紀伊半島地域暮らし体験ツアー
「テレワーク体験ツアー」開催レポート

2022年12月12日(月)~15日(木)の4日間にわたり、テレワーク体験をする紀伊半島でのツアーが3泊4日で開催され、関東地方、関西地方、九州地方など全国各地から参加された6の方々と巡りました。
3回目となる紀伊半島地域暮らし体験ツアー、和歌山県那智勝浦町からはじまり三重県尾鷲市、奈良県東吉野村を巡りながら、各地域のコワーキングスペースを使ってテレワークを行うとともに、各地域ならではの町並み、サテライトオフィスやモデルハウスを見学し、紀伊半島での「仕事と暮らし」のイメージが膨らむ4日間となりました。

そのレポートをご紹介します!

 

1日目:和歌山県 那智勝浦町 

旅の始まりである集合場所は、南紀白浜空港および紀伊勝浦駅。駅に着くと、まずは徒歩約4分のところにある「にぎわい市場」へ。中へ入ると、美味しそうな海鮮丼やお寿司屋さんなどが並び、海を見ながら昼食をいただきました。 

那智勝浦町は、和歌山県の南端近くに位置し、人口14,000人ほどの町です。東は海に面しており、那智の滝や熊野古道も近くにあるため一年を通して多くの観光客が訪れます。黒潮の影響で温暖な気候なので、町内には天然の良港もいくつか存在しています。

今回、那智勝浦町を案内してくれるのは、後呂孝哉さん。和歌山県新宮市出身の後呂さんは、大学・就職で約10年間関東で過ごした後、「地元、熊野の魅力を世界へ広めたい」という想いからUターンし、2019年に熊野エリア観光の拠点となる那智勝浦町にホステル・カフェバー「WhyKumano(ワイクマノ)」を開業。現在は NHK和歌山のリポーターとしても活動されています。


\テレワーク体験/
コワーキングスペース:『WhyKumano』・『マグロビルヂング』 

紀伊勝浦駅から徒歩15秒のところにある「WhyKumano」。
ここは、今回、那智勝浦町を案内してくれた後呂孝哉さんによって空き家を利活用してオープンしました。その名の通り「なぜ熊野?」という意味で名付けられ、熊野の日常をつなぐHostel & Cafe Barです。日本の方々だけでなく、海外の方も宿泊に来られることが多いそうで、多言語も飛び交います。

2Fはおもにコーヒーなど飲食しながらテレワークが行えるカフェバーになっており、3Fへあがると12名が泊まれるドミトリー(相部屋)となっていました。
「WhyKumano」と同時に2022年8月に別館としてオープンした「マグロビルヂング」でもテレワーク体験を行い、昼食後にはオーナーの後呂さんが淹れたコーヒーを片手に各々充実したテレワーク時間を過ごしました。 

熊野古道をイメージし地元の木材を使ったオリジナルの二段ベッドは、旅の疲れをとっていただくため、通常より広いスペースを確保しているそう。また、那智勝浦町はまわりを熊野の山々と太平洋に囲まれた自然豊かな場所で、温泉とまぐろの町としても知られています。そのため、シャワールームが完備されていますが、なかには温泉をはしごし日中の疲れを癒す方も・・・ 

【WhyKumano】
住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地5丁目1−3 2F
アクセス:JR紀伊勝浦駅から徒歩で約15秒
Tel:0735-30-0921
HP:https://www.whykumano.com/ 

また、まぐろ延縄漁法による生まぐろの水揚げ量、日本一である那智勝浦町。
生マグロの無人販売所もありました!生マグロだけではなくマグロのフライやタタキも売っていて、価格も200~300円ほどで購入ができるため、マグロを購入し、ピクニックしたりお仕事をする方が多いのだそう。(通称:マグピク) 

さらに、後呂さんは「町全体をホテルに見立てて、町を回遊してもらう」仕組みづくりを行っています。町には、温泉やお洒落なカフェ、レストランなどの飲食店も充実しています。仕事の休憩がてらカフェを巡り、温泉に入ってからホテルに帰る、これこそ、充実したテレワークを行えそうですね!

