山、海、川、湖のすべてが揃う福島県。豊かな自然条件を活かした農業が盛んに営まれており、「地方に移住して農業をはじめたい」という人にうってつけの地域です。
福島県の農林水産部農業担い手課の調査では、令和3年度の県内の新規就農者数は334人。調査を始めた平成11年度以降、初めて300人を超えています。
ここでは、福島県に移住したい人、農業にチャレンジしたい人に向けて役立つ情報を集めた福島県就農支援情報サイト「ふくのう」についてご紹介します。
福島県での就農を目指す人をサポートする「ふくのう」
就農支援情報サイト「ふくのう」は、新規就農者の減少や農業の担い手不足を背景に、福島県での就農を促進する目的で県が運営しています。
「なんとなく農業に興味がある」という人から「本格的に就農に向けて動き始めている」という人に向けて、福島の農業の魅力を発信するとともに、どのようにして農業を始めたらいいのか、どうやったら農業で稼いで食べていけるのかといったノウハウを紹介。自営就農だけでなく、農業法人などへの就職やお試し就農を検討する人にも役立つ最新情報を随時更新しています。
\「ふくのう」おすすめコンテンツ/
・農業を始めるまで
就農までのステップをわかりやすく解説・アドバイス。・経営指標
良好な農業経営を実現するために目標とすべき収量や単価、経営モデルを農作物ごとに提示。・ロールモデル
農業で成功しているモデルケースとなる就農者の就農経緯〜現在の取り組み、今後の展望を紹介。・就農支援制度
国や地方自治体が新規就農希望者に向けて実施している補助金などの支援制度を紹介。
農業への憧れはあっても、実際に生計を立てていけるのかは気になるところです。「経営指標」のページでは、いくつかの主要品目を例に、作業内容や県内の主な生産地、労働時間や所得、経営収支のシミュレーションなどを具体的な数字と一緒に紹介しています。「ロールモデル」のページでは、先輩農家をモデルに、就農のきっかけから現在に至るまでの軌跡を紹介しています。体験談が詳しく載っているので、農業未経験者でもイメージしながら読むことができます。多彩なコンテンツからいろいろな情報を集めて、あなたに合った就農スタイルを見つけていきましょう。
福島県は多彩な農作物の生産地
福島県は全国3位の県土面積を持ち、3つのエリアから成り立っています。西側に位置し積雪が多い「会津地方」、県中央部の奥羽山脈と阿武隈山地に挟まれた「中通り」、太平洋に面して温暖な気候の「浜通り」。この中でさらに7つの地域に分けられます。それぞれ気候や風土が異なり、地域ごとに特色ある農産物がつくられています。
◉各エリアの主な農産物
会津エリア
水稲を始め、アスパラガス、きゅうり、トマトなどの野菜、りんごなどの果樹、宿根かすみそうなどの花き、会津牛や会津地鶏など、多彩な品目による農業が営まれています。南会津エリア
夏の冷涼な気候を生かした夏秋トマトやソバなどの生産が盛んです。県北エリア
福島市・伊達市・伊達郡では果樹や野菜、二本松市・本宮市・安達郡は稲作が中心。阿武隈山地と奥羽山系に広がる中山間地域では畜産・特産作物の生産が盛んです。県中エリア
「あさか舞」や「天栄米」などの米、きゅうり、トマト、ピーマンなどの野菜、肉用牛の酪農、畜産、椎茸等の生産が盛んで、本県農業産出額の約3割を占めます。県南エリア
米、トマト、ブロッコリー、鉢花を始め、 スギなどの木材や製材品の生産が進められています。首都圏へのアクセスの良さから、さまざまな農林産物が県内外の消費地に出荷されています。相双エリア
福島県の東部に位置する相双エリアでは、平野部では米を中心に野菜や花きの生産、山間部では、林業や畜産業が盛んです。いわきエリア
温暖な気候と標高差を生かして、トマトやいちご、ねぎ、日本なし、米などが生産されています。当地方の70%の面積を森林が占めており、県内有数の木材生産地。生しいたけの生産量は県内1位。
「ふくのう」を活用して稼げる農業を始めよう
福島県に移住して、農業で生活していくためのノウハウや有益な情報が満載の「ふくのう」。各コンテンツを読むだけでもいろいろな情報が手に入りますが、問い合わせフォームから個別の相談も可能です。雇用就農や就農研修、お試し就農に関すること、農業にとどまらず移住や住まいに関することでも、担当者が丁寧に答えてくれます。
農業を始めたい人はもちろん、まだやりたいことが決まっていないという人も、福島での仕事選びの参考に、ぜひ「ふくのう」を活用してみてはいかがでしょうか。
取材・文:鈴木俊輔