紀伊半島地域暮らし体験ツアー
「農ある暮らし体験ツアー」開催レポート

半農半Xの生き方に触れる紀伊半島でのツアーが、2022年11月11日(金)~13日(日)、2泊3日で開催されました。

参加されたのは、首都圏や中部、関西から集まった8名のみなさん。

移住者が営む農家民宿で無農薬野菜を収穫したり、全国から若者が集まるみかん畑での援農体験、そして現地の方や移住者、援農で長期滞在している方にお話を伺うなどして、自然あふれる紀伊半島での農と暮らしに、たくさんのヒントをもらえた3日間となりました。

そのレポートをお届けします!

 

1日目:三重県 熊野市

今回は愛知県の名古屋駅に集合し、そこからマイクロバスで約3時間。熊野市に入ると、キラキラと広がる海が見えてきました!

\熊野の海鮮を堪能/

熊野市は、熊野古道に代表される山のエリアで「農ある暮らし」が営めますが、太平洋側では海の恵みも堪能できるのが魅力。ということでまずは海沿いの「花のいわや亭」で、お昼に海鮮丼をいただきました。

▲熊野灘はブリ、カツオ、マグロが自慢。新鮮で甘みがあって美味!

\日本最古の神社へ/

熊野といえば、神話や信仰の地としても有名で、数々のパワースポットが点在しています。そこで、日本最古の神社といわれる「花の窟神社」にも立ち寄りました。

▲卸神体の綱を取り替える神事はユネスコ世界遺産に登録。

\農家民宿で収穫体験/

海沿いの道から山の方へ車を走らせると、窓の外はすぐに、木漏れ日や、清流の音に包まれる山の景色に。約40分で「農家民宿雨宿り」につきました。

ここは、関東から移住した雨宮伸都さん・静香さんが、無農薬の野菜やお米を育てながら営む小さなお宿。

▲(右)雨宮伸都さんと郁くん、(中)雨宮静香さん、(左)シェアハウスで一緒に暮らす小副川楓さん

雨宮さん夫婦はこの地域(育生町)に、山間の不便な里だからこそ残っている豊かさを見い出し、移住したそうです。そして、「農業」「一棟貸しの民宿」「シェアハウス」の3つを仕事として生み出し、暮らしを紡いでいます。

「雨宿り」という名前に込められているのは、土砂降りの雨の中でも、先の見えない濃霧でも、ほっと一息つける……そんな場所でありたいという願い。

古民家を、地域の人達に教わりながらリノベーションしたという空間は、素朴で温かみがあり、気取らずくつろげます。かっこいい暖炉や、星野道夫の写真集やサブカル漫画も並ぶ本棚、珈琲焙煎コーナーもあり、まるで田舎のイトコや友人の家に来たかのような雰囲気。海外の方がのんびりしに来ることも多いといいます。

この居心地の良さには思わず腰を据えたくなってしまいましたが、この日は野菜の収穫体験が待っていました!歩いて雨宮さんの畑へ向かうと、広々とした空に山々が連なる眺めに、穏やかに流れる川の透明感……周囲はとても静かで、日々の喧噪がすーっと頭から消えていきます。二人が移住先を育生町に決めたのは、この「まさに日本の里山の原風景」に感動したことが大きいそうです。

こちらが雨宮さんの無農薬農園。年間で約50種類の野菜やお米を育て、自分たちで食べたり、民宿で出したり、地元のお店に卸したりしています。

▲収穫方法をレクチャーする伸都さん(左)

▲無農薬の畑なので、小さな子にも安心です。

▲みずみずしいカブがいっぱい!

そして、収穫したばかりの野菜を使い、みんなで食事づくり。この日は人参、蕪、赤キャベツ、3種類の大根、サツマイモなど冬の旬野菜がたっぷり。

伸都さんが近くの川で獲った鮎や、よく村の方からいただくという猪肉も!