移住者の方々もマグロを食べながら仕事をすることが日常、と話していました。 

\移住者交流会/
交流会:『Wine Kumano』 

夜は「Wine Kumano」へ移動し、先輩移住者の方々と交流をしました。
「Wine Kumano」は、那智勝浦駅から徒歩2分のところにあるオシャレで洗練されたカフェバーで、こちらも「WhyKumano」のオーナーである後呂さんがオープンしました。

料理に合わせた自然派ワインやクラフトビール、 高品質で特徴的な豆から抽出されるコーヒーやエスプレッソがいただけるお店で、牛骨ベースのグレイビーソースとチーズを贅沢にかけたカナディアンポテトフライやコロッケなどを美味しくいただきました!
おしゃれで見た目から楽しめ、移住者の方々と話しながら食べる料理は特に絶品でした。熊野ドーナツは味が数種類あって、土日限定販売だそうです。(中は驚くほど、もっちもちでした!) 

▲どの料理から食べようか迷ってしまうほど、どの料理もおしゃれで絶品!

▲「Wine Kumano」での交流会の様子

▲那智勝浦町にUターンされた丸山由起さん(写真:左)那智勝浦町と神戸市の二拠点居住をしている堀千寿子さん(写真:中央)

【Wine Kumano】
住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地4丁目1-1
アクセス:JR紀伊勝浦駅から徒歩で約1分
Tel:0735-29-6024
Instagram:https://www.instagram.com/wine_kumano/ 

 

2日目:和歌山県 那智勝浦町→三重県 尾鷲市

2日目の朝は、後呂さんに案内してもらい、地域の人に愛される喫茶店へ向かいます。

「WhyKumano」から5分ほど歩くと、モーニングをいただく「喫茶ユータウン」に到着。お店の看板からレトロな雰囲気が漂っています。ここではお店の人気メニューであるホットケーキをいただきました。1人では食べきれないほどの大きなホットケーキに皆大喜び。喫茶店を営まれているご夫婦もとても気さくな方で、地域の人たちに愛される理由がよくわかります。また、この喫茶店の中庭には小鳥が飼われており、飛び回る小鳥に癒されながら食事を楽しみました。

▲お皿と同じくらいのサイズのホットケーキを小鳥を眺めながら、モーニング。

 

\現地コーディネーター/

後呂孝哉さん|合同会社WhyKumano 代表

 

\和歌山県の移住に関する窓口はコチラ/

和歌山県 企画部地域振興局 移住定住推進課

〒640-8585和歌山県和歌山市小松原通1-1

TEL:073-441-2930

FAX:073-441-2939

MAIL:e0222001@pref.wakayama.lg.jp

HP:https://www.wakayamagurashi.jp/

 

おなかも満たされ、「WhyKumano」へ戻りテレワークをした後、バスに揺られること約2時間。たどり着いたのは、三重県尾鷲市。 

尾鷲市は、三重県の南部に位置し、江戸時代から「尾鷲ヒノキ」など林業が盛んな町として栄え、日本三大人口美林の一つである「尾鷲ヒノキ」は、2016年に開催された先進国首脳会議(G7)で、首脳会談で使用された円卓の素材にも使用されているそうです。

また、太平洋沖合に流れる黒潮により年間を通して暖かく湿った空気が流れ込むことで、全国的に降水量が多いことでも有名です。一度に多くの雨が降るため、尾鷲に雨のイメージを持たれる方もいますが、一度に多くの雨が降る分、晴れの日も多く、晴れた日は海と山々に囲まれた地形のため爽やかな気候が続きます。私たちが訪れた日は2日間ともに晴天で、日中は上着が不要なくらい過ごしやすく温かい気候でした。

\テレワーク体験/
コワーキングスペース:『シェアスペース土井見世』

この日テレワークをする場は、元々、土井家の方が住まれていた築91年の歴史をもつお屋敷であり、尾鷲市の登録有形文化財にも登録されています。現在は、尾鷲市有数の山林経営家であった見世土井家の暮らしぶりを後世へ継承していくとともに、関係人口づくりの拠点として再生すべく、「見世土井家」と「NPO法人おわせ暮らしサポートセンター」の協働により会員制のシェアオフィス&コワーキングスペースとして利活用されています。
※「NPO法人おわせ暮らしサポートセンター」では、尾鷲市における定住および移住の支援を必要とする人々に対して、空き家や仕事に関する情報提供やサポートを通じ、地域の資源や固有の魅力を活用した定住移住の支援に関する促進事業を行い、尾鷲市の定住人口の増加と、健全かつ発展的な生活の実現に寄与するころを目的とした活動を行っています。

