都会と田舎のほどよいバランスで、埼玉を楽しむ
埼玉のまちなかで暮らし、活動している人々を訪ねたTURNSツアーを巡りながら、埼玉のまち暮らしを探っていく番外編レポート。
北本は、一見なんでもない郊外のまちに思えるのだが、実際にこのまちに住み活動している人々を通して、なにもないように見えるところに面白さが眠っているということを感じさせてもらった。それは北本だから出来ることというよりは、どんなまちにも可能性があって、そこに住む人たちが “どれだけまちを楽しもうとしているか” にかかっているのだと思った。
そんな北本をあとにして向かったのは、年間約650万人もの観光客が訪れているという、小江戸のまち・川越。北本から川越に向かうバスの車窓は田園風景が広がっていて、改めて埼玉は農業が盛んな場所なんだなと感じさせられた。
観光じゃなく、このまちに住むという楽しさ
バスが到着したのは、川越の中心地から少し離れたコエドブルワリーのラボが併設されているお店『香麦(シャンマイ)』。
ここでは、川越に住む人々を紹介しているフリーペーパー『kawagoe premium』を発行している櫻井印刷所の4代目社長・櫻井理恵さんにアテンドいただき、同じく川越のまちで活躍しているゲストたちを囲んだプチ座談会を開催した。
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観光マップやお土産の特集はたくさんあるけれど、川越で暮らす人たちが楽しめる読み物があってもいいのでは…? そんな思いから生まれた“kawagoe premium”は、独自の視点や地元ネタが詰まっていて、観光ではわからない川越の日々の暮らしが紹介されている。この日のゲストは、そんな”kawagoe premium”にも登場した川越の食や農に関わる人々で、川越での暮らしを紐解くように会話は進んでいった。
※左から、櫻井理恵さん、朝霧重治さん、大野丈往さん(写真提供:株式会社櫻井印刷所)
《座談会に参加してくれたゲストたち》
■株式会社櫻井印刷所 取締役社長 櫻井理恵さん/大正13年創業の歴史ある印刷所の長女として誕生。一時は川越を離れ、東京の企業で勤務したのち、家族とともに川越に戻りに家業を継ぐことを決意。現在、3人のお子さんを育てながら、櫻井印刷所の4代目社長として活躍中。また、本業である印刷業のかたわら、編集プロダクション勤務の経験を活かし、「kawagoe premium」の編集長として制作に携わる。■株式会社協同商事 コエドブルワリー代表取締役社長 朝霧重治さん/埼玉県川越市生まれ。“Beer beautiful”をコンセプトとして掲げる、日本のクラフトビール「COEDO」のファウンダー。日本の職人たちによる細やかなものづくりと『ビールを自由に選ぶ』というビール本来の豊かな味わいの魅力を「COEDO」を通じて、国内外に発信。地元川越のサツマイモから製造した「紅赤(Beniaka)」をはじめ、数々の世界的な賞も受賞し、世界中から注目を集めている。
■有限会社大野農場 大野丈往さん/川越で繁殖から飼育までを一貫生産した「100%純粋黒豚」のブランド豚を扱う大野農場の若旦那。自動車関連のセールスマンから転身、妻の実家の家業であった大野農場で一から養豚を学び、現在は農場の経営に携わるほか、自家製のハム・ソーセージなどを販売する「ミオカザロ」、自社の黒豚を使ったレストラン「小江戸黒豚鉄板懐石オオノ」の店主などを務める。
—-ここからは、『THE・川越』でお届けしていきます。
まず始めに、今回この場をアテンドしていただいた櫻井印刷所の4代目社長、櫻井理恵さんに「kawagoe premium」の誕生秘話を聞いてみたいと思います。櫻井さんは、今日のためだけにオリジナルの冊子も作ってきてくれました。ありがとうございます!