▲「猪のさばき方は地元の方に教わりました」(伸都さん)

山の滋味に感謝しながら味わうと共に、伸都さん・静香さんから移住暮らしのお話を伺いました。

もともと関東の大学で農業を学んでいたお二人。その後、伸都さんは神奈川県で農業法人に5年間携わり、高知県で自ら農業を営んだあと、埼玉で営業職を経験。

その後、「農“業”」ではなく「農と暮らし」を大切にする生き方を求めて移住先を探し、軽トラでいろんな土地を見て回ったそうです。そして2017年に地域おこし協力隊として育生町に移住。

「ここの土質も魅力だったんです。農家の最初の仕事は土を作ることだから」と伸都さん。

静香さんは「沢がいっぱい流れていること、雨が多い風土、というのもポイントでした。きれいな水が豊富なのは、野菜やお米づくりに嬉しいので」と教えてくれました。

ちなみに無農薬栽培をすると、地域によっては周囲の農家さんとトラブルになることもあると聞きますが、ここ育生町では特にそういったことは無く、みなさんと仲良く交流できているそうです。

さて、農業の次に雨宮さんたちが取り組んだのはシェアハウスづくり。こちらも古民家を自分たちで改装し、2020年に開業。以来、シェアハウスメンバーと一緒に住んでいるのだそう。

今そのシェアハウスに長期滞在しているのが「雨宮夫婦の暮らしに憧れて、大阪からUターンした」という楓さん。ここでの暮らしに自然体で溶け込んでいる様子が、とても羨ましく思えました。

▲交流会には楓さんも参加し、お話を聞かせてくれました。

そして「民宿」は、シェアハウスのあとに作られました。これまでの経験で、農業だけで生きていくには、ビジネスとして大規模に展開しなくてはいけない大変さを知っている伸都さん。今は、この民宿とアルバイトを雨宮家の暮らしの糧にしています。

▲「この土地に残る元々の暮らしが気に入り、そこに入ったという感じです」と伸都さん

伸都さんは「根源的な暮らしを紡いでいくと、暮らし自体には生産性と呼べるものは少なく、継続と呼べるものの方が多い。そしてこの地域は限界集落を越えて消滅集落になるようなところなので、そもそも商売をするには不向きな所です。そんな地域での僕たちのシェアハウスは、『農』と『暮らし』という非合理的なことで繋がることにより、協和的なコミュニティが出来ないかを模索する場所として考えているんです」とも語ってくださいました。

そして「今の貨幣経済の価値観から一旦離れる事で、より『農』と『暮らし』を見つめ直すことができるのではないか」、と自分たちの暮らしをシェアハウスで開いているのだそう。

この想いや暮らし方に共鳴する方は、ぜひ訪れてみてください。

 

 

【農家民宿 雨宿り】

住所:三重県熊野市育生町大井708

アクセス:[車]紀勢自動車道「熊野大泊IC」から県道34号、県道40号経由で約50分。

[電車・バス]JR熊野市駅より広域バス「清流・那智黒石の里線」乗車、長井バス停で下車、徒歩約7分

TEL:080-3534-8362

HP:https://ikuseiiko.wixsite.com/minsyuku-amayadori

 


【シェアハウス 農の家 雨宿り】

住所:三重県熊野市育生町尾川152

アクセス:[車]紀勢自動車道「熊野大泊IC」から県道34号、県道40号経由で約45分

[電車・バス]JR熊野市駅より広域バス「清流・那智黒石の里線」乗車、尾川バス停で下車、徒歩約5分

TEL:080-3534-8362

HP:https://ikuseiiko.wixsite.com/amayadori

*ミニMemo

シェアハウス【農の家 雨宿り】のほうは、5日以上の滞在から利用可能。希望者は農地を借りることができ、種まきから収穫まで体験できるため「農業留学」として来る人も。また、地域の米農家さんを手伝いながら1年間米作りを学ぶ「米作りサポーター」も募集中!

https://ikuseiiko.wixsite.com/amayadori/

 

2日目:三重県 熊野市・和歌山県海南市

\暮らしの器作り/

翌朝は、山の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込みながら、お散歩気分でご近所の「童心窯」へ。伸都さんの案内で、陶芸体験です!

この窯を営む橋詰洋司さんに教えていただきながら、箸置きやカップなど、思い描く形を目指し、土との時間を楽しみました。

童心窯は、信楽焼に魅せられた橋詰さんが、この地に手作りで穴窯をつくリあげた場所。窯に火を入れるのは5月と10月の2回あり、その時期は1週間、夜も休まず仲間達と交代で火をくべるのだそうです。そのためには軽トラック12〜13台分の薪づくりも必要で、山から松を切り、割ることも、暮らしの一部だと言います。

「雨宿り」の伸都さんもここで器をつくっているため、サポートに入ってくださいました。

自らの手で作陶し、木々を集めて薪にし、仲間達と夜な夜な語りながら焼き上げ、自分たちで育てた野菜を盛り、いただく……山深い場所だからこその、土と文化のある暮らし、その歓びが、ここにありました。

