企業が地方進出する理由とメリットは?大手・中小企業の地方創生への取り組み事例についてもご紹介!

近年、都心を離れ、地方に拠点を移す企業が増えています。

本記事では、企業が地方に拠点を持つメリットや、企業を誘致をすることで地方が得られるメリット、大手・中小企業それぞれによる実際の取り組み事例について解説します。

 

地方創生とは?

地方創生とは、各地域がそれぞれの特徴や資源を活用し、自律的かつ持続可能な社会を作ること、及びそれらを実現するための施策を指します。

第二次安倍内閣の元、2014年に創設された「まち・ひと・しごと創生本部」が中心となって2015~2019年までの目標や方針を定め具体的な取り組みが始まりました。その後、2020年に改訂が行われるなどし、現在では日本国内の国際競争力の向上と地方都市の発展を目標に推進されています。

地方創生の詳細に関しては、こちらの記事で解説しています。制度の詳細や指針について深く理解したい方はこちらもご参照ください。

(参考)https://turns.jp/53015

 

企業の地方進出が地域にもたらすメリット

企業の進出によって地域が得られる主なメリットには、次のものが挙げられます。

・人口流出の抑制

・雇用の創出

・新たな資源の発見・活用

最も大きなメリットとして、人口流出の抑制が挙げられます。

新型コロナウイルス感染拡大でリモートワークが一般化したものの、いまだに出社を求める企業も少なくありません。また、就職後は職場のあるまちやその近郊の地域で暮らすことが一般的であるため、企業が集中している大都市圏に若い労働力が流出してしまう課題があります。

地方に企業が支社を設置すれば、若い労働力の流出を抑制できる効果が期待できるだけでなく、地域に新しい雇用を生み出すこともできます。また、企業が地域固有の資源を活用してビジネスを行うことで地域活性化や新しい産業の振興につながった事例も出てきています。

地域活性化の事例については、以下の記事で解説しています。

(参考)https://turns.jp/57935

 

企業が得られるメリット

地方進出することで企業側が得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは5つの大きなメリットをご紹介します。

地方拠点ができる

本社移転をしない限り、企業は支社という形で地方都市に進出することになります。地方拠点ができることで、例えば災害時に本社の機能が失われてしまっても地方拠点を使って対応できるようになるでしょう。

また、都市部にはない独自のビジネス拠点を作ったり、行政や地域住民とコラボレーションすることで新商品・新サービスを開発したりできる可能性もあります。地方自治体との連携も図りやすくなり、地域のために協業することもできるかもしれません。

社会貢献度が高まる

地方都市に企業が進出し、地域に利するビジネスを展開することで、社会貢献性をアピールすることができます。

持続可能な社会を目指す世界的な潮流の中で、企業の社会貢献度は企業評価を得るひとつの要素となっています。

また地域に根付いた企業として、地域から高い評価を得られる可能性があります。短期的にはコストがかさんだとしても、長期的な目線で見た時にメリットとなる要素が多くあるでしょう。

優秀な人材の確保・育成が可能

地方都市には、何らかの事情で都心部へ進出できなかった優秀な人材が埋もれている可能性があります。企業が地方都市に進出することで、優秀な人材を発掘して雇用することができ、自社の戦力として育てることが可能です。

人材の育成という観点からも非常に効果は高く、地方都市に住みながら仕事をしたいと言う新卒求職者や中途休職者を、獲得できるかもしれません。

地方で優秀な人材を発掘できるのは、その地に拠点を構え根を張る企業の特権です。

社員の働き方改革につながる

新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークが普及しました。その結果都心部ではなく地方に移住をし、リモートで仕事をするというスタイルも定着しつつあります。

これは社員の働き方改革につながる大きなメリットです。出社が必要な場合でも地方都市に拠点があれば、そちらに足を運べば済みます。逆に都心部で働く社員が地方移住しても、企業と社員の間で連携が取りやすい状態にもなるでしょう。

現在、ワーケーションと呼ばれる休暇と仕事を一緒にした働き方も注目されており、これらにも対応できる可能性があります。

企業版ふるさと納税で事業展開可能

企業版ふるさと納税とは、国が認定した地方公共団体に対し、企業が寄付を行う制度のことです。企業版ふるさと納税最大のメリットは、寄付金額の最大9割が控除される仕組みになっていることです。この措置は現在令和6年度まで受けることができます。