櫻井さん|私は、この地で創業93年続く印刷所の長女として川越で生まれ育ちました。今では有名になった蔵造りがある一番街通りのちょうど端のあたりに実家がありまして、小さい頃から当たり前に蔵造りの町並みで暮らしてきました。
今でこそ、この町の良さにも気づけるようになりましたが、それまではずっと川越を出たくて。ただ、実際にでてみると地元の良さも実感するようになり、家業であった印刷所を継ぐと決めて川越に戻り、今に至っています。
※この日のためだけに、櫻井さんが作成してくれたオリジナル冊子
そもそも「kawagoe premium」は、会社案内の代わりになるものを作りたかったのがきっかけでして。印刷技術やデザインへのこだわりはもちろんですが、どうせなら馴染みのある川越の暮らしや人々に密着したコンテンツだったら面白いんじゃないかということで、1年前にフリーペーパーとして発行し始めました。
改めて川越の人々を取材してみると、よく知っている近所のおじちゃんやおばちゃんが、実はすごい職人だったりとかして。近くにいても知らないことがたくさんあるんだと感じましたね。先日発行した第4号ではちょうど農業を特集しまして、川越の食の豊かさも実感しているところです。
—-そんな櫻井さんに川越の農や食に携わる人として紹介していただいたのが、朝霧さんと大野さんですよね。今回、訪問させてもらっている「香麦(シャンマイ)」は、コエドブルワリーの小さな醸造所も併設していて、様々なビールが試せるラボだと伺いました。
朝霧さん|いま飲んでいただいているビールは、奥に見えるタンクで仕込んだものです。ここでは、小ロットでの醸造ができるようになっていて、普段、流通していないここだけのビールを味わえたり、新しいビールづくりの実験を公開するような、まさにラボラトリーをコンセプトにしています。
そもそも“クラフトビール“って、皆さん聞いたことありますか?
日本ではビールというと、『とりあえず生中!』みたいな文化が浸透しているんですが、知っていくとビールはすごく豊かなものでして。クラフトビールの定義にも諸説ありますが、僕は日本のものづくりのような職人技だと思うんですよ。
どんな食文化にも通じることだと思うんですが、ビールも自然のものから作られているので、やっぱりその土地の自然とか気候とか、歴史などが深く影響しています。だけど、最近はアウトプットとして出来上がった商品ばかりが伝わってしまっていて、その裏にあるストーリーとか土地柄が見えにくくなっていますね。
だから僕は、そのビール文化の面白さや楽しみ方、ビールそのものの魅力を伝えたいと思っていて、ビール伝道士を名乗っています。
—-朝霧さんから話を聞きながら、目の前で「COEDO」が飲めるって贅沢ですね(笑)
今日は川越の食や暮らしがテーマですが、コエドブルワリーは川越の農業にも深く関係してるんですよね?
朝霧さん|そうですね。そもそもコエドブルワリーの母体である協同商事は、有機野菜を扱う産地直送の商社として始まりました。
川越の歴史を少し話すと、この辺りは武蔵野台地といって、江戸時代にはススキ野原のような痩せた大地が広がっていたそうです。その中でもカロリーが高く、育てやすいのが芋だった。今でも川越芋として残ってますよね。そうやって少しずつこの辺りに農業が根付いて、人々が里山の落ち葉から堆肥をつくり手を加えたことで土も良くなり、豊かな大地に変わっていきました。
その後、1970〜80年代に地域の特性をより進化させ、有機農業というコンセプトにフォーカスした産地直送を始めたのが協同商事の起源です。
※写真提供:株式会社櫻井印刷所
そんな風に事業を進めている中で、先代が目をつけたのが麦だったんですよ。当時は、連作障害を防ぐために色々な作物を植えていく輪作が行われていて。その一つとして麦を植えていましたが、あくまでも土作りのため。収穫せず畑に混ぜ込んでいました。
(※連作障害・・・同じ場所で同じ作物を作り続けると病気が起こりやすくなる現象のこと)
でも、もったいないじゃないですか。それで、ビールに活用できないかとなった。今でいう6次産業化です。そのままだと売れないけど、食品に加工することで、付加価値を付ける。
