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移り住む人を「おかえりなさい」と迎え入れる 世界遺産のまちで、移住体験しませんか?

長崎市内から車で約1時間30分。長崎県の島原半島南部に位置し、西は天草灘、東から南は早崎瀬戸、有明海に面する長崎県・南島原市。雲仙普賢岳を中心に、海と山、大自然に囲まれながら豊かな暮らしができるまちです。

肥沃な大地に育まれた農水産物や、全国屈指の生産量を誇るそうめんなど食にも恵まれ、また、昨年「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録。島原・天草一揆後の移住者をルーツとしたまちは、移り住む人をあたたかく、ここちよく「おかえりなさい」と迎え入れてくれます。

 

▲世界遺産の構成遺産である原城跡

 

魅力的な風景にあふれ、自然、人、モノなどをテーマに実施したフェイスブックでのフォトコンテストでは、「いいね!」数が自治体の中で「日本一」に輝いたこともある美しいまちです。

▲何気ない日常がインスタ映えする南島原市の風景(写真:南島原市提供)

 

そんな南島原市での暮らしを「子育て」「起業」「民泊」のテーマ別に体感できる移住体験ツアーを、今年7月、10月、来年1月に開催予定。2週間前までに申し込んだ方の意向に沿って対応するオーダーメイド型ツアーも予定しています。参加対象は、長崎県外在住で南島原市への移住を考えている方。宿泊費や民泊体験費用などは市が助成、先輩移住者との交流などを通じて南島原市での生活を疑似体験できる充実ツアーです。

今回は、ツアーで出会える南島原市の先輩移住者たちの暮らしぶりをピックアップ、南島原市の魅力とともにご紹介します。

 

移住のきっかけは、“キャンピングカー”!

最初に訪れたのは、昨年末に大阪から南島原市に移住し、ゲストハウス「Blue Bohemia(ブルーボヘミア)B&B」を起業した、冨田順平さんと杉村玲子さん。
※B&BとはBed&Breakfastの略。海外でも人気の宿泊と朝食をセットにした宿泊施設です。

▲Blue Bohemia B&B前であたたかく出迎えてくれた杉村さん(写真左)、冨田さん(写真右)。

 

「移住のそもそものきっかけは、キャンピングカー。長崎県が全国に先駆けて移住希望者にキャンピングカーを貸してくれる『キャンピングカーによる移住先探し』、やってるでしょ?それをキャンピングカーの展示会に行ったときに知って。レンタル料は最安1日3000円とリーズナブルだし、当初は今すぐ移住、というよりもキャンピングカーに乗って旅するのもいいね!くらいの軽い気持ちだったんです」とノリよく、気さくに話してくれるおふたり。

昨年6月に長崎を訪れ、キャンピングカーで移住先候補として佐世保、平戸を中心に物件を探していく中で、島原市を訪れた際にさらなる偶然の出会いが舞い込みます。

「島原市のご担当者さんと話しているときにたまたまコーヒーが好きという話になって。ならば、お隣の南島原市に絶品のコーヒーショップがあるとの情報をいただき、早速訪れたところオーナーとすっかり意気投合。気づけば、『また来ます!』の言葉が自然と口を衝いて出ていました」

そのお店は「くちのつ巷珈琲焙煎所」。
オーナーの寺門夏樹さん、浜田純さんも実は東京からの移住者。約3年前に冨田さんらと同じくキャンピングカーを利用し、3回の訪問を経て移住を決めたそう。

おいしい珈琲を淹れるために欠かせないのが水ですが、南島原市の水がとても素晴らしかったこと、温泉が近くにあること、家の前から天草を一望できる海が見えること、そして、何よりも地域の人や先輩移住者など魅力的な人が多かったことが移住の決め手。

▲お店の前で。左から浜田純さん、寺門夏樹さん。移住後も何かと助けてくれる心強い味方(写真:南島原市提供)

 

寺門さんらと約束した「再会」を果たすため、9月にキャンピングカーで2回目の南島原市を訪問した冨田さんと杉村さん。山も海もある豊かな自然環境で、空気も澄んでいて、気軽に釣りも楽しめる南島原市。「何を食べてもおいしいし、空き家物件候補もいくつかあるし、何より出会う人、出会う人があたたかく迎え入れてくれるまち」に、冨田さんは1回目の訪問で直感的に、杉村さんもいろいろまわる中で、かなり前向きに移住を考えたおふたり。背中を後押ししたのは、寺門さん、浜田さんの「とりあえず移住してきてみたら?大丈夫だから。」の言葉だった、と楽しそうに振り返ります。

