【東京都檜原村】「檜原 森のおもちゃ美術館」に行ってきました!

親子で行こう!日本一の木のおもちゃの村

もうすぐ夏休み!
コロナ禍も落ち着き、日常が戻り始めた今年は、家族みんなで思いっきり夏を楽しみたいですよね☺︎

とはいえ、まだあまり遠出をするのも…と考えているパパ、ママも多いかもしれません。

そんなご家族におすすめしたいのが、東京都心から車でも電車でも約2時間(新宿駅からなら1時間半!)でアクセスできる、東京都檜原村。人口約2,000人、総面積(105,41㎢)の93%を森林が占める、緑豊かな山村です。

村内には、大自然と触れ合える滝・川・天然温泉のほか、親子連れ歓迎の観光施設や飲食店、キャンプや川遊び、バーベキューなどが楽しめるアウトドアスポットも豊富◎

この記事では、檜原村の数あるスポットの中でも親子に特におすすめしたい、交流&体験型ミュージアム「檜原 森のおもちゃ美術館」をご紹介します!

▷檜原 森のおもちゃ美術館
HP:https://www.hinohara-toymuseum.com/
SNS:https://www.instagram.com/hinohara_toy

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東京の消滅可能性都市・檜原村に移住希望者が絶えない理由。#檜原村ってどんな地域?
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檜原 森のおもちゃ美術館とは?

「檜原 森のおもちゃ美術館」(以下、「おもちゃ美術館」)は、1984年に廃校になった旧・北檜原小学校を地産木材をふんだんに用いて生まれ変わらせた木造2階建ての体験型美術館。檜原村役場が2021年に設立し、「特定非営利活動法人 東京さとやま木香會」が管理運営を担う、公設民営の多世代交流拠点です。

設立の背景にあるのは、2018年にスタートした「檜原 トイビレッジ構想」。これは、檜原村役場と、地域に根を張り活動する林業会社「株式会社 東京チェンソーズ」、おもちゃ美術館の3者が官民の枠を超えて連携し、地産木材を使う木のおもちゃづくり(産業)と、おもちゃ美術館を核とする木育推進事業(観光)の2つの軸で地域活性化を図るもので、檜原村ではこの構想に基づき2019年に村内の小沢地区におもちゃ工房を、2021年にはその隣におもちゃ美術館をオープンさせました。

おもちゃ美術館の館内には8つのテーマ別の遊び場と木工室、ミュージアムショップ・カフェがあり、それぞれに心ときめく遊びと学び、出会いが詰まっています。

今回は、おもちゃ美術館の館長を務める大谷貴志さんのご案内のもと、館内をたっぷり見学してきました!その様子をレポートします!

 

東京の木の魅力を体感できる、木のおもちゃの美術館

1F:檜原村の風景をイメージした、森の遊び場

来館者を迎えるのは、木の心地よい香りと木で再現された檜原村の風景。山・森・川・里それぞれをイメージした空間は、ここでしか出会えない遊びと学びを生むやさしい色合いの木のおもちゃで溢れています。

目を惹く「山ひろば」のシンボルツリーは、檜原村の特産品である「ゆず」の木をイメージしてデザインされたもの。近付いてじっくり観察してみると、子どもたちの手が届くところに、ころんと丸い果実がたくさん実っていました。

たくさんある遊具のなかでも特に大人気なのが、「森ひろば」にある虫とり遊び。天然木の風合いや木目、節がそのまま生かされた木の幹には所々に穴が開いていて、秘密の木の棒を入れるとかわいい木の芋虫がくっついて出てきます。

豊かな森で育まれた水はやがて川となり、里を潤し下流域へ。

里の暮らしを表現したエリアには、檜原村で栽培が盛んなきのこやたけのこ、野菜の収穫遊びができるスペースのほか、ピザ作り、お店屋さん遊びができる「ごっこひろば」も。同じ食材でも色や木目の風合いはそれぞれ。プラスチック製のおもちゃにはない手仕事のあたたかさに、夢中になって遊ぶ子も多いのだとか。

村内を流れる清流をイメージしてデザインされたのが、木のたまごのプール。すべすべの手触りを楽しんだり、音を鳴らしたり、思いっきりダイブしたり、五感を使って楽しめます。木のたまごがやさしく受け止めてくれるので、ミニクライミングにも挑戦を!