ただ、ビールは麦芽にしないと作れないんですが、その当時の日本では麦芽にする産業があまり進んでいなくて。そこで、麦はいったん断念し、じゃあ規格外品としてあった川越芋をアルコールの原料にしてみようかと考え、世界で初めてさつまいもを原料としたビールが生まれました。今でもそのレシピに改良を重ね、“紅赤(Beniaka)”として残っています。おかげさまで、世界のビールコンテストでも賞をいただけて。コンセプトだけでなく質としても評価をされています。
そんなわけで、コエドブルワリーは協同商事のメーカー部門であって、まさに川越の農業から生まれた事業の一つなんですよね。
—-川越の農業文化や歴史が、現代にまで続いてるんですね。6次産業化の話になりましたが、大野さんのところも生産から加工、販売までを一貫して行っていますよね。
大野さん|はい、うちは川越の谷中というエリアで養豚業をやっていて、今の社長(父)で2代目になります。
少し養豚について話すと、昔はどこの農家さんでも豚を飼っていて、余った野菜のくずや残飯を食べさせ、糞を堆肥にして循環型農業が行われていたそうです。それが昭和30年代頃から商売に変わっていって、うちも始まりは田んぼ農家だったんですが、徐々に養豚業へシフトしました。高度経済成長の時代は、売り上げも右肩上がりに伸びていったみたいですね。
でも時代もどんどん変わって、今では、日本ハムさんみたいな大手のメーカーさんが加工も生産もやっていて、大規模な農場で2〜3万という豚をオートメーション(自動装置)で飼育しているのが主流です。ボタン一つで餌が食べられる農場が、当たり前になってるんですよ。
それに対して、うちは今800〜900頭ほどの豚を飼育していて、若い男性2人がほとんど手作業で農場を見ています。それくらいの規模でも、限界のところです。
豚肉の取引価格は、だいたい100〜120kgの豚1頭あたりで、白豚が2万くらい、黒豚で4万円代です。なので、うちみたいな家族経営の養豚農家が、そのままお肉として流通に出してもそれくらいの値段にしかならない。コストを考えると、大量生産ができる大手メーカーにはどうやっても敵わないんですよ。
そういった経緯から直売も始めることになって、今では、自社で加工したハム・ソーセージを扱うお店を2つと、自社黒豚を提供するレストランを営んでいます。
そもそも豚肉ってすごく身近にあるのに、それがどのようにつくられて、消費者の元に届けられているのか、あんまり知られていなくて。何となくイメージはできても、自分が食べてる豚は誰がどこで育てているのか、知っている人は少ないと思います。だから、生産だけでなく販売などを通じて、もっと豚肉の魅力も伝えていきたいですね。
—-大野さんのところのお肉って、本当に美味しいんですよ。私もそうですが、地元の人たちが普通に買いに行くというか。豚ちゃんたちはさつまいもも食べているんですよね?(櫻井さん)
大野さん|うちは、この場所で仕事させてもらっているという気持ちが強いんですね。
豚の飼育には、どうしても音と臭いがでてしまうんです。それをある種、周囲の人たちに目をつぶってもらっている部分がありまして。なので、地元の人にとっても自慢できるものをつくらなきゃいけないし、俺の野菜が使われているんだぜって誇らしく言ってもらえるように、そう思ってやっています。
小江戸黒豚というブランドで育てているんですが、それも“自のものだよ、川越のものだよ”と分かるようにという思いがありますね。地べたで仕事しているからこそ、地元との付き合いの方や繋がりは、すごく大切にしています。
あと、農作物と同じようにお肉にも旬があるんです。冬は油を蓄えるし、夏は水分が多くなる。そういうこともちゃんと伝えたくて。生産性では大規模の農場には敵わないけど、うちはちゃんと人の手で生き物にふれているという感覚で育てています。
季節によって、暑そうなら窓を開けてあげるし、逆に寒そうなら閉めてあげる。豚だって風邪も引くし、それは人間と一緒です。そうやって全体の中ではなく、できる限り一頭一頭と向き合う気持ちで、豚に合わせた豚なりの育てかたというんですかね。それが美味しいと言ってもらえることにも繋がっているんじゃないかと思います。
—-大野さんと朝霧さんの事業の話が深すぎて聞き入ってしまいますが、今度はもう少し川越に住むという視点の話も聞いてみたいと思います。暮らしていて感じることとか、皆さん何かありますか?
