【群馬県みどり市長×TURNSプロデューサー堀口対談】
キーワードは 「地域の個性を活かすまちづくり」と 「未来に向けた投資」

群馬県でもっとも新しい市として誕生し、間もなく20年を迎えるみどり市。人口減少が続く地方都市のなかで新たに小学校を新設するなど、地方創生の新たな注目株として期待が高い。

今回は須藤昭男市長に、現在のまちづくりのビジョンと目指す姿について、TURNSプロデューサー・堀口が話を伺った。

群馬県みどり市
須藤 昭男市長
1960年生まれ。国会議員秘書を経験後、1999年から2018年まで群馬県議会議員として活動。2018年にみどり市長に就任(現在2期目)。「初心忘るべからず」を信条として、市長就任時の謙虚な気持ちや志を忘れることなく、日々市政に取り組んでいる。

 

会場はここ!

ながめ余興場

昭和12年竣工。木造2階建ての劇場で、廻り舞台や花道を備える。昭和62年に一度営業を終えたが、まちづくりの気運が高まるにつれてその価値が見直され、改修工事を経て現代に甦った。日本的な劇場建築は年々姿を消しており、全国的にも貴重な存在だ。


堀口:このながめ余興場は本当に素晴らしい施設ですね。

須藤:ありがとうございます。昔の役者の方のサインなんかもそのまま残っていて、私も大好きな場所です。

堀口:日本が世界に誇る施設のひとつだと思います。

みどり市というと、この大間々地区でのリノベーションの気運の高まりが気になっているのですが、現状はいかがですか?

須藤:大間々には市内で唯一の商店街がありますが、シャッター街になっています。これを少しでも改善しエリアの価値を高めるため、令和4年度からリノベーションまちづくり事業をスタートしました。

今年で3年目を迎え、ようやくリノベーションスクール※1家守塾※2を開講でき、明るい兆しが見えはじめています。まだ点の段階ではありますが、これを繋いで線にし、面にできればという思いで取り組みを進めているところです。

しかしその反面、ロールケーキが人気の和菓子屋さんや、カレーうどんで有名なお店が後継問題で廃業したりと、事業承継の難しさにも直面しています。また、商店街の方はまだ店舗の二階や奥にお住まいの方も多く、空き店舗の貸出しが思うように進んでいない現状もあります。

※1 事業者育成のため、実践型の短期集中スクールを開催。まちなかに実在する遊休不動産を題材に、地域課題を解決する事業計画を作成、公開プレゼンを行った
※2 地域でまちづくりをリードする「家守」を育成し、「家守会社」設立を促すためのスクール

堀口:点が線になる頃には、「自分たちの証を残したい」「若い人に譲りたい」というまちの流れが出てくることを期待しています。

ところで、市としては間もなく成立から20年を迎えるそうですね。

須藤:群馬県のなかでもっとも新しい市で、今年で誕生から18年になりました。

合併というと核になる市があり、近隣の町村を吸収するような形のものが多く見られますが、みどり市は郡も異なる旧2町1村が対等な関係にあります。 歴史も文化も違うところを一緒にしていくというのは大変なこと。しかしそれぞれに良さがありますので、3つを足して3で割って平均化してしまうのではなく、強いところはより強く、魅力ある部分にはさらに付加価値をつけていくような、個性あるまちづくりを目指しています。

堀口:移住定住に対してはどのような施策を行っていますか?

須藤:移住支援金の増額や、空き店舗等活用補助金の拡充店舗リニューアル補助金の交付など金銭面での支援を強化しています。

また、最近始めた移住体験ツアーは大変好評でして、毎回定員を超える応募をいただいています。8月に行ったツアーでは、大間々祇園まつりという400年近い歴史を持つお祭りに参加していただきました。お祭りの担い手不足の解消にも繋がればうれしいですね。

堀口:魅力的な祭りは移住のきっかけにもなりますからね。

須藤:それから、この4月には観光・移住交流ステーションをオープンしました。役所ではどうしても対応できる時間が限られてしまうので、土日でも気軽に来ていただけるよう、開館時間を設定しています。

堀口:地域おこし協力隊も積極的に受け入れられているとか。

須藤:素晴らしい制度だと思います。なかでも林業に力を入れておりまして、生業として成立させることを目標にしています。任期を終えた人も含め、延べ8人が今も林業に携わっています。

堀口:ちゃんと食べていけるような仕組みが出来上がっていると。それは素晴らしいですね。

みどり市のトピックスとしてもうひとつ気になっているのが、小学校を新設したというニュース。これは他の自治体から見てもうらやましい限りだと思います。

須藤:「未来に向けて投資」をキーワードに市政に取り組んでおり、子育て支援においては「4つのゼロ」を掲げています。 まず、18歳までの医療費ゼロ小中学校の給食費ゼロ市内保育所の待機児童ゼロ、そして特色ある校外学習の受講料ゼロです。給食費については所得制限もなく、第一子から適用されます。

堀口:特色ある校外学習というのは?

須藤:これは子どもたちに本物を見せようという思いのもと取り組 んでいる、「MIDORIジュニアアカデミー」という事業です。

たとえば、近隣のプロスポーツチームの選手や有名高校の吹奏楽部を呼んで指導をしてもらったり、地域で活動する伝統工芸作家の方に教室を開催していただいたり。普通なら高い月謝を払ってお願いするような一流の学びを、無料で受けることができます。

堀口:なぜここまで子育て支援を充実させられるのでしょうか。

須藤:みどり市はボートレースを単独で主催していて、その収益が非常に好調です。これまでも5億円を市の配分として市民に還元していましたが、今年度より20億円に増額することとなりました。このお金は「こども未来基金」として子育て・教育政策等に活用することになっています。市民に対し、使途を明確にご説明できる形です。

実際に事業として動き始めるのは来年度からですが、「子育てをするならみどり市」「教育を受けるならみどり市」のキャッチフレーズのもと、子育て世帯が「みどり市ならもうひとり産みたい」と思える政策を進めていく予定です。全国でもやっていないような支援策を打ち出していきますよ。

堀口:とてもワクワクしますね。

須藤:人口減少の問題は移住定住の促進だけでは解決しません。安心して結婚し子どもを産み育てられる環境もうひとり産みたいと思える環境が必要です。

葉っぱの裏側に陽を当てるように、多様化する社会のなかで誰ひとり取り残さない施策を講じていくことが行政の役割です。移住を検討していらっしゃる方には、とりあえず一度みどり市に来ていただいて、まずは関係人口として関わっていただきたい。そこから皆さんが「住みたいな」と思えるような施策を打っていきますので、ぜひご期待ください。

写真:Yossy

Information

<お試し移住体験ツアーを開催!>

みどり市への移住に関心がある方を対象に、お試し移住体験ツアーを行います。

詳しくはコチラをご覧ください。

 

<新しい移住相談窓口ができました!>

大間々駅前に、新たに「観光・移住ステーション」がオープン。観光案内から暮らしの相談まで、気軽にお立ち寄りください!

【営業時間】

平日/午前9時〜午後4時 土曜・日曜日、祝日/午前9時〜午後5時

※休業日/月曜日 (※月曜日が祝日の場合は火曜日)

https://www.city.midori.gunma.jp/ijuteiju/1005147/1005440.html

 

<みどり市への移住に関するお問い合わせ>

■みどり市地域創生課 定住交流推進係

TEL:0277-46-9067
mail:chiiki-s@city.midori.gunma.jp

■群馬県みどり市移住定住サイト
https://www.city.midori.gunma.jp/ijuteiju/index.html

■Instagram「みどり暮らし」
https://www.instagram.com/midori_gurashi/

                   

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