案内してくれるのは、NPO法人おわせ暮らしサポートセンターの豊田宙也さんと木島恵子さん。
豊田さんは、2014年に地域おこし協力隊として東京から尾鷲市九鬼町へ移住。任期終了後は同町で移住者の友人と開業した書店「トンガ坂文庫」を運営するほか、NPO法人おわせ暮らしサポートセンターの副理事長としても活動されています。また、木島さんも2015年より尾鷲市地域おこし協力隊として東京から尾鷲市九鬼町に移住し、在任中にNPO法人おわせ暮らしサポートセンターを設立。現在は、「シェアスペース土井見世」の運営などを主としてNPO法人おわせ暮らしサポートセンターの理事長や尾鷲市への移住推進や関係人口創出のための活動に取り組んでいます。

▲「シェアスペース土井見世」の玄関(写真:左)とお庭(写真:右)

中へ入ると、歴史が感じられる大広間や和室が並びます

当時、見世土井家の住宅は東京都御茶ノ水にも存在したそうで、土井家の住人は東京で大学の教授、尾鷲では別の仕事や林業を行ったりと、今で言う二拠点居住のような生活を送っていたそうです。

▲外の景色を眺めながら仕事ができるスペース

▲室内を案内してくれているNPO法人おわせ暮らしサポートセンターの豊田宙也さん(写真:右)

2階へ上がると、普段は開放していないそうですが、当時土井治氏が使用していたお部屋を案内していただきました。扉を開けると書斎やヴィンテージ家具、戦後のライフマガジンなどが並び、ほかのお部屋とは雰囲気が異なる素敵なお部屋でした。参加者の方々も皆さん口をそろえて「すごい…」と何度もつぶやいていました。
当時のゼネコン会社の家具部によって作られた椅子など貴重な品もあり、趣深く、どこか懐かしい匂いもしました。

土井治氏当時使っていた部屋

このお屋敷には家主と家に出入りする山師の方々で棲み分けができるよう、玄関が3つあります。当時の山師の方々は家主の方が出入りする玄関ではなく、帳場に繋がる玄関から入って、お給料をもらっていたそうです。林業が盛んな地域で山林経営家として活動されていた土井家ならではの造りになっています。

大きいお屋敷なので、仕事ができるお部屋が複数あり、皆さん自分のお気に入りの場所を見つけて、仕事をしていました。

▲「広いお庭を眺めながら仕事をすると、リフレッシュできて仕事に対する姿勢が変わります」と話す参加者の方もいました。

\移住者交流会/
交流会:『シェアスペース土井見世』 

 夜は、「シェアスペース土井見世」の中庭でBBQ。尾鷲市に移住し、カフェを経営している方や地域おこし協力隊として活動した後、フリーランスデザイナーとして活躍している方といった、尾鷲市でさまざまな分野で活躍している方々と交流会を行いました。移住者の方に普段の仕事内容やリモートワークでの仕事の進め方、何故尾鷲への移住を決めたのか、移住の経緯や移住後の暮らしについてなどのお話を聞き、尾鷲市に移住をして仕事をしながら暮らすイメージを深める交流会となりました。

古くから天然の良港として栄え、ブリやマダイをはじめとする豊かな海の幸が採れる漁業の町、尾鷲。豊田さんは、普段BBQで食べるものを中心に食材を選んだから豪勢ではないけど、とおっしゃっていましたが、ガスエビやマンボウ、ブリなどの海鮮からお肉など贅沢なお食事が並んでいました。どれも新鮮でおいしかったですが、特に、「エビって普段焼くとプリプリ感なくなってしまうけど、焼いてもこんなにぷりっぷりなんて!おいしい!」と参加者の方も話していて、この地でしか食べられない味に感動しました。