櫻井さん|私は昔から川越の中心地に暮らしていますが、川越まつりも職人さんも当たり前にあったものなんです。それが最近では観光として注目されているんですが、住んでいる人からすると日常の一つと言いますか。大野さんのお肉とか朝霧さんのビールとか、観光の人が買ってくのはもちろんだけど、私とか地元の人も日常的に買ったりするんですよね。
川越って農業・工業・商業がぎゅっとまとまっている分、生活者がいる範囲と観光者がいる範囲が一緒なのかなって思います。そういう意味で、なんでもある中に、続いているもの、本物がたくさん残っているということはすごく感じます。
朝霧さん|確かに、川越は専門店がたくさんありますよね。スーパーに行かなくても揃えられるし、商売がちゃんと成り立っている。川越の中心地は、昔から商人の町だから、“お店を守る、家を守る” っていうことを大事に考える文化はやっぱりありますね。商売の根底として、自分を売ること、商品を売ること、川越を売ることが自分たちのモチベーションになっているのかな。
大野さん|そうですねえ。僕は川越生まれじゃないけど、ここで商売することで川越人になっていく感覚はありましたね。今は誇りに思って川越の大野ですって名乗っています。川越に来て10年になりましたが、川越愛が生まれているなあって感じることは多いです。
—-みんな川越を誇りに思っていて、まちが支えられているんですね。
大野さん|その分、人付き合いは濃いですよ。みんな行きつけのお店とか持っているし。しかも、親の代から付き合っているから、商売する上でもツーカーで頼めたりして。それが、ビジネスで捉えて必ずしもいいかどうかは分からないんだけど、それぞれが支え合っている感覚はあります。
特に農家は、横の付き合いが強くて。このあいだも、急に裏口にきて、カゴ2杯のキャベツとか芋とか持ってきてくれました。何なら『畑貸すから取りにこい』って電話かかってきて。ねぎを3列くらい、たぶん200本くらいもらってきたかな。うちはレストランをやっているんで、すごく助けられています。
※写真提供:株式会社櫻井印刷所
櫻井さん|それありますね!Facebookとかで若手農家が『里芋収穫者、足りない!』みたいな発信すると、いきます!いきます!みたいなコメントがどんどん入って(笑)
—-まさに、クラウドファウンディングですね。里芋が持って帰れるっていうお返しの(笑)
朝霧さん|僕は、世界で暮らすことにはずっと関心があったし、今でも世界中のいろんな街に行くことが多いんですが、川越みたいな中規模な町が生き生きしているって大事だなあと感じるようになって。
川越は歴史と文化が残っているから、それが住んでいても楽しいに繋がっていると思います。そういうものが色濃く残っている場所ってだんだん減っているし、その分、つながりは本当に濃いんだけど。なんていうか、人間的な心のつながりが色んな面で影響していますね。
※写真は、ツアー前に伺った下見時のもの
櫻井さん|まあずっといると、一瞬いやになることもありますが…(笑)私はずっと東京に憧れていたし、東京にいけば何でもあると思って出たんですけど、意外となかったというか。川越が恵まれているんでしょうね。
同級生とかもみんな出ていっても戻ってきている人が多くて。なんとなくずっといるような、居続けられるまちっていう感覚はあるかもしれないです。あと、川越ってなぜかお婿さんが多くて。うちもそうですけど、朝霧さんも大野さんもそうだし、みんな川越の家業を継がれていて…。そういうのも関係しているのかもしれません。
—-確かに、人付き合いが濃いっていうのは皆さんを見ていても感じますね。その分、ヨソ者からすると閉鎖的に思われることもありそうですが…。
朝霧さん|関わり方って、自分次第だと思うんです。川越祭りだって、見るだけじゃなく参加することも出来るし。土地のものを買うのもよし、野菜の収穫を手伝うもよし。機会はいくらでもあると思うんです。
観光で来てくれるのもいいけど、川越に引っ越してきませんかって言いたいですよね。生活する人にとって楽しめるものがたくさんありますし、もっと知ってほしいなって。
