子育てしながら夢のカフェ開業を実現。
茨城県常陸太田市で新たな自分に出会えた

子育て世代を支援する制度が豊富に揃う茨城県常陸太田市は、20代から40代の人たちにとって魅力的な移住先だ。さらに、創業・起業を志す人を支援する事業にも力を入れており、創業セミナーの開催、補助金の支給などキャリアを築くための環境を整えている。

東京から移住してきた齋藤加奈子さんは、市の創業支援事業を活用して2022年に念願のカフェを開業した。保育園に通う娘さんを育てながら、どのように事業を始め、仕事に励んでいるのか。子育てとキャリアアップが両立できる常陸太田市の魅力についても、お話を伺った。

健康的でおいしい食事と、地域の人がくつろげる時間を提供

齋藤さんが営む「隣のおばちゃんは、子育て中のママが我が子と一緒に気軽に食事ができる店として親しまれている。齋藤さんは「親戚のおばちゃんの家に行く感覚で、ゆっくりくつろげる場所を目指しました」と語る。

「親戚のおばちゃんの家に遊びに行くと、食卓にいろいろなおかずが出てきますよね。そんなイメージで、手作りでみんなが安心して食べられるメニューを意識しました。地元の食材を使い、おうち感のある健康的な料理を提供しています」

米は常陸太田特別栽培米コシヒカリ「黄門米」を、野菜やくだものは茨城県産の旬の食材を使用。食品添加物をなるべく控えていることも、齋藤さんのこだわりだ。

「しっかりお腹にたまって満足感がありつつ、お野菜いっぱいのヘルシーな食事が特徴です。主菜とご飯で完結するのではなく、栄養バランスを考えたメニューで、定食には副菜の小鉢もつけました」

開業して1年。赤ちゃん連れの家族や子育て支援センター帰りの親子などで賑わう。テイクアウトもできるため、仕事帰りに惣菜やお弁当を買いにくる人も増え、幅広い世代が利用している。


手作り唐揚げごはんのセット。セットには、サラダとメイン、ごはん、味噌汁、日替わりの副菜3点がつく。

子育てがしやすく、創業・起業の支援も手厚い常陸太田市

齋藤さんは茨城県出身だが、都内の飲食チェーンに勤務し、結婚・出産を経て、2020年2月に家族3人で子育てがしやすい環境を求めて常陸太田市に移住した。移住の際は、市の住宅取得促進助成金を利用したという。市内への定住を目的とした子育て世帯を対象に、住宅の取得に関する助成金を交付する制度だ。

「子育て上手ひたちおおた」を掲げる常陸太田市は、このほかにもさまざまな子育て支援を提供している。18歳まで医療費の一部負担金を助成するほか、乳児のおむつ購入費の助成、保育料の軽減や園児の給食費の無償化など、妊娠から出産、育児まで、あらゆる段階でサポートが行われている。齋藤さんが移住した当時、娘さんは1才を過ぎていたが、利用できる制度は多くあったという。保育園にもスムーズに入園でき、安心して常陸太田市での暮らしを始めることができた。

「東京で暮らしていたときは、保育園に入れるかどうか不安がありました。でも、常陸太田市では希望の保育園に無事に入園でき、落ち着いて新生活や仕事を始められました。保育料や給食費の負担が少ない点もとても助かっています」

齋藤さんには、「いつか地元で飲食店を開きたい」という夢があった。常陸太田市へ移住後、その“いつか”を本格的に考え始め、2022年に入ってすぐに起業を決意。その年の9月に、「隣のおばちゃん家」をオープンした。

「娘を保育園に預けていたので、計画的に起業の準備を進めることができました」と齋藤さん。セミナーに参加したり、市や商工会の窓口に出向いて起業の相談や手続きを行ったり、子育てをしながら自分の夢に向かって進んでいった。

複雑な起業準備も、市のサポートで円滑に

常陸太田市では、雇用創出と地域活性化を図るため、創業・起業したい人に対してのサポート体制を確立している。市役所に創業相談窓口を設置するほか、常陸太田市商工会に創業サポート窓口(ワンストップ相談窓口)を設け、個別相談や伴走支援を行う。日本政策金融公庫や金融団などの金融機関とも連携し、資金面での支援も提供している。

カフェを始めることを決めた齋藤さんは、まず商工会の創業セミナーに参加した。齋藤さんはサポートの手厚さを実感したと振り返る。

「創業セミナーで市の支援制度の内容や制度を利用するための条件などを把握しました。必要に応じて市の窓口につないでもらい、融資のアドバイスを受けながら事業計画を進めました。商工会も市役所も対応が丁寧で、常陸太田市は起業しやすい場所だと感じます」

常陸太田市には、人件費や設備費、原材料費など対象経費の一部を補助する「新規起業支援事業費補助金」制度がある。対象経費の1/2、1年度内で最大50万円の補助があり、最長3年度目まで利用することができ、齋藤さんも家賃補助やエアコンの設置などで利用したという。今年度も書類を提出し、補助を申請したとのこと。