また、ただ単にお金寄付するだけではなく、専門知識やノウハウを有する企業の人材を該当の地方公共団体に派遣することでふるさと納税とする「人材派遣型」もあります。

これから地方都市に支社や支店を構えようと思っている企業は、人材派遣型の企業版ふるさと納税を活用することで地域貢献できます。そこから新たなビジネスチャンスを生み出すこともできるでしょう。

 

地方創生に参入した企業の事例

地方創生に参入した企業は多くあります。今回は大手企業を2社、中小ベンチャー企業を3社紹介します。

結論から言えば大手も中小企業も、そしてベンチャー企業も、商機を掴めば地方都市への進出は難しいものではありません。自社のビジネスと地域の課題がマッチングすれば、歓迎されるでしょう。

大手企業

次の2社の事例をご紹介します。

KDDI株式会社

通信事業大手のKDDI株式会社は、地域にとっても企業にとってもサステナブルなビジネスを構築する支援をしています。

福井県小浜市では、漁獲量が減少する鯖を復活させるために小浜市や学術機関、地元企業と連携し「鯖復活」養殖効率化プロジェクトを実施。2017年のプロジェクトを開始当初から比較すると、養殖量は3倍にまで増加。さらに、新たな名産品として「小浜よっぱらいサバ」というブランドも立ち上げました。

プロジェクトの実現には、地元企業や水産関係者が持っていたノウハウをもとに、KDDIが持つ通信技術を活用。その他にも農林業や観光業ともコラボレーションをしています。地域の課題解決にも一役買っている、地域貢献性の高い事業です。

株式会社LIFULL

賃貸仲介の大手HOME’Sを運営する株式会社LIFULLは、地方都市が抱える空き家問題にフォーカス。空き家活用を地方自治体や地元企業と推進しており、有効活用できる方法を模索しています。

「子育ても仕事もハッピーに」をコンセプトにした取り組みでは、子連れで働けるオフィス環境の整備及び場所の提供を、LIFULLと連携する企業や自治体とともに実施しました。空き家を改装して子育てするママが、テレワークで働けるように環境を整備したのです。

同時にテレワークで都心の仕事が受けられるようにレクチャーも実施。パソコンをよく知らないという人に対しても基礎知識のサポートをしています。

中小企業・ベンチャー企業

企業の地域貢献は、大企業に限った話ではありません。中小企業やベンチャーも積極的に地方に進出しており、高い成果を上げています。今回は以下の3社を紹介します。

READYFOR株式会社

READYFOR株式会社は、日本初のクラウドファンディング会社です。クラウドファンディングは場所を問わず、事業やイベントの資金を集めるのに適しており、地方創生と非常に相性の良い事業です。

READYFORのカテゴリにある「地域文化」「まちづくり」には、多くの地方自治体へのクラウドファンディングが紹介されています。会社としても地方創生に積極的な姿勢を見せており、特に財政面では強い味方になることでしょう。

ランサーズ株式会社

日本最大級のクラウドソーシングサイト「ランサーズ」を運営するランサーズ株式会社は、テレワークにフォーカスし、場所にとらわれない働き方を提供しています。

場所にとらわれない働き方は、今でこそ主流になったものの、地方都市ではなじみが無い可能性もあります。ランサーズでは「エリアパートナープログラム」と呼ばれる自社独自のサービスを確立し、地方自治体への働きかけを行っているのです。

地方自治体に対して、どのようにすればテレワークが普及するのかというアドバイザー的立ち位置で地方創生に大きく貢献しています。

アソビュー株式会社

アソビュー株式会社は、その名の通り「遊び」から旅行先などを提案するマーケットプレイスを運営している会社です。元々、地方都市と親和性の高いビジネスを展開していましたが、現在ではさらにその事業を発展させています。

旅行代理店大手のJTBと共同展開している「エリアゲート」と呼ばれるサービスもそのひとつ。WEBサイト上で地域の特産品が買われたりホテルが予約されると、DMO、観光協会等は販売手数料を獲得することができます。

これはアソビュー株式会社が独自に行っていた事業よりも、さらに地域貢献度が高い取り組みになっています。

 

企業と地方創生

企業による地方進出は、新しい視点、リソースから地方創生、地域活性化を推進したい自治体や地元住民にとって大きなメリットとなります。

地域によってはよそ者だからと敬遠されるケースもありますが、企業の進出が地域課題の解決につながるかもしれません。

自治体や地元住民による誘致も可能であるため、是非検討してみましょう。

 

文:久保田幹也

                   

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