▲交流会は「シェアスペース土井見世」のお庭でBBQ

▲尾鷲で獲れた新鮮なお魚

【シェアスペース土井見世】
住所: 三重県尾鷲市朝日町14-2
アクセス:JR尾鷲駅から徒歩で約11分
Tel:0597-49-0011
HP:https://www.doimise.com/

 

3日目:三重県 尾鷲市九鬼町→奈良県 東吉野村

\テレワーク体験/
コワーキングスペース:網干場 

翌朝は、尾鷲市九鬼町にある「網干場」へ。ここは、2015年に「町内に人々が集まることのできる場所を新たにつくりたい」という思いから、豊田さんと町民有志の方で、まちづくり拠点として、九鬼町唯一の食堂を開業。現在は喫茶店とコワーキングスペースとして、ワーケーションの拠点施設としても活用を目指しています。店名になっている「網干場(あばば)」は、町内の磯にある広場のことで、魚を呼び込む定置網のように、多くの人に来てほしいという願いを込めて命名されたそうです。大きな窓の前には海と山が一面に広がり、九鬼町の大自然を眺めながらテレワークを行うことができます。

【網干場】
住所:三重県尾鷲市九鬼町204-9
アクセス:JR九鬼駅から徒歩で約13分
Tel:080-1329-4483
HP:https:ja-jp.facebook.com/kuki204.ababa/

テレワークの合間には、九鬼町散策へ。9:00過ぎに漁港へ向かうと、ちょうど定置網で仕掛けた魚が水揚げされている場面に立ち会えました。これから競りが始まるのだそう。

一本路地へ入ると、移住体験ができる住居が見えてきました。ここは最短1か月、最長で3か月の滞在ができる住居「みやか」で、九鬼の漁港ほど近くにある、築100年以上の古民家を改修して作られた施設です。かつてこの建物では、村の生活に欠かせない雑貨を販売していたと言います。

「みやか」には、滞在スペースとなる母屋に加え、離れと庭があり、庭には手造りのピザ窯や魚をさばくのに便利なシンクもあるため外で料理を楽しむこともできます。室内に入ると、広々とした空間と以前住まれていた方が使用していた状態のきれいなヴィンテージ家具などがありました。

利用される方は、平日は都市部で仕事をして休日に尾鷲で暮らすという2拠点生活をしている方が多いのだそう。このあたりの住居は地元の大学生などと一緒に当時の状態を残しつつリフォームしており、滞在中は空き家バンクで空き家を見に行ってみたり、のんびり過ごしたりと、海や山々の心地よい空気感が相まって、ゆったりした時間を過ごせそうですね! 

▲移住体験施設「みやか」の外観

▲移住体験施設「みやか」の室内

移住体験施設「みやか」】
住所: 三重県尾鷲市九鬼町79-2
アクセス:JR九鬼駅から徒歩で約17分
HP:https://owasegurashi.xsrv.jp/miyaka/

当時の職人さんはどのように家を建てたのだろうと不思議に思うくらい、路地や家々が密集しています。密集した集落を抜け、丘を登ると町全体が見下ろせます。 

▲どこを切り取っても映画のワンシーンのような風景が続いていました。 

九鬼町は紀伊半島の東にあたる三重県の南部に位置し、熊野灘に面した風光明媚な紀州路の尾鷲市内にあります。リアス海岸の地形にある集落で昔から九鬼水軍発祥の地として知られています。また、日本有数の多雨地帯で冬は黒潮の影響で比較的温暖。現在は、370人ほどの町民が住んでいます。 

▲菅原道真を祀る九鬼神社。 

リアス式の静かな港湾がすぐ近くにありますが、驚くほど静か。まちを案内してくれていた木島さんも、住み始めた当初は「こんなに海が近いのに波の音がしないため、本当に海?と思ってしまうくらい静かでびっくりしました」と話されていました。