移住を決めてからの行動は、まわりも「え?もう来ちゃったの?」と驚くほど早く、2回目の訪問終了から3日後には空き家物件オーナーと賃貸契約交渉、1ヶ月後の10月には冨田さんが移住、大阪で英会話の先生をしていた杉村さんは仕事を終えて12月に移住、と超スピード移住となりました。「ものはもともと持たない主義だったので大きな家具もなく、引っ越しはゆうパックでたったの20個。3万円くらいで移住できました」と笑う杉村さん。

海外でB&Bをよく利用していた経験もあり、また以前に飲食店の共同経営経験もあった杉村さんは、物件を見たときから「お店をやるには駐車スペースがないから、やるんだったらテイクアウト。でも、それよりも近辺に泊まるところが少ないから、ここで何かやるならB&Bだな」と考えていたそう。

移住後、早速、寺門さんらに腕のたつ大工さんを紹介してもらい、賃貸物件を大々的にリフォーム。床、水まわりなどは市の「空き家改修補助金」を利用して何とか予算内で改修できました。そのほかは自分たちでDIY。「特に苦労したのは、養生が大変だった壁の塗り替えと洗面所のタイル貼り。手強いイタリアのタイルを買ってしまったばっかりに、タイルを貼るのに3日間もかかっちゃって」

 

▲苦労して貼ったイタリア製タイルも、出来上がってみれば味わい深い。

▲もともと洗面所がなかったので新たに設置。印象的な青色のドアも自分たちでペンキを塗った。

▲2階のバルコニーもDIY。「ほっと落ち着くくつろぎの場所ですね」と冨田さん。

急ピッチでリフォームを終え、今年3月にオープン。発信する情報は英語を表記するなどおもにはインバウンド向けのゲストハウスで、すでに数ヶ月後の予約も入っており、順調な滑り出しです。

 

▲開放感のある気持ちよい宿泊空間。全部で寝室は2つ。基本定員5名だが、場合によっては要相談。

▲DIYしたキッチン棚には宿泊者が自由にいれることのできる飲み物類も常備

 

移住して半年弱、改めておふたりに南島原市の良さを伺うと、
「とにかく米にお肉、海産物、農産物、水、空気にいたるまで、すべてがおいしすぎて!そして、文化交流の盛んだったからか、移住してきた人をとてもあたたかく迎え入れてくれるまち。近所の方からのおすそ分けも多くて、この前も箱にどっさりイチゴをいただいたばかり。車は道を譲ってくれるし、大阪に住んでいたときと比べてストレスが格段に少ないことも魅力のひとつ。車をなんと、無償で譲ってくださったり、本当に人のあたたかさに日々助けられています」

 

▲Blue Bohemia B&Bの住人。オカメインコのディディ(メス)とアキクサインコのティコ丸(オス)。

 

住み心地の方は、
「スーパー、ホームセンター、ドラッグストア、郵便局など生活に必要なものはすべて歩いて5分前後と徒歩圏内。車をありがたくいただいたけれども、普段は車いらずな生活。海には1分!!すぐに釣りもできて、夏に泳げるのが今から楽しみ!最高です!仕事に関しても、杉村さんはインターネットで英会話のレッスンをしているから場所がどこでも問題ないし、僕も農業のお手伝いを頼まれることもあり、何かと仕事があります。ここに来て、出ていくお金が大阪に住んでいたときの半分くらい。おいしいお野菜はたくさんいただけるし、気づいたらここにきてできた地域の友人も数えきれないほど!南島原に来てから、『めっちゃ楽しそうやん!生き生きしてるやん!』ってよく言われます」と冨田さん。

 

▲ブルーが印象的な玄関。棚には海外からの宿泊者も喜びそうなけん玉が飾られている。

おだやかなときがただよう冨田さん、杉村さんのゲストハウス。
早くも南島原の良さが広がるスポットとなっています。

 

ツリーハウス、手作りピザ、薪割り、海釣り体験ができる民泊

次に訪れたのは、南島原市内で農林漁業体験民泊ができる「原河庵(はるごあん)」。10年前に大阪から移住してきた高松さんご夫妻が営む民泊家庭です。

 

退職後の第二の人生の拠点を探していたおふたり。
「とにかくあたたかくて、山があって、海があって、趣味の釣りができる。そんな場所を求めていました」。当時、全国の空き家情報をインターネットで検索中、南島原市のホームページで気になる空き家物件を見つけて市役所に相談。これが南島原市との出会いでした。