【童心窯】

住所:三重県熊野市育生町長井377

アクセス:[車]紀勢自動車道「熊野大泊IC」から県道34号、県道40号経由で約50分。

[電車・バス]JR熊野市駅より広域バス「清流・那智黒石の里線」乗車、長井バス停で下車、徒歩約3分

TEL:050-7001-7499

※宿泊とセットの場合は「農家民宿 雨宿り」までお問い合わせをお願いします。

*ミニMemo
童心窯では、火の番を交代で行う「窯焚きサポーター」を募集しています。「雨宿り」に泊まって通うこともできるため、興味のある方はぜひ「農家民宿 雨宿り」HPへ。

 

\三重県熊野市の移住に関する窓口はコチラ/

熊野市移住定住ワンストップ窓口(熊野市市長公室内)
TEL:0597-89-4111(内線317)
▼移住定住ポータルサイト「くまの移住ねっと」
「お問い合わせ」からメールフォームで問い合わせ可能

 

\みかん収穫の援農/

お昼からは紀伊半島を横断するように、西側へ移動。途中、何度も目にした渓流の清らかさ、豊かな水のある風景は忘れられません。「紀伊半島は日本で最も雨が多い地帯」と教科書で習ったことを思い出しながら、車にゆられて約3時間。

和歌山県海南市下津町のみかん畑へやってきました。ここでみかん収穫の援農体験をするのですが、山の急斜面に段々畑が作られているため、登るだけでも一苦労!

けれどもこのエリアは、日照時間がカナメとなるみかん栽培に適した地というだけあって太陽のパワーが絶大。立っているだけでも全身に日のエネルギーを浴び、不思議と力がみなぎってきます。

そして収穫をはじめると、フレッシュなみかんの香りがはじけて、だれもがパッと活き活きした顔に!

▲作業の合間のつまみ食いは格別(笑)。甘く濃く、とってもジューシー!

作業をしていると、次第に無心になっていき、没頭。するとなぜだか日々のつまらないストレスがどんどん消えていくかのようでした。肩にかけたカゴはずしりと重くなり、普段使わない筋肉が刺激されていきます。終わったあとは、心地良い疲労と達成感。ここに通うと、きっと身も心も健全になれそう!

▲「収穫を子供や孫に教えるみたいで楽しい」と気さくな尾崎さんご夫婦

▲海南市下津町の「みかん援農」を主催する「FROM FARM」大谷幸司さん

山間部が多いこのエリアは、米や野菜栽培がむずかしい代わりに陽当たりと水はけがよいため、昔からみかんを中心とした果物の産地となってきました。ですが今、人口減少や後継者不足などにより、たいへんな人手不足に。そこで大谷さんは、みかんの収穫最盛期である11月12月に、助っ人を募集する「みかん援農プロジェクト」を立ち上げました。

期間中は約50〜70人もの人が全国から集まってシェアハウスで共同生活し、何件ものみかん農家さんへアルバイトという形でサポートに入ります。

この日は2年連続で援農に来ているメンバーたちが手際よく収穫をしていました。農家の尾崎さんご夫婦とも仲が良く、和気あいあい。

アットホームな空気感にみなさんすぐ打ち解けて、賑やかな時間になりました。

田舎暮らし・農業体験・地域支援・さまざまな価値観や生き方の援農メンバーとの出逢いや共同生活。これらに興味のある人は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

尾崎園 尾崎磁康さん・多恵子さんご夫婦 

FROM FARMみかん援農】

住所:和歌山県海南市下津町(の各農家さん)

アクセス:[車]大阪駅から阪和自動車道などで約1時間20〜30分

[電車]新大阪駅からJR特急くろしおで和歌山駅へ、JRきのくに線に乗り換え、下津駅で下車(そこからは車が必要なためご連絡ください)

TEL:073-488-4196(FROM FARM)

HP:https://en-nou.net

\六次産業化を体験/

援農体験後は大谷さんが運営する人気カフェ「Kamogo」へ。みかんの六次産業化の現場を知るため、ジュースになる過程を、実際にトライしてみました。

まずはひたすら半分にカットしていきます。

ハンドジューサーにみかんをセットし、ゆっくり搾ります。これを1杯につき12回繰り返すので、なかなかの作業。柑橘類は外にも中にも皮があるため、電動ジューサーでガーッとやるわけにはいかないという事実を、改めて認識した私たち。

ようやく出来た1杯。これまで飲んできた柑橘類の生搾りジュースとは、ありがたみが全く違います……!