お昼はOWASE MARCHE」へ。2021年にオープンし「ヒトとヒト・ヒトとモノ」を繋ぐ新たな場所作り、魅力発信の場として尾鷲のシンボルとなっています。元は、尾鷲商工会議所青年部が三重県立熊野古道センターを会場に年一回開催していたイベントでしたが、年々来場者の数が増えたこともあり、その後、毎日開催が可能になるよう常設会場としてオープンしました。大きな倉庫のなかには、手作りのアクセサリー雑貨や尾鷲ヒノキをつかった生活雑貨、子供服ショップ等、複数のお店が並びます。 尾鷲のあたたかさを感じながら、シェフのこだわりが詰まったお昼ご飯をいただきました。

 

\現地コーディネーター/
豊田宙也さん|NPO法人おわせ暮らしサポートセンター 副理事長、元地域おこし協力隊

 

\三重県尾鷲市の移住に関する窓口はコチラ/

おわせ暮らしサポートセンター

TEL:0597-37-4010

MAIL:owasegurashi@gmail.com

HP:https://owasegurashi.xsrv.jp/

尾鷲市政策調整課 地域創生

TEL:0597-23-8116

MAIL:hito@city.owase.lg.jp

 

三重県尾鷲市を背に奈良県東吉野村へ移動してきました。

東吉野村は、三重県との県境に位置する山々に囲まれた自然あふれる村です。村長が移住施策としてクリエイターの方々に来てもらい村を盛り上げていこうという”クリエイティブビレッジ構想”を打ち出して以降、「オフィスキャンプ東吉野」をはじめとし、木工、漫画、陶芸、染織、ビール醸造など、自分らしい暮らし方を実践されている方々が多く移住されています。

そして、現地を案内してくださるのは、大谷彩貴さん。大谷さんは、東日本大震災があったことがひとつのきっかけとなり、東京から東吉野村へ2014年に移住し、地域おこし協力隊として活動。現在は、移住を検討されている方の相談窓口、移住アドバザーから小水力発電所の業務を行うなどマルチに活動されています。

▲元地域おこし協力隊の大谷彩貴さん

まずはじめに、東吉野村起業家支援施設チャレンジショップ「KAMEYA」へ。ここは東吉野村で飲食店開業の一歩を踏み出してもらうことを目的とした施設で、水道光熱費込みで月1万円で利用可能です。(案内をしてくれている大谷さんが、現在は喫茶とBARの営業をされています。)

また、東吉野村にあるテレワークが可能なサテライトオフィス、モデルハウスにも足を運びました。昨年末に完成したサテライトオフィス「サテライトオフィス小川」には、オフィスキャンプの坂本大祐さんや東吉野村の作家さんがデザイン・制作した吉野杉のテーブルが並び、複数の企業が使用可能な共同スペースもありました。最長3年サテライトオフィスとして使用可能で、元々は農協の支所だったため金庫の面影も残っていました。

次に訪れた東吉野村移住定住モデルハウス「小栗栖A棟」は、移住体験だと最長1週間、テレワークだと最長3カ月間利用可能で、1Fにはきれいにリフォームされたダイニングキッチンが並び、2Fに上がると和室や寝室などゆっくりできるスペースが広がっていました。最近だとオーストラリアからご家族で3カ月間体験しに来られた方がいるそうです。

▲昨年度に完成した「サテライトオフィス小川」

▲移住体験およびテレワークが可能な東吉野村移住定住モデルハウス「小栗栖A棟」

マイクロバスに乗り訪れた先は、地域おこし協力隊をしながら築100年ほどの住居をリノベーションし、2前にご夫婦で開業したクラフトビール工房「グットウルフ麦酒」。山の水と山の恵みを活かし、こだわり抜いた麦酒がたくさんありました! 

▲クラフトビール工房を開業された石井さんご夫婦。 

\移住者交流会/
交流会:Rebe東吉野 

「Rebe東吉野」は、築100年を超える古民家を「かまど」で交わる拠点へリノベーションし、多様な地域課題を解決するコミュニティースペースです。元々は、株式会社Rebe代表取締役の狩野良太さんの母方の祖父母の家でしたが長期間空き家となっていたそうです。そこで狩野さんは、「ここを使って自分のルーツでもある東吉野村を何とか活性化できないか」と考え再生を決意されました。