地域のお母さんたちの憩いの場をつくりたい

「子連れのママは、外食することさえも大変です。女性がひとりでも安心して食事ができ、ゆったり過ごすことができるお店づくりを目指しています。最近はリピートしてくださるお客さんも増えています」

外食といっても、ママは我が子にご飯を与えなければならず、自分の食事はどうしても後回しになりがちだ。齋藤さんは、そんなママたちにゆっくり食事をしてもらいたいと、子どもたちが楽しめるお絵かきボードや絵本、おもちゃなどを用意。離乳食アドバイザーと妊産婦食アドバイザーの資格を保有し、食の悩みや相談も受けている。


店内には子どもたちに向けたお楽しみもいっぱい。

「隣のおばちゃん家」という気取らない名前の通り、食事をするだけでなく、のんびり過ごしていくお客さんも多いという。

「親子で来店してくださった方で、食後、お子さんが店内のテレビを夢中で観ていたんです。しばらく楽しんだ後、食事を終えたママが『もう終わりにして帰るよ』と話しかける姿を見たとき、『居心地よく過ごしてくれていたんだ』となんだかとても嬉しくなりました。いつかは、親御さんが『隣のおばちゃん家なら行ってきていいよ』と子どもを安心して送り出せるような、地域に根付いた場所になれたらと思っています」


齋藤さんが手にしているのは「ペタペタアート」と呼ばれる手形や足形で作る作品。齋藤さんは「株式会社petapeta」認定のpetapeta-artアドバイザーとしても活動。お客さんもペタペタアートを作って楽しめるように、店内に必要な道具を常備している。

子育てしながら起業を目指すなら、常陸太田市へ

「隣のおばちゃん家」をオープンして以来、お客さんと子育ての話をしたり、イベントに出展して地域の人と交流したり、地域の人とのつながりが広がってきたという。

「お客さんがたくさん来てくれて、おしゃべりをして、楽しく営業できることがやりがいです」

親戚の家に遊びに来たような、おいしい食事とゆっくりくつろげるカフェ。これからもそんな場所を目指し、齋藤さんはこの仕事を続けていく。


コーヒーやデザートなどのメニューも充実している。

移住を検討している人の中には、自身のキャリアアップを志す人も多い。齋藤さんに常陸太田市で起業を実現した先輩としてアドバイスを求めると、笑顔でこう答えてくれた。

「自分の経験から、市の担当窓口など公的機関に相談してアドバイスをもらうことが非常に有益であることを実感しました。私はカフェを開こうと決めてから、常陸太田市が創業に関する取り組みに力を入れていることを知りました。起業は事業計画の立て方や申請書の作り方、融資を受けるための手続きなど、複雑で理解が難しいことも多く、支援制度の内容を把握するのにも時間がかかるものです。市役所や商工会の担当者に相談すれば、専門的なアドバイスや自分に適した支援制度、新しい提案など、インターネットでは入手できない多くの情報を得ることができると思います」

取材・文:鈴木ゆうこ 撮影:古末拓也

 

常陸太田市企業ガイドブック
常陸太田市で新たなキャリアに挑戦してみませんか?

常陸太田市内には、さまざまな分野で活躍している企業が数多くあります。「常陸太田市企業ガイドブック」では、各企業の事業内容や魅力、仕事のやりがいなど、先輩社員のリアルな声も交えてご紹介しています。オンライン版の「常陸太田市企業ガイドウェブサイト」も公開中。常陸太田市への移住をご検討中の方、新しいキャリアへの挑戦を考えている方は、ぜひご一読ください。

▼閲覧はこちらから
https://www.city.hitachiota.ibaraki.jp/page/page008598.html

 


常陸太田市へ移住するなら!【移住のススメ】
常陸太田市の生活情報や、子育て世代向けの支援制度、移住サポートなどを紹介しています。https://www.city.hitachiota.ibaraki.jp/page/page008412.html

創業・起業に関する相談窓口
常陸太田市では、「お店を出したい」、「事業を始めたい」、「創業のアドバイスが欲しい」など創業を考える方のために、創業サポート窓口と創業相談窓口を開設しています。

・創業サポート窓口(ワンストップ相談窓口)
場所:常陸太田市商工会(常陸太田市中城町3210)
相談時間:月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(年末年始・祝祭日を除く)
内容:経営指導員による専門相談(事業計画、資金計画、販路拡大等)、伴走型支援
お問い合わせ先:0294-72-5533

・創業相談窓口
場所:常陸太田市役所2階 商工振興・企業誘致課
相談時間:月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(年末年始・祝祭日を除く)
内容:相談内容に応じた相談先等の情報提供、市関連補助金等のご案内
お問い合わせ先:0294-72-3111 内線621・622

 

                   

人気記事

新着記事