TURNS BUSINESS SCHOOL
第1期を振り返って

10月17日、受講者たちの熱いプレゼンテーションとともに終了した「TURNS BUSINESS SCHOOL」第1期。その講師を務めた地域プロデューサー 齋藤潤一と、TURNSプロデューサー 堀口正裕がスクールを振り返るとともに、第2期にむけた展望、そしてメッセージを語ります。

さらに9月中旬、BISINESS SCHOOL受講メンバーが香川県三豊市を訪れた「三豊市フィールドワーク」での出会いや気づきを振り返りながら、齋藤潤一さんは以下のようなコメントでスクール全体を総括してくれました。

「三豊市フィールドワーク」のレポートはこちら


三豊市フィールドワークを振り返って

今回のフィールドワークでは、地方創生という文脈に加え、プロジェクトデザイナーとしても有名な古田飛馬さんが一棟貸しの宿「URASHIMA VILLAGE」を始めた!という話題性もあって三豊市にやってきました。実際に来てみて印象的だったのは、飛馬さんが「自分は責任ある仕事はしていないから」と言っていたことですね。「無責任」というとイメージがよくない言葉ですが、決してそうではない。行政から補助金を受けたり、自治体の計画のなかで事業を行うと、どうしても既成の枠に押し込むような「責任」が発生してしまう。そこから自由である、という意味での「無責任」ということです。

今回は三豊市で新しい事業を起こしている有志の方々にもお会いしましたが、皆さんそれぞれのかたちで「地元を良くしたい」という気持ちを持っていました。自治体からの補助金を受けているわけでもないので、しがらみも少なく楽しく事業に取り組んでいる。地域のなかで、いくつもの小さな経済が芽吹いている感触を受けました。

訪問先のku;belの浪越弘行さんは、何度も「とにかく料理が好き」と繰り返していましたが、この「好き」を突き詰めることで新しい世界がどんそん広がっていく。こんなふうに、「好きなこと」を事業にしている人たちそれぞれが、お互いリスペクトしあっているのが三豊の特徴なのだと思います。好きなことへの愛が満ちあふれているから、地域からも暖かく受け入れられて、大きな渦を作り始めています。

荘内半島オリーブ農園の眞鍋清三さんも、「オリーブが好き」でスタートして、彼のまわりにファンが生まれ、オリーブを買う人たちがどんどん増えています。これからは、かつてこゆ財団が開発した「一粒1000円のライチ」のような、ピンポイントの話題性で刺さるマーケティング手法だけではなく、衣食住も含めた体験や、ストーリー性のあるマーケティングが地域の新しい産物を生んでいくと思います。ファンマーケティングの新しい流れですね。

ネット時代の現代は、全世界を商圏にできます。「好き」を突き詰めて新しい事業をつくっていく。そのために、地域おこし協力隊の制度を使って自治体を利用してもいいし、TURNSビジネススクールで学んでもいい。これからは、好きなことにもっともっと愛をもって、良い意味で「無責任」に、クリエイティブに事業をやっていくことが許容される時代が来ると思います。

齋藤潤一

                   

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