2022年にオープンしたこの場所には、地域住民がそれぞれ多様な交わりができるように畑やコワーキングスペース、掘りごたつ、縁側、焚き火や映画観賞のできる中庭などが存在します。また、山の雄大な景色の見える個室も2部屋あり、団体での宿泊も可能です。

▲「地域の高齢者の方のために、人が集まって地域の課題を解決していくような場にしたい 」と話す株式会社Rebe東吉野代表取締役の狩野良太さん 

夜の交流会では、東吉野村へ移住された方々が来てくださり、にぎやかな交流会となりました。

交流会の食事は、東吉野村へ移住し「東吉野こども食堂/つくばねっこ村」を開いている小嶋さんが、奈良県のお野菜を使い、鹿肉のカツやコンフィ、長ネギと秋じゃがの和風キッシュなど豊富なお料理を用意してくださいました。また、元地域おこし協力隊で、現在は東吉野村でお茶農家をされている服部さんがつくっている紅茶が練りこまれた手摘み紅茶のカヌレもありました! どれもとても美味しく、東吉野の魅力を堪能できました。

▲小嶋さんが作ったお料理/服部農園のお茶(写真:右下) 

3日目は、交流会が終わると、そのままこちらに泊まり旅の疲れを癒しました。 

▲株式会社Rebe代表取締役の狩野良太さん(左)と取締役の中西信雄さん(右) 

【Rebe東吉野】
住所:奈良県吉野郡東吉野村木津川66番地
アクセス:[電車・バス]近鉄榛原駅より奈良交通バスで「東吉野村役場」へ。そこからは東吉野村コミュニティバスに乗り換えて「上出橋」までお越しください。詳しくは下記HPをご確認下さい。

[車]大阪市内から約83km(約1時間40分)

Tel:050-3696-2470
HP:https://rebe-higashiyoshino.com/ 

 

4日目:奈良県 東吉野村

朝は東吉野村を散策。澄みきった空気が気持ちいい!
東吉野村は、奈良県の中東部に位置する面積の96%が森林という緑と水に囲まれた山間の村で、元々林業が盛んな地域で、節目がなく年輪の細かい良質な吉野杉がとれたそうです。 

「ニホンオオカミ最後の捕獲地」としても知られている東吉野村は、夏は清流での川遊びやキャンプ、冬は高見山の霧氷や温泉など、多くの観光客が訪れ、6月ごろにはホタルも見えるといいます。

周辺散策後は、ご夫婦で奥様の祖母の家をDIYされている林さんご夫婦のもとへ。テレワークや宿泊も可能な飲食店をつくろうと計画されていて、改装中のお宅を見学させていただきました。なんと改装をすすめているなかで、屋根裏から大きいタンスもでてきたそうです。(昔は、大事なものを屋根裏に入れる習慣があったそう。)

▲来年の夏ごろを目安に、車で通いながら改装をすすめている林さんご夫婦。 

 次に、工房およびカフェ「little oven」を営んでいる中峰さんのもとを訪れました。当初、中峰さんが友人に「どこか家具を作ることができる場所はないか」と相談したところ、東吉野村を紹介してもらったことが始まりだったそうで、そこから3年~4年ほどの間、兵庫県から土日に家具を作りに来る生活をしていたそうです。その後、移住を決意してご夫婦で東吉野村へ移住されてきました。近くにあるモデルハウスを利用された方が、気分転換にこちらのカフェを利用することも多いそうです。

▲工房のお隣は、奥様が運営しているカフェ「Little oven」 

その後は、図書館、パブリックスペース、研究センターなどを内包する「Lucha libro」を訪れました。ここは、歴史や文学、思想、サブカルチャーなどラインナップさまざまな本が置かれている図書館で、小さな橋を越えた川の向かいにあります。自宅の一部を開放して営まれており、月10日ほど開館し自由に本が閲覧できるようにされているそうです。

▲看板猫もお出迎えしてくれます♪

コタツでみんなでぬくぬくしながら、読書をして過ごしました。 

お昼は「レストランあしびき」で定食ランチをいただきました。
店内は、落ち着いた少しレトロな雰囲気で、ハンバーグやエビフライ、白身魚、からあげまで入って、さらにコーンスープまでついてくる大満足のランチでお腹も満たされました。こちらのお店は、定食だけでなく予約をすればフランス料理のコースもいただけるそうです!