たしかに、六次産業といえば、使われる農産物は、傷ものや規格外品などを安く仕入れて使っているのが一般的ですが、加工品になるときは、こうして時間や手間暇がかかるもの。その価値が身に染みてわかりました。
それに「規格外品の農産物」といっても、味わいは正規品と同じ。
栽培や収穫の手間も同じです。そのため大谷さんは、そもそもの加工用みかんの価値を見直すため、「FAIR TRADE JUICE プロジェクト」も行っています。

カフェの一角では、大谷さんたちが作った加工品や、町の特産品が販売されているので、訪れたらぜひチェックしてみてください。

今後は、町のフルーツを使ったアイスクリームづくりや、ふるさと納税での取り組みも注目ですよ。

\移住者・援農メンバーと交流会/

さて、そうこうしているうちに夜になり、kamogoには先輩移住者や援農メンバーが集まって、交流会が行われました。

メインメニューはスパイスカレー! カレーユニット「SPICE TRIP」の森本真輔さんが、この交流会のために「Kamogo」で出してくださった特別な一皿で、みなさんその美味しさに大満足。

▲左下でビールを手にしているのが森本真輔さん。

森本さんは海南市の隣、有田川町で家具や雑貨を扱う「丸十家具」を三代目として営みながら、クラフトビール醸造所「Nomcraft brewing(ノムクラフト・ブルーイング)」のメンバーでもあり、ビールもたくさん持ってきてくださいました。

▲自分たちで搾ったみかんジュースと、地元のクラフトビールで乾杯!

森本さんによると、「Nomcraft brewing」には、シカゴやイギリス出身者、またポートランドやオーストリアで経験を積んだメンバーなどがいて、「クラフトビールでまちづくり」というプロジェクトにも挑んでいるのだそう。

次に和歌山へ訪れたら、「丸十家具」に併設されたカフェで、森本さんのお話もあれこれ聞いてみたい、そう思ったのは私だけではないはず!

話が少しそれましたが、先輩移住者や援農メンバーは、美容師や管理栄養士など専門職がある人や、みかん援農が終わったら北の方の県で雪山のリゾートバイトをする人、沖縄でサトウキビ収穫の援農をする人、ヒッピー的な生き方をしている人など、多様な顔ぶれでした。

そして、大谷さん自身はUターン組。実家の農業を継いで従事したあと、和歌山の農産物をテーマにした加工品食ブランド「FROM FARM」を立ち上げました。カフェ「Kamogo」は、飲食店経験や、関連する人脈などもない中で、自分でメニューを開発するなど手探りで作り上げてきたといいます。

「みかん援農プロジェクト」は、地域の困りごとを解消するために、農家さんと援農メンバーの希望を擦り合わせながら、まとめ役として主宰している、ということでした。援農メンバーが住む場所の確保、生活用品の準備、今年もちゃんと人が集まるかどうか……など苦労や心配事は絶えないそうですが、地元の今と未来を守る使命感に胸を打たれました。

大谷さんは現在40代半ば。もうお子さんを育て上げ、お孫さんもいると聞いてびっくり! 地域に必要とされる生業を作るには、大谷さん曰く、産地の特産品を活用したオリジナルブランドを作り、発信すること、バイタリティをもって好きなことを追求し、場やコミュニティを作り上げること、地元の課題解決に取り組むこと、マルチに活動をすること……。

参加者それぞれが大切なことを心に刻み、熱い夜はあっという間にお開きに。

この日は海南駅近くのビジネスホテルに宿泊しました。

【Kamogo】

住所:和歌山県海南市下津町方372-1

アクセス:[車]大阪駅から阪和自動車道などで約1時間20分

[電車]和歌山駅よりJRきのくに線の加茂郷駅で下車、徒歩約13分

TEL:073-488-6925

HP:https://www.instagram.com/kamogo__wakayama/

 

3日目:和歌山県有田市・海南市

\和歌山らしさを味わうカフェへ/

最終日のランチは、有田市の「rub luck cafe(ラブラックカフェ)」へ。2回へ上がると、海の景色だけが見えるような空間演出になっています。この日は雨でしたが、天気がよければ夕日が海に沈む絶景が見られるのだそう。

ここは「その土地にしかないもの。その土地にしかない価値。私たちにしか伝えられない価値を伝えていきたい。」「次の世代に誇れる和歌山をつくり、伝えていく。」

そんな想いをもった「源じろう計画事務所」が手がけているカフェ。

メニューにも、地元の海の特産品「しらす」の丼など和歌山らしいものがあり、特にみかんのホットジュースは、とろりとした飲み心地と絶妙な甘みと酸味で虜になる人続出!