イチョウの木のオブジェは、おもちゃ美術館の前身である旧・北檜原小学校で子どもたちを見守ってきたシンボルツリーを、世代を越えて愛され続けるようにと生まれ変わらせたもの。また、各スペースの看板は旧・北檜原小学校の音楽室で実際に使われていた黒板から作られています。

当時を知る村民にとっては懐かしく、ここを訪れる親子にとっては、心ときめく遊びと学びがたくさんある。誰もが楽しく檜原村と東京の木の魅力に触れられる、木のおもちゃのテーマパークです。

2Fテーマごとにゾーニングされた、遊びの広場

2Fは一人ひとりの好奇心にあわせて遊びを選べるゾーン別の遊び場。

「木のおもちゃひろば」で出会ったのが、木目や年輪、手触りなど、木が生きた証が手に取るように感じられる檜原生まれの木のおもちゃ。例えば「アドベンチャートラック LOGGY(ロギー)」。タイヤはなめらかに磨かれた一本の木から作られていて、坂道を走らせると生き生きと音を立てて自由な方向に進みます。一台一台、進むスピードも目指す先もさまざま。規格化されたおもちゃにはない遊び心地に、夢中になる子どもたちも多いのだそう。

その隣にあったのが、ビー玉ゲームと造形遊びが一緒に楽しめる「きこりのトライ&ローリー」。ペタッ!とくっつく個性豊かな木のマグネットを自由に組み合わせ、無限にルートを生み出しながら創造力を育む木育おもちゃです。

作り手はどちらも、林業会社「株式会社東京チェンソーズ」。「一本の木をまるごと使い、木の価値を最大化する」というコンセプトの元、従来型の林業では捨てられてしまっていた枝や幹の丸みがある部分、間伐材などを有効活用し、地産木材から新しい木のおもちゃを生み出しています。加工作業の一部を担うのは、引退した林業家を含む地域のおじいちゃんたち。木のおもちゃ作りは、村の高齢者雇用にもつながっているそうです。

▷関連記事「【東京チェンソーズ】東京の木のおもちゃに込める、100年先への希望」
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1階のイチョウの木が顔を覗かせる遊び心も

赤ちゃんのための遊び場「赤ちゃん木育ひろば」にも木のたまごの川が流れていて、月齢が近いお子さま同士で安心して遊べます。

おもちゃ美術館の床にはヒノキ、壁にはサワラが使われていますが、ここの床は柔らかく肌触りも滑らかなスギの木を使用。赤ちゃんが元気いっぱいにハイハイできるようにとの木使いにも、檜原村らしいあたたかさが表れています。

その他、昔懐かしのけん玉で遊べる「でんしょうひろば」や、「グッドトイ」に選定されたおもちゃで遊べる「グッドトイひろば」、東京都新宿区四谷にある「東京おもちゃ美術館」が所蔵する世界の貴重なおもちゃが見られる「てんじひろば」などもあり、子どもも大人も個性あふれる木のおもちゃとの出会いを楽しめます。


コトコトと音を立てながら坂道を歩く「どんぐりきのこ」

さとやま食堂(無料ゾーン)

思いっきり遊んだあとは、村の緑を望む食堂へ。店内の大きな窓から見える景色は、旧・北檜原小学校の教室から見えた景色そのものなのだとか。

ここでは、地産の新鮮食材を使った体に優しいランチやカフェが楽しめます。離乳食・ミルクの持ち込みもOK。粉ミルクに使うお湯も、スタッフさんが準備してくださるそうですよ。

利用者は子ども連れのご家族中心なので、周囲を気にし過ぎずおいしいご飯が食べられるのも、嬉しいポイントです。

 

ミュージアムショップ「CruChoi くるちょい」(無料ゾーン)


最後は、館内にあるおもちゃの6~7割が揃うショップ「CruChoi くるちょい」へ。

檜原生まれの木のおもちゃのほか、海外で人気のおもちゃなども並んでおり、ここでしか出会えない新しい遊びとも出会えます。

館長の大谷さんは檜原生まれ檜原育ち。なんと、おもちゃ美術館の前身の旧・北檜原小学校出身なのだそう。長年東京都心で働いていましたが、村の活性化につながる仕事がしたいと、早期リタイアして現職に就かれています。

大谷さん「檜原村では、村役場と東京チェンソーズ、おもちゃ美術館の官民連携を図り、“日本一の木のおもちゃの村”を目指すことで地域活性化を図る『檜原 トイビレッジ構想』を進めています。

今年(2023年)4月には、檜原村と東京チェンソーズ、デザインを学ぶ桜美林大学・ビジュアル・アーツ専修の学生たちの産官学連携で、子どもたちの木への好奇心を育むおもちゃをつくる「子どもの好木心『発見・発掘』プロジェクト」もスタートし、今後、檜原生まれの素敵なおもちゃがたくさん生まれる予定です。

