小谷(おたり)村は、長野県の北西の端に位置する人口約3000人の山深い大自然に囲まれた小さな村。
村の敷地面積8割以上を森林で占め、2,000m級の山々が連なる豊かな自然環境に恵まれた小谷村は、壮大な北アルプスが望めるリゾートエリアと、日本のふるさとを想わせるのどかな里山エリアの二つの魅力を合わせもつ。
そこに住む人々は、移り変わる美しい自然を身近に感じながら、まさに自然と共に生活している。
▲日常の暮らしの中で、北アルプスの山々を臨むことができる。
そんな小谷村には、豊かな自然や自分らしい生活を求め様々な地域から、様々なバックグラウンドを持つ移住者が集まる。今回集まった4名も理想のライフスタイルを求めて移住し、小谷村で根をはる移住者達だ。
※トップ画像左から
高木絵里奈さん
東京都出身。前職フリーライター。7年前、小谷村第一期の協力隊に採用されたことを機に2011年に夫とともに移住。退任後、村内の古民家を改装し夫婦で「CAFÉ十三月」を経営。
福永朋子さん
東京都出身。東京農業大学在学中、大学の研究室の拠点が小谷村の伊折集落にあったことから里山の研究に興味を持つ。2016年に小谷村に移住し、現在村内で「ふたつき農園」を経営。
根橋ちか子さん
長野県辰野市出身。前職看護師。小谷村のゲストハウス「古民家noie梢之雪」に滞在したことをきっかけにスタッフとして採用され2017年に移住。
上川美穂さん
長野県佐久市出身。大学進学を機に上京、その後就職。東京での生活を経て、2013年に小谷村の祖父の元へ孫ターン。現在は村内の社会福祉協議会で働く。
都会での生活を経験している4人。
小谷村に移住したきっかけはそれぞれだが、小谷村のどのようなところに魅力を感じているのだろうか。
▲豊富な雪がある小谷村ではウィンタースポーツも存分に楽しむことができる
「自然が豊かで食材も美味しいところです。それからやはりウィンタースポーツが楽しめることですね」(高木さん)
「魅力の一つは小谷村の原風景ですね。東京の生活に疲れていたときに小谷村に来て自然を見てたら、あぁ、心が浄化されるってこういうことなんだって。それまでは生活って便利な方がいいと思っていたんですが、都会のような便利至上主義が本当に良い暮らしとは限らないなと思います」(上川さん)
「やっぱり集落の方々のアットホームさ、心の温かさかな。田舎は良くも悪くも人間関係が密。でも、村の方々が優しいから、私はここにいられると思います。それと東京で働いている友達と話すと、今の私の生活はストレスがかなり少ないと感じます。あ、それと友達には、自分がやりたい事をそんなに早く実現できてるってスゴイよねって言われます(笑)。古民家を借りて、農業をはじめて、小さいけど会社も作って、自分の描いたビジョンがとんとん拍子で叶えられている。小谷村には、若い人のチャレンジを見守り、応援してくれる土壌があると思います」(福永さん)
では逆に、移住して困ったことや驚いたことはないのだろうか。
「困ったこと…ではないのですが、やはり田舎なので、時々、町の光が恋しくなったり、おしゃれをしたくなったりするときがあります。そんなときは長野市に行って、光を浴びてきます(笑)」(根橋さん)
「困ったことは、私運転が苦手なんですよ。東京にいるときは免許を持ってなかったぐらいで。小谷の冬の道は最初運転するのが怖かったです。でも除雪はしっかりしていて思ったよりは大丈夫でした。それでも移住当初はスタックしたことがあって、軽トラに乗った村の方に助けてもらったことも。後で知ったんですが、その方はごく近所の方でした」(上川さん)
▲屋根の雪を落とす『屋根雪堀り』も冬の大切な仕事
「驚いたのはやはり雪の量!こんなに降るんだ!って。」(根橋さん)日本屈指の豪雪地帯としても知られる小谷村の雪の多さには皆驚いたそう。
冬には世界中から良質のパウダースノーを求めて観光客が訪れ、一気に活気づく小谷村。
雪の恵みを享受する一方、雪国で生活する上での不便や苦労はないのだろうか。
「雪から逃げることはできないのでいかに雪と上手くつき合うかが大切ですね。」(根橋さん)
「山あいの雪深い地域なので確かに雪かきは大変です。だけど、それを皆で協力してやることで、人の縁も生まれるんです。東京にいても満員電車に揺られたり、田舎とはまた別のストレスや、それにかかる労力が必要じゃないですか。便利な点や不便な点も含めて、それを生活の一部と感じて受け入れられるかどうかが、その土地で暮らしていけるかのポイントになると思います」と語ってくれたのは移住7年目になる高木さん。
▲若い移住者が多いのも、小谷村の魅力のひとつだ。
4名の共通点は多少の不便さも生活の一部として受け入れていること、そして自分が思い描いた暮らしを村で実現していること。
活き活きとした表情からは村での生活の充実感が感じられる。
写真・文:安藤“アン”誠起
小谷村 『ひととくらしツアー』
毎回異なったテーマで、小谷村に暮す「人」とその「暮らし」に焦点をあてた『ひととくらしツアー』。2月は2つのツアーを開催します。
◇冬の暮らし編◇
豪雪地帯の小谷村。雪のある生活を覗いてみませんか?
<日時>2019年2月2日(土)10:30~16:30
<締切>2019年1月25日(金)
<場所>小谷村※長野駅までの送迎あり
<内容>雪中キャベツ堀り/先輩移住者との交流会/除雪体験
<参加費>1,500円
<定員>20名
◇子育て編◇
「自然豊かな環境で子育てしたいけど田舎での子育てってどうなの?」小谷村の子育てについてお答えします!
<日時>2019年2月10日(日) 10:00~16:30
<締切>2019年2月1日(金)
<場所>小谷村 ※長野駅までの送迎あり
<内容>雪遊び/小学校見学/子育て世帯との交流会
<参加費>2000円
<定員>5世帯
◇小谷村のおすすめスポット◇
今回のインタビューの会場にもなった「CAFÉ十三月」。7年前に高木さん夫妻が古民家を改装してオープン。今や地元の方に愛され、エリア近郊でも人気のカフェになっている。店の近くには雨飾高原の紅葉の名所「鎌池」があり、紅葉の時期になれば神秘的な水鏡の情景が楽しめる。自家焙煎珈琲は450円~、自家製のかぼちゃプリンは480円、ランチプレートは850円~。
【CAFÉ十三月】
・営業時間:10:00~18:00
・定休日:火・水・木曜日(GW、お盆、紅葉の時期は無休)
・電話:0261-85-1781 ※冬季間は休業となります。
HP:http://13gatsu.net/
北アルプス連携自立圏
長野県の大町市、池田町、松川村、白馬村、小谷村の5市町村が連携し、それぞれの地域が持つ資源を活かしながら、誰もが安心して暮らせる、活力ある経済・生活圏づくりに取り組んでいます。今後も移住者にも暮らしやすく、魅力のある地域を目指し、地域の課題解決に力を入れていきます。
【お申込み・お問い合わせ】
小谷村役場 特産推進室
電話:0261-82-2589
FAX:0261-82-2232
メール:iju@vill.otari.nagano.jp
HP:「本日、おたり日和。」
小谷村を含む「北アルプス地域」では、2018年7月〜2019年3月までの期間中、月に1日北アルプスの移住相談窓口が銀座NAGANOに設置されます!詳しくは、こちらのページをご覧ください。
https://turns.jp/21138