▲レストランあしびきの定食ランチ

\テレワーク体験/
コワーキングスペース:オフィスキャンプ東吉野 

午後は、コワーキングスペース「オフィスキャンプ東吉野」でテレワークを行いました。「遊ぶように働く」をコンセプトに、当時の所有者の方が取り壊そうとしていた民家を買い取り、8年前に築70年の民家をリノベーションし設立したコワーキングスペースです。

2F建てで、1Fには打合せ室や4.5帖ほどの和室、クリエイターが生み出したプロダクトなどを展示できるスペース、コーヒースタンド等があり、2Fに上がると和室が3室広がっていました。合同会社オフィスキャンプ代表自らが空間デザインを行い、素敵な空間が広がっていました。

また、地域の人たちだけでなく、県外からわざわざ足を運ぶ人も大勢いるそうです。東吉野村に移住された方のなかには移住前に「オフィスキャンプ東吉野」を訪れ、東吉野村へ移住するきっかけとなるなど移住・定住の一助にもなっています。

▲「オフィスキャンプ東吉野」外観

▲2Fの和室で、外の景色を眺めながらテレワーク。 

【オフィスキャンプ東吉野】
住所:奈良県吉野郡東吉野村小川610-2
アクセス:[電車・バス]近鉄榛原駅より奈良交通バスで「東吉野村役場」へ。東吉野村コミュニティバスに乗り換えて「菟田野」までお越しください。詳しくは下記HPをご確認下さい。

[車]大阪市内から約80㎞(約1時間30分)

Tel:0746-48-9005

HP:http://officecamp.jp/index.html 

 

\現地コーディネーター/

大谷 彩貴さん|東吉野村移住アドバイザー

 

\奈良県奥大和地域の移住に関する窓口はコチラ/

奈良県 奥大和移住定住交流センター engawa

〒634-0003 奈良県橿原市常盤町605-5 橿原総合庁舎別館

TEL:0744-48-3019

MAIL:okuyamato-iju@office.pref.nara.lg.jp

奥大和移住定住交流センター「engawa」

 

4日間のテレワーク体験ツアーを終え、疲労もありましたが、その地ならではの空気感や文化に触れられる旅となりました。

テレワークもしつつ、その地で活躍されているクリエイターの方や移住して立ち上げたお店に立ち寄り、実際に生活をされている現地の方のお話や、移住者の方の今に至るまでの苦労、移住してよかった話など貴重なお話を伺うことができました。さらに、サテライトオフィスやモデルハウスを見学したことで、そこで実際に暮らしながら働くことに対する想像もツアーに参加する前より何倍もできたのではないでしょうか?

また、今の仕事を続けながら移住することに対して、さらに前向きになれたという声も多くいただき、各地域の歴史や取り組み、働き方、暮らし方が体験できた有意義な4日間となりました。
普段と変わらない仕事をしていても普段と異なる場所で行うと、また違った新鮮な心持ちで仕事が行えていいですね!

 

写真:ウラタタカヒデ

 

\参加者の声/

 

・最初は4日間も長いと思っていましたが、振り返るとあっという間でした。将来的には、どこかへ移住したいと元々思っていましたが、地域の方から直接、良いと思うことなどを話してくれたことで、さらに思いが強まるきっかけにもなりました。これまで様々なツアーにも参加しましたが、このメンバーで回れたことが楽しく、タメにもなりました。

・3つの属性の異なる地域をめぐることは、楽しかったです。テレワークと観光の時間でバランスよく地域の特色を感じることができる良い経験でした。また、実際に移住された単身の方、ご夫婦等と意見交換ができてよかったです。 

・平日4日間テレワークツアーということで当初ハードルの高さがありましたが、地域の方々もPCを開いてリモートワークを受け入れてくれている空気を感じることが出来ました。  

・今までオンラインツアーなど参加してきましたが、やはり現地のほうが印象に残るのではないかと思い参加しました。テレワークとなると普段集中しすぎて無口になってしまいますが、夕食時等、実際に移住された方々と交流ができ良い経験でした。 

                   

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