▲カレーやタコライスも食べ応えありでした。


【rub luck cafe】
住所:和歌山県有田市千田1470-2

アクセス:[車]大阪駅から阪和自動車道などで約1時間35分

[電車]和歌山駅よりJRきのくに線「箕島駅」下車、車で約8分

TEL:073-783-0028

HP:https://www.instagram.com/rubluckcafe/

\地域のお土産探し/

半農半Xに触れる旅の終わりは、農産物のお土産ハンティング! 海南市にあるJAながみねファーマーズマーケット「とれたて広場」に寄りました。店内には海南市が誇る、貯蔵、熟成させた「蔵出しみかん」をはじめ、立派な柿、珍しい国産キウイ、またそれらを使った加工品がぎっしり!

時期によっては、桃やびわ、すももが豊富だそうですよ。

 

\和歌山県の移住に関する窓口はコチラ/

和歌山県 企画部地域振興局 移住定住推進課

〒640-8585和歌山県和歌山市小松原通1-1

TEL:073-441-2930

FAX:073-441-2939

MAIL:e0222001@pref.wakayama.lg.jp

HP:https://www.wakayamagurashi.jp/

 

突然ですがここでクイズです!

紀伊半島は、今回訪れた三重県と和歌山県のほか、何県があるでしょうか?

正解は奈良県です。

この3県は、移住したいすべての人達を大歓迎。いま移住がちょっと気になっている人も、もう具体的に移住先を検討している人も、大切なのは実際にその土地で自分がどう感じるか、土地の人達と交流し、雰囲気や、気候風土、食べ物が合うか……それらを体感するのが第一歩。

そして、関わりを持ちたいな、好きになれそうだなと感じたら、通ってみたり、長期滞在してみたり。

今回ご紹介した場所は、そういった可能性に開かれた場所なので、特におすすめです。今回のレポートでピンときた場所を、ぜひ訪ねてみてください。

写真:高杉 亮

文:竹内 葉子

\参加者の声/

・この1年くらい、都会でとても忙しい生活を送りながら「自分の本当にしたいことは違うんじゃないか」とモヤモヤしていて。なのでこの3日間、いろんな価値観の方とお話ができ、記憶に残りました。いちばん良かったのは、移住者のお話をゆっくり聞ける時間でした。表面上だけでなく大事にしていることなどが胸に迫ってきました。また、これから地方創生やワーケーションなどの仕事に関わっていきたいので、いろいろな支え方があるのを知りました。自分ができることや選択肢を増やしていきたいです。

・当初は「夢がない自分」に自信がなかったのですが、ツアーの参加者や、訪れた先の人たちとの話が、夢のきっかけを作ってくれました。本当に感謝しています。ああ幸せとか、ほんとに楽しいとか、感動しっぱなしの3日間でした。

・今までは有名な宿やご当地グルメを巡っていましたが、はじめて現地の暮らしに溶け込むような旅でした。みかんの援農が本当に楽しくて……いま大学生で時間があるので、これから各地の援農に行ってみようかなと思います。また、地域おこし協力隊になりたくても、周りは大企業に就職する子が多くて、話せる人がいませんでしたが、今回さまざまな繋がりができましたし、町おこしにもいろいろなやり方があるのだと分かりました。

・子どもが巣立ったら、夫婦ふたりでUターンやIターンをしてみたいなと、老後の暮らしのイメージが広がって楽しみになりました。

・和歌山市出身で、みかんはよく食べていたのですが、知らないことだらけでした。来年から社会人になりますが、副業で写真の仕事をしながら地方と繋がりをもっていきたい思いが強くなりました。

・地元以外の場所に拠点が欲しくて参加しました。体験・体感ベースのツアーで記憶にのこることばかりでした。仕事の悩みがあるなかで、生き方の優先順位がはっきり整った感じがあります。特に記憶に残ったことは「稼ぐ力=生き延びる力」だと思っていましたが、雨宮さんのお話で、山ではそうではない、ということが胸に響きました。自分から何かを生み出すことが生活なんだな、と。また、郷土料理にとても惹かれました。

・いま転職活動中で、いろんな道を考えているのですが、これからは自分を大切にして生きていきたい、私は人と関わっていくなかで幸せを感じるんだな、自分が生きたい人生を生きていきたい。そう思えました。

                   

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