この家を見つけるまで、3回にわたって南島原市を訪れましたが、なかなか思うような物件にあえず、あきらめかけていたところ、「ちょうど出たばかりでまだホームページにも紹介していない物件」としてこの地を紹介され、「家の前に広がる棚田と有明海が、ひとめで気に入りました」。

 

▲美しいだんだん畑の先に雄大な海が広がるこの眺めが、移住の決め手に。

 

奥さんはまだお仕事があったため、ご主人だけが先に南島原入りして、リフォームを始めました。実はご主人は、リフォーム関係のお仕事をしていたこともあり、腕前はプロ。
「ここに1ヶ月ほど住み込み、自炊しながら、床を張り替えたり、壁をとっぱらったり、トイレから風呂から、キッチンからすべてをリフォームしました。」
そして、「ピザを食べながら地域の人と仲良く交流できたら」とピザ窯もDIY。

▲移住してすぐに作ったというピザ窯。これを見た地域の人から、ピザ窯の注文が続々。

溶接もお手のもの。この見事な薪ストーブも手作りです。

▲天板が広く、階段状になっている形状で、使い勝手は抜群!

 

▲薪ストーブも地域の人に大人気で、取材日も注文を受けて製作中。

 

そして、もともとは「ご近所の方たちとお茶などしながら交流できたら」とテラスを作っていたのですが、そこが手狭になって広げていくうちに、とうとうツリーハウスになってしまったというのが、こちら。

▲ハンモックもあり、ゆったりとくつろげるスペースに。都会からきた修学旅行生が夜空を見あげて「わあ、星がきれい!」といってくれるのもうれしいそう。

 

市からの要請があり、民泊を始めることになったときにもご主人のDIY作品たちが大活躍!
「修学旅行生をお迎えすることが多いのですが、ピザ窯での手作りピザ体験や薪割り、釣りにツリーハウス体験。いろんな体験ができると思っていたので体験民宿を始めること自体にあまり不安はなかったですね」と奥さん。

▲リビングまで見渡せる奥さんご自慢のキッチンも、もちろんご主人のDIYによるもの。壁には民泊の想い出がズラリ。

 

近所の方たちとの交流も盛んでとても和やか。「ご近所さんは、自分の畑にじゃがいも掘り体験用のじゃがいもを毎年作ってくれているんです。お野菜もたくさんいただけて、とても助かっています。」

南島原市での今の暮らしについて、「南島原の人たちはとても礼儀正しくて、奥ゆかしくて。本当にあたたかく迎え入れてくれて幸せです。大好きな釣りもすぐできる自然豊かなこの土地で、こうして地域の人たちにも仲良くしていただき、元気に楽しく暮らすことができて、日々とても満足しています」とおふたり。民泊をはじめてから、民泊仲間など地域の人たちとのつながりもさらに広がっているそう。また、この地に移住してきたみなさんとも情報を交換し合い、家族のように付き合っているとか。南島原ライフを満喫されている様子が、おふたりの柔らかい笑顔からも伝わってきました。

 

▲移住体験施設も一軒家を用意。「ツアーへの皆様の参加をお待ちしております」と写真左から地域づくり課の山中康弘さんと荒木智さん。

 

≪移住体験ツアー≫

南島原市で楽しく暮らす、個性と魅力あふれる先輩移住者たち。ぜひ移住体験ツアーに参加して、先輩移住者のあふれる笑顔に会い、そして南島原市に「ただいま!」してみませんか?

 

[1]テーマ別移住ツアー ※ソラシドエア航空券往路無料(東京-長崎間)

第1回 子育て(4月募集開始)

開催日 2019年7月19日(金)-20日(土)
ツアー内容 子育て支援センター、寺子屋の案内など

 

第2回 起業(7月募集開始)

開催日 2019年11月15日(金)-16日(土)
ツアー内容 南島原市の支援の紹介、先輩起業者の店舗周りなど

 

第3回 未定(10月募集開始)

開催日 2020年1月24日(木)-25(金)
ツアー内容 未定

 

[2]オーダーメイド型移住ツアー

ご希望に沿って、ツアー内容をアレンジいたします。
※希望日2週間前までにお申込みください。

詳しくは、「南島原市田舎ぐらし情報」 をご覧ください。

 

写真:樋渡新一 文:西郡幸子