に、移住者のまちの現在地を探った。

徳島県神山町
ここに集うのは行動し、挑戦する人たち
変化しながら前に進む「創造的過疎」のまちの現在
あのシリコンバレーも、昔は果樹園が広がる田舎だった。クリエイティブな人たちが集まり始めたところからIT産業の中心地となったように、〝奇跡の田舎〟と呼ばれるまちが徳島県の山間部にある。人口約五千人の神山町。アーティスト・イン・レジデンスに始まり、IT企業が次々にサテライトオフィスを置いたことで移住者が増加。昨年には、起業家が立案者となった私立高専が開校し、次世代を担う人材輩出の場として注目を集めている。創造や挑戦が連鎖する神山町の今に迫った。

島根県海士町
耕してきたのは挑戦が生まれやすい土壌
若者の還流によるまちづくりを目指す島
若者は、みんな都会に出てしまう。地方ならばどこでもそんな声が聞こえてくる。都会へと向く矢印の向きを変えようと、独自のやり方でその課題と向き合ってきたのが、島根県隠岐島にある海士町だ。平成の大合併が議論された二十年前、単独町制を選択。産業振興や高校魅力化などに力を入れ、若者に一時的に滞在してもらう「大人の島留学」を始めると、今や人口の四分の一を移住者と滞在人口が占める。まちづくりの新しい形を目指す島の挑戦は今も続いている。

 


連載ほか

地域ルポ
新潟県三条市
ものづくり精神と大自然が生んだアウトドアの楽園

群馬県みどり市
3つの個性が混ざり合うみどり豊かなまち


東京都青梅市
おうめの「リバーライフ×まちづくり」体験ツアーレポート


秋田市移住相談八重洲センター

JRE Workation Passで“働く”をもっと自由に。in 新潟県十日町市

僕たちのローカルデザイン考

地域おこし協力隊リポート 愛知県設楽町

これからの官民連携|郵便局+αで地域ならではの受け皿づくり

ローカレ 岡山県津山市レポート

わたしもTURNSになりました

日常こそが最大の観光資源
暮らし観光のすすめ

よく見ると動いている|アサダワタル

素晴らしきローカル土産


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