大野さん|川越も市街地は飲み屋とかチェーン店も多いし、都市としては集中しているんですけど、10分も車を走らせると田園風景が広がっていて。子供を育てる上でも最高だなって思いますね。農家じゃなくても畑は身近にあるので、子供の遊び場にもなっているし。子どもが夜遅くまで外で遊んでいると、怒ってくれる近所の人もいます。
※写真提供:株式会社櫻井印刷所
朝霧さん|あと、神社とかお寺の距離感が身近っていうのもありますね。精神的な距離の近さというか。神社とかお寺が象徴的なものでなく、日常的なものとしてあって。最近では若い農家たちが、お寺でファーマーズマーケットをやろうって言っていたり。開かれた場所として存在している気がします。
—-昔から続いている場所に若い人たちも入ってきているのって、いいですね。
大野さん|農家も担い手がいないってよく叫ばれていますが、この辺は結構、若手農家がいてくれるのは大きいですね。うちも、いま現場で頑張ってくれているのは、26歳と19歳の若い男の子で。無経験でも門を叩いてきてくれたのは、本当に嬉しいですよね。
生き物を扱っているので大変なことも多いですが、規模が小さい分、0から10まで全部に携わる仕事なので、やりがいはあると思います。あと農場のすぐ近くにお店を出しているので、自分が育てた豚が目の前で消費されて、しかも買っていくお客さんの声がリアルに聞けて。地べたで仕事ができているからこそ、従業員も家族のようにやっていけるのかなと感じています。
朝霧さん|コエドビールの酵母も、大野さんの豚に食べさせてもらっています。そうやって自然な連携ができるのって、ものづくりに対する温度感が近いというか。やっていることが違っても、一緒にできると思える人が多いんですよね。
櫻井さん|私は印刷屋なので農業のこととかあまり知らなかったんですが、取材させてくださいって言うと、お二人もそうですが、色んなことを教えてくれて。川越のまちの見方もすごく変わったんです。
でも、まちに住んでいる人たちって意外と川越のこと知らないんですよね。だから、 “kawgoe premium”を通してもっと知ってほしいし、長く地元の人の本棚に置いてもらえたらいいなって。表紙には、”小江戸にくるひと、住まうひと。”って書いてあるんですが、その住まう人にとっての記録として残していきたいって思っていますね。
当たり前だと思っていることが、実は当たり前じゃないんだってことをちゃんと伝えていきたいですね。そうすると、まちの歴史や文化も続いていく気がしています。
座談会が終わると日が暮れ始めていたが、最後に少しだけ大野さんの農場も見学させてもらった。
実際の養豚の現場を見たのは初めてという参加者も多く、川越のまちだけでなく、さらに深く自然や動物、その土地と関わる大切さも学ばせてもらった気がする。
埼玉の”まちぐらし”をのぞいて・・・
北本にも川越にも共通しているのは、まちに住む人たちが、まちの面白さを知っているということだ。これは田舎でも都会でも関係なく、魅力的なまちになるために必要な要素なのではないかと思う。
それは、ヒトでもモノでも場所でもよくて、何かひとつでも“私のまちのここが面白い、これは楽しい”と言えるコトを見つけるのが、大切なのではないだろうか。
もちろん、今回訪れたのはまちのほんの一面には過ぎないが、楽しそうに暮らしている人たちに出会えることで、まちの見え方は180度にも変わった。そして、またこの町に来たいと思えた。
埼玉って、思っているよりもずっと広い。まだまだ知らないこともたくさんあるし、それを知りたいとも思う。なにより、埼玉に住む人たちが『やっぱり埼玉って楽しい!』と思えたら、もっともっと埼玉は広がっていくのだろう。
まちの良さは作るものではなく、見つけるものなのかもしれない。そんな風に感じた。
(文・写真:須井直子 写真協力:株式会社櫻井印刷所)
ー 埼玉をめぐる旅。レポート 記事一覧 ー
▼埼玉で農ある暮らしを叶える人々を訪ねる。
【前編】http://www.turns.jp/5594
【後編】http://www.turns.jp/5804
▼埼玉を楽しみ、盛り上げる人々を訪ねる。
【番外編・北本】http://www.turns.jp/7108
【番外編・川越】http://www.turns.jp/7311