館内が檜原村生まれの木のおもちゃでいっぱいになった時が、檜原 森のおもちゃ美術館が本当に完成する時だと思っています」。

大谷さんは「おもちゃ美術館は、0から100歳まで多世代にわたって楽しめる施設なので、多くの方に木のぬくもりを存分に感じていただきたいです」と話していました。

 

▷関連記事「【東京チェンソーズ】人と共生する森が、檜原村の希望になるまで」
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「ごっこひろば」には、大きなLOGGY(ロギー)が子どもたちを待っていました

都心から檜原村へは、車でも電車でも約2時間。日帰りでも気軽に行ける距離にありながら、東京都で唯一“日本の滝百選”に選ばれている「払沢の滝」や清流・秋川、天然温泉など、都内とは思えないようなダイナミックな自然が豊富。東京チェンソーズ主催で、東京の森をフィールドにした親子の机づくりイベントなども開催されているので、おもちゃ美術館への来館に合わせて参加してみるのもおすすめです◎

また、親子連れ歓迎のカフェ、バーベキュー場などの観光スポットのほか、近年では「Village Hinohara」などのテレワーク施設もオープンし、観光地としてもワーケーションスポットとしてもますます注目を集めています。

この夏、東京の大自然の中で、家族の新しい思い出を作りませんか?

 

入場料・料金

【一般の方】

・おとな(中学生~65歳未満):1000円
・こども(生後6か月未満):無料
・こども(6か月~小学生):700円
・シニア(65歳以上):500円
・障がい者(*1):無料

【檜原村民(*2)の方】

・おとな(中学生~65歳未満):500円
・こども(小学生まで):無料
・シニア(65歳以上):無料
・障がい者(*1):無料

*1 障がい者:身体障害者手帳、療育手帳又は精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方
*2 檜原村民:檜原村内に在住、在学、在園している方

1階の売店と2階の食堂は、無料で入場できます!

 

対象年齢

0歳~

 

カフェ

定休日:木曜日・年末年始
営業時間:11:00~16:00
(ランチタイム11:00~14:00、カフェタイム14:00~16:00(L.O. 15:30))

 

ご予約

不要

※夏休みやお盆、土日祝日は混雑が予想されますので、平日のご来館をおすすめします。

※混雑時(長期休暇や土日祝日)は、2時間程度での利用になる場合がございます。

SNSで最新情報、混雑情報も発信していますので、ご来館前にぜひチェックを!

Instagram:https://www.instagram.com/hinohara_toy

 

アクセス

電車とバスでお越しの場合

東京駅→(JR中央線 約50分)→立川駅→(:JR五日市線 約40分)→武蔵五日市駅→西東京バス・「藤倉行き」のバス「小沢(おざわ)」バス停下車(乗車時間 約30分)→バス停から徒歩2分

お車でお越しの場合

中央自動車道を利用
「八王子インター」から滝山街道経由およそ28km 50分
「上野原インター」から甲武トンネル経由およそ30km 50分

圏央道を利用
「日の出インター」から五日市街道経由およそ22km 40分
「あきる野インター」から滝山街道経由およそ19km 35分

 

周辺観光スポット

檜原村の観光スポットは、こちらの記事でまとめてご紹介しています!

▷関連記事「檜原村の観光スポット」

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取材協力

檜原 森のおもちゃ美術館

HP:https://www.hinohara-toymuseum.com/

Instagram:https://www.instagram.com/hinohara_toy

Facebook:https://www.facebook.com/HinoharaToyMuseum/

Twitter:https://twitter.com/hinohara_toy

 

\檜原村特集!/

■人と共生する美しい森が、檜原村の希望になるまで
東京チェンソーズ・青木亮輔さん
https://turns.jp/80955

■東京の木のおもちゃに込める、100年先への希望
東京チェンソーズ・木田正人さん、飯塚潤子さん
https://turns.jp/80447

■今、おすすめのワーケーションスポット「Village Hinohara」に行ってきました!
Village Hinohara・清田直博さん
https://turns.jp/81173

■「檜原 森のおもちゃ美術館」に行ってきました!
檜原 森のおもちゃ美術館・大谷貴志さん
https://turns.jp/81446

■“地域”という小さな共同体の中で、大きな経済との新しい関係を築く
檜原村地域おこし協力隊・高野 優海さん
https://turns.jp/80214

■東京の消滅可能性都市・檜原村に移住希望者が絶えない理由。
檜原村企画財政課むらづくり推進係
https://turns.jp/80164

 

取材・文・撮影:高田